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仕事・働き方

2025.11.20

特別養護老人ホームと養護老人ホームの違いは?それぞれの対象者や仕事内容を解説

介護業界への転職を考えたとき、特別養護老人ホームと養護老人ホームという名前を目にすることがあります。似た名称のため、どちらも同じ施設だと勘違いする方も少なくないでしょう。

しかし実際には、入居対象者や提供するサービス内容、仕事内容が大きく異なります。

本記事では、この2つの施設の違いを詳しく解説し、それぞれでどのような仕事が求められるのかを紹介します。

読み進めることで、自分に合った職場選びにつながるでしょう。

特別養護老人ホームと養護老人ホームの違いは?

看護師と笑顔の利用者

特別養護老人ホームと養護老人ホームは、名前が似ているため混同されやすい施設ですが、設立目的・入居条件・提供するサービス内容がまったく異なります。

特別養護老人ホームは、要介護度の高い高齢者を対象とした介護保険施設です。

一方、養護老人ホームは、経済的な理由や家庭環境により自立生活が困難な高齢の方を対象とした福祉施設です。

特別養護老人ホームでは重度の介護が必要な方への身体介護が中心であるのに対し、養護老人ホームでは自立度が高い方への生活支援が中心となります。

運営主体も異なり、特別養護老人ホームは社会福祉法人や医療法人が少なくありません。それに対し、養護老人ホームは地方自治体が運営するケースが一般的です。

入居方法についても、特別養護老人ホームは施設との直接契約である一方、養護老人ホームは市区町村長による措置制度によって入所が決まります。

特別養護老人ホームの対象者

窓のそばで寄り添う利用者と介護士

特別養護老人ホームに入居できるのは、原則として要介護3以上の認定を受けた65歳以上の高齢の方です。日常生活において常時介護が必要で、居宅での生活が困難な状態にある方が対象となります。

要介護3以上とは、立ち上がりや歩行が自力では困難で排泄・入浴・衣服の着脱などに全面的または部分的な介助が必要な状態を指します。

ただし要介護1または2の方でも、やむを得ない事情により特別養護老人ホーム以外での生活が著しく困難と認められる場合には、特例として入所が可能です。

特例入所の要件には、認知症による日常生活への支障や知的障害や精神障害を伴う場合、家族による虐待が疑われる場合などが含まれます。

特別養護老人ホームの主な仕事内容

リハビリを見守る介護士

特別養護老人ホームで働く介護職員は、要介護度の高い入居者の生活全般を支援します。身体介護・生活援助・健康管理・レクリエーション・リハビリテーション・看取りケア・ご家族との連携まで、幅広い業務です。

医療職やほかの専門職と連携しながら、チームケアの一員として入居者の生活の質を高めることが求められます。それぞれの業務内容について、詳しく見ていきましょう。

身体介護

身体介護は、特別養護老人ホームでの仕事の中心となる業務です。食事介助・排泄介助・入浴介助・移動介助・着脱介助など、入居者の身体に直接触れて行うケアを指します。

食事介助では、咀嚼や嚥下機能に合わせた食事形態の提供や、誤嚥に注意しながらの介助が必要です。排泄介助では、トイレへの誘導やおむつ交換を行い、入居者の尊厳を保ちながら清潔を維持します。

入浴介助では、転倒や事故に注意しながら身体を清潔に保ち、リラックスできる時間を提供します。移動介助では、車椅子への移乗や歩行の見守りを行い、転倒事故を防ぐ重要な業務です。

これらの介護技術は、入居者の状態に合わせて適切に行う必要があるため、高い専門性が必要です。

生活援助

窓拭きをする女性

生活援助では、居室の清掃・ベッドメイキング・衣類の整理などを行います。入居者が快適に過ごせる生活環境を整えることが目的です。居室の清掃では、ほこりや汚れを取り除き、衛生的な環境を保ちます。

ベッドメイキングでは、シーツや掛け布団を整え、快適な睡眠環境を提供します。衣類の整理では、季節に応じた衣服の管理や、洗濯物の整理が主な業務です。

入居者の好みや習慣を尊重しながら、居室の配置や装飾にも気を配ることで、より自宅に近い雰囲気を作り出します。生活援助は身体介護ほど注目されない業務ですが、入居者の生活の質を高める重要な役割です。

入居者の健康管理

健康管理では、バイタルサインのチェック・服薬管理・体調変化の観察などを行います。毎日の血圧測定や体温測定、脈拍測定を通じて入居者の健康状態を把握し、異常があれば看護師や医師に報告する業務です。

服薬管理では、処方された薬を正しい時間に正しい量で服用できるよう支援します。体調変化の観察では、入居者の表情・食欲・睡眠状態などに注意を払い、わずかな変化も見逃さない姿勢が大切です。

特に高齢者は急激に体調が悪化することがあるため、日々の観察が重要です。介護職員は医療行為はできないものの、看護師や医師と連携しながら、入居者の健康を守る役割を担います。

レクリエーション

レクリエーションをする介護士と利用者

レクリエーションでは、体操・音楽活動・季節の行事・趣味活動などを企画実施します。入居者の心身の活性化や、ほかの入居者との交流を促進することが目的です。

体操では、座ったままできる軽い運動を行い、身体機能の維持を目指す取り組みです。音楽活動では、懐かしい歌を歌ったり、楽器を演奏したりして楽しい時間を共有します。

季節の行事では、お花見・夏祭り・クリスマス会などを開催し、季節の移り変わりを感じてもらえる機会です。趣味活動では、書道・手芸・園芸など、入居者の興味に合わせた活動を提供します。

レクリエーションは、単なる余暇活動ではなく、入居者の生活に張りを持たせる重要な取り組みです。

リハビリテーション

リハビリテーションでは、理学療法士や作業療法士と連携しながら、機能訓練計画に基づいた支援を行います。歩行訓練・立ち上がり訓練・手指の運動など、入居者の残存機能を維持向上させることを目指します。

リハビリテーションの時間だけでなく、日常生活のなかでも自立を促す声かけや見守りを行うことが大切です。

例えば、食事の際には自身で箸を持って食べられるよう支援し、トイレへの移動時には手すりにつかまって歩く練習をします。

こうした日常的な取り組みにより、入居者の身体機能の維持が可能です。介護職員は、専門職と協力しながら、入居者一人ひとりに合わせたリハビリ支援を提供します。

看取り

ベッドに横たわる人の手を握る様子

特別養護老人ホームでは、人生の最期を迎える方への看取りケアも重要な業務です。医師や看護師と連携しながら、入居者とご家族の意向を尊重した終末期ケアを提供します。

身体的な苦痛を和らげるための介助だけでなく、精神的な支えとなるような声かけや、手を握るなどのスキンシップも大切です。

ご家族が最期の時間を穏やかに過ごせるよう、環境を整えることも介護職員の役割です。

看取りケアは精神的に負担が大きい業務ですが、入居者の人生の最期に寄り添えることは、介護職員にとって大きなやりがいにもなります。

チーム全体でサポートし合いながら、尊厳ある最期を支える重要な業務です。

ご家族との連携

ご家族との連携では、入居者の日常の様子を報告したり、ケアプランの説明を行ったりします。面会時には、健康状態・生活の様子・楽しかった出来事などを伝え、ご家族の不安を和らげることが大切です。

ご家族からの要望や心配事を丁寧に聞き取り、ケアに反映させます。定期的なカンファレンスでは、ご家族も交えてケアの方針を確認し、入居者にとって適切な支援を検討することが重要です。

ご家族との良好な関係を築くことで、入居者の精神的な安定にもつながります。介護職員は、入居者とご家族の架け橋となる役割です。

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養護老人ホームの対象者

高齢女性と散歩をする介護士

養護老人ホームに入所できるのは、65歳以上で環境上の理由および経済的理由により居宅での生活が困難な高齢の方です。入所には市区町村長による措置が必要となり、施設との直接契約ではなく措置による入所です。

環境上の理由とは、住居がない・家族からの支援が受けられない・虐待を受けているなどの状況を指します。経済的理由とは、年金収入が少なく生活が困難な状態です。

養護老人ホームの入居者は、身体的には自立しており、介護の必要性は低い方が中心です。

要介護認定を受けていない自立している方や、要支援程度の軽度の介護を必要とする方が多く入所します。入所判定は市区町村の福祉事務所が行い、生活環境や経済状況を総合的に判断して決定します。

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養護老人ホームの主な仕事内容

バインダーに書き込む高齢女性と介護士

養護老人ホームでの仕事は、介護よりも生活支援が中心です。食事の提供・掃除や洗濯・身の回りの整理整頓・生活相談・健康管理・栄養管理など、入居者が自立した生活を送れるようサポートします。

医療的な介護はほとんど行われません。入居者とのコミュニケーションを大切にしながら、日常生活全般を支援することが主な業務です。それぞれの業務について、詳しく見ていきましょう。

食事の提供

食事の提供では、栄養バランスの取れた食事を準備し、配膳・下膳を行います。養護老人ホームの入居者は自身で食事を摂ることができる方が多く、全面的な介助は不要です。

しかし、食事の準備や配膳、片付けなどのサポートは必要です。食堂への誘導や、食事の際の見守りも大切な業務となります。また、入居者の嗜好や健康状態に配慮した食事の提供も大切です。

食事の時間は、入居者同士が交流する貴重な機会でもあるため、楽しい雰囲気づくりにも気を配ります。食事を通じて入居者の健康状態を観察し、変化があれば看護師や栄養士に報告することも重要です。

掃除や洗濯

掃除や洗濯では、共用スペースの清掃や入居者の衣類の洗濯などを行います。養護老人ホームの入居者は自身でできることもあるため、できる部分は入居者自身に行ってもらい、必要な部分だけをサポートします。

共用スペースの清掃では、廊下・トイレ・浴室などを清潔に保ち、快適な生活環境を整える業務です。洗濯では、衣類を適切に洗濯し、乾燥させて居室に戻します。

入居者のなかには自身で洗濯をしたいという方もいるため、洗濯機の使い方を教えたり、見守ったりします。入居者の自立を尊重しながら、必要な支援を提供することが大切です。

身の回りの整理整頓

ガッツポーズをするエプロンの女性

身の回りの整理整頓では、居室の片付けや衣類の整理、季節物の入れ替えなどをサポートします。養護老人ホームの入居者は自立度が高いため、基本的には自身で整理整頓を行える方が中心です。

加齢による身体機能の低下で、高い場所の荷物を取ることが難しかったり、重い物を動かすことが困難だったりする場合があります。そうしたときに職員がサポートに入ります。

居室が散らかりすぎていないか、衛生的に保たれているかを確認し、必要に応じて声かけや支援することが大切です。入居者のプライバシーを尊重しながら、快適な生活空間の維持が重要です。

生活相談

生活相談では、入居者の日常生活での悩みや不安を聞き取り、適切なアドバイスを提供します。

養護老人ホームの入居者は、経済的な問題・家族関係の悩み・健康への不安など、さまざまな課題を抱えているケースが一般的です。

職員は、入居者の話を丁寧に聞き、共感しながら解決に向けたサポートを行います。必要に応じて、生活相談員・福祉事務所・医療機関などと連携し、専門的な支援につなげる体制です。

入居者同士のトラブルが発生した場合には、仲介役として調整を行います。コミュニケーション能力が求められる業務であり、入居者との信頼関係を築くことが重要です。

健康管理

リビングで会話する車椅子の人と介護士

健康管理では、入居者の日々の体調を観察し、異常があれば医療機関につなげる役割を担います。養護老人ホームには看護師が常駐していない施設もあるため、職員が入居者の健康状態に気を配ることが大切です。

毎日の声かけや見守りのなかで、顔色や食欲、歩き方などに変化がないか注意を払います。入居者から体調不良の訴えがあった場合には、速やかに看護師や医師に連絡することが求められます。

また、定期的な健康診断の受診を促したり、通院の付き添いをしたりすることもあります。

入居者の健康を守るための予防的な取り組みとして、手洗いやうがいの声かけ、感染症予防の啓発なども行う業務です。

栄養管理

栄養管理では、入居者の食事摂取状況を把握し、栄養バランスの取れた食生活をサポートします。栄養士と連携しながら、入居者一人ひとりの健康状態や嗜好に合わせた食事を提供する業務です。

食事摂取量が少ない入居者には、好みのメニューを聞き取ったり、食べやすい形態に変更したりして必要な栄養が摂取できるよう工夫します。

糖尿病や高血圧など、持病がある入居者には、医師の指示に基づいた食事制限を守れるよう支援する役割です。食事は健康の基本であり、栄養管理は入居者の健康維持に欠かせない業務となります。

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特別養護老人ホームと養護老人ホームの給料の違い

男女の介護士

特別養護老人ホームと養護老人ホームでは、仕事内容の違いにより給料にも差があります。特別養護老人ホームは身体介護が中心で夜勤もあるため、給与水準が高めに設定される傾向です。

一方、養護老人ホームは生活支援が中心で身体的負担が軽いため、給与はやや低めです。それぞれの給料の目安を見ていきましょう。

特別養護老人ホームの給料の目安

特別養護老人ホームで働く介護職員の平均月給は、250,000〜350,000円程度になっています。

これは、基本給に各種手当を含めた金額です。処遇改善加算により、介護職員の給与は年々改善されており、2024年度には月額平均で約30,000円相当の加算が実施されています。

夜勤手当は1回あたり5,000〜10,000円程度が支給され、月に4〜5回の夜勤をこなすことで、月給に20,000〜50,000円程度が上乗せされます。

介護福祉士などの資格を取得している場合には、資格手当として月額5,000〜20,000円程度が加算されることが一般的です。

勤続年数が長くなれば昇給もあり、経験を積むことで年収4,000,000円以上を目指すことも可能となります。

養護老人ホームの給料の目安

養護老人ホームで働く職員の平均月給は、200,000〜280,000円程度です。

特別養護老人ホームに比べると身体介護の負担が少なく、夜勤の頻度も低いため、給与水準はやや抑えられます。

しかし、地方自治体が運営する施設では公務員に準じた給与体系となるため、安定した収入が期待できる環境です。

養護老人ホームの職員も、社会福祉士や介護福祉士などの資格を取得することで資格手当が加算され、給与アップにつながります。

処遇改善の取り組みにより、養護老人ホームでも職員の給与改善が進められる傾向です。ワークライフバランスを重視しながら、安定した収入を得たい方には適した職場です。

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