介護老人保健施設(老健)とは?
介護老人保健施設は、介護保険が適用される介護保健施設の一つです。要介護1以上の介護を必要とする高齢者の在宅復帰を目指すための機能訓練・健康管理・介護などのサポートを行う施設です。
一般的に老健と呼ばれており、入居の対象は次のようになっています。
- 病状が安定しており、入院治療の必要がない要介護度1〜5の方
- リハビリテーションが必要な方
このように、介護老人保健施設では身体介護や日常生活のサポートを行いながら、特に医療ケアやリハビリテーションに重点をおいています。
高齢化が進む日本では、介護士の未経験者の採用や育成の取り組みは積極的です。未経験者でも就職・転職しやすいのが介護職の魅力です。
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老健の役割と目的
介護老人保健施設は、利用者の尊厳を守りながら安全に配慮し、生活機能の維持や向上を総合的に援助する役割があります。
また、家族・地域の方々・機関と協力しながら安心して在宅生活が続けられるように自立支援をする役割も担っています。主な3つの役割は次のとおりです。
- 在宅復帰支援
- 在宅療養支援
- 地域包括ケアシステムの拠点としての役割
介護老人保健施設は、在宅復帰を目指して入院した高齢者が自宅で生活できるように支援することが役割の一つです。
そのために、医師・看護師・介護士・理学療法士・作業療法士などの他職種でチームを組み、身体機能や生活機能の回復のためにリハビリを行い在宅復帰を目指します。
介護老人保健施設の目的は、利用者の方が主体になるように介護サービスの提供を行いながら、地域に開かれた施設を目指しています。
さらに、介護予防の教育や啓発活動を通じて在宅ケア支援の拠点となることを意識し、利用者やその家族が快適な日常生活を過ごせるように支援するのが目的です。
特別養護老人ホーム(特養)との違い
介護老人保健施設と同じように取り上げられる施設に、特養と呼ばれる特別養護老人ホームがありますが、どちらも介護施設であり介護保険が適用されます。
しかし、二つの施設には異なる点があり、介護老人保健施設は在宅復帰を目指すことに重点を置くサービスが中心です。
一方の特別養護老人ホームは、要介護者が身体介護や洗濯・掃除・買い物などの生活支援を受けながら長期的に居住する施設であり、居住の長さが異なります。
介護老人保健施設で設けられる入所期間が、特別養護老人ホームにはないため、終の棲家として終身利用されることも少なくありません。
その他に入所対象者に違いがあり、介護老人保健施設は病状が安定している要介護1〜5の方が対象です。
一方の特別養護老人ホームの対象者は、やむを得ない事情で特例が認められない場合は、原則要介護3以上の方が対象です。
老健の施設類型
介護老人保健施設の施設類型とは、施設で提供されるサービスと質の結果を表した指標点数と提供するサービスの体制や設備の必須要件を加えた点数で分類されます。
指標点数は在宅復帰・在宅療養支援等指標の決められた内容は次の10項目です。
- 在宅復帰率
- ベッド回転率
- 入所前後訪問指導割合
- 退所前後訪問指導割合
- 居宅サービスの実施数
- リハビリ専門職の配置割合
- 支援相談員の配置割合
- 要介護4または5の割合
- 喀痰吸引の実施割合
- 経管栄養の実施割合
これらの項目の指標の合計値と必須要件で分類が決まります。その分類は、次のとおりの5種類です。
- 指標点数70点以上プラス必須要件1〜4の超強化型
- 指標点数60点以上プラス必須要件1〜4の強化型
- 指標点数40点以上プラス必須要件1〜3の加算型
- 指標点数20点以上プラス必須要件1〜2の基準型
- 指標点数20点以下で必須要件なしのその他型
合計値が高いと、在宅復帰・在宅支援機能が高いと評価され、5つの分類のなかでは超強化型が高い類型になります。
介護老人保健施設の主な仕事内容
施設の仕事内容は、主に身体介護と日常生活のサポートです。
利用者の方の在宅復帰を目指しているため、身体機能回復に向けてリハビリ専門職や看護師など他職種の職員が働いており、連携しチームで仕事を行います。
生活サポート全般の仕事内容を解説します。
食事介助
食事の際に、自身で食事するのが困難な方の摂食補助や口腔ケアの介助を行います。利用者の方それぞれに対応が異なるため、適切な食事の配膳が重要です。
咽頭に麻痺がある方は、飲食物を正しく飲み込むことが困難な嚥下障害を伴い、飲食物が気道に入ってしまう誤嚥を起こしやすく注意が必要です。
また、飲食物を口から飲み込む際の嚥下状態により普通食・一口大食・きざみ食・ミキサー食など形態を調整し安全な食事を提供します。
さらに、手洗い・配膳・片付け・口腔ケアなど食事介助の前後の環境をサポートすることも介護士の仕事です。
入浴介助
シャワー室までの誘導や、入浴が困難な方の洗体や洗髪の入浴介助を行います。利用者の方ができない部分をサポートして、自立を促すことが大切です。
また、入浴前に心身の状態・体温・脈拍数の体調を確認したり、脱衣所や浴室の温度を適温に維持したりして環境を整えます。
排泄介助
歩行が可能な方は、トイレまで動作を見守りながら誘導し、必要な場合は排泄の介助まで行います。
ベッドの上でオムツ交換をする場合もありますが、介護老人保健施設は車椅子を利用する方が中心で寝たきりの方は少ない傾向のため、トイレへの誘導が中心になるでしょう。
利用者のなかには、排泄介助が精神的負担に感じる方もいるかもしれません。介護職員は少しでもその負担を軽減できるよう、自尊心を傷つけない配慮が必要です。
移動・移乗介助
日常生活の歩行や、車椅子の方がベッドや車椅子間を移動する際に移乗介助を行います。杖や歩行器を利用しながら歩ける方は、転倒しないよう職員が見守り、部分的に介助を行います。
また、車椅子・歩行器・杖などを定期的にメンテナンスをする安全確認も大切です。
起床・就寝介助
起床や就寝の際に声をかけ、着替えや身なりを整えるために誘導してサポートを行います。自分でできる方は、見守りながら必要な場合に介助して自立を促しましょう。
一人で着替えることが難しい方は、脱健着患に気をつけて介助します。脱健着患とは、脱ぐときは障害がない側から行い、着るときは障害がある側から行う方法です。
これにより、残存機能を活用できるため、身体への負担を軽減して着替えられます。スムーズに着替える方法がわからない方には、負担の少ない方法をアドバイスします。
介護老人保健施設ならではの業務
介護老人保健施設の介護職の業務はさまざまですが、利用者の生活の質を高めるために欠かせないのが、生活リハビリ・レクリエーション・医療職との連携です。
これらは、利用者の方が自立した生活がおくれるよう支援をするための重要な要素であり、介護職の専門性とチームワークが求められます。
ここでは、介護老人保健施設ならではの仕事内容の解説です。
リハビリテーション支援
低下した機能の回復を目的とした本格的なリハビリは、理学療法士や作業療法士が行いますが、介護士は日常生活を通じて生活リハビリを行います。
利用者の状態に合わせて食事・移動・洗体など日常の動作を訓練し、自立した生活を目指してサポートします。
介助を行いながら、利用者に自分でやってみようと、自ら意欲をもってもらえるように適切なタイミングでの声かけが大切です。
レクリエーションの企画・実施
施設では、楽しみながら身体機能や認知機能の向上を目指せるレクリエーションがあります。指先を使う手芸や折り紙のほか、体を動かす体操や脳トレが実施されています。
このような利用者に楽しんでもらうための、レクリエーションを企画したり実施したりすることも介護職の仕事です。
医療職との連携・サポート
介護老人保健施設は、入居期間が原則3ヶ月と短く、利用者の入れ替わりが定期的に発生するため情報共有をして職員間でしっかりと連携が必要です。
生活リハビリのサポート方法は、リハビリ専門職の指導や計画に基づいており、介助していて気付いた利用者の状態をリハビリ専門職に共有することで、リハビリ計画に貢献できるかもしれません。
看護師との連携は、利用者の体調管理や医療的ケアが中心です。利用者の食欲の変化や排泄状況を看護師に報告し、必要に応じてケアの調整を行います。
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介護老人保健施設の介護職員の1日の流れ
介護職の1日の仕事の流れが把握できると、実際に仕事をする状況をイメージしやすいのではないでしょうか。
内容は勤務形態により異なりますが、一例として日勤と夜勤に分けてスケジュールを紹介します。
日勤のスケジュール例
9時に出勤して18時に退勤する場合の日勤のスケジュール例です。
- 9時:出勤・申し送り
- 10時:バイタルチェックと入浴介助
- 11時:昼食準備・食事のための離床介助
- 12時:食事介助・服薬介助・口腔ケア
- 12時30分:交代で休憩
- 13時:見守り
- 14時:リハビリの付き添い・サポート
- 16時:夕食準備・食事のための離床介助
- 17時:食事介助・服薬介助・口腔ケア
- 18時:退勤・引き継ぎ
日勤は、身体介護が主な業務です。また、記録業務やリハビリ補助の他職種と連携する業務があります。
夜勤のスケジュール例
17時に出勤して翌朝9時に退勤する場合の夜勤のスケジュールの例です。
- 17時:出勤・引き継ぎ
- 18時:食事介助・服薬介助・口腔ケア
- 19時:就寝準備・更衣介助・排泄介助
- 21時:消灯・1時間おきに巡回
- 5時30分:起床・更衣介助
- 7時30分:食事介助・服薬介助・口腔ケア
- 8時30分:引き継ぎ
- 9時:退勤
夜勤は、消灯後に巡回を行いながら交代で仮眠や休憩をとります。看護師も夜勤に入るため、利用者が急変した際は看護師の指示にしたがって対応できるので落ち着いて休憩をとることが可能です。
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介護老人保健施設で働くメリット
介護老人保健施設で働くことは、ほかの介護現場とは異なる魅力があります。
医療やリハビリに関する知識を深められること・他職種との連携を通じてチームケアの力を養えること・身体的な負担が少ない環境で働けるなどのメリットです。
これらは、介護職のスキルアップや長く働き続けるための支えとなるでしょう。
医療やリハビリの知識が身につく
リハビリ専門職や看護師などの他職種と連携する業務のなかで、医療ケアやリハビリに関する知識と経験が得られます。
医療的ケアやリハビリに関する知識が深まることは、他職種の専門領域を学びながら介護のスキルアップにもつながります。
多職種との連携が学べる
介護老人保健施設は、医師・看護師・リハビリ専門職などのスタッフと一緒に、利用者の在宅復帰を目標に協力して働きます。
他職種と連携する業務に慣れておくと、将来リーダーやケアマネージャーにキャリアアップした際に経験を活かせるでしょう。
身体的な負担が比較的少ない
在宅復帰を目指すリハビリ業務が中心になるので、利用者の介護度は低い傾向にあり、身体的負担が少ないのが一般的です。
介護職を転職先に考えている方で、未経験者や体力に自信のない方は、介護老人保健施設で働くことから始めてみませんか。
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介護老人保健施設で働くデメリット
施設の仕事は、大変なことやデメリットもあります。医療寄りのサービスが多く、特別養護老人ホームと比べるとイベント企画が少ない傾向です。
介護老人保健施設で働く介護職のデメリットを解説します。
長期的なケアが難しい
介護老人保健施設は、原則3ヶ月の入居のため入居者の入れ替わりが頻繁にあり、一人ひとりと時間をかけて向き合うことが難しいのが現実です。
退所して在宅復帰した後も、すぐに新たな入所者を迎えサービス提供に取り組むため、利用者に寄り添いながら長期的なケアがしたい方はデメリットに感じるかもしれません。
医療寄りの業務が多い
施設には医師・看護師・リハビリ専門職員などが在籍しており、在宅復帰を目指して短期間での機能回復と維持をサポートしています。
そのため医療寄りのサービスが多くなり、身体介護を中心に働きたいと考えている方は、ミスマッチと感じてしまうかもしれません。
レクリエーションの頻度が少ない
先述のとおり利用者の在宅復帰を目指す介護老人保健施設は、リハビリを中心にスケジュールが決められます。
そのため、ほかの介護施設と比べてレクリエーションの企画や実施の頻度が少なめです。レクリエーションを企画したい方には、業務内容が物足りなく感じる可能性があります。
介護老人保健施設で働くために役立つ資格
利用者の自立支援を目指し、日々の生活をサポートするには確かな知識と技術が求められます。そんな現場で活躍するために、取得しておきたいのが介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士などの資格です。
人材確保のために、資格を取得する支援制度を取り入れている職場もあります。それぞれの資格の特徴や、介護老人保健施設での実際の活かし方を解説します。
介護職員初任者研修
介護初任者研修は、介護職の入門資格として目指す資格です。
学歴・年齢・資格の有無などの制限はなく、未経験で無資格の方でも介護士に必要な知識と技術を身につけられるように、学びやすいカリキュラムが設定されています。
130時間の講義と演習を受講して、基本的な介護の知識と実践的な介護技術を学べます。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護過程の医療ケアを含め、介護現場で実践的な知識やスキルを身につける資格です。
受講に必要な資格がないため、未経験者や無資格の方でも受講可能で、受講時間は450時間です。ただし受講期間は、保有する資格によって異なります。
介護職員初任者研修よりも、さらに実践的な介護技術と知識を学ぶため即戦力として活躍できます。
介護福祉士
介護福祉士は、介護を必要とする方に対して専門知識と技術を用いて生活をサポートする介護職のスキルアップ資格であり、キャリアパス上位の国家資格です。
さまざまな介護施設で活躍できる資格で、介護のスペシャリストとしてリーダーや管理者としても活躍できます。
また介護業界でニーズが高いため、安定した仕事の確保やキャリアアップが可能です。
老健の仕事内容を理解して自分に合った働き方を見つけよう
これまで解説したとおり介護老人保健施設の仕事は、在宅復帰を意識した業務が求められるため、リハビリ専門職や看護師と連携しながらチームで利用者の生活を支えています。
介護職に転職したいと思いながらも、新しい職種にチャレンジすることは大変そうと悩んでいる方も未経験から実績を積んでキャリアアップが可能です。
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