重度訪問介護とは
まずは、重度訪問介護を受ける対象者や人員配置について確認しておきましょう。
重度訪問介護が受けられるのは、常に介護が必要な重度の肢体不自由者や重度の知的障害または精神障害のある方です。
また、重度訪問介護の事業を営むためには法律で定められた基準を満たす必要があります。ここでは、対象者と人員配置の2点について詳しく解説します。
対象者
重度訪問介護の対象者は、以下2点の要件を満たす方と厚生労働省で定義されています。
- 重度の肢体不自由者または重度の知的障害もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する者
- 常時介護を要する障害者
また、障害区分4以上に該当し、次のいずれかに該当する方が対象者です。
- 麻痺などで歩行・移乗・排尿・排便のいずれもが支援不要以外に認定されている方
- 障害支援区分の認定調査項目のうち12項目の合計点数が10点以上の方
重度訪問介護は、利用者の自立や意思を尊重しながら、日常生活の見守りも担う重要な支援です。
人員配置
重度訪問介護事業の指定を受ける場合は、人員に関する基準を満たす必要があります。基準に沿った人員配置は以下のとおりです。
- 管理者1名:常勤で専従
- サービス提供責任者一人以上:常勤・専従・指定の資格保有者(介護福祉士や実務者研修修了者など)
- ヘルパー2.5人以上(常勤換算):指定の資格保有者(介護福祉士や実務者研修修了者など)
このうち、管理者とサービス提供責任者は兼任が認められています。また、事業規模に応じて必要な人員配置も異なります。したがって、少なくとも3人以上(常勤換算で2.5人以上)の人員が必要です。
訪問介護や居宅介護との違い
従来は病院や介護施設での介護が一般的でしたが、近年は在宅での介護を受ける方は増加傾向です。
その背景には、国が在宅医療・介護を推進していることが関係しています。高齢化が顕著に進むなかで、在宅での療養を希望する国民は60%以上にのぼります。
住み慣れた居宅や地域で必要な医療や介護を提供しつつ、医療機関とも連携することが重要です。しかし、まだ医療と介護の連携は十分とはいえない現状があります。
国としても、増加する高齢者と十分な療養の場所の確保が課題となっているため、訪問介護は重要な役割を持ちます。
特に、重度訪問介護においては医療機関との連携が欠かせません。医療と介護のサービスを一体的かつ継続的に提供する重要性が高まっています。
ここでは、施設や病院以外で行われる訪問介護と居宅介護の違いを解説するとともに、重度訪問介護の特徴も紹介します。
訪問介護との違い
訪問介護と居宅介護のどちらも、利用者の自宅で介護を受けるという共通点はあります。
ただし、訪問介護は介護保険法でサービス内容が規定されており、サービスは介護保険の対象者で要介護の状態にある方のみが利用可能です。
訪問介護は、介護福祉士や実務者研修修了者などの資格を有した訪問介護員が、利用者の自宅を訪問して次のようなサービスを提供します。
- 入浴
- 排泄
- 食事の介護
- 調理・洗濯・掃除などの家事
また、通院時の乗車や降車の介助もサービスに含まれます。
居宅介護との違い
訪問介護と居宅介護の明確な違いは、対象となる利用者の条件です。
居宅介護の対象者は、18歳以上の身体障害・精神障害・知的障害で障害支援区分が1以上と認定された方、および18歳未満でこれに相当する障害児です。
居宅介護でのサービス内容は訪問介護と同じように入浴や排泄、家事などを行います。
重度訪問介護は自宅だけでなく、利用者が入院した場合でも同様のサービスが受けられるようにする必要があります。
そのため、入院中や入所している利用者に対しても意思疎通の支援やその他の日常支援などを行うことが特徴です。
また、一度の訪問で行うサービス提供時間は8〜12時間の長時間にわたります。
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重度訪問介護で行う仕事内容
重度訪問介護の仕事内容について具体的な内容までは把握していない方もいるでしょう。重度訪問介護には、具体的に以下のような仕事があります。
- 入浴や排泄の介護
- 食事の介護
- 洗濯や掃除
- 生活全般の援助
- 外出時の援助
これらの仕事内容が体力的に負担となるか、自分にできそうかを判断する材料として詳しく解説します。
入浴や排泄の介護
重度の障害を持つ利用者を介護するためには、一般的な介護以上に利用者への配慮が欠かせません。
入浴は自宅の浴室を使える場合と、設備が整っていない場合には部分浴を行うことがあります。
入浴介護には身体を拭いたり、洗髪を行ったりして利用者を清潔に保つ支援も必要です。
排泄介護は利用者の状態に応じて、トイレ利用やポータブルトイレ利用の介助、オムツ交換などを行います。
食事の介護
食事の介護では、食事の準備や食べる際の介助を行います。身体の不自由な方への特別な配慮や気遣いが必要な場面では、コミュニケーションが重要です。
利用者に寄り添い、ストレスや不安を感じることがないように介護を行うことが大切になります。
洗濯や掃除
洗濯の援助は、必要に応じて洗濯物を洗ったり、洗濯物の収納などを行います。掃除では、ゴミ出しや居室の清掃を通じて、快適で清潔な環境を整えます。
上記以外の生活全般の援助
生活全般の援助としては、着替えの際の衣服着脱のサポートや移動時の援助、買い物の代行などがあります。
外出時の援助
外出時の援助は、病院への通院や買い物などを行います。外出時は特に安全面に配慮し、見守りの役割も欠かさず行うことが重要です。
このように、重度訪問介護の仕事は身体の自由がきかない利用者に寄り添いながら自立を支援し、重度化する大切な役割を担っています。
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重度訪問介護の資格要件
重度訪問介護は、介護保険法や障害者総合支援法に基づいて提供されているサービスです。そのため、ホームヘルパーやサービス提供責任者として働く場合は、特定の資格要件が定められています。
まずはホームヘルパーから始め、段階を踏めば専門職にキャリアアップすることが可能です。以下に詳しく解説します。
ホームヘルパーの場合
訪問介護員のことをホームヘルパーといいます。ホームヘルパーとして訪問介護業務に従事できるのは、介護福祉士およびその他政令で定める者と規定されています。
各都道府県、またはその指定を受けた介護員養成研修事業者が実施する研修を修了し、修了証明書の交付を受けた方のことです。
ホームヘルパーが保有している主な資格には次のようなものがあります。
- 介護福祉士
- 介護職員初任者研修修了
- 実務者研修修了
- 訪問介護員養成研修1級課程・2級課程修了(2013年3月で研修終了)
- 介護職員基礎研修修了(2013年3月で研修終了)
ホームヘルパーを始めて1〜2年の間はサービス提供責任者やほかのヘルパーに同行して業務の流れや基本を覚える時期です。3年目以上になると、サービス提供責任者の補佐的な役割を担うことができます。
サービス提供責任者の場合
サービス提供責任者として訪問介護業務に従事できる主な資格は以下のとおりです。
- 介護福祉士
- 介護福祉士実務者研修修了者
- 介護職員基礎研修修了者
- 訪問介護員養成研修1級課程修了者
重度訪問介護には、重度訪問介護従業者養成研修の資格がありますが、サービス提供責任者になる場合にこの資格は必須ではありません。
重度訪問介護従業者養成研修を修了すれば、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアにも対応できるようになります。
医療的ケアまで行える介護人材は不足しているため、より専門的な介護を目指す方は資格を取得するとよいでしょう。
将来的には、ケアマネジャーや訪問介護事業の管理者などのキャリアを目指すことも可能です。
重度訪問介護に従事するための主な資格の取得方法
重度訪問介護に従事するためには資格が必要です。ここでは以下の3つの資格取得方法について詳しく解説します。
- 都道府県知事指定の重度訪問介護従業者養成研修
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士
未経験でも始められる講習の制度があるほか、働きながら資格取得も目指せるため、重度訪問介護の仕事に興味のある方はぜひ確認してみましょう。
都道府県知事指定の重度訪問介護従業者養成研修を受講
重度訪問介護従業者養成研修は、すでに従事している方や今後従事予定の方を対象とした研修です。
研修は自治体によって日程や期間の違いはあるものの、講義と実習が行われ、全課程を修了すると修了証書が交付されます。
介護職員初任者研修の受講
訪問介護に従事するためには、無資格では従事できません。そのためまずは介護職員初任者研修を目指す必要があります。
未経験の方でも基礎から実務まで学べるため、介護職員初任者研修は介護業界での第一歩として有効な資格です。
介護職員初任者研修を修了すると訪問介護の業務に携われるようになります。取得するためには、講座と演習を修了して試験に合格する必要があります。
カリキュラムは9科目130時間におよび、40.5時間までは通信講座の利用も可能です。スクーリングと通信講座の併用も可能で、働きながら取得を目指す方も少なくありません。
取得までの目安はおよそ1〜4ヶ月程度です。訪問介護に従事したい方は、取得しておきたい資格の一つです。
国家資格である介護福祉士の資格を取得
介護福祉士の資格を取得すると、重度訪問介護業務に従事できるようになります。介護福祉士の資格を取得するためには、受験資格を満たし、なおかつ筆記試験に合格する必要があります。
受験資格にはさまざまなルートがありますが、これから介護業務に就くという方は、一般的に実務経験を3年以上積まなくてはなりません。
さらに、実務者研修または、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修の両方を修了する必要があります。
これらの受験資格を満たして、国家試験に合格し登録することで、介護福祉士としての資格を得られます。
介護福祉士には更新や期限がないため、一度取得すると資格を保有し続けることが可能です。また、専門知識やスキルの証明になるため、就職や転職で有利になるでしょう。
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重度訪問介護の報酬
介護業界が未経験の方にとって、気になるのは報酬面ではないでしょうか。また、介護の仕事は責任が重い一方で、収入面に不安を感じている方も少なくないでしょう。
ここでは実際の重度訪問介護の報酬を、常勤のホームヘルパーと介護士の場合に分けて紹介します。
常勤のホームヘルパーの場合
厚生労働省の2024年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要によれば、ホームヘルパー(訪問介護員)の平均給与は月額でおよそ350,000円でした。
日本人の給与所得者全体の平均年収は賞与を除いておよそ3,800,000円です。月額にするとおよそ316,000円になるため、ホームヘルパーの給与額は決して低い水準ではないことがわかります。
さらに夜勤や訪問する時間帯によっては手当がつく場合もあるため、働き方によっては安定した収入が得られる職業です。
介護士の場合
厚生労働省の2024年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要によれば、介護福祉士の資格保有者かつ常勤の方の平均給与は月額でおよそ350,000円でした。
介護職員全体の平均給与は月額338,000円程度です。
介護業界全体で給与は増加傾向にあるため、将来の職業として十分検討する価値があります。さらに、今後も給与を引き上げる予定があると回答した介護施設・事業者の割合は58.2%にのぼっています。
これから介護業界への転職を考えている方は、報酬面では生活への不安なく働ける職種といえるでしょう。
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重度訪問介護の仕事を希望するなら
重度訪問介護は、常時介護が必要な方の生活を支える重要な仕事です。
「人の役に立ちたい」「未経験でも介護業界で働いてみたい」と考える方にとっては、長く働ける職場を見つけることが大切です。
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