ユニット型特養とは

「特別養護老人ホームってなに？」「ユニット型特養とは？」と思う方もいるのではないでしょうか。耳に聞く機会が増えてきていても、サービス内容やユニット型が導入された理由がわからないことも多いと思います。

ここでは次の3つに注目して解説します。

• 特別養護老人ホームとは
• ユニット型の導入の理由
• ユニット型特養の目的

　

特別養護老人ホームとユニット型特養についての理解を深められます。

特別養護老人ホームとは

まずは、特別養護老人ホームについて説明していきます。特別養護老人ホームとは日常生活を送るうえで、常に補助を必要とする方が​​支援を受けながら生活を送るための高齢者入居施設を表します。

特別養護老人ホームは社会福祉法人や地方自治体によって運営されてている公的施設です。
そのため入居するためには必要な条件があり、要介護度が3以上である方が限定して入居できるような仕組みになっています。要介護度が1、2の方でも事情によっては指定された施設への入居ができることがあります。

特別養護老人ホームには、ユニット型と従来型の2種類があります。以前は従来型が多くありましたが現在では多くの場所でユニット型が導入されています。

ユニット型が導入された理由

特別養護老人ホームに​​ユニット型が導入された理由を考えてみましょう。

ユニット型の原点は1994年、特別養護老人ホームでの出来事にあります。施設長が現場を見に来た際、大人数の入居者が一斉に食事をとる姿に違和感を覚えました。これをきっかけに、『一緒に買い物をし、食事を作り、食べる』という、自然に過ごす生活にこそ意味があると気づいたのです。

50人で生活している施設を複数のグループに分け、それぞれに担当の職員を配置し職員と利用者が一緒に暮らす形を取り込みました。取り入れることで一人ひとりの個性が生きるようになり、他者との人間関係が必要となる生活が生まれることで​​「ごく普通の生活」ができるとわかりました。

生活の質の向上やコミュニケーションの重要性が認識され、多くの施設で導入されるようになりました。2002年度にはユニット型の特別養護老人ホームに対応した施設整備補助が儲けられています。

ユニット型特養の目的

ユニット型特養が導入された目的は、入居者一人ひとりの望む生活をサポートするための、個別ケアの一手法です。

個室を設けることで、自宅に近い生活環境の中で入居者一人ひとりの個性や生活リズムを尊重できます。また、リビングを共有することで他者とコミュニケーションを図りながら日常生活を送れるよう支援することを目的としています。

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従来特養との違い

なんとなくユニット型特養のイメージがついても実際に何が違うのかわからないこともあるでしょう。実際にユニット型と従来型の違いについて​​3つの違いについて説明します。

• 居室の違い
• 生活環境・プライバシーの違い
• 介護サービスの違い

　

ユニット型と従来型の施設の特徴を知ることで、どちらの方が自分に合う環境か考えてみましょう。

居室の違い

まずは従来型とユニット型の居室の違いを見ていきます。

​​従来型とは1つの居室をカーテンやパーテーションで仕切り、最大4人で利用します。お風呂やトイレ、食事スペースは共同で使用するため、共同生活が中心となります。

一方​​ユニット型では居室は完全個室になっており、共有スペースとしてリビングスペースがあります。居室の配置も真ん中にリビングスペースがあり、それを囲うように居室が並んでいます。お風呂やトイレも居室内にあるところが多くなっています。

生活環境やプライバシー面の違い

生活環境やプライバシーの違いについてみていきます。

従来型はカーテンまたはパーテーションの内側だけが個人のスペースとなり、基本は共同生活が中心になります。そのためプライバシーの確保が難しい環境になります。

一方ユニット型は個室で生活ができるため、​​プライバシーを守ることができます。自宅で過ごしているときと近い環境で生活が送ることができるため落ち着いた生活が送りやすくなっています。

介護サービスの提供方法の違い

介護サービスの提供方法の違いについてみていきます。

従来型とユニット型で、食事・入浴・排泄といった生活支援の基本的なサービス内容に大きな違いはありません。

ユニット型特養の特徴

「ユニット型特養の運用はどんなスタイル？」「何人くらいを担当するの？」など、疑問に感じる方も多いでしょう。

ここでは生活の仕方、介護体制、生活空間の3つについて説明します。

ユニット型特養への理解を深め、働くイメージを膨らませてみましょう。

10人前後のユニットで生活

ユニット型特養は1ユニット10人前後で構成されています。個室とリビングルームがあるのでプライバシーを確保しながら、同じユニットの入居者の方やスタッフと交流ができます。それぞれのペースで生活を送ることができるので、ストレスなく過ごせる点が特徴です。

個別ケアを重視した介護体制

ユニット型特養は10人以下の入居者との生活になるため、スタッフと一緒に過ごす時間もしっかりと確保されます。従来型と違い生活規模が小さいため、スタッフとの関係性が深まりやすくきめ細やかなケアを行うことが可能です。

入居者それぞれの個性や生活リズムに合わせたケアが可能となることで、安心して生活できるようになります。

家庭的な雰囲気を重視した生活空間

入居者がより良い環境で生活するためには、居室環境がとても重要です。ユニット型特養では個室内に個人の私物を持ち込むことが可能です。自宅で過ごしていた生活に近い環境を作ることでストレスなく過ごすことを達成します。

ユニット型特養で働くメリット

『ユニット型特養で働くメリットは？』『実際に働くと大変？』と疑問に感じる方も多いでしょう。働き方やメンタルケアへの不安を抱く方も少なくありません。

ユニット型特養で働くメリットを紹介します。

個別ケアで心身の維持が期待できる

ユニット型特養では、入居者と1対1で関わる時間が多く、生活スタイルに応じた個別ケアが可能です。そのため、心身の維持にもつながると考えられます。

入居者の生活に直接関わるため、きめ細かな対応を心がけたい方には、ユニット型特養での仕事がおすすめです。

職員と入居者の関係が深まりやすい

従来型特養では40〜50人を複数人で一緒に担当するため、入居者一人ひとりに時間をかけることができず、信頼関係を築くことが難しいことがあります。ですがユニット型特養であれば時間をかけてゆっくりと関係を築くことができるため、生活する入居者の方だけでなく、そのご家族とも距離が縮まります。

きちんと向き合い、関係作りを行いながら働きたい方にユニット型特養はおすすめです。

介護の仕事をする中で、「もっと一人ひとりに向き合いたい」「信頼関係を大切にしたい」そう感じたことはありませんか？

従来型特養では40〜50人を複数スタッフで担当するため、一人ひとりに時間をかけることが難しいのが現実です。

しかし、ユニット型特養なら違います。
少人数制だからこそ、入居者様とじっくり関係を築き、ご家族とも信頼を深められる環境があります。

そんな理想の職場探しをサポートするのが、ハッシュタグ転職介護。
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ユニット型特養で働くデメリット

ユニット型特養は少人数でケアを行うためシフトの融通が利きにくかったり、夜勤が負担になったりすると考える方もいるのではないでしょうか。ユニット型特養で働くなかで感じるデメリットを3つ紹介いたします。

• 業務が偏る
• 人員配置の負担が大きい
• 入居者、家族への責任が大きくなる

　

業務量の偏りや、人員の負担について知っておく必要があります。

シフトによって業務が偏りやすい

シフトの時間によって業務量が偏りやすいと言われています。その理由としては、日中は常に一人以上のスタッフが常駐しているため業務の分担ができますが、夜勤は基本的に一人勤務となるためです。入居者対応と共に清掃業務や、書類の入力などマルチタスクをこなさなければならなくなります。

人員配置の負担が大きくなりやすい

ユニット型特養は少人数体制で業務を行うため、人手不足になりやすい傾向があります。欠員や退職が出ると急なシフト調整が難しく、一人あたりの負担が増します。同じ施設内のほかのユニットに応援を依頼して業務を調整することもあり、体力面だけでなく精神的にも負担を感じる場面があるでしょう。

入居者や家族対応の責任が重くなる

ユニット型特養は入居者や家族との距離感が従来型に比べて近くなりやすいことはメリットで紹介しましたが、同様の理由で責任が重くなります。
スタッフ一人ひとりがきちんと生活状況や体調管理を行わなければならないからです。

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従来型とユニット型の働き方・キャリアの違い

今後介護職員として働こうと決めたとき、ユニット型と従来型のどちらで経験を積み、知識を深めていくべきか悩む方も多いでしょう。どのようなスキルが身に付くかわからないこともあると思います。ここでは次の2点に注目してみましょう。

• 身に付くスキルの違い
• 勤務先の選び方

　

スキルを学ぶ環境はとても大切になってきます。そのため自分にあった環境を選ぶことがとても大切です。

介護スキルの身につき方の違い

ユニット型特養と従来型特養でそれぞれどのようなスキルが身に付くのか紹介します。

ユニット型特養では個別ケアを通じて利用者に寄り添ったケアに重点を置いているため、傾聴する力やタスク管理能力が身につきます。また、ユニットごとにリーダーの配置が必須となるため、リーダーシップが身に付くでしょう。

従来型特養では大人数を一度に対応していくため、コミュニケーション能力や観察力が身につきます。また介護度の高い入居者の方も多いため介護技術も向上していくと考えられます。

キャリアアップを考えた勤務先の選び方

せっかく介護職を選ぶなら将来を考えた勤務先を選びたいですよね。少人数制で働いていくため、ユニット型特養の方がキャリアアップが早いと考えられています。各ユニットごとにリーダーを配置するため、最初のステップアップが早くなっています。

また今後新しい施設が開設されるときはユニット型特養が増えていくと考えられます。ユニット型で実践を積むことで、新規立ち上げの即戦力として活躍できるでしょう。

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ユニット型特養では、個別ケアを重視した生活支援を行います。ユニット型で向いている人は、注意力が高く、幅広い業務を柔軟に対応できる方です。利用者と時間をかけて関わりたい方や、コミュニケーション能力が高い方にも向いています。

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