夜勤16時間勤務とは?制度と現場のリアルな背景

介護施設や病院では、日勤・夜勤を交代で回しながら24時間体制で利用者を支えています。そのなかでよく見られるのが16時間夜勤というシフトです。施設によりますが、夕方16時から翌朝9時まで勤務するパターンが典型例です。
ここでは16時間夜勤という長時間労働がなぜ採用されているのか、理由と介護現場の現状を踏まえて解説します。
介護・医療現場で16時間夜勤が採用される現状と理由
なぜ16時間勤務が広まっているのか、背景には3つの理由があります。
1つ目は施設の人手不足です。限られた人数で日中・夜間の業務を回す必要があるため、少ない人数で長時間勤務した方が効率的に業務を回せます。
2つ目に休日を確保できるメリットがあります。介護はシフト制なことが多いため、連休を確保することが難しい現状です。そのため16時間夜勤を行うことで、翌日は丸1日休むことができます。また、夜勤明け後も自由に過ごせる時間が取れるため実質2連休を得ることができるのです。
3つ目に業務の連続性が挙げられます。多くの場合、16時間夜勤は就寝前から朝食介助まで利用者と接することになります。そのため短時間交代よりも一人が通しで対応した方が利用者の変化を把握することができます。
16時間夜勤を採用することにはさまざまな理由がありますが、一方で16時間という長さは心身に大きな負担をかける働き方です。また、施設によって業務内容も変化します。
ハッシュタグ転職介護は、専任キャリアアドバイザーが一人ひとりの希望に寄り添い、働き方に合った職場探しを丁寧にサポートしている人材紹介会社です。
「16時間夜勤は体力的に不安…」「夜勤の実態がよくわからない」
そんなお悩みもお気軽にご相談ください。求人票だけではわからない勤務体制や職場の雰囲気をしっかり確認し、安心感を持って働ける環境をご提案します。
初めての転職でも不安を抱えずに進められるよう、入社後のフォロー体制も万全です。あなたにとって無理のない働き方を、一緒に見つけていきましょう。
「どんな職場がある?」「転職で迷っている」など、どんな小さな疑問でも大丈夫です。
専門アドバイザーがあなたの悩みに寄り添い、理想の職場探しをサポートします。
▼今すぐ無料で相談してみる▼
労働基準法から見た夜勤16時間勤務のルール

16時間夜勤の採用理由やメリットなどを解説しましたが「そもそも16時間働くのは違法なのでは?」と思った方もいるでしょう。ここでは労働基準法を参考に、なぜ16時間夜勤が行えるのかを解説していきます。
労働時間の上限規定
労働基準法32条では、労働時間の原則を以下のように定めています。
- 1日8時間以内
- 1週40時間以内
つまり16時間勤務はこの法定労働時間を大幅に超える働き方です。そのため、このままでは16時間夜勤は違法となります。
ただし1ヶ月単位の変形労働時間制を取り入れることで16時間夜勤を合法的に行うことができます。
変形労働時間制とは、1ヶ月間を平均して1週間の労働時間が40時間を超えなければ1日8時間や1週40時間を超えてもよいとする制度です。
これは労働基準法32条の2に定められており、一定要件をクリアし制度採用の届け出を行うことで16時間夜勤を合法的に行うことができるのです。
ただし、変形労働時間制を導入したからといって、自由に長時間労働ができるわけではありません。労働時間の上限のほかに、休憩時間の確保や割増賃金の支払いなどルールを守る必要があります。
休憩時間の取り方と義務

労働基準法34条では、労働時間が長くなるほど休憩時間の確保が義務づけられています。
- 6時間を超える労働 → 45分以上
- 8時間を超える労働 → 1時間以上
つまり16時間勤務なら少なくとも1時間の休憩が必要です。休憩とは完全に業務から解放されている時間のことを指します。
そのため利用者から呼ばれればすぐに対応する必要がある場合の待機や仮眠は休憩時間に含まれません。
残業・割増賃金のルール
法定労働時間を超えた分は時間外労働となり、通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金が必要です。さらに、22時〜翌5時は深夜労働とされ、別途25%以上の割増が発生します。
例えば、夜勤の時間外労働が深夜時間にかかる場合は、残業割増と深夜割増が重なり、通常の賃金の50%以上を支払う必要があります。
夜勤16時間勤務は労働基準法違反になるのか

16時間夜勤は、変形労働時間制を導入すれば合法的に行えることを解説しました。しかし、制度を導入したからといって、自動的に労働基準法違反にならないわけではありません。
ここでは16時間夜勤が労働基準法違反になる場合や36協定の解説を行い、実際に16時間夜勤を行った際に自分の働き方が違法なのかどうかチ確認すべきポイントを説明します。
違法となるケースと合法のケース
夜勤16時間勤務そのものが、ただちに違法となるわけではありません。しかし、以下の場合は労働基準法違反となります。
- 36協定を未締結
- 休憩時間を未確保
- 割増賃金を未払い
逆に、36協定があり休憩や賃金が正しく確保されている場合は合法です。
労使協定(36協定)の影響

労使協定(36協定)とは、労働基準法で定められている1 日および1 週間の労働時間並びに休日の日数を超えて時間外労働または休日労働させる場合に労働基準監督署に届け出る必要がある協定のことです。
36協定を結べば長時間労働が可能になりますが、上限が設けられています。厚労省のガイドラインによると、時間外労働は原則として月45時間、年360時間以内が限度です。
変形労働時間制を導入していたとしても労使協定が適用されます。そのため協定を結ばずに残業をさせたり、協定を結んでいるのにも関わらず45時間以上残業させたりした場合は労働基準法違反となります。
転職時には労使協定を結んでいるか、残業時間が多くないかを確認することも必要です。
安全配慮義務との関わり
会社には労働者の健康を守る安全配慮義務があります。たとえ変形労働時間制を導入し、労使協定を締結していても、過労で体調を崩すような勤務体制を強いられれば、会社の責任が問われる可能性があります。
特に介護職には入居者の命を預かる責任があるため、労働者が疲弊する勤務体制は重大なリスクとなります。
たとえ16時間夜勤が認められていても、長時間労働であることに変わりはありません。夜勤数が多すぎて職員が体調を崩した場合、安全配慮義務違反になることもあります。
このようにさまざまな法律で労働者は守られています。気になる施設や事業所が労使協定を結んでいるか、安全配慮義務を守れているかをチェックすることで、転職後も安心感を持って働くことができるでしょう。
しかし「調べ方がわからない」「働いている職員の声を聴きたい」と転職活動時に思うこともあると思います。ハッシュタグ転職介護では転職活動時の不安や悩みをキャリアアドバイザーに相談できます。
気になる施設の実情や自分に合った働き方など気になったり疑問に思ったりしたことは気軽に無料相談からお聞かせください。
「どんな職場がある?」「転職で迷っている」など、どんな小さな疑問でも大丈夫です。
専門アドバイザーがあなたの悩みに寄り添い、理想の職場探しをサポートします。
▼今すぐ無料で相談してみる▼
夜勤16時間勤務と休憩・仮眠の取り扱い

労働基準法違反の解説の際、休憩時間を与えていない場合は違反となると説明しました。労働基準法には労働時間によって休憩を与える義務があると定められています。
16時間夜勤の場合も1時間以上の休憩が義務付けられているのです。ここでは休憩の定義や仮眠との違いや休憩が取れなかった場合などを解説します。
休憩時間と仮眠時間の違い
労働基準法34条では労働時間により一定時間の休憩を行うことが義務付けられています。また同法では休憩時間を職員へ一斉に与えなければなりません。
ただし労使協定を結んでいる場合は、休憩時間をずらすことも可能となっています。介護業務は24時間稼働のため、協定を結んで休憩を交代で取ることが基本です。
休憩とは完全に業務から解放される時間と定められており、休憩中に作業を指示されたり、緊急対応を求められたりする場合は休憩とは認められません。
一方、仮眠時間は呼ばれたらすぐに対応する状態なことが多く、法律上は労働時間に含まれます。
休憩が取れない場合の問題点
介護の現場では、利用者の容体急変やナースコールが頻発したりと想定外の対応が続くことがあります。
その結果予定していた休憩が実質的に取れなかったというケースは珍しくありません。しかし、これは単に忙しくて休めなかったというだけでは済みません。
労働基準法では労働時間が8時間を超える場合には1時間以上の休憩を与えることが使用者に義務づけられており、労働者が業務から完全に解放されなければ休憩とは認められません。
したがって、利用者対応の待機状態で過ごした時間や休憩中でも呼び出されたら対応しなければならない状況は実質的には労働時間に含まれます。
会社が休憩を確保できないまま勤務を続けさせることは労働基準法違反にあたり、使用者は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
適切な休憩確保のために必要な工夫

労働基準法に違反せず、労働者の健康や安全に配慮するためにも、休憩の確保は大切です。そのため、シフト作成者や管理者は夜勤時に休憩を確保できるよう工夫が必要です。
休憩を確保するための典型的な工夫として、以下の3点が挙げられます。
- 交代制で夜間の見守りを分担する
- 休憩中は必ずほかの職員に業務を任せる仕組みを作る
- 仮眠室など、休憩をしっかり取れる環境を整備する
こうした取り組みが、合法性の確保だけでなく、働く人の健康を守ることにもつながります。転職時の施設選びでは、休憩確保のための取り組みが行われているかどうかを確認することも大切です。
入職前に確認しておくことで入職後のミスマッチを回避できます。しかし、休憩時間の確保や勤務の実態などを一人で調べ確認することは難しく、どのように確認していいか疑問に思ってしまうこともあるでしょう。
介護業界で転職を考えるとき、職場の雰囲気や実際の働き方、人間関係など、求人情報だけではわからない不安を感じることはありませんか?
また、希望している条件が本当に叶うのか、入社後にギャップを感じないかと悩まれる方も多いのが現実です。
ハッシュタグ転職介護では、そうした一人ひとりの不安に寄り添い、実際の勤務実態や条件面の詳細など、現場に即した情報をもとに丁寧なサポートを行っています。
理想の転職を実現するために、まずはお気軽に無料相談へお越しください。あなたに合った適切なキャリア選びを、私たちが全力でお手伝いします。
「どんな職場がある?」「転職で迷っている」など、どんな小さな疑問でも大丈夫です。
専門アドバイザーがあなたの悩みに寄り添い、理想の職場探しをサポートします。
▼今すぐ無料で相談してみる▼
夜勤16時間勤務における賃金・夜勤手当の労働基準法ルール

夜勤16時間という長時間勤務では通常の基本給だけでなく時間外労働に対する割増や深夜割増など、複数の賃金ルールが同時に関わってきます。
介護現場では夜勤手当として一律の金額を支給するケースも多いですが、それが必ずしも労働基準法上の割増賃金を満たしているとは限りません。
労働者が適正な賃金を受け取るためには、22時から翌5時までの深夜割増賃金といった制度を正しく理解しておくことが不可欠です。
ここでは、夜勤における賃金と夜勤手当の関係を労働基準法の観点から整理して解説します。
深夜割増賃金の計算方法
労働基準法第37条では、午後10時から翌朝5時までの労働を深夜労働と定め、その時間帯に勤務した場合は通常の賃金に加えて25%以上の割増賃金を支払うことが使用者に義務づけられています。
例えば、時給1,200円の介護職員が深夜時間に勤務した場合、最低でも時給1,500円(1,200円×1.25)で計算されなければなりません。
介護施設の夜勤は午後4時〜翌9時といったシフトが一般的であり、深夜時間を含みます。そのため、深夜割増は必須です。仮に夜勤手当を別途支給していても、法律で定められた割増賃金が正しく上乗せされているかを確認することが重要です。
固定残業代との違い
一部の職場では固定残業代制が導入されていますが、固定残業代に深夜割増を含めることはできません。深夜割増は別途支給しなければならず、これを怠ると違法です。
正しく支払われない場合の対処法

「夜勤手当が少ない」「深夜割増が含まれていない気がする」と思ったら、以下の項目を確認しましょう。
- 勤務時間を記録
- 賃金明細との照合
- 労働基準監督署への相談
まず自分の労働状況を正確に把握することが大切です。出退勤時間や実際の休憩時間を日ごとに記録し、タイムカードやシフト表と照合して勤務時間を整理しましょう。
また、支給された賃金明細と照合し、深夜割増や時間外割増が法律どおり計算されているかも確認します。もし不自然な点があれば労働基準監督署に相談するのが有効です。
多くの労基署では匿名での相談も可能であり、証拠資料をもとにアドバイスを受けることができます。
介護現場は忙しさや慣習から「そういったものか」と泣き寝入りしてしまう方も多いですが、労働者の権利は法律で守られています。違和感を放置せず行動することで、安心感を持って働ける環境につながります。
今の働き方に、「このままでいいのかな」と感じている方もいるでしょう。
ハッシュタグ転職介護では、転職を前提としなくても構いません。
「今の職場がつらい」「人間関係に悩んでいる」「もう少し自分らしく働きたい」そんな思いに、とことん寄り添うことから始めています。
専門のキャリアアドバイザーが、あなたの気持ちや状況にじっくり耳を傾け、必要であれば今後の選択肢をご提案します。無理に転職を勧めることはありません。あなたの「本音」を大切に、納得できる答えが見つかるまで、何度でも伴走します。
ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。あなたの不安や迷いに、私たちが本気で向き合います。
「どんな職場がある?」「転職で迷っている」など、どんな小さな疑問でも大丈夫です。
専門アドバイザーがあなたの悩みに寄り添い、理想の職場探しをサポートします。
▼今すぐ無料で相談してみる▼
夜勤16時間勤務がもたらす健康リスクと注意点

夜勤16時間という働き方は、法律上のルールを守っていても心身への影響を避けることは難しいのが現実です。長時間の拘束により睡眠や休憩のリズムが乱れ、疲労が蓄積しやすくなります。
特に介護現場では、利用者の安全を守るために常に注意を払う必要があるため、集中力や判断力の低下は大きなリスクにつながります。
また、生活リズムの不規則さから食欲不振や胃腸の不調、さらには慢性的な睡眠不足によるメンタル面の不調も起こりやすくなるのです。
健康を守りながら働き続けるためには、夜勤特有のリスクを理解し日常のセルフケアや職場でのサポート体制を意識することが欠かせません。
ここでは夜勤16時間勤務がもたらす健康リスクとその対策について解説します。
長時間労働による心身への影響
16時間勤務は体に大きなストレスを与えます。慢性的な疲労や睡眠不足、集中力の低下が起こりやすく、事故やヒューマンエラーのリスクも高まります。
厚生労働省の調査では、長時間労働がうつ病や心臓疾患の発症リスクを高めることが指摘されています。
生活リズムの乱れと体調不良
夜勤は体内時計を乱し、胃腸障害や自律神経の不調を招くことがあります。特に16時間勤務は通常よりも負担が大きく、生活リズムを整える工夫が欠かせません。
安全に働くためにできるセルフケア

夜勤16時間などの長時間勤務では自分の体を守るセルフケアがとても重要です。
厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023によると、成人では6時間以上の睡眠を目安として確保することが推奨されています。
また、就寝前にはスマートフォンの使用やカフェイン・飲酒・喫煙を控えることが、入眠しやすさや睡眠の質向上につながるとされています。
さらに、軽い運動やストレッチを日常に取り入れることも入眠の促進や睡眠の安定に効果的とされています 。
このような習慣を意識して実践するだけでも夜勤による疲労やストレスがやわらぎ、より安全に働き続けるための支えになります。
労働基準法を踏まえて働ける職場を選ぶなら

介護の仕事を始めるうえで夜勤を完全に避けることは難しいのが現実です。しかし、労働基準法に違反した働き方は、心身の健康を損ねる大きなリスクとなります。
そのため、転職や就職を考える際には法律を踏まえて職場環境を見極めることが大切です。具体的なチェックポイントは以下の4点です。
- 休憩時間の確保
- 適正な夜勤手当や深夜割増賃金の支払い
- 36協定の締結と運用
- 職員への安全配慮義務
これらが守られている職場は安心感を持って長く働ける可能性が高いです。法律的に整った環境を選ぶことは、自分の健康と生活を守る第一歩となります。
ハッシュタグ転職介護は、今の悩みや将来の希望にしっかり耳を傾け、安心感を持って働ける職場探しをお手伝いしている人材紹介会社です。
医療・福祉業界に特化した専門のキャリアアドバイザーが一貫してあなたをサポートし、転職を急かすことなく、とことん寄り添いながら、適切な選択肢をご提案します。
入社後も継続してフォローを行っているため定着率の高さにも自信があり、スピード感と丁寧さの両立で、あなたの転職活動を支えていきます。
まずはお気軽にご相談ください。理想の働き方、ここから一緒に見つけましょう。
「どんな職場がある?」「転職で迷っている」など、どんな小さな疑問でも大丈夫です。
専門アドバイザーがあなたの悩みに寄り添い、理想の職場探しをサポートします。
▼今すぐ無料で相談してみる▼