訪問介護職員とは

訪問介護員とはサービスを希望する高齢者のもとへ赴き、食事や入浴などの介助を行う、在宅介護のスペシャリストです。

訪問介護員は介護保険法の定める正式名称ですが、一般的には「ホームヘルパー」という通称が広く知られています。

ここでは、訪問介護員の基本的な定義や家事代行との違い、雇用形態の種類について詳しくみていきましょう。

要介護度1以上の高齢者の在宅ケアを行う

訪問介護では主に高齢者の介護を担っていますが、介護保険法に基づき要介護1以上の高齢者、自宅など居宅にて暮らしている高齢者が訪問介護の対象となります。

そのため、介護付き老人ホームなど施設に入居している方や入院中の方は原則、訪問介護の対象にはならず施設内で行っている介護サービスを受けるようになります。（一部例外あり。）

家事代行との違い

家事代行サービスと業務が似ていると思われがちですが、両者には明確な違いがあります。
家事代行は自費で家族を対象とした全般の家事を担うのに対し、訪問介護では介護保険内でサービスを行うため、介護認定を受けた高齢者のみを対象としています。

具体的な例として、庭の掃除や家族全員の食事の用意は行わないなどです。

3つの働き方がある

訪問介護員として働くためには3つの雇用形態があります。

• 事業所による直接雇用
• 登録ヘルパー
• 派遣ヘルパー

　

直接雇用は事業所による雇用を受けており、正社員やパート職員が該当します。勤務時間が定まっているため、働き方の融通は登録ヘルパー、派遣ヘルパーに比べると低めです。

登録ヘルパーは介護事業所にヘルパー登録し、事業所と相談しながら勤務可能な日にちや時間帯に勤務するスタイルです。勤務の自由度が高く、柔軟性のある働き方ができます。

派遣ヘルパーは介護サービスを提供している派遣会社と雇用契約を結び、派遣先より事業所の紹介を受け勤務するスタイルになります。時給制を取るケースが多く、意見があれば派遣会社が代理で派遣先に伝えることも可能です。

訪問介護職員の仕事内容

訪問介護員の定義や働き方について解説しました。では実際、訪問介護員は訪問先でどのような仕事を行っているのでしょうか。仕事内容を詳しく説明します。

利用者の自宅を訪問して身体介護を行う

訪問介護員は利用者の居宅へ伺い、以下の様なサービスを提供しています。

• 食事の用意や介助
• 入浴の準備や介助
• 排せつや着替えのサポート
• 体位交換（寝たきりによる床ずれ予防のため）

　

基本的に自立できる作業は利用者自身で行いますが、自立を見守りながらも利用者の介護度により柔軟に対応することが望ましいです。

また訪問時の体調に合わせて入浴を足湯のみにしたり、むせにくい食事に変えたりするなど臨機応変な介護サービスを行います。

利用者の自宅で生活援助を行う

訪問介護員は利用者の身体介助だけでなく、生活面での支援も大事な業務です。具体的には以下のような作業が挙げられます。

• 掃除（トイレ掃除やゴミ出しなども含む）
• 洗濯（洗濯や干す作業、たたみ整理するまで）
• 調理や配膳
• 日用品の買い出し代行

　

あくまでも利用者の居住スペース内での範囲を想定しており、家族全員の生活サポートを行うものではありません。

生活サポートでは単に作業を代行すればよいのではなく、利用者と協同で作業することで利用者自身の自立を促すことも大切な役割です。

通院や行政機関の手続きの介助

利用者が歩行困難な状態や認知症などで単独での通院が難しい場合、訪問介護員は通院時における車両の乗降を介助します。

また役所などの行政機関へ赴き、選挙や手続きの際の移動介助をするケースもあります。ただし、市区町村の基準により介助できる範囲が変化しますので、ケアマネジャーや役所の担当課に確認してみましょう。

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訪問介護職員のやりがい

訪問介護では1対1で介護に携わることから、利用者との信頼関係を築きやすい業種でもあります。

施設勤務の介護職ではなかなか得られない貴重な経験ができるのも魅力で、ときには仕事へのモチベーション維持につながることもあるでしょう。

ここでは訪問介護員でしか得られない仕事のやりがいについてご紹介します。

利用者一人ひとりと向き合える

訪問介護では施設やデイサービスなど多くの利用者と関わる職場ではなく、一人の利用者と数時間関わる勤務形態です。そのため、利用者とじっくりと向き合うことができます。

毎週決まった時間に訪問し、深くコミュニケーションをとることで利用者の好みや希望しない業務もわかるようになります。

回数を重ねるごとに利用者の希望に叶った介護を提供しやすくなるでしょう。利用者の求める介護を把握し、ピンポイントで提供できることにやりがいを見出す方も少なくありません。

利用者に感謝される

一人の利用者の介護に専門的に携わるため、ダイレクトに利用者からの感謝の言葉をもらえる機会が多いです。

生活のサポートを行いながら何気ない会話を交わすことで、利用者自身の生活にもよい刺激やリズムが生まれます。

なかには訪問介護員が来るのを楽しみに待ってくれる利用者もいるので、良好な人間関係を構築しやすい点も仕事のやりがいにつながっています。

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訪問介護職員に転職するメリット

訪問介護では柔軟な働き方ができることを先ほど紹介しましたが、実際に訪問介護員として働くことでどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、訪問介護職員で転職した際の具体的なメリットを3つご紹介します。

自由度の高い働き方ができる

訪問介護では事業所で雇用を受ける以外にも、自身で勤務可能な時間帯や日程を雇用先と相談し、都合のよい時間帯のみで勤務することが可能です。

登録制でのパート勤務をすれば、子育てで忙しい主婦の方やプライベートを充実させたい方でも柔軟に働くことができます。

また、訪問介護は平日の日中など決まった時間に仕事が入るケースが多いです。副業を検討したい方でもスケジュールを組みやすいでしょう。

マイペースに働ける

施設の介護職員では24時間勤務も多く、みんなで協力し合って仕事に取り組む姿勢が大切です。なかには人間関係が苦手でなかなか職場の空気に馴染めない方もいるでしょう。

どのような職場でも最低限のコミュニケーションは必要ですが、訪問介護では一定のルールや規則を守れば、自分のペースで仕事をすすめられる点が魅力です。

そのため、職場の人間関係が不安な方でもストレスを感じにくく勤務を続けやすいといえます。

介護の技術を得られる

訪問介護では利用者の求める介護サービスを的確にとらえ、臨機応変に判断することが求められます。

勤務を続けて行くうちに身体介助や生活面のサポートも一通りこなせるようになるため、さまざまな介護スキルの習得が可能です。

転倒や突発的な体調不調でも冷静に判断し、医療機関への連携をとるなど適切に対処できるようになるでしょう。

訪問介護職員に転職する場合の注意点

訪問介護職員に転職した際に得られる具体的なメリットをご紹介しましたが、転職を考える際に気を付けるべき点もあり注意が必要です。

ここでは、訪問介護職に就く前に知っておきたい注意点を3つご紹介し、効果的な対策法と合わせてご紹介します。

収入が安定しない場合がある

訪問介護では勤務スタイルを自由に選びやすい一方で、収入が安定しにくいという側面があります。登録制で勤務する場合、その傾向は顕著です。祝日や年末年始など稼働しない日も出てくるでしょう。

常に安定した収入で勤務したいのであれば、事業所からの直接雇用を受け安定的に働くか、施設の職員への勤務を検討した方がよいかもしれません。

相性が合わない場合もある

介護サービスは利用者と密接に関わる特性上、利用者との相性が合わないケースも十分に考えられます。

できるだけ利用者の意志をくみ取ることは大切ですが、どうしても耐えられない場合は雇用先のスタッフへ相談し、担当換えなどを検討してもらうのも一案です。

訪問介護は基本一人で業務を行うため、孤独や不安を感じやすい環境です。普段から相談できるスタッフや仲間と情報交換し、問題があれば我慢せず早めに相談することをおすすめします。

訪問介護を受ける住環境が整っていない場合もある

食事や入浴の介助では、キッチンやバスルームなど訪問先の設備を使用してサポートを行います。なかには設備が十分に整っておらず、適切な介護の提供が難しいケースもあるかもしれません。

具体的には浴槽や階段に手すりがない、バリアフリーになっていない、清掃道具や調理器具が整っていないなどが考えられます。

訪問介護だけでは対処できないと判断した際は、自身で介護サービスを変更するのではなく事業所の責任者と利用者、その家族を交えて介護サービスを見直すべきか協議することも大切です。

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訪問介護職員に転職するためにできること

訪問介護への転職における注意点とその対策法について解説しました。

希望する職場へ転職するためには、介護に関する資格の取得や事業所の特性について知っておくと、より有効に転職活動を進められます。

ここでは、初めての訪問介護職でも落ち着いて転職活動するために準備しておきたいポイントを2つご紹介します。

介護資格の取得

事業所によっては未経験からでも雇用するケースもありますが、訪問介護でできる仕事の内容が限定されるため、活躍しにくいのが現状です。

特に食事や入浴の生活の基盤となる介護では、単独で仕事を行うためには介護資格が必要です。資格の取得は訪問介護を続けるうえで重要なステップとなりうるでしょう。

未経験でも資格を持つことで採用される可能性がより高まります。訪問介護職を志すのであれば、まずは資格の取得を検討してみることをおすすめします。

介護に関する資格は、以下のものが代表的です

• 介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）
• 介護福祉士実務者研修（旧ホームヘルパー1級）
• 介護福祉士（国家資格）

　

介護職員初任者研修は介護の入門的な資格で、未経験の方でも働きながら資格の取得が可能です。介護の基本的な知識も身に付きますので、この機会に資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

処遇改善加算のある事業者か調べる

処遇改善加算（正式名：介護職員等処遇改善加算）とは一定の条件を満たした事業所に対し、国が介護報酬を追加で加算する支援制度です。

介護職員への処遇を改善することで、職員の離職を防ぎ、現場の定着率を高めるねらいがあります。

具体的には職員のキャリア育成の整備や職場の環境改善に取り組むことなどが加算の対象です。

処遇改善加算が認められると職員の給料に反映されやすくなるため、処遇改善に力を入れている事業所が多い傾向です。転職の際にチェックしてみましょう。

ただし現在、処遇改善加算が認められていない事業所でも改善に前向きであるケースもあり、必ずしも加算が認められているからといって自分に合う職場であるとは限りません。

そのような場合であっても転職先の候補として検討してみるとよいでしょう。

ハッシュタグ転職介護では、入職前に職場の雰囲気や働くスタッフの様子など、求人票だけではわからない情報も丁寧にお伝えし、転職先とのミスマッチをできる限り防ぐことで、安心して新しい仕事に取り組めるようサポートしています。

介護職への転職が初めての方でも、面接対策や資格取得の計画などを一緒に立てながら、しっかりと準備を進めていける体制を整えています。経験がない方や不安がある方でも、前向きに転職活動に臨めるよう丁寧に伴走します。

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訪問介護職員への転職相談は人材紹介会社へ

訪問介護員の仕事内容や転職のメリット、注意点についてご紹介しました。

訪問介護員は介護保険法の定める在宅介護を専門的に行う人のことを指します。事業所による直接雇用だけでなく登録制ヘルパー、派遣ヘルパーなど柔軟な働き方が可能です。

要介護1以上、居宅で暮らす高齢者が対象で、家事代行サービスと違い利用者の身の回りのサポートのみを行うのが基本姿勢です。

仕事内容は食事や入浴の介助をはじめ、身の回りの清掃、洗濯など幅広く行います。また、買い出しの代行や通院時の車両乗降サポートなども行います。

訪問介護員で働くことで利用者から直接的に感謝されるなどやりがいを感じられる機会も多いです。

メリットは自身の都合により柔軟に働けることが挙げられ、子育て中の主婦の方や副業を検討したい方でも無理なく公私のバランスを保ちやすいでしょう。

基本的には一人でさまざまな業務をこなすため、介護のスキルが向上しやすい反面、孤独感やプレッシャーに悩まされる方も少なくありません。

訪問先での介護提供が難しいと判断した場合は、無理をせずに事業所や派遣元のスタッフに相談し担当先を変更してもらうなど対策を協議しましょう。

訪問介護の現場でより活躍するためには、資格の取得が大きな力になります。特に処遇改善加算の対象となっている事業所では、給与の向上だけでなく、スタッフの働きやすさを考慮した環境づくりにも積極的に取り組んでいるため、転職先を選ぶ際の大切なチェックポイントとなります。

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