産業区分の概要

さまざまな職業の経済活動を統計しやすくするため、主に3つの産業区分に分類しています。
各産業の特徴を検討し、介護職の位置付けを確認してみましょう。
第一次産業
第一次産業は自然に関わる仕事を含む以下のような業種です。
- 農業
- 漁業
- 林業
1950年以前は基本的な生活を営む観点では生活の基盤となる食事や住まいなどに重きが置かれ、農業や漁業、林業がとても盛んでした。
1950年以降になると経済の成長に伴い、基本的な生活をさらに便利かつ豊かにする意識が高まります。
自然とともにあった産業を利用し、加工や製造する産業(第二次産業)へと移行します。
第二次産業
第二次産業は、第一次産業の生産物の加工や製造に関わる以下のような業種です。
- 製造業
- 鉱業
- 建設業
1950年以降、生活に豊かさを見出そうと、第一次産業で生産した食物や木材などを加工や製造をして販売する産業形態が生まれます。
また国内の産業が充実してくると、国外への市場拡大を意識し貿易が始まります。
国内は製造物の資源が乏しいため、国外から製造資源となる材料を輸入し、国内で製造や加工して輸出するための産業形態を確立しました。
第三次産業

第三次産業は、第一次、第二次産業以外のすべての業種を含む以下のようなあらゆる業種です。
介護職はサービス業に分類され第三次産業に位置付けられます。
- 商業
- 金融業
- サービス業
- 外食産業
- 情報通信産業
第一次、第二次産業を経て現代での生き方や働き方、価値観が多様化し社会は大きく変化しました。
変化や多様化に対応するため第三次産業が発展し、さまざまな職業が出現しました。
今後も変化し続ける社会とともに、第三次産業は今後も拡大を続ける傾向があります。
また、第三次産業の介護職は社会の高齢化からますます需要の高まる仕事です。
社会から必要とされる職業でキャリアアップを目指していきたい方もいらっしゃるでしょう。
介護職は社会貢献度が高く、今後もさらに成長を続ける分野ですが、介護や福祉業界の知識に乏しく職に就くのは難しいと感じる場合もあるかもしれません。
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介護職がサービス業といわれる理由

介護職への理解を深めるため、サービス業での介護職の概要を把握しましょう。
産業3区分では介護職はサービス業ですが、総務省が設けている日本標準産業分類では、医療・福祉の業種に分類されます。
介護職は医療に並び専門性が必要な業種で、以下のような事業で活躍しています。
- 通所・短期入所介護事業
- 訪問介護事業老人デイサービスセンター
- 老人短期入所施設
- 訪問介護事業所
- 老人福祉介護事業特別養護老人ホーム
- 介護老人福祉施設
- 認知症高齢者グループホーム
- 養護老人ホーム
- 地域包括支援センター
介護や福祉の専門性を活かし、多様な職場や働き方の選択肢のある職業です。
また、福祉サービス事業を営む中小事業主のあり方が労働基準法に規定されているので、広義の意味でサービス業でもあります。
サービス業は形のないサービスを提供する業種で、医療や介護をはじめ、修理業や娯楽業など多岐に渡ります。
介護職も介護サービスを提供する形態であり、専門的な知識と技術を有したサービス業でしょう。
介護業務におけるサービス業の特徴

介護職は、一般的にイメージするサービス業とは少し異なり、心身に不自由を抱える方への介助や健康維持を促す特異性を有しています。
介護業務でのサービス業の特徴を理解すると、介護職に求められるスキルや働き方が見えてくるでしょう。
同時性
介護サービスの特性として、空間的かつ時間的な同時性が挙げられます。
空間的な同時性は、介護者が利用者さんへの介護サービス提供する場所と、利用者さんへサービスを提供する行為が同時に生じることです。
例えば、訪問介護サービスは利用者さんのご自宅へ訪問してサービスを提供する行為で、介護の場所とサービスが同じ空間で起こっています。
また時間的な同時性は、介護サービスの時間と、時間に対しての報酬が同時に起こっていることです。
無形性
介護サービス自体に物理的なものは存在せず、無形性の特徴があります。
かつての産業では物に対して対価を支払うことが生産と消費の形態でしたが、形のない時間や空間、援助などに需要が広がっています。
特に、高齢化社会では対人援助の需要が高まっており、介護サービスはますます期待される職業です。
働き方の多様性とともに、形のないサービスに価値が見いだされる時代となり、介護職はさらに社会から必要とされる魅力的な職業として成長が期待されています。
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また、転職後もフォロー体制を整えており、職場で悩みを抱えた場合でも、気軽に専門アドバイザーに相談することができます。転職後も安心感を持って働けるように、しっかりとサポートします。
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個別性

利用者さんは心身の状態や認知力、生活背景が一人ひとり異なり、個人に合わせた介護サービスが必要です。
例えば要介護度が高く寝たきりの方や、身体は自由に動かせるけれども認知症を患っており介助を要する方など、基本的生活動作や認知機能が違い個別の対応が求められます。
介護職者は利用者さんの個別性を常に意識して、利用者さんが快適に過ごせるような介護サービスの提供が大切です。
またすべてを手伝うのではなく、健常な機能を損なわないよう、できないことを手伝うよう意識した個別の支援を考え提供していく必要があります。
新規性
福祉業界では、今後もさらに増加する高齢の利用者さんの介護をよりよいものにしていくため、介護知識や技術が日々研究され進化しています。
進化する介護スキルを自ら学び取り入れていく姿勢はとても大切です。
また介護の現場の利用者さんの状態や介護サービスの提供の仕方は毎回同じではありません。
利用者さんの健康状態や気分は変化し、ときに介護者の意図が通じにくい場面や、健康状態の異常から医療者との連携が必要な場面などさまざまです。
多様なケースに臨機応変に対応する点で、サービスの新規性に富む特徴があります。
非反復性
新規性でも述べたように、利用者さんの状態は一定ではなく心身の状態に合わせて気を配りながら介護を提供するので、同じ時間に同じ介護サービスは提供できない非反復性のある業種です。
介護を提供する場も同じではなく介護施設内の部屋や風呂場、食堂、利用者さんのご自宅などさまざまあります。
介護職へ転職する人が多い職種

介護業界で注目を集めている職種や需要の高い職種を検討し、転職先を選ぶ参考にしましょう。
主に以下のような介護職種があります。
- 介護職員
- 訪問介護員(ホームヘルパー)
- 介護支援専門員(ケアマネージャー)
- 生活相談員
- サービス提供責任者
- 管理者(施設長)
- 介護事務
- 介護助手
- 介護ドライバー
介護職の職種が多いことから活躍する場が幅広いことがうかがえます。
介護職種の労働者調査では、介護職員をはじめとする訪問介護員、サービス提供責任者や介護支援専門員の半数以上が今の仕事を継続したいと回答しており注目を集めていることがわかるでしょう。
介護職員は介護施設を通所または入所する利用者さんに対して食事・排泄・入浴など身体介護援助と、洗濯・調理・掃除など生活援助をします。
訪問介護員(ホームヘルパー)は、利用者さんのご自宅を訪問して介護援助と生活援助をします。
介護支援専門員は看護師や介護福祉士、社会福祉士などの資格が必要です。
介護保険サービスの利用者さんのアセスメントと利用者さんに合わせたケアプランの作成や、利用者さんとサービス事業所の調整が主な職務です。
サービス提供責任者は介護福祉士実務者研修や介護福祉士など資格を要します。
訪問介護事業所に従事し、介護支援専門員が作成するケアプランに基づき、訪問介護計画書を作成します。
訪問介護員への指導や利用者さんとの連絡調整などが主な職務で、訪問介護事業所で中核的な役割を担うことが多いようです。
また注目度の高い介護職種は、利用者さんや社会から必要とされている実感から、仕事へのやりがいや充実感もに大きく反映するでしょう。
介護職への転職に興味はあるものの、介護職種や職場が多くて選択に困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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また、資格取得を目指している方には、介護現場で働きながら資格取得を支援してくれる職場への転職情報を提供し、キャリア構築をサポートします。あなたのキャリアを一緒に考え、理想の職場を見つけるお手伝いをいたします。
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サービス業(接客業)から介護職へ転職するメリット

介護職への転職において、サービス業からの転職者の割合が多いという調査結果があり、サービス業から介護職に転職する方は少なくありません。
サービス業は対人サービスに特化したコミュニケーションやホスピタリティの面でスキルが必要とされる場合があります。
サービス業で培った技術は介護の現場でも大変役立ちます。
さまざまなサービス業から介護職へ転職するメリットを考えてみましょう。
コミュニケーションスキルを活かせる

サービス業に接客業がありますが、接客業での大切なポイントの一つがコミュニケーションスキルです。
接客業を経験された方は顧客との円滑なコミュニケーションを持つ姿勢を心得ています。
介護では、利用者さんに心身ともに健康かつ快適に過ごしてもらうため、利用者さんとの信頼関係の構築がとても重要です。
接客技術に長けているサービス業の方は利用者さんの年齢や性別、気分など個人の様子に合わせたコミュニケーションが取れ、信頼関係を築きやすいのではないでしょうか。
またコミュニケーションは会話に限らず、表情や声色、態度など非言語的コミュニケーションもあります。
笑顔や丁寧なトーンでの口調、礼儀正しく相手を尊重した態度など、あらゆるところに意思が現れます。
介護現場では、接客業経験者だからこそできるコミュニケーション技術が存分に発揮できる環境でしょう。
ホスピタリティのスキルを活かせる
ホスピタリティとは思いやりやおもてなし、心遣い、気配りなど相手を尊重して関わる精神を意味します。
サービス業での具体的なホスピタリティは、顧客のニーズを汲み取り正確に理解し顧客に対応する姿勢ではないでしょうか。
介護現場も同様に、利用者さんの状態をアセスメントして、思いやりや心遣いを意識しながら必要な介護技術の提供が求められます。
日々のサービス業務で培ったホスピタリティの精神を介護職で活かすことができるでしょう。
調理や医療スキルを活かせる

介護職の職務には生活援助のなかに調理も含まれます。
サービス業に含まれる飲食業などで調理を担当した経験のある方には、調理のスキルを活かせるチャンスでしょう。
また、看護師や看護助手、作業療法士、理学療法士など医療サービスを提供していた方も介護の現場で医療スキルを活かして活躍しています。
ダブルライセンスのように介護分野での資格取得も目指したいと考えている医療スキルを持っている方は、資格取得条件をすでに満たしている場合もあり、介護の新たな業界でのキャリアアップの視野も広がります。
運転技術を活かせる
サービス業に含まれる運送業やタクシー運転手などを経験している方は、介護ドライバーなどの職種で運転技術を活かせるでしょう。
介護ドライバーは、デイケアやデイサービスなど通所介護サービスの利用者さんのご自宅と施設の間を送迎をします。
介護職種は多岐に渡るため、多様なサービス業で磨いたさまざまなスキルを発揮できる職種を見つけるのが可能です。
人材不足で募集が多い

今後もさらに増加が見込まれる介護保険サービスの利用者さんの数に比べ、利用者さんを支える介護職者の不足が問題になっています。
多くの介護事業所が人材不足を経験しているため、介護職へ転職しやすいメリットがあります。
転職しやすい利点を有効に活用し、サービス業で培ったスキルを十分に発揮できる介護職種を選べば、働きがいを感じながら仕事ができるでしょう。
サービス業に従事していた方は、ご自身のスキルを活かせる介護職種や職場に出会えるか不安に思い、なかなか転職に踏み出せない場合もあるのではないでしょうか。
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介護サービスを提供するうえで大切なこと

サービス業でのご自身のスキルを活かす介護職種の検討も大切ですが、介護を提供する対象は健常な方ではなく、身体や認知機能に不自由を抱える方と念頭におくことが重要です。
介護サービスを提供するうえで大切なポイントを押さえましょう。
利用者に寄り添うサービスを提供する
介護サービスの利用者さんは身体に障害があり自由に動かせない場合が多いです。
身体を自由に動かせない精神的苦痛はとても大きいもので、介護者は利用者さんの気持ちを理解しようと努力する姿勢が重要です。
利用者さんの気持ちに寄り添った思いやりのある介護は、利用者さんの幸福感や充足感につながります。
また利用者さんに頼りにされたり感謝されたり、介護者自身も仕事に対するモチベーションや、やりがいを見出すきっかけを得るでしょう。
接遇スキルを身につける
接遇スキルとは相手を尊重した態度や言葉遣い、表情などを意味します。
利用者さんの要介護度や認知機能レベルの状態はさまざまですが、利用者さん一人ひとりを尊重して心遣いのある接遇を心がけることが大切です。
例えば認知機能レベルの低下している利用者さんは、介護者の援助に漠然とした不安を感じて介護を拒む場合などがあり、適切な介護技術の提供が難しい場合もあります。
しかし、よい接遇を心がけていると利用者さんの安心感や信頼感を高め、適切な介護サービスを提供しやすい環境を作り出せるでしょう。
丁寧な対応を心がける
たとえ認知機能が低下し意思疎通が困難な方でも、感情は健常な方と同じように働いています。
利用者さんに介護技術を提供する前は声をかけて説明するなど配慮が必要です。
丁寧な対応をすると利用者さんが不信感を抱くことなく、信頼関係を築きやすくなり利用者さんと良好な関係が構築できるでしょう。
利用者さんはご自身でできないことが増えていく場合もあり、気持ちが沈みやすくなる方もいます。
丁寧な対応を受けると利用者さんの自尊心が向上し、心理面の大きなサポートにもなるでしょう。
サービス業の経験を活かして介護の現場で活躍しよう

サービス業はさまざまな業種があり、個々の分野のスキルが多様にあります。
サービス業を経験した方はコミュニケーションや接遇に長けている傾向があり、介護の現場では利用者さんの信頼を得ながらやりがいを持って働けるのではないでしょうか。
またサービス業はマニュアルどおりではない臨機応変な対応が求められますが、介護職も同様の特性があり、マニュアルどおりにはできません。
サービス業から介護職への転職は、サービス業で身に付けたスキルを有効に活用できるでしょう。
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介護職種や職場は多様に存在しているため、あなたのスキルを活かせる職場がきっと見つかります。サービス業で培ったあなたの経験やスキルを活かせる職場をご提案しますので、まずは専門アドバイザーにお話を聞かせてください。
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