終末期ケア専門士試験とは?
終末期ケア専門士試験は、日本終末期ケア協会(JTCA)により2020年に創設された民間資格です。
終末期ケア専門士とは、人生の最終段階にある方々に寄り添い、適切なケアを提供する臨床ケアのスペシャリストです。
この資格を取得することで、エビデンスに基づいた質の高いケアを実践できるようになります。
ここでは終末期ケア専門士の受験資格や概要についてていねいに解説します。一つずつ確認しながら読み進めてみてください。
受験資格
終末期ケア専門士試験を受験するには、所定の医療福祉系資格を取得していることに加え、その資格を取得してから2年以上の実務経験があることが求められます。
当該資格は、医師・歯科医師・看護師・保健師・薬剤師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・臨床工学技士・歯科衛生士・管理栄養士・介護支援専門員・社会福祉士・精神保健福祉士・臨床検査技師・公認心理師・救急救命士・放射線技師・介護福祉士・准看護師・臨床心理士の全21種です。
実務経験の計算は、当該資格を取得した日(免許登録日)から実務経験申告日までの期間で行われます。
なお、現在の職場だけでなく、以前働いていた施設の経験も合算可能です。最大4箇所まで申告でき、合計して2年以上あれば受験資格を満たします。
実務経験を証明する施設は、終末期ケアやホスピスケア専門である必要もなく、看取り経験の有無も問いません。
また、常勤や非常勤といった勤務形態も問われないため、さまざまな立場の方が受験できます。
ただし以前は3年以上の実務経験があれば、実務者研修を修了した介護士や栄養士も受験可能となっていましたが、現在は受験資格の対象外となっているため注意しましょう。
日本終末期ケア協会のホームページに受験資格があるか確認できる受験資格診断というものが設置されています。
自分が受験資格の対象か気になる方はそちらで試してみてください。
出題範囲や出題数
試験問題は、日本終末期ケア協会が認定するテキストと時事問題から出題されます。
このテキストには、11の分野にわたるカリキュラムが収められており、終末期ケアに必要な幅広い知識を体系的に学べるようになっています。
テキストの内容に加えて、協会ホームページ内にあるJTCAゼミに掲載されている時事的な内容からも出題されるため、試験までに一度は目を通しておきましょう。
問題数は全部で90問となっており、択一問題(一つ選ぶ)または択多問題(複数選ぶ)の形式で出題されます。
試験会場や試験方法
試験は日本全国約300箇所のテストセンターで実施されます。全国各地で試験が行われているため、自宅から近い会場での受験も可能です。
特に地方在住者にとって、宿泊費や移動費の負担が少なく済む点は大きなメリットといえます。
試験は、パソコンを使ったCBT試験という方法で行われ、会場に備え付けられたパソコンで受験します。
パソコン操作といっても、画面のクリックや簡単な入力ができれば十分なので、特別なスキルは必要ありません。
試験時間
試験時間は90分です。90問を90分で解くため、1問あたり約1分のペースで進める必要があります。
時間配分を意識して、わからない問題はいったん飛ばして後で戻ってくる戦略も有効でしょう。
申し込み方法
受験申し込みは、日本終末期ケア協会のホームページから行います。専用の申込フォームから受験申し込みを行い、受験料の支払いも済ませましょう。
1週間前後で自宅に書類が届き、受験者専用ページというアプリより実務経験の申告を行います。
なお、申し込みの際に資格証明書の画像を添付する必要があるため、事前に用意しておきましょう。
結果通知方法
合否結果は郵送で通知されます。また、郵送での方法に加えて、受験者専用ページのアプリからも合否確認が可能です。
郵送を待たずにいち早く結果を知りたい方は、このアプリを活用するとよいでしょう。
更新期間
終末期ケア専門士の資格は5年ごとに更新が必要です。更新には5年間で60単位を取得する必要があり、基本的にはココリンクという資格更新システムを通じて単位を積み重ねていきます。
講義動画の視聴により単位が取得できる仕組みになっており、動画は24時間いつでも視聴可能です。
自分のペースで学びながら、常に新しい終末期ケアの知識を無理なく身につけていけます。
ただし、ココリンクの加入は任意です。ココリンクに加入していなくても、更新用のeラーニング講習会の受講により更新できる仕組みも用意されています。
終末期ケア専門士の資格取得を検討している方のなかには、資格取得後のキャリアプランについて考えている方も多いはずです。
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終末期ケア専門士試験の合格率
終末期ケア専門士試験の合格率は、2024年第5回試験で65.6%でした。
これまでの試験結果を振り返ってみると、合格率は60~70%の範囲で安定して推移しています。
この合格率を見ると、極端に難しい試験ではないことがわかりますが、実際に三人に一人が不合格になっているのも事実です。そのため、しっかりと準備をして臨むことが大切です。
基礎知識をきちんと身につけ、計画的に学習を進めれば十分に合格を狙えるでしょう。
終末期ケア専門士の合格を目指すなら、勉強時間をしっかり確保できる働きやすい職場選びが重要です。
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終末期ケア専門士取得までの流れ
終末期ケア専門士の資格取得は、約8ヶ月のスケジュールで進行します。おおまかな流れは以下のようになっています。
- 3月末から9月末:申込受付期間
- 申込完了から1ヶ月以内:審査結果通知が届く
- 8月中旬:受験会場の予約開始
- 10月:予約したテストセンターにて受験
- 11月:合否結果と認定登録手続き
終末期ケア専門士の試験は、誰でも受けられるわけではなく、所定の受験資格を満たしている方のみが対象となります。
そのため、申し込みが完了すると審査委員会によって受験資格の有無が確認され、後日送付される審査結果通知にて正式に受験の可否がわかります。
なお、受験資格を満たしていないと判断された場合、受験料はきちんと返金されるため安心してください。
もし希望する受験会場の定員が満員となった場合、ほかの受験会場まで足を運ばなくてはならないため、予約が開始されたら早めに予約することをおすすめします。
資格取得までの流れをしっかり把握し、無理のない計画を立てて取り組むことが、合格への近道となります。
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終末期ケア専門士試験にかかる費用
終末期ケア専門士の資格取得には、段階的に費用が発生します。
ここでは、受験に関する費用と資格維持に関する費用に分けて確認していきましょう。
受験料
受験料は>11,000円(税込12,100円)です。支払い方法はクレジットカードまたはコンビニ後払いから選択できるため、都合のよい方法を選択できます。
試験に合格した場合は、別途登録料として11,000円(税込12,100円)が必要になります。
また、試験は公式テキストから出題されるため、公式テキストの購入は欠かせません。公式テキストの価格は5,500円(税込6,050円)です。
さらにしっかりと試験対策をしたい方は、試験対策WEB講習会の受講も可能で、費用は19,800円となっています。
つまり、受験から資格取得まで最低でも約24,000円、テキストや講習会を含めると最大で約50,000円の費用を見込んでおく必要があります。
更新料
資格の更新料は、加入するシステムによって大きく異なります。
ココリンク(資格更新システム)に加入している場合、所定の単位を取得すれば自動的に更新され、更新手数料は原則無料となっています。
ただし、ココリンクの利用料として月額550円(年間6,600円)が発生します。
またココリンクへの加入は、認定登録時と更新時のみとなっており、途中加入ができない点には注意が必要です。
一方、ココリンクに加入していない場合は、更新時に作業手数料として5,500円が必要になります。
5年間の更新周期を考えると、ココリンク加入者は5年間で33,000円、非加入者は5,500円の費用です。
学習の継続性や利便性を重視するならココリンク加入、費用を抑えたいなら非加入という選択肢があります。
終末期ケア専門士を取得するメリット
介護や医療現場で働く方にとって終末期ケア専門士の資格取得は、専門性を高め、より質の高いケアを提供するための重要なステップとなります。
ここでは4つのメリットについて解説します。
- 終末期ケアの正しい知識が身につく
- キャリアアップにつながる
- 資格手当がつく可能性がある
- 転職に活かせる可能性がある
具体的にどのような恩恵があるのか、詳しくみていきましょう。
終末期ケアの正しい知識が身につく
終末期ケア専門士の資格を取得すると、人生の最終段階におけるケアに必要な知識や技術を体系的に学べます。
具体的には身体的な苦痛の緩和に加え、精神的なサポートやご家族のケア、意思決定支援などの幅広いスキルを身につけることが可能です。
通常の臨床ケアとは異なり、終末期ケアでは患者さん一人ひとりの価値観に寄り添ったケアが求められるため、より専門的な視点が必要です。
延命治療をめぐる判断といった明確な答えのない場面でも、終末期ケアの正しい知識を身につけていれば適切な支援を行えるでしょう。
キャリアアップにつながる
終末期ケア専門士の資格は、職場でのポジションを向上させる可能性があります。
看取りケアが頻繁に行われる職場では、専門知識を持つスタッフとして同僚や上司から頼りにされ、チームリーダーや後輩育成などの役割を任される機会が増えるでしょう。
たとえ直接的な看取りケアが少ない職場であっても、終末期に関する倫理観や専門的な視点は、日常的なケアの質向上にも貢献します。
この資格は、終末期ケアのプロとして、医療・介護施設のあらゆる場面で役立つといえるでしょう。
資格手当がつく可能性がある
医療・介護施設のなかには、専門資格の取得に対して資格手当を支給する制度を設けています。
終末期ケア専門士も対象となる可能性があり、月額3,000円〜5,000円程度の手当が期待できる場合があります。
資格取得にかかった費用を中長期的に回収できるだけでなく、継続的な収入アップにもつながる魅力的なメリットです。
転職の際には、事前に資格手当の有無を確認しておくとよいでしょう。
転職に活かせる可能性がある
日本は超高齢社会に突入し、今後さらに多くの方が人生の最終段階を迎える多死社会となることが予想されています。
このような社会情勢のなかで、終末期ケアの専門知識を持つ人材への需要はますます高まってくるといえるでしょう。
終末期ケア専門士の資格は、介護施設や医療機関にとってサービスの質を向上させる重要な要素であり、スタッフやご家族への心強いサポートを提供できる証明でもあります。
転職市場においても、この専門性は大きなアドバンテージとなり、よりよい条件での転職や希望する職場への転職が実現しやすくなるでしょう。
この資格を活かして転職活動を成功させたい方には、ハッシュタグ転職介護の無料相談の活用がおすすめです。
ハッシュタグ転職介護には医療・福祉業界に特化したエージェントが在籍しています。
そのため、終末期ケアに力を入れている施設や専門性を評価してくれる職場など、終末期ケア専門士を取得した方に適した職場を見つけることが可能です。
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終末期ケア専門士試験の勉強方法
終末期ケア専門士試験に合格するためには、効率的な学習方法の選択が重要です。
ここでは、公式テキストを使った独学とオンライン講習会を活用した学習の2つの方法を紹介します。
どちらも合格につながる有効な手段であるため、自身のライフスタイルや学習スタイルにあわせて選択してみてください。
公式テキストで勉強する
終末期ケア専門士試験の一般的な勉強方法は、公式テキストを使った学習です。
試験問題は公式テキストの内容から出題されるため、このテキストを完全に理解できれば合格は十分に可能です。
効果的な学習方法として、まずはテキスト全体を通読し、全体像を把握することから始めましょう。
その後、章ごとに詳しく読み込み、重要なポイントをノートにまとめたりマーカーでハイライトしたりして反復学習を行います。
特に専門用語や具体的なケア方法については、実際の現場での活用をイメージしながら学ぶと記憶に定着しやすくなります。
試験対策WEB講習会を受講する
忙しい現場で働きながら資格取得を目指す方には、試験対策WEB講習会がおすすめです。
インターネット環境があればいつでもどこでも学習できるため、夜勤明けや休憩時間など、限られた時間を有効活用できます。
動画による講習では、文字だけでは理解しにくい専門的な内容も、視覚と聴覚の両方から学ぶことで深い理解につなげられるでしょう。
また、試験終了日まで繰り返し視聴できるため、理解が不十分な部分を何度でも確認することが可能です。
さらにこの講習会に申し込むと、WEB講習会認定テキストという公式テキストとは別のテキストがついてきます。
動画で使用された図表や重要な用語がまとめられており、各章の終わりには理解度を確認できるミニテストも付いているので、学習をしっかりサポートしてくれます。
終末期ケア専門士を取得してキャリアアップを目指そう
終末期ケア専門士の資格は、これからの超高齢社会において欠かせない専門性を証明する貴重な資格です。
専門知識の習得による質の高いケアの提供、キャリアアップや収入アップの可能性、そして転職市場での優位性など多くのメリットが期待できます。
公式テキストでの独学やWEB講習会での学習など、自分にあった方法で合格を目指しましょう。
人生の最終段階を迎える方々とそのご家族に寄り添える専門家として、新たなキャリアの扉を開く第一歩を踏み出してみませんか。
この貴重な資格を最大限に活用するためには、専門性を評価し、更なる成長の機会を提供してくれる職場選びが重要です。
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