ソーシャルワーカーとはどのような仕事？

ソーシャルワーカーとは、何らかの理由で生活を送るのに困難な方や生活に悩みを抱えている方のために、必要な支援や援助など生活のサポートを行う専門職の総称です。

例えば病気やケガ、障害などで社会生活に支障が出ている方や、経済的に困窮している方などを対象に話を聞いて必要なサポートを行います。

ソーシャルワーカーは、医療や福祉、教育など幅広い業界で活躍できる仕事です。

ソーシャルワーカーの基本的な役割

ソーシャルワーカーの基本的な役割は、支援や援助が必要な方に寄り添い、話を聞くことです。

悩みを聞き出し、どのような援助や支援が必要か考えます。必要に応じて各関連機関と連携を取り、適切なサービスにつなげるのが仕事です。

ソーシャルアーカーを必要としている分野は広く、働く場所によって対応する人々も変わるため、具体的な仕事内容は異なります。

相談者個人だけでなく、その家族へのサポートを行ったり、協力を仰いだりする場合もあります。

ソーシャルワーカーに求められるスキルや資質

ソーシャルワーカーは、対象者やその家族、関連機関など多くの方々と話すことが必要です。

対象者やその家族から話を聞き出すためには、高いコミュニケーション能力が求められます。

相手の話をじっくり注意深く聞く傾聴力や、人に寄り添い、相手の気持ちに共感する共感力が必要です。傾聴力や共感力は、相談者との信頼関係を築くために欠かせないスキルでしょう。

さらに、対象者が抱える問題の解決のためには、必要な関連機関との話し合いやさまざまな調整が必要になります。そのためには、調整力や交渉力なども必要なスキルです。

また、複数の相談を同時に対応することがほとんどです。各相談内容を理解し、適切な支援を進められるように綿密なスケジュール管理が求められるでしょう。

ソーシャルワーカーの主な種類と役割

ソーシャルワーカーは、医療や福祉、教育などのさまざまな分野で活躍できる職種です。働く場所や役割によって名称が異なります。

ソーシャルワーカーの主な種類は、以下の5つです。

• 医療ソーシャルワーカー（MSW）
• 精神科ソーシャルワーカー（PSW）
• スクールソーシャルワーカー（SSW）
• コミュニティソーシャルワーカー（CSW）
• ケースワーカー（CW）

上記の種類ごとに、それぞれの担当領域や支援対象、業務の違いをわかりやすく解説します。

医療ソーシャルワーカー（MSW）

医療ソーシャルワーカー（Medical Social Worker）は、主に医療機関で働きます。患者さんやその家族の困り事や悩みの相談に乗り、必要なサポートを行います。

医療ソーシャルワーカーの業務について、厚生労働省が示した指針は以下の6つです。

• 療養中の心理的・社会的問題の解決、調整援助
• 退院援助
• 社会復帰援助
• 受診・受療援助
• 経済的問題の解決、調整援助
• 地域活動

医師や看護師と連携して、治療中から入院時や退院後の生活支援まで、幅広い対応が求められます。

精神科ソーシャルワーカー（PSW）

精神科ソーシャルワーカー（Phychiatric Social Worker）は、精神科の病院や社会福祉施設などで活躍しています。

精神的・心理的に問題を抱えている方を対象に、相談を受け必要な支援を行います。具体的には、社会復帰のための生活支援や就労・就学支援、家族への支援などです。

必要に応じて、医師や関連施設などと連携しながら、社会復帰をサポートする役割を担っています。

専門的な知識が求められるため、精神保健福祉士という国家資格が必要です。

スクールソーシャルワーカー（SSW）

スクールソーシャルワーカー（School Social Worker）は、保育所や学校、児童養護施設などの教育現場で働きます。

いじめや不登校、虐待など、学校や家庭の事情で援助を必要としている児童や生徒のために生活環境のサポートを行うのが仕事です。

家族や学校などと連携を取りながら、具体的な支援を行います。必要に応じて、教員への指導や研修を実施する場合もあります。

コミュニティソーシャルワーカー（CSW）

コミュニティソーシャルワーカー（Community Social Worker）は、社会福祉施設や社会福祉協議会、地域包括支援センターなどで地域住民への支援を行います。

支援を必要としている地域住民を、適切な福祉や医療、教育につなげるのが役割です。地域住民が、生活するうえでの悩みや問題の解決を図ります。

また生活環境や地域のネットワークを改善するために、自治体や地域のコミュニティなどの関係機関と一緒になって支援に取り組みます。

ケースワーカー（CW）

ケースワーカー（Case Worker）は、役所や福祉事務所児童相談所などの公的機関で公務員として働きます。

身体面や精神面、社会面などが理由で生活に問題を抱えている方の相談を受け、必要な支援につなげる相談支援業務が仕事です。

相談者は、家庭の問題を抱えている方や生活支援を必要としている方、病気や障がいがある方などさまざまです。

一つひとつの問題に対応するためには、福祉に関する幅広い知識が必要になるでしょう。

そして、ケースワーカーになるには、地方公務員試験に合格し公務員になる必要があります。

ハッシュタグ転職介護は、福祉の業界でソーシャルワーカーとして働いてみたいと考えている方に、希望に合った職場の提案が可能です。

就職支援にとどまらず、長期的なキャリア形成を見据えたサポートを提供しています。

ソーシャルワーカーが活躍する主な職場

ソーシャルワーカーの種類を見るとわかるように、実にさまざまな場面でソーシャルワーカーは活躍しています。ソーシャルワーカーが活躍する主な職場は、以下のとおりです。

• 医療機関
• 福祉施設や介護施設
• 学校や教育現場
• 行政機関

それぞれの場所で、どのような業務を行っているのかも簡潔に説明します。勤務先によって扱う相談内容やサービス、支援などが異なります。

どの職場が自分に合っているか判断するためにも、事前に確認しておきましょう。

医療機関

病院だけでなく、保健所や診療所なども含まれます。医療機関で働くソーシャルワーカーは、医療ソーシャルワーカーです。

患者さんとその家族の相談を請け負い、治療中や治療後のサポートなど、医療に関わる幅広い業務への対応が必要とされます。

医療現場で、ソーシャルワーカーとして人を支える仕事がしたい方におすすめの職場です。

福祉施設・介護施設

福祉施設は、社会福祉施設のことです。社会福祉施設は大別すると以下の6つがあります。

• 老人福祉施設
• 障がい者支援施設
• 保護施設
• 婦人保護施設
• 児童福祉施設
• その他の施設

上記の施設もソーシャルワーカーが活躍できる職場です。利用者や児童が抱えている問題を見極めて、問題解決に向けて必要としている援助や支援を行います。

学校や教育現場

学校や教育現場で働くソーシャルワーカーは、いじめや不登校、家庭環境の問題などさまざまな問題を抱える生徒の支援を行います。

そのため、学校や教育現場で働くソーシャルワーカーには、教育と社会福祉の両面からのサポートが必要とされます。

学校や教育現場で働くには、教育や福祉についての専門的な知識が必要となるでしょう。

もし公立学校で正職員として働く場合は、地方公務員試験に合格する必要があります。

行政機関

行政機関で働くソーシャルワーカーは、所属する行政に対応した支援の仕組みを作ったり、公的サービスを提供したり、住民の生活をサポートするのが仕事です。

住民の意見を聞いて新しいサービス作りに取り組むのも、業務の一環です。その他にも、行政や住民と一緒に、福祉推進も行います。

行政機関で働くには、公務員試験に合格しなければなりません。

ソーシャルワーカーが活躍する場は多岐に渡ります。ハッシュタグ転職介護は、「どこが自分に合っているのかわからない」といった相談から、数ある選択肢のなかから、希望の職場を見つけるサポートまで行います。

ソーシャルワーカーになるための資格と方法

ソーシャルワーカーになるのに、資格取得は必須ではありません。資格を取得していなくてもソーシャルワーカーとして働ける場合はあります。

しかし、勤務先によっては資格を要件としているところも少なくありません。資格を取得していると就職時に有利になり、ソーシャルワーカーとして働きやすくなるでしょう。

そこで、ソーシャルワーカーに求められる代表的な資格は、以下の3つです。

• 社会福祉士
• 精神保健福祉士
• 社会福祉主事任用資格

それぞれの役割や取得方法などを説明します。また、ソーシャルワーカーになるために必要な学歴や経験について説明します。

資格がなくても働ける方法も紹介しますので、参考にしてみてください。

社会福祉士

社会福祉士は、社会福祉専門職の国家資格の一つです。福祉に必要な専門的な知識や技術を身に付け、国民の福祉の増進のために活動します。

相談支援の専門職である社会福祉士として活躍できる分野は、医療機関や教育機関、福祉施設など多岐に渡ります。

社会福祉士の資格を取得していれば、さまざまな働き口があるため、就職や転職に有利になるでしょう。実際に、社会福祉士の資格保有を採用条件にしている職場は増えています。

ただし、社会福祉士の資格を取るためには、まず受験資格を得る必要があります。受験資格の取得方法は複数あるので、自分に当てはまる要件があるか確認しましょう。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、社会福祉士と同様に、国が定めた国家資格です。精神疾患やメンタル面でさまざまな問題を抱えている方への助言や支援活動を行う専門職を指します。

精子保健福祉士の資格があれば、精神科ソーシャルワーカーとして活躍できます。その他に
医療ソーシャルワーカーやスクールソーシャルワーカーなどとしても働くことが可能です。

キャリアアップを目指すなら、精神保健福祉士の資格のほかに社会福祉士の資格も取得しておくと、働ける仕事の幅が広がるでしょう。

精神保健福祉士の資格を取るためには受験資格が必要です。受験資格の取得方法は、社会福祉士と同様に、複数あるので自分に当てはまる要件があるか確認しましょう。

社会福祉主事任用資格

社会福祉主事は、都道府県や市区町村などの各自治体の福祉事務所で、相談者のさまざまな社会福祉支援を行うために必要な資格です。

任用資格とは、公的機関で特定の職業や職位に就くために必要な資格です。社会福祉主事として働く場合は、まず公務員試験に合格する必要があります。

福祉事務所や各種相談所などの公的機関で働くケースワーカーになるためには、社会福祉主事任用資格が必要です。

社会福祉主事任用資格を取得しておくと、社会福祉施設や介護施設などへの就職や転職が有利になります。

社会福祉主事任用資格を取るためにも、指定された複数の受験資格があります。自分に当てはまる要件があるか確認しましょう。

最後に、無資格未経験で働く方法を紹介します。結論からいうと、資格不問としている求人募集をしている職場を探す方法です。

資格がなくても、ソーシャルワークできる仕事や、ソーシャルワーカーのアシスタントとして働ける場合があります。

ハッシュタグ転職介護は、医療・福祉業界に特化したエージェントが在籍しているのが特徴です。

未経験や無資格でも安心して働ける施設の紹介や、資格取得支援もしています。また、キャリアアップの制度も充実しています。

ソーシャルワーカーの1日の仕事の流れ

ソーシャルワーカーの仕事内容は、相談業務や書類作成、関連各所との連携など多岐に渡ります。

「ソーシャルワーカーの仕事が気になるけど、対応できるか不安」と感じている方もいるでしょう。

ここでは、病院で働くソーシャルワーカーの1日の仕事の流れの例にして紹介します。ソーシャルワーカーが、実際にどのような業務や役割をしているか、イメージしやすくなるでしょう。

業務開始〜午前の業務

ソーシャルワーカーの業務開始は、部署内のミーティングでの情報共有から始まります。

ミーティングが終わると、スケジュール確認や介入が必要そうな患者さんのカルテの確認作業です。ときには病棟からの介入依頼もあります。

介入が必要な入院患者さんやその家族との面談を行ったり、病棟に出向いて患者さんに声をかけて様子を伺ったりします。

退院する患者さんがいれば、お見送りしたり、救急で運ばれてきた患者さんの相談対応をしたりもあるでしょう。

午後の主な業務内容

病棟のほかの職種とのカンファレンスに参加し、患者さんの今後の治療方針や退院支援などについて情報共有します。

立案した支援計画をもとに、退院に向けての調整を行うのもソーシャルワーカーの仕事です。患者さんに退院後の生活指導のアドバイスや家族のサポートについて説明も行います。

もし転院や施設への入居などが必要な場合は、転院先や施設側と調整も必要です。

勤務終了までの業務

ソーシャルワーカーとして大事なことは、最終的に記録に残すことです。一通りの業務が終了したら、患者さんとの面談内容や、その他に対応した内容をカルテに記載します。

どのような話を行ったか、患者さんの様子はどうだったかなど、ほかの職員が見てもわかるように細かく書く必要があります。

勤務先によっては、業務分析のため日報を入力するところもあるようです。

1日の流れを見ても忙しそうですが、人を支えられるやりがいのある仕事ではないでしょうか。

ソーシャルワーカーとして働くのに不安を感じる方も少なくないでしょう。ハッシュタグ転職介護は、求職者に寄り添い、就職への不安をなくすお手伝いをしています。

必要であれば、先輩のソーシャルワーカーに話を聞く機会を設けることも可能です。

ソーシャルワーカーに向いている人の特徴

「ソーシャルワーカーの仕事に興味が出たけど、どんな人が向いてるんだろう？」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

ここでは、ソーシャルワーカーに向いている人の特徴をいくつか紹介します。ソーシャルワーカーの仕事に興味がある方は、当てはまる項目があるかチェックしてみましょう。

共感力や傾聴力が高い

ソーシャルワーカーは、相談者の悩みを聞き出し解決へ導くためのサポートをする仕事です。そのためには、傾聴力や共感力の高さが必要になります。

傾聴力とは、相手の話をしっかり聞き、相手の意図や感情などをより深く理解する能力のことです。共感力とは、相手の意見や考え、感情に寄り添う力のことです。

いずれも、相談者との信頼関係を築き、円滑なコミュニケーションを行うために必要な能力になるでしょう。

問題解決能力がある

ソーシャルワーカーは、悩みや問題を抱える方の相談に乗るだけではなく、さまざまな問題を解決に導かなくてはなりません。

悩みや問題、状況は人それぞれ違うため、「何をすればいいのか」「必要な支援は何か」などを適切に考え行動できる、問題解決能力が必要です。

コミュニケーション能力が高い

さまざまな立場の方と関わる機会があるソーシャルワーカーは、積極的にコミュニケーションを取り情報収集をする必要があります。

そのため、ソーシャルワーカーは、コミュニケーション能力が高い人が向いているといえます。

また関連機関や行政などと連携し、チームで動くこともあるので、コミュニケーション能力は欠かせません。

精神的なタフさがある

ソーシャルワーカーは、相手の気持ちに寄り添うため、精神的な忍耐が問われます。そのため、精神的なタフさがある人は、ソーシャルワーカーに向いているといえるでしょう。

また、どのような状況にあっても、相手の感情に左右されないように客観的な視点で冷静に対応することも大切です。

ソーシャルワーカーは社会福祉を支える重要な存在

ソーシャルワーカーはさまざまな現場で、支援を必要としている方の相談に乗り生活をサポートする大切な存在です。

また、さまざまな福祉問題があるため、年々ソーシャルワーカーの需要は増えています。

ソーシャルワーカーは、人のために動けるやりがいのある仕事です。そのため、「助かった」「ありがとう」などとうれしい言葉をもらえることもあるでしょう。

ソーシャルワーカーという仕事を知った今、挑戦してみたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

ハッシュタグ転職介護では、求職者の希望に寄り添い、希望の就職をサポートしています。ソーシャルワーカーとして働きたい方には、募集している施設の紹介ができます。

また、資格がないがソーシャルワーカーの仕事に携わりたい方には、未経験者向けの福祉職の紹介や資格取得支援がある施設の情報提供も可能です。