訪問看護ステーションのターミナルケア加算とは?

ターミナルケア加算は、終末期を迎えた利用者が住み慣れた自宅で過ごせるよう支援した際に算定できる加算です。
利用者本人だけでなく家族への支援も含め、看取りに向けた継続的な関わりが評価される仕組みとなっています。
近年は、人生の終末段階を病院ではなく自宅で過ごしたいと希望する方が増えており、訪問看護の役割は重要です。
終末期には身体的な苦痛の緩和だけでなく、不安や孤独感への精神的な支援や家族への相談対応など幅広いサポートが求められています。
そのため、訪問看護師には24時間対応体制のもとで利用者や家族を支える専門的な関わりが必要です。
ターミナルケア加算は、こうした終末期支援の取り組みを適切に評価するために設けられており、算定には一定の要件を満たす必要があります。
ターミナルケア加算の概要
ターミナルケア加算とは、介護保険の訪問看護で、死亡日および死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを実施した場合に算定できる加算です。
利用者が人生の終わりを迎えるなかで、身体的な苦痛の緩和や精神的なサポート、家族への支援などを実施した訪問看護ステーションを評価する目的で設けられています。
訪問看護師は病状の観察や医療処置だけでなく、本人や家族の意思決定支援にも関わります。こうした終末期支援の重要性を反映した制度がターミナルケア加算です。
ターミナルケア加算の目的
ターミナルケア加算の目的は、利用者が希望する場所で尊厳を保ちながら終末期を迎えるための支援です。
近年は病院ではなく自宅での看取りを希望する方も増えており、訪問看護の役割は重要視されています。
終末期には体調の変化が急激に起こる場合も多く、利用者や家族は大きな不安を抱えています。そのため訪問看護師には、24時間体制で相談や緊急対応を行いながら、本人と家族を支えることが重要です。
ターミナルケア加算は、そのような専門性の高い支援を適切に評価するための制度です。
ターミナルケア加算の金額

2024年度介護報酬改定により、ターミナルケア加算は2,500単位となっています。
利用者一人につき死亡月に1回のみ算定可能です。
また、算定するためには単に死亡した利用者へ訪問看護を行っただけでは認められません。厚生労働省が定める要件を満たし、適切な記録や体制整備が行われている必要があります。
加算額だけを見ると大きな評価に感じるかもしれませんが、その背景には終末期の継続的かつ専門的な支援があります。
終末期の利用者は、症状の急激な変化や身体的な苦痛、不安や恐怖など様々な問題を抱えています。そのため、訪問看護師には、状態観察や症状緩和のための看護だけでなく、家族への精神的支援や意思決定のサポートも求められます。
また、夜間や休日を含めた緊急対応が必要になる場面も少なくありません。ターミナルケア加算は、このような負担の大きい終末期支援に対する評価として位置付けられています。
適切に算定するためには、利用者の状態変化や家族との関わり、多職種との連携内容などを記録し、算定要件を十分に理解したうえで運用することが重要です。
ターミナルケア加算の算定要件

訪問看護におけるターミナルケア加算を算定するには、利用者の状況だけでなく計画書の作成や24時間対応体制の設備、適切な記録管理など複数の要件を満たす必要があります。
要件を正しく理解していないと、算定漏れや返還のリスクにつながる可能性もあります。
本章ではターミナルケア加算の対象となる利用者の条件をはじめ、同意取得の手続きや体制、記録のポイントまで算定に必要な要件を確認していきましょう。
算定対象となる利用者
ターミナルケア加算は、在宅で療養している利用者のうち、死亡日および死亡日前14日以内に複数回の訪問看護を受けた方が対象です。
具体的には、以下の条件が求められます。
- 死亡日および死亡日前14日以内に2日以上訪問看護を実施している。
- 利用者が在宅で死亡している
- ターミナルケアに関する支援を行っている
なお、病院や介護施設などで亡くなった場合は、原則として算定対象外となるため注意が必要です。
利用者の状態や生活環境を踏まえながら、終末期支援が実施されていることが重要な判断ポイントとなります。
ターミナルケア計画書の作成と同意取得
ターミナルケア加算の算定には、利用者または家族への説明と同意を取得する必要があります。
終末期のケア方針や支援内容をまとめたターミナルケア計画書を作成し、本人または家族に説明したうえで同意取得の必要があります。
計画書に必要な内容は、下記のとおりです。
- 利用者の症状
- ケアの目標
- 看護内容
- 緊急時の対応方法
- 家族支援の内容
終末期は状況の変化が大きいため、一度作成したら終わりではありません。状態変化に応じて適宜見直しを行うことも重要です。
24時間連絡・対応体制が整っている

終末期ケアでは急変の可能性が高いため、24時間連絡体制および必要時に対応できる体制を整備していることが求められます。
利用者や家族は夜間や休日にも不安を感じることがあります。
そのため訪問看護ステーションでは、以下の対応が必要です。
- 緊急時の連絡先を明示する
- オンコール体制を整備する
- 必要に応じて緊急訪問できる体制を確保する
この体制が整っていることで、利用者や家族は自宅での療養を継続しやすくなります。
必要な記録を作成・保存している
ターミナルケア加算では、適切な記録の作成と保存も重要な要件です。記録には次の内容を残します。
- 利用者の状態変化
- 家族との面談内容
- 訪問時に実施したケア
- 医師との連携内容
- 看取りまでの経過
このような記録は加算算定の根拠となるだけでなく、多職種間で情報共有を行うための重要な資料でもあります。
また、監査や実地指導で確認される可能性もあるため、日頃から漏れなく記録することが大切です。
ターミナルケア加算で求められる記録内容

ターミナルケア加算を適切に算定するためには、終末期における利用者の状態や支援内容を正しく記録することが欠かせません。
しかしどこまで詳しく記録すればよいのか、算定要件として求められる内容が何かわからず悩む方も少なくありません。
記録は加算算定の根拠となるだけでなく、多職種との情報共有や家族への説明、質の高い看取り支援を行うための重要な資料でもあります。
ここでは、ターミナルケア加算で求められる主な記録内容を解説します。
身体状況や精神状況の変化
終末期は短期間で状態が変化する可能性があります。
そのため訪問看護記録には、利用者の身体面と精神面の変化を具体的に記録する必要があります。
例えば、以下の内容を記録します。
- 疼痛の程度
- 呼吸状態
- 食事摂取量
- 睡眠状況
- 不安や希望の内容
また家族の不安や介護負担の変化も重要な情報です。
こうした記録があることで、多職種との情報共有がスムーズになり、利用者に適したケアにつながります。
看取りまでの経過記録

ターミナルケア加算では、看取りに至るまでの経過を時系列で記録することも必要です。
具体的には、以下の内容を整理します。
- 病状悪化の経過
- 医師との連携状況
- 家族への説明内容
- 本人の意思確認
- 死亡確認までの経過
特に、終末期の意思決定支援に関する内容は重要です。
利用者がどのような終末を希望していたのか、家族がどのような思いで看取りに関わったのかの記録がケアの質の向上にもつながります。
終末期ケアは、利用者や家族に寄り添う専門性の高い仕事です。しかし訪問看護ステーションによって教育体制やオンコール体制、看取り件数は大きく異なります。
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訪問看護ステーションのターミナルケア加算の注意点

ターミナルケア加算は、利用者や家族への支援を適切に評価する制度ですが、算定要件を満たしていなければ算定できません。
終末期ケアの現場では利用者対応が優先されるため、書類整理や同意取得が後回しになりやすい点に注意が必要です。
利用者や家族の同意を取り忘れない
ターミナルケア加算を算定する際は、利用者または家族への説明と同意取得が必須です。
終末期の利用者は病状の進行によって意思表示が難しくなる場合もあります。そのため、できる限り早い段階で本人や家族と話し合い、ターミナルケアの方針を共有しておくことが重要です。
また、同意取得の事実だけでなく、説明した内容や同意を得た日時も記録に残しておきましょう。
説明不足や同意取得漏れがあると、算定要件を満たさないと判断される可能性があります。
記録の不備がないよう管理する
ターミナルケア加算は、適切な記録が算定の根拠です。
訪問看護記録やターミナルケア計画書に不備があると、実際にケアを行っていても算定できない場合があります。
特に以下の内容は漏れなく記録しましょう。
- 利用者の病状変化
- 本人や家族の意向
- 実施した看護内容
- 医師への報告内容
- 多職種との連携状況
- 看取りまでの経過
終末期は緊急対応が続くこともあるため、事業所内で記録確認の仕組みを整備しておくと安心です。
訪問看護の現場では、制度理解だけでなく、看取りや家族支援に関する経験も重要です。
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医療保険でも訪問看護ターミナルケア療養費が算定できる

訪問看護のターミナルケアに関する評価は、介護保険だけではありません。医療保険にも訪問看護ターミナルケア療養費が設けられています。
両者は似た名称ですが、対象となる制度や利用者が異なるため、違いを理解しておくことが大切です。
ターミナルケア加算との違い
ターミナルケア加算と訪問看護ターミナルケア療養費は、どちらも終末期の利用者に対する訪問看護を評価する制度ですが、適用される保険制度が異なります。
ターミナルケア加算は、介護保険のサービスを利用している方が対象です。一方、訪問看護ターミナルケア療養費は医療保険による訪問看護を利用している方を対象として算定されます。
また、どちらも在宅での看取りを前提としていますが、算定にあたっては利用者や家族への説明・終末期支援の実施・必要な記録の作成が求められます。
利用者の身体状況や精神状況の変化、家族への支援内容など、看取りまで適切に記録しておくことが重要です。
実際の現場では、終末期の利用者だからターミナルケア加算を算定すると考えるのではなく、まず介護保険と医療保険のどちらで訪問看護を提供しているのかを確認する必要があります。
制度を混同すると請求誤りにつながる可能性があるため、利用者の保険区分や算定要件をあらかじめ確認し、適切な制度で算定を行うことが大切です。
ターミナルケア療養費の算定要件

訪問看護ターミナルケア療養費は、医療保険による訪問看護を利用している方が対象になります。
算定に必要なのは以下の要件です。
- 在宅で死亡していること
- 死亡日前14日以内に複数回の訪問看護を実施していること
- ターミナルケアに関する記録を作成していること
- 利用者や家族への支援を行っていること
介護保険と同様に、記録や連携体制が重視されます。
ハッシュタグ転職介護では、医療依存度の高い利用者を多く受け入れている事業所や、看取り経験が豊富な訪問看護ステーションも紹介可能です。
訪問看護ステーションによっては、介護保険中心の事業所もあれば、医療保険利用者中心の事業所もあります。
自分がどのような経験を積みたいのかを明確にすると、より納得感のある転職につながるでしょう。
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ターミナルケアに携わる訪問看護師に求められる役割

ターミナルケアの訪問看護師は、利用者の身体的なケアだけでなく、精神的な支援や家族へのサポートも担う重要な存在です。
終末期には利用者や家族が、さまざまな不安や葛藤を抱えているため、その思いに寄り添いながら療養できる環境を整えることが求められます。
また医師やケアマネジャー、看護職など多職種と連携し、利用者らしい終末を実現する調整役としての役割も欠かせません。
ここでは、ターミナルケアに携わる訪問看護師に求められる主な役割を解説します。
利用者や家族に寄り添った支援を行う
終末期には身体的苦痛だけでなく、精神的な不安も大きくなります。
訪問看護師は、利用者が自分らしい終末期を迎えられるよう支援する重要な役割を担っています。
例えば、
- 痛みや呼吸苦への対応
- 不安や孤独感への傾聴
- 家族の心理的支援
- 意思決定支援
などです。
また、利用者だけでなく家族も看取りへの不安や負担を抱えています。家族の気持ちに寄り添いながら支援することも訪問看護師の大切な役割です。
多職種と連携して看取りを支える

ターミナルケアは訪問看護師だけで完結するものではありません。
医師・ケアマネジャー・介護士・薬剤師など多職種との連携が不可欠です。
利用者の状態変化を共有しながら、以下の対応を進めます。
- ケア方針の調整
- 医療処置の検討
- 緊急時対応
- 家族支援
特に終末期は短期間で状況が変化するため、迅速な情報共有が重要です。
訪問看護師はチームの中心として情報を整理し、多職種連携を支える役割も担っています。
ターミナルケアの専門性を高めるには、看取り経験が豊富な職場で働くことも大切です。
ハッシュタグ転職介護では、訪問看護未経験の方向けの教育体制が整った事業所から、看取り実績が豊富なステーションまで幅広い求人を取り扱っています。
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訪問看護のターミナルケア加算を正しく理解しよう

ターミナルケア加算は、終末期の利用者や家族を支える訪問看護の重要な役割を評価する制度です。
算定するためには、以下の要件を満たす必要があります。
- 算定対象者を正しく把握する
- ターミナルケア計画書を作成する
- 利用者や家族の同意を取得する
- 24時間対応体制を整備する
- 必要な記録を作成・保存する
また、医療保険の訪問看護ターミナルケア療養費との違いも理解し、利用者の保険区分に応じた適切な対応が大切です。
訪問看護師は、利用者や家族に寄り添いながら、多職種と連携して看取りを支える専門職です。制度への理解を深めることで、より質の高いケアの提供につながるでしょう。
訪問看護やターミナルケアに関わる仕事は高い専門性が求められる一方で、大きなやりがいも感じられる分野です。しかし、事業所によっては教育体制やオンコール体制、看取り件数は大きく異なります。
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