介護の移動移乗介助とは

加齢や障害などで身体を自由に動かすことが困難な利用者さんは、食事や排泄、清潔保持など日常生活動作の介助が必要です。
日常生活動作には移乗や移動介助も含まれ、利用者さんのADLに応じてケアを提供していきます。
移乗と移動は同じ介護技術ではありません。移動は、場所から場所への移動の介助、移乗は日常生活動作のために椅子や車椅子に乗り移ることです。
移動には歩行介助や車いす移動、体位交換の介護技術があります。
歩行のできる利用者さんへは歩行の付き添いをしますが、歩行の程度や身体機能を把握しての介助が大切です。
寝たきりの利用者さんはご自身で寝返りを打つことが難しいため、介護職者が体位交換をします。
移乗は普段耳にする機会が少ない言葉ですが、身体に不自由があり日常生活の動作が困難な利用者さんへは頻繁に用いる介護技術です。
例えば、食事や散歩のためベッドから車椅子へ移乗する場合や排泄のため車椅子からトイレへ乗り移る場合、入浴介助などで移乗を必要とする場面は多岐に渡ります。
移動と移乗の介護技術は、利用者さんの基本的な日常生活動作を充実させ、快適にご自身らしく過ごしてもらうためにとても重要なケアです。
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移動移乗を行う前にする基本動作

移動や移乗動作を行ううえで、基本となる以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- 必要物品の準備
- 声かけ
- 利用者さんの身体状態の確認
車椅子や体位交換のクッション類など使用する福祉用具を事前に準備し、安全性に問題がないか確認します。
また利用者さんへの声かけが不十分だと、利用者さんの不安や自尊心の低下を招き、不快な思いをされるかもしれません。
利用者さんへ移動や移乗の方法をわかりやすく説明し、同意を得ることも信頼関係を築くためには大切です。
利用者さんの身体状態の確認は安全面に配慮するうえで重要です。ご自身で姿勢を意識できる利用者さんには、安楽に移動や移乗ができるよう手伝ってもらうこともできます。
例えば車椅子へ移乗する利用者さんには、浅く腰をかけて足を引いてもらうなど意識してもらうことができます。
事前準備をしっかりすれば丁寧な移動や移乗動作を支援できるでしょう。
移動移乗動作の行動時のコツ

実際の介護現場になったら本当に移動や移乗の介護ケアが提供できるのか、または肉体的なストレスがかかるのではないか、と不安を抱く場合もあるかもしれません。
しかし、身体の状態に合わせて介助者の手や歩調などコツを押さえれば、未経験でも専門性の高い介護技術を身に付けることができるでしょう。
手はかぶせてもらい手の位置は腰に置く
杖など物品を使用せず歩行はできるけれどやや不安定な利用者さんの場合は、介護職者が歩行に付き添います。
付き添い方法は、介助者の手を腰に回すように置き、反対の手で利用者の手をかぶせるようにして支えます。
利用さんのズボンなど衣服を持って介助すると、歩行が不安定になったり利用者さんが不快に感じたりする可能性があるので持たないようにしましょう。
利用者の歩行が不安定になったときも、腰の部位とかぶせた手で即座に支えることができるので不慮の転倒を防げます。
歩調に合わせて移動

利用者さんの身体状態により、歩き方やスピードなどはさまざまです。
介助者の歩調が速すぎたりすると、利用者さんが焦りを抱き転倒する可能性があります。歩調を利用者さんに合わせてゆっくり歩きましょう。
移動動作や姿勢を理解する
利用者さん個人に合わせた適切な物品や方法で移動や移乗動作を援助するためには、利用者さんの動作の程度や、姿勢を保てるかなどアセスメントも大切です。
移動や移乗など基本的な介護動作はスキルアップしていくうえで、大切な土台となります。
ハッシュタグ転職介護は、あなたのご希望をしっかり傾聴し、適切な職場を見つけるためのマッチングを高めています。
また、介護の具体的な仕事内容や、注意すべき点についてもご相談いただけます。何をやるのか、どのようなことに気をつけるべきか、実務に対する不安も一緒に解消します。
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移乗で役立つボディメカニクスの手順

移乗と移動の介助技術の方法はさまざまありますが、ボディメカニクス(身体力学)を用いることは共通しています。
ボディメカニクスを用いて介助すると、利用者さんも安楽に身体を介助者に任せられるだけでなく、介助者の身体の負担が軽減でき無理なく介助できるでしょう。
足を広げて支持基底面積を確保する
支持基底面積は、立位や座位での身体を支えるため床と接している面積のことで、支持基底面積が広いと身体が安定しやすくなります。
介助者が足を広げると支持基底面が広くなり、移動や移乗時の安定性が高まるでしょう。
重心位置を低くする
介助者が膝を曲げて腰の位置を落とすと重心位置が低くなり、移動時の安定性が増します。
介助者が重心を低く保つと膝の屈伸動作で利用者を支えることができるため、腰にかかる負担を和らげることができます。
利用者の重心に近づく

利用者さんと介助者の重心を近づけることで移動時のブレが少なく、動かす力が同じ方向に伝わりやすくなり、小さな労力で利用者さんを移動や移乗させることができるでしょう。
利用者の体を小さくまとめる
利用者さんの手や腕を身体の前に置き、膝を曲げて身体をできるだけ小さくまとめます。
身体が小さくまとまると、力が多方面へ分散されず動かしやすくなります。
身体の大きな筋肉を使う
手や腕の小さな筋肉の力に頼らず、足や腰、背中の大きな筋肉を同時に使うよう意識して介助しましょう。
大きな筋肉を利用するので安定性が増すほか、一部分の筋肉への負荷が集中しないため身体にかかるストレスが軽減されやすいです。
水平移動を意識する

水平移動は重力の影響を受けにくいため、利用者さんの移乗時は利用者さんを持ち上げたり下ろしたりするのではなく水平移動を心がけましょう。
膝の屈伸を利用して重心をスライドさせるイメージで水平移動すると身体の負担がなく介助できます。
身体はねじらない
利用者さん、あるいは介助者の身体がねじれて移動すると、重力が定まらずバランスが崩れ不安定になります。
体軸を意識して移動・移乗介助しましょう。
てこの原理の活用
てこの原理とは、支点を軸に力点に力を加え、作用点に大きな力を生む考え方です。
例えば利用者さんをベッドから車いすへ移乗介助する場合を考えてみましょう。
介助者が利用者を引き上げる力を力点、介助者の膝が軸となる支点、利用者さんの臀部が作用点となり移乗が小さな力でスムーズにすすみます。
ボディメカニクスを使用した介助は、専門性の高い介護技術ですが、ハッシュタグ転職介護はあなたのキャリアを見据えた職場選びを全力でサポートします。
また、専門性を意識して介護に関する研修や勉強会を実施している職場も多くあります。これらについても、福祉業界に特化した専門アドバイザーがしっかりとアドバイスを行います。
興味があり、さらに詳しい話を聞いてみたい方も、ぜひ無料相談をお試しください。あなたのキャリアをサポートできる職場を見つけるお手伝いをいたします。
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移動移乗介助での基本動作の種類ごとの手順

介護現場の場面別での介護ケアをイメージすると手順がつかみやすく、移動・移乗の基本動作を種類別に説明していきましょう。
ベッドでの体位交換と上方移動
体位交換はおむつ交換や着替え、寝返りが自由にできないなど要介護度の高い利用者さんに対して行います。
褥瘡や拘縮の予防、清潔の保持を目的とし、方法は以下の手順で行いましょう。
- 介助者は利用者さんが寝返りをする側に立つ
- 利用者さんの腕を胸のあたりで組む
- 利用者さんの膝を立てる
- 利用者さんの顔を寝返る側へ向ける
- 利用者さんの膝と肩を支え寝返る側へ向ける
利用者さんが寝返る側で介助者の方へ体位交換すると利用者さんにも介助者にも負担がありません。
先にも述べたボディメカニクスの原理を利用して、腕や脚を小さくまとめるようにして重心を移動させやすくします。
上方移動も同様にボディメカニクスを利用し以下の手順で行いましょう。
- 利用者さんの腕を胸のあたりで組む
- 利用者さんの膝を立てる
- 介助者は足幅を広げる
- 利用者さんの背部と臀部に介助者の上腕部を入れる
- 利用者さんを上部の方へスライドさせる
体位変換と同様に利用者さんの身体をコンパクトにして力が分散しないようにします。
支持基底面席を広げるため、足幅を広げて腕全体を使って利用者さんを上方にスライドさせます。
ベッドからの起き上がり介助

ベッドから起き上がり、ベッドの端に座る端坐位になるまでの動作介助です。
複雑そうに思えますが、以下のような手順を踏めば問題なく介助できます。
- 介助者は利用者さんが端坐位になる側に立つ
- 体位交換の要領で側臥位にする
- 介助者の腕を利用者さんの首の下に入れる
- 介助者のもう片方の腕で利用者さんの膝をベッドから下す
- 利用者さんの臀部を支点にして上体を起こす
- 転倒転落しないよう適宜利用者さんを支える
起き上がり介助の手順のポイントは、ボディメカニクスのてこの原理です。
利用者さんの臀部を支点に、利用者さんの頭を弧を描くように起こすと回転力も働き、円滑に起き上がり介助できます。
麻痺のある方の歩行介助
麻痺のある利用者さんは歩行が不安定になりがちなため、杖など福祉用具を使用する場合が多くあります。
日常生活動作に対する意欲を保ちご自身らしく過ごしてもらうためにも歩行介助はとても大切です。
麻痺のある利用者さんの歩行介助は以下のような手順ですすめしましょう。
- 杖の安全性の確認
- 利用者さんは健側(麻痺のない側)に杖を持つ
- 介助者は患側(麻痺のある側)に立つ
- 杖、患側、健側の順番で歩行を促す
杖など福祉用具は理学療法士など医療者と連携して適切なものを選ぶとよいでしょう。
利用者さんが右足を出せば介助者は左足を出すように、反対側の足を出して歩行すると、利用者さんが歩行するスペースが確保できて歩きやすいです。
階段昇降の場合は、昇りと降りる場合でポイントが異なるので注意が必要です。
昇るときは介助者は利用者の患側の斜め後ろに立ち、杖から健側、患側の順に階段を一段ずつ上るよう促します。
階段を下りるときは介護者は、患側の斜め前に立って進み、転落防止に努めましょう。下り方は杖・患側・健側の順に一段ずつ下りるよう支援します。
要介護度が高い利用者さんが多い職場では移動や移乗の介助は多くなる傾向がありますが、基本的介護技術を磨きたいと考える方には向いている職場かもしれません。
介護の職場はさまざまあり、職場選びに迷い、なかなか一歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
ハッシュタグ転職介護は、福祉業界に精通した専門アドバイザーが、あなたと二人三脚で職場選びをサポートします。あなたの希望にぴったりの職場を見つけるために、全力でお手伝いします。
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移動移乗時の注意点

一連の移動と移乗介助の方法は理解したけれども、介護を必要とする方とよい関係を築けるか、適切なケアができるかと不安に思う方もいるかもしれません。
移動と移乗時の注意点に配慮すれば不安を和らげることができるでしょう。
残存能力の引き出しと自立を促す
介護職に従事したい方々にとって、身体の不自由がある利用者さんに日常生活を心地よく送ってもらいたい気持ちが自然に湧いてくるのではないでしょうか。
優しさから、感覚的につい手を差し伸べたくなる場面もあるでしょう。
しかし、すべてを手伝ってしまうと利用者さんの残存能力が衰えてしまい、できていたことができなくなってしまう場合があります。
移動や移乗を介助するときは、利用者さんのもつ残存能力を維持できるよう関わることが大切です。
例えば、片麻痺のある利用者さんには健側でできることはご自身でしてもらい、介助者はできない部分を手伝う自立支援をしましょう。
利用者さんの自立を促すことは、利用者さんの日常生活に対する充実感を保つ援助になり、心身の健康維持につながります。
移動時は声かけや体調の確認をする
技術を提供するだけが介護ではありません。
特に移動や移乗は、普段身体に不自由を抱える利用者さんが自由に身体を動かせる時間です。
身体にかかる負荷も大きく、気分や体調によっても動作が大きく変わります。
移動や移乗のときは利用者さんに声をかけ、心身の体調の確認と、移動や移乗の説明をしっかり行いましょう。
丁寧な関わりや心配りで信頼関係を築き、利用者さんの普段とは違う様子からリスクの予測もできるでしょう。
移動に危険予測を立てておく

移動・移乗の介助時は、利用者さんの身体が大きく動くに伴いリスクもあります。
特に、移動と移乗動作では転倒転落の危険があり、以下のような危険防止のためできる具体策を考えてみましょう。
- 使用する福祉用具の安全性の確認
- クッションなど必要物品の準備
- 声かけ
- 車椅子のブレーキの使用
- 段差や斜面での介助
車椅子や杖など福祉用具の安全面の点検は大変重要です。車椅子はブレーキやフットレストの不備の有無など事前に確認後の使用が大切です。
利用者さんが座位になったり車椅子へ移乗したりする場合、ご自身で姿勢の保持が難しい方もいます。
事前にクッションなど姿勢を保持する用具を準備して身体が傾いたり倒れたりしないようリスクを予測して準備しましょう。
また移動や移乗の前に、利用者さんの心身の体調を伺い、移動や移乗による体調不良を引き起こさないかのアセスメントも大切です。
移動や移乗のときのみならず、日頃から利用者さんに声をかけコミュニケーションを取る意識を付けると、普段の様子との違いに気付ける可能性が高まります。
車椅子を使用する場合は、グリップから手を離すときや停止するときはブレーキをかけましょう。
段差や斜面を下りる場合は、車椅子を後ろ向きに転換して後輪から下りると転落防止になります。
介護の移動移乗介助を知って利用者の助けになるために

介護現場でも頻繁に用いる基本の移乗・移動介助を解説してきましたが、介護の仕事を少しイメージできる一助になりましたでしょうか。
利用者さんの要介護度や生活背景も違い、個人に合わせた介護技術や心配りはとても大切です。
寝たきりの方や意思疎通の難しい方、片麻痺のある方など介助方法は異なりますが、介護手順を理解すれば利用者さんの大きなサポートになります。
介護職者のやりがいの一つは、利用者さんが日常に充足感を持って生きていく力になれることでもあります。
介護職に興味はあるけれど、介護業界は未経験で転職プロセスに不安がある方も多いのではないでしょうか。
ハッシュタグ転職介護は、福祉業界に精通した専門アドバイザーが、相談から採用までしっかりと寄り添ってサポートします。未経験からでも安心して転職活動を進められるように、丁寧にサポートいたします。
まずはあなたの介護に対する思いを、介護業界のプロにお話しするだけでも大丈夫です。ぜひ無料相談を利用して、介護への視野を広げてみましょう。
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