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仕事・働き方

2025.9.24

サービス提供責任者は兼務できる?できない職種や事業所、注意点なども解説

「ほかの仕事も兼ねてほしいと言われたけれど、制度的に問題ないのだろうか」と、サービス提供責任者として不安や疑問を感じる場合があります。

実際に兼務が認められている場合もありますが、その可否は勤務先の種類や働き方によって大きく異なります。

事業所の方針だけで判断せず、制度に沿った条件や特例措置の正しい理解が大切です。

この記事では、判断の基準と注意点を整理し、兼務を検討するときの準備や考え方を解説します。

サービス提供責任者は兼務できる?

車椅子を押す介護士
サービス提供責任者(サ責)は、原則として事業所ごとに常勤での配置が条件です。

しかし、一定の条件を満たすと、ほかの業務と兼ねられる場合があります。

例えば、訪問介護事業所は、サービス提供責任者が管理者や訪問介護員(ヘルパー)との兼務が制度上認められています。

ただし、常勤であることや、業務の遂行に支障が出ない体制であることが前提です。

サ責の勤務時間が不十分な場合は、基準を満たしていないと判断される可能性があるため、注意が必要です。

また、兼務の可否は事業所の種類や運営形態によっても異なります。同一法人内であっても、訪問介護と別の施設を行き来しながらの勤務は、常勤配置とみなされない場合があります。

こうしたケースは、非常勤扱いとされる可能性もあるため、実際の勤務実態や就業契約の内容に沿った判断が必要です。

介護保険制度での兼務は認められない、と明記されている職種や事業所も一部にあります。ただし、こうした例は限られており、ほとんどのケースは条件を満たせば兼務が可能です。

訪問介護に限らず、定期巡回や夜間対応型など、事業所の形態によって兼務の可否や条件の解釈が異なる場合もあります。勤務先の体制や制度上の要件の確認が大切です。

サービス提供責任者ができる業務

高齢者から相談を受けるケアマネジャー
サービス提供責任者は訪問介護計画の作成やサービス管理を担う役割ですが、制度上は、一定の条件を満たせば兼務も可能です。

管理者やヘルパーとしての業務に加え、定期巡回や夜間対応、障害福祉サービスとの兼務も認められています。それぞれの業務特性に応じた配慮が必要です。

管理者

制度上、訪問介護事業所でのサービス提供責任者と管理者の兼務は可能とされています。特に小規模な事業所は、一人が両方の役割を担う体制がよくみられます。

しかし、どちらの職務も重要な判断を伴う業務であるため、両方の立場でも対応が滞らないよう時間配分や業務量の調整が求められるでしょう。

ヘルパー

サービス提供責任者が訪問介護員(ヘルパー)を兼ねることも制度上認められています

利用者宅での身体介護や生活援助に直接関わるため、サービス提供計画との連動が取りやすくなる一面があります。

しかし、計画作成やサービス調整の時間が削られないよう、業務とのバランスに注意が必要です。訪問の件数や移動時間が増えると、管理業務に支障が出る可能性もあります。

兼務の際は業務配分と勤務形態を見直し、必要に応じて担当の調整や補助職員の配置を検討してもよいでしょう。

定期巡回、随時対応型訪問介護看護

高齢者と話すヘルパー
定期巡回、随時対応型訪問介護看護でも、サービス提供責任者が業務を兼ねることは制度上可能です。

このサービス形態は日中や夜間を通して定期的に訪問し、必要時には随時対応も行うため、対応範囲が広い特徴があります。

兼務する場合は、利用者の状態変化や対応履歴などを正確に把握し、情報共有をしっかりと行う配慮が求められます。

また、医療的ケアとの連携が必要になる場面もあるため、看護職や他職種との情報共有や役割分担も欠かせません。

役割の境界が曖昧にならないよう、職務ごとの線引きと業務の優先順位を明確にすることが大切です。

夜間対応型訪問介護

夜間対応型訪問介護は、サービス提供責任者が夜勤帯の訪問業務を兼ねる場合もあります。

ただし、深夜や早朝の勤務で日中の計画業務やほかのスタッフとの連携時間が不足しやすくなる点は、留意点としてあらかじめ認識しておくことが重要です。

常勤の要件を満たしていても、事業所によっては夜間中心の勤務を非常勤扱いとする場合もあります。

兼務する際には勤務時間の区分や業務報告の方法などを明確にし、日中の業務との接続が途切れないような工夫が求められます。

障害者居宅介護

車椅子に座る高齢者女性と介護士
障害福祉サービスの一つである居宅介護でも、サービス提供責任者の兼務が可能です。

訪問介護と支援内容や業務の流れが近いため、記録や報告、現場対応で混乱が起きにくく兼務の負担も少ないとされています。

一方で、制度や加算基準が異なるため、記録や報酬請求の処理方法も確認が欠かせません。

サ責は計画作成やモニタリングなどの業務が多く、訪問支援を兼務すると記録の抜けや連携の不足を招く可能性があります。

さらに、報酬体系や契約条件の違いから勤務管理が複雑になり、業務配分が曖昧だと契約トラブルにつながるおそれがあります。時間と業務のバランスが重要です。

サービス提供責任者として業務を広げたいと考えたとき、自分に合った事業所の見つけ方に悩む方も少なくありません。

条件の合う求人があるかどうか、自分の経験が活かせるかなどの点は、一人での判断が難しい場合もあります。

ハッシュタグ転職介護は、介護分野に特化したキャリア支援を行っており、制度や職場環境の違いを踏まえた求人紹介や転職相談が可能です。業界特有の詳細な情報を提供し、あなたにぴったりの職場を見つけるサポートをいたします。

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サービス提供責任者が兼務できない職種や事業所

屋外でバツの札を見せる女性介護士
サービス提供責任者は幅広い業務を兼務できますが、すべての職種や事業所において、兼務が制度上認められているわけではありません。

配置基準や制度の条件によっては、兼務が認められない職種もあります。事前に理解しておくと、誤解によるトラブルを防げるでしょう。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、介護保険制度上の施設系サービスに該当し、居宅サービスである訪問介護とは異なる枠組みで運営されています。

そのため、施設内でのサービス提供責任者の業務は想定されておらず、原則として兼務は認められていません

施設内の支援は介護職員や看護職員が中心となるため、サ責業務との重複が生じにくく、兼務の必要性があるとみなされないケースも少なくありません。

有料老人ホームは、制度上兼務が想定されていないため、訪問介護との役割や勤務形態の違いの整理が必要です。

指定居宅介護事業所

説明する介護士と高齢者の女性
指定居宅介護支援事業所で行われるケアマネジメント業務は、制度上中立性と公平性が求められるため、サービス提供責任者との兼務は認められていません

ケアマネジャーは、利用者にとって適切なサービスを客観的に調整し計画する立場で、特定の事業所に偏った支援があってはならないとされています。

サ責業務を兼ねる場合、訪問介護事業所のサービスを優先するような状況が生まれ、公平性が守られなくなる恐れがあります。

現場での利便性だけでなく、制度に基づいて職種ごとの役割を整理する視点が必要です。

サービス提供責任者として働きながら、将来的にケアマネジャーへのキャリアチェンジを検討する方も少なくありません。

しかし、制度の違いや配置基準の制限に気付かず、希望の職場で働けなくなるケースもみられます。

ハッシュタグ転職介護は、介護職から他職種への移行や、制度上の兼務可否を踏まえたキャリア相談にも対応しています。介護業界に詳しいアドバイザーが、職種ごとの役割や働き方の違いを整理し、あなたに適切な働き方を一緒に考えるサポートを行います。

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サービス提供責任者の人員配置基準とは

訪問介護する女性と高齢者(肩こり)
訪問介護事業所では、サービス提供責任者の配置方法が制度上明確に定められています。

常勤換算や人員基準に関する理解は、兼務の可否にも深く関わる大切な基本事項です。まずは基本的な考え方を押さえておきましょう。

常勤換算

常勤換算とは、非常勤職員の勤務時間を足して常勤職員の勤務時間(一般に週40時間)に換算する方式です。

例えば、1日4時間で週5日勤務の非常勤職員2名は、合計で週40時間とみなされ一人分の常勤換算になります。

サービス提供責任者も、事業所の利用者数に応じた常勤換算での配置が求められます。

人数をそろえればよいわけではなく、勤務時間が制度に照らして妥当かどうかが判断のポイントです。

また、複数業務を兼ねている場合や勤務が分散している場合には、勤務時間の合計ではなくサ責業務に充てた時間が足りているかが重視されます。

合計時間が基準を満たしていても、業務がほかの職務に偏っていると、サ責としての職務を果たしていないと判断される場合もあります。

勤務内容と時間配分の両面から、制度上の要件を満たしているかの確認が大切です。

制度の特例

人員配置の制度には一部、柔軟な運用が認められている特例措置もあります。

通常、訪問介護には利用者40人ごとに一人のサービス提供責任者が必要で、専任で常勤の配置が原則です。

小規模事業所は、管理者やヘルパーとの兼務など柔軟な運用が可能になる場合もあります。

しかし、これらの特例は条件付きで、利用者の人数やサービス提供体制によって制限があります。

規模の小ささを理由に自由な兼務が認められるわけではなく、制度の条件をクリアしているかどうかが前提です。

サービス提供責任者の兼務での注意点

介護士の女性
サービス提供責任者をほかの業務と兼ねる場合、制度上は可能でも、勤務形態や契約内容に注意が必要です。

併設施設での非常勤扱いや自治体ごとの運用差、労務環境の不一致など、事前に確認すべき点を押さえておきましょう。

併設施設での兼務は非常勤扱いになる

同一法人内に複数の事業所がある場合、訪問介護と施設系サービスを兼ねて勤務する際は、常勤として認められない例があります。

例えば、訪問介護のサービス提供責任者が有料老人ホームの業務も兼ねる場合、事業所を行き来する働き方は非常勤として扱われるケースもみられます。

実際の勤務時間が確保されていても、配置基準に反していると判断される恐れもあるため、勤務開始前に制度上の取り扱いを明確にしておくことが重要です。

自治体により兼務要件が異なる

介護保険制度は全国共通ですが、具体的な運用や監査の解釈は自治体によって異なる場合があります。

ある地域で認められている兼務が、別の地域では認められないケースもあるため、所在地の自治体のルールを把握しておくと後からの指摘を回避しやすくなります。

特に兼務に関する指導や監査の基準は、自治体ごとに差が出やすい項目です。

勤務開始後に「制度に沿っていない」と指摘されるのを防ぐためにも、事業所だけで判断せず、所轄の担当窓口に問い合わせておきましょう。

給料体系や労働環境の確認が必要になる

通帳を見るケアマネジャー
複数の業務を兼ねる場合、それぞれの職務に対して給与や手当がどのように支払われるのかを確認しておく必要があります。

例えば、サービス提供責任者とヘルパーを兼ねる場合、訪問介護時の移動時間がどちらの勤務に含まれるかによって賃金の計算方法が変わります。

また、業務ごとに労働時間の区分や契約条件が異なる場合、想定していた働き方とずれが生じる場合も少なくありません。

契約書や勤務シフトの管理方法を確認し、給与や労働時間の就業条件を事前に明記しておくことが、後の行き違いを防ぐのに有効な方法です。

サービス提供責任者として働くうえで、制度だけでなく、現場のルールや働き方の違いに不安を感じることは少なくありません。

職場によっては、同じ制度のもとでも運用に差があり、自分一人で判断するのは難しい場面もあります。

ハッシュタグ転職介護は、介護業界に精通したキャリアアドバイザーが、制度の解釈や勤務形態の選択肢を一緒に整理し、あなたに適切な働き方を見つけるお手伝いをしています。
兼務を前提にした相談だけでなく、自分に合った働き方を確認するための情報収集としてもご利用いただけます。業界の新しい情報を踏まえて、あなたの希望やライフスタイルにぴったりの働き方を一緒に考えることが可能です。
今後の働き方に迷ったときは、まず気軽にご相談ください。あなたの未来に合ったキャリアを見つけるために、サポートいたします。

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サービス提供責任者として兼務を視野に入れる前に

老人ホームにいるシニア夫婦と介護職員
「すぐに兼務するのは不安」「何から始めればよいのかわからない」と感じたときは、今できる準備から始めることが大切です。

職場で経験を積んだり、将来に向けた資格を目指したりすると、少しずつ自信がついてきます。

勤続年数を上げる

現場での経験が増えるにつれて、利用者との接し方や職員間の連携、判断が求められる場面への対応なども身につきます。

勤続年数が長くなると、計画作成の補助や新人職員のサポートを頼まれる場面が出てくる場合もあるでしょう。

将来的にサービス提供責任者を兼ねるための視点や判断力も、日々の業務を通じて育っていきます。

資格取得を図る

介護福祉士の資格は、サービス提供責任者の業務に必要とされる条件の一つです。

資格の取得で、介護保険制度やサービス提供責任者に関する配置基準などの理解が深まります。

継続的に学習すれば、要点が整理されて知識として定着しやすくなるでしょう。

資格を持つと、担当できる業務の幅が広がる場合もあります。現場での経験と学習内容を照らし合わせながら理解を深めていくと、実務にも結び付きやすくなります。

転職エージェントを利用する

一番のポーズをする女性
制度や働き方の違いなど一人で調べ切れないと感じるときは、介護業界に詳しい転職エージェントに相談するのも一つの方法です。

事業所ごとの人員体制や、実際に兼務をしている職員の事例など、自分だけでは得にくい情報を知ることができます。

兼務の可否や条件は職場ごとに異なるため、自分の希望や経験に合った働き方を提案してもらえるのは、転職エージェントを活用する際の利点の一つです。

ハッシュタグ転職介護は、介護分野に詳しいキャリアアドバイザーが、制度や職場環境の違いに配慮した情報提供と相談支援を行っています。転職の有無に関わらず、今の職場で兼務を目指す方や、今後の働き方に不安を感じている方もご利用いただけます。

「今の職場で兼務を目指したいけど、どう進めるべきか分からない」
「今後のキャリアや働き方に不安がある」

そんなお悩みをお持ちの方も、まずは現在の状況や疑問を共有していただき、どのような選択肢があるのかを一緒に整理しましょう。相談は無料で受け付けており、兼務に向けた準備を始めたい方も、お気軽にご相談ください。

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サービス提供責任者の兼務で多くの利用者と出会うために

手を握って高齢者と話すヘルパー
兼務を通じて、さまざまな方と関わる経験が増えるのも、サービス提供責任者の魅力の一つです。

訪問先ごとに異なるニーズや状況に対応するなかで、観察力や判断力が鍛えられ、現場での視野が広がるでしょう。

また、関わる方が増えると、信頼関係や人脈が築かれる機会が増えます。事業所内での連携も取りやすくなり、結果として利用者への支援の質も高まります。

兼務には負担が伴う面もありますが、得られる成長や変化も大きい役割です。経験を積む機会として、前向きにとらえてみるのもよいでしょう。

ハッシュタグ転職介護は、複数の業務に携わりたい方や、自分の可能性を広げたい方に向けたキャリア支援を行っています。

実際に兼務を通じてスキルアップした職員の事例をもとに、適した職場の具体的な紹介も可能です。

兼務を通じてたくさんの利用者と関わりたい方や、業務の幅を広げたい方に向け、専門の担当者が一貫して対応する体制を整えています。

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今の経験を活かして新たな業務に挑戦したい方は、ハッシュタグ転職介護の支援を活用して、将来を見据えた働き方を一緒に考えてみてはいかがでしょうか。

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