介護業界の人手不足の現状
介護業界の人手不足は深刻な問題となっていますが、実際どれくらいの人手が不足しているのでしょうか。
介護労働安定センターの令和5年度介護労働実態調査によると、人材の不足感は全体で64.7%と高く、強い不足感があるといえます。
また、厚生労働省が発表した2022年2月の有効求人倍率によると、全職業平均が1.14倍に対し介護職の平均は3.63倍となりました。介護職が全職業の平均に比べて約3倍も人手が不足していることがわかります。
さらに、都道府県別のデータをみると関東や関西の都市部の有効求人倍率は4倍〜5倍近くになっており、人口の多い都市部で特に人手不足といえます。
厚生労働省の第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数についてによると、2022年度では約215万人に対し2026年度には約240万人、2040年度には約272万人と推計されました。
つまり2026年度では約25万人、2040年度では約57万人不足していることがわかります。このことから、今後も人手不足はさらに深刻になると予想されます。
介護業界の人手不足の原因
上記で解説したとおり、介護業界は深刻な人手不足です。では、なぜ介護業界で人材不足が生じるのでしょうか。
実は、単純に仕事がきついからという理由だけでなく、少子高齢化などの社会構造や業界特有の課題などさまざまな要因があります。ここからは、介護業界の人手不足の原因について6つ紹介します。
少子高齢化が進んでいる
令和6年版高齢社会白書によると、2023年の65歳以上の人口の割合は29.1%です。さらに2037年には33.3%に達し、国民の三人に一人が65歳以上になるといわれており、今後も高齢化率は上昇し続けるでしょう。
一方で、出生数は減少を続け2070年には45万人になると推計されています。
このように、要介護者は増える一方で介護人材は減るという社会構図の変化が、介護業界が人手不足になる大きな要因の1つとなっています。
社会的評価が低い
介護職は、高齢者の生活をサポートする社会的価値のある仕事ですが、きつい・汚い・危険の3Kのイメージをいだく方も少なくありません。
実際に、介護労働安定センターの令和5年度介護労働実態調査によると、業務に対する社会的評価が低いと回答した割合は20.4%でした。
このようなネガティブな印象が、未経験者や若い世代の介護職への就職のハードルをあげているといえるでしょう。
給与が低い
給与水準が低いことはモチベーションの低下につながり、人材不足の大きな原因となります。では、介護職の給与はどのくらいかみていきましょう。
介護士の平均月収および平均年収は以下のとおりです。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上)
一方で、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査の概要によると、全職種の平均月収は311,800円となっています。このことから、ほかの職種に比べて介護職は給与が低いといえるでしょう。
なお給与が低い背景として、介護報酬が少ないことや介護職の専門性が認識されてない、事業所が赤字経営になっているなどがあげられます。
仕事や人間関係が大変で離職率が高い
介護職はきつくて続かないイメージがあるかもしれませんが、実は人間関係が理由で辞める人が1番多いようです。
令和5年度介護労働実態調査によると、34.4%の方が人間関係(1位)を理由に辞めています。特に多いのが、上司に威圧的な言動や態度をとられたなど上司との関係に悩むケースです。
また、介護職は利用者さんとの関係が大切ですが、ときには利用者さんから暴言を受けてしまい精神的に疲れてしまう事例もあります。
さらに、人員不足により一人あたりの業務負担が増えることが原因で退職するケースもあり、悪循環が起きてしまっています。
評価制度が整備されていない場合がある
仕事のモチベーションを保つためには、自分が行った業務に対して適切に評価してもらうことが大切ですが、評価基準が曖昧な施設も少なくありません。
評価の基準が不明瞭なことは仕事への意欲が低下するだけでなく、公平な評価がされにくいため、従業員同士で不公平感が生まれる原因になってしまいます。
その結果、従業員が不満を感じてしまい、人間関係の悪化や離職につながってしまうでしょう。
新しい人材の採用が困難
令和5年度介護労働実態調査によると、労働条件・仕事の負担に係る悩み、不安、不満等の項目では1位人手不足・2位給与が低い・3位身体的負担が大きいことがあげられています。
介護職に対するしんどい・きついなどマイナスの印象により、若い世代や未経験者は介護職への就職を敬遠しがちになります。新しい人材を確保するためにはこうしたイメージの解消が大切です。
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介護業界の人手不足の解消法
ここまでは、介護業界における人手不足の深刻な現状やさまざまな原因について解説しました。では、こうした課題に対して改善する動きはあるのでしょうか。
ここからは、実際に国が行っている政策や介護業界が取り組んでいる内容をお伝えします。
労働環境や待遇の改善
政府は2019年10月より介護人材確保のため介護職員の処遇改善対策を実施しています。
2024年には2月から5月にかけて介護職員処遇改善支援補助金として、介護職員一人あたり月額平均6,000円の賃金引き上げが行われました。
また、2024年度の介護報酬改定では改定率が1.59%引き上げられ、処遇改善加算が1本化されました。元々3つあった処遇改善加算が1本化することで、仕組みが簡略化され処遇改善加算を取得する事業所を増やす目的があります。
ITシステムの導入による業務の効率化
職員の業務量負担を減らすためには事務作業の時間を減らすことも大切です。介護現場では介護記録、シフト管理、請求業務などを紙で管理している施設も少なくありません。
そこでITシステムの導入により、業務が効率化され職員の負担を減らすことが期待できるでしょう。
また、職員の負担が減ることで利用者のケアの時間を増やすことができ、質の高いサービスの提供にもつながります。
ITツールを使い慣れてないなどの理由から導入になかなか踏み切れないかもしれませんが、簡単に取り入れられるシステムも増えています。
ユニットケアの導入
ユニットケアとは、10人以下の入居者を1ユニットとしてスタッフとともに共同生活を送り、決まったスタッフがケアを行う方法です。
従来の集団介護とは異なり、入居者に個室が用意されるため、入居者にとってプライベートな空間が守られて普段の暮らしがかなうなどのメリットがあります。
現在は多くの施設でユニットケアの導入が進められており、介護業界で積極的に取り入れられている人手不足解消法といえるでしょう。
資格取得の支援制度の強化
介護職は資格がなくても仕事はできますが、介護福祉士などの資格取得により、仕事の幅が広がったり給与があがったりするメリットがあります。
しかしながら、資格取得にあたって費用面で心配な方もいるかもしれません。実は、都道府県によって学費の返還免除制度が設けられています。
また、施設によっては資格取得のための手当てや取得推奨制度などを導入しているところもあります。働きながら資格の取得を目指したい方は、従業員の資格取得を支援してくれる職場を見つけましょう。
外国人人材の受け入れ
外国人雇用者を増やすため、EPAや技能実習制度、特定技能などの制度を取り入れています。
外国人雇用者は母国の家族を支えたい、母国で介護スキルを活かしたいなど明確な目的があるため、モチベーションのある人材の採用が可能です。
こうしたことから、今後も外国人の受け入れは重要といえるでしょう。
介護職のイメージアップ
介護職は、きついくて大変などマイナスなイメージがありますが、実際はさまざまな魅力がある仕事です。
そこで政府は介護職のイメージをあげるため、イベントやテレビ、SNSなどを通じて介護のしごと魅力発信等事業を行っています。
また、11月11日を介護の日と設定し、前後2週間の11月4日から11月17日に普及啓発および福祉人材確保・定着を促進するための取り組みが行われています。
採用手法の検討
求人広告をだしたものの、応募がこないと悩む事業所も少なくありません。ハローワークへの掲載は無料ですが、大手求人メディアの多くは有料で無駄にコストをかけてしまうこともあります。
そのようなときは介護職に特化した転職エージェントの利用がおすすめです。また、掲載ではなく採用や応募などの成果が出たときに、成果報酬がでる求人サイトもあります。
人手不足を解消するためには、効率のよい採用を検討することが重要です。
介護業界の人手不足の対策事例
実際に人手不足の対策をして成功している施設はあるのでしょうか?ここからは、生産性向上の取組や、働きやすい職場環境づくりに成功した事例を2つご紹介します。
1つ目は、地域密着型特別養護老人ホームささづ苑かすがで実施されたテクノロジーの活用により業務改善に成功した事例です。
具体的な成果として、文書管理ツールの導入により印刷物10,000枚から6,500枚に減少しました。また、介護記録ソフトや見守り機器を使用により準夜勤の人員が3人から2人への減少に成功しています。
このようにテクノロジーの活用で、職員の身体的な負担の軽減や残業時間の削減につながりました。また、2021年度の新卒採用者は8名、2022年度は7名と継続的に新卒採用ができています。
2つ目は、介護老人保健施設さくらがわにおける外国人人材採用の事例です。
他職種の平均年齢は40.2歳(2017年度)から44.4歳(2022年度)に右肩上がりに上昇している一方で、介護職では外国人職員のおかげで32.6歳(2017年度)から32.3歳(2022年度)と平均年齢の上昇が抑えられています。
また、外国人を採用したことにより職員が多様性に富むことで、さまざまな場面で対応できるようになり介護の質の向上にもつながりました。
ここまで人手不足の対策をしている施設の事例をお伝えしましたが、それでも介護職で働くことに不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
介護業界は今後も改善が進んでいくなかで、よりよい職場環境が整備されつつあります。ハッシュタグ転職介護では、介護の仕事に対する不安や疑問を解消しながら、あなたにぴったりな職場を見つけるサポートを行っています。
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介護業界の人手不足対策をしている施設の特徴
上記で解説したとおり、実際に人手不足の対策をして成功している施設はあります。介護職で働くのであればそのような対策をしっかりした施設で働きたい方もいるでしょう。
そこで、ここからは人材確保に成功している施設を選ぶコツをご紹介します。
まずは、職員が笑顔で働いているかやきちんと挨拶をしてくれるかなど、職場の雰囲気がよいかどうかが大切なポイントです。事業所の見学にいった際には雰囲気が自分に合っているかどうか確かめてみましょう。
また、給与や福利厚生などの待遇について事業所側から具体的に説明があるかどうかも重要です。曖昧な説明しか受けずに入社した場合、自分の希望と異なってすぐに退職といった事態になりかねません。
ほかに、面接において丁寧に対応してもらえるかどうかも大切です。傾聴の姿勢や一緒に働きたいと歓迎されている雰囲気があるかなどがポイントとなります。
上記の特徴がない施設は、離職率が高く人手不足の可能性があります。介護施設を選ぶ際の検討材料にしてみてはいかがでしょうか。
人手不足の対策をしている施設を選ぶコツはわかったけど、自分で探すのは大変そうと思う方もいるかもしれません。
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介護現場で働く魅力
介護職はしんどくて大変なイメージがありますが、介護職のやりがいはなんでしょうか。介護職で働く魅力は以下の3つがあげられます。
- 年齢や経験に関係なく始められる
- 多様な働き方ができる
- 人の役に立つ仕事のためやりがいを感じられる
ここからはそれぞれの魅力を解説します。
年齢や経験に関係なく始められる
介護職は年齢のハンデがなく、また未経験であっても仕事ができる点が魅力の1つです。人手不足の介護業界では幅広い世代が働いており、60代や70代でも歓迎している事業所はたくさんあります。
また、無資格や未経験であっても介護の仕事ができることも大きなメリットです。介護職に興味があるのにも関わらず、やったことがないからという理由で諦める必要はありません。
多様な働き方ができる
介護職は長時間勤務が当たり前といったイメージを持つ方もいるのではないでしょうか。実は、正社員だけでなく派遣社員やパート、時短勤務などさまざまな働き方が可能です。
お子さんがいる方は、保育園の送り迎えの時間に合わせたシフトで短時間から働けます。お給料が欲しい方は手当がつく夜勤中心の働き方を選ぶ方法も可能でしょう。
このように自分の生活スタイルに合った働き方を選択できることは魅力的です。
人の役に立つ仕事のためやりがいを感じられる
介護職は、食事や排泄、入浴など高齢者の生活を支える重要な仕事のため大きなやりがいを持てます。利用者やその家族に「ありがとう」と感謝の言葉を直接かけられると、人の役に立っていると感じられるでしょう。
また、介護のサポートを通して患者さんが自立できるようになるなど患者さんの変化に大きな喜びを得られることもあります。業務内容にやりがいを感じることで仕事を続けるモチベーションにもつながるかもしれません。
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人手不足で需要の高まる介護業界で活躍したいなら
日本の介護業界は深刻な人手不足の影響で介護職員の需要が高まっています。人手不足になっている原因は、少子高齢化など社会構図の変化や社会的評価が低いなど業界特有の課題によるものなどさまざまです。
政府は人手不足の課題を解消するため、労働環境や待遇の改善、ITシステム導入による業務効率化、外国人人材の受け入れなどあらゆる政策の取り組みを始めました。実際に政策を取り入れることで人材確保に成功している施設もあります。
また、介護職は人の役に立つ仕事のためやりがいを感じやすい点が魅力的です。未経験や無資格でも始めることが可能な点も大きなメリットといえるでしょう。
しかし介護に興味はあるものの、実際にどのように転職を進めればよいかわからない方もいるのではないでしょうか。
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