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仕事・働き方

2025.8.12

介護職における緊急時対応マニュアル|注意点や大切な心得についても解説

介護の現場では、転倒や意識消失、呼吸困難など予期せぬことが突然起こります。頭では理解していても、「本当に対応できるのだろうか」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

緊急時の対応で大切なのは、あらかじめ基本の流れやポイントを理解しておくことです。事前に対応方法を知っておくだけで、いざというときに落ち着いて行動ができるようになります。

この記事では介護職として知っておきたい緊急時対応の基本的な考え方や、具体的な対応手順、心構えについてわかりやすく解説します。何が起きても慌てずに行動できるようになるための内容になっているので、最後まで読んでみてください。

介護における緊急時対応

手を握って高齢者と話すヘルパー
介護の現場では、利用者が突然体調を崩したり、事故が起こったりすることがあります。健康そうに見えたのに、急に意識がなくなったという状況も珍しくはありません。

緊急時には利用者の安全を守るだけでなく、介護職としての冷静さや判断力、連携力が求められます。ここでは、介護現場でよく起こる代表的な場面について対応の流れや注意点を具体的にご紹介します。

事前に正しい知識と心構えを身につけて、いざというときに落ち着いて行動できるようにしましょう。

転倒したとき

高齢者は下肢筋力やバランス機能の低下によって、何もないところでつまずいたり、ふらついたりして転倒しやすくなります。高齢者の転倒を発見した場合の対応方法としては以下のとおりです。

  • 意識や呼吸の有無を確認し異常がないか観察
  • 転倒の発生状況や時刻を確認
  • 無理に動かさず、応援を呼ぶ
  • 外傷や痛みの有無を確認し、ベッドや車いすへ移動
  • バイタルサインの測定
  • キーパーソンへの報告、必要に応じて医療機関への受診

高齢者はとっさの行動ができないため、転倒して頭部を打ったり骨折したりする可能性があります。そのため、転倒時は全身状態の観察や転倒時の状況を記録として残すことが大切です。

記録は情報の共有をするためや何かあった場合の法的証拠にもなるため、転倒後の記録は5W1Hを意識して詳細に残しておくようにしましょう。

嘔吐したとき

杖をついて苦しむ高齢者の女性
高齢者の嘔吐は、消化不良や薬の副作用、感染症や脳疾患など原因はさまざまです。なぜ嘔吐したかも大事ですが、まずは誤嚥や窒息を防ぐために利用者を側臥位で寝かせることが第一です。

口腔内に嘔吐物が残っている場合はやわらかい布やガーゼで優しく拭き取り、入れ歯があれば外しておきましょう。嘔吐物を処理する場合は感染症対策として手袋やマスク、エプロンなどの防護具を着用し、嘔吐物に直接触れないように注意が必要です。

周囲に飛び散った場所は、次亜塩素酸ナトリウムなどでしっかり消毒を行います。処置が終わったら利用者の直前の様子や嘔吐の回数と量、色や臭いなどを記録に残し、情報共有をしましょう。

嘔吐後は脱水予防で水分補給を促したり、体調に応じて消化のよい食事に切り替えたりするとよいです。嘔吐が24時間以上続く場合や意識がはっきりしないのであれば、緊急性が高いため、早めに医療機関を受診しましょう。

痙攣したとき

けいれんが起きると目の前で体が激しく動く様子に驚き、「どのように対応したらよいのかわからない」といった方も少なくありません。まずは介護者が落ち着くことが大切です。

周囲に危険な物がないかを確認し、利用者の安全を確保しましょう。無理に体を押さえたり、大声で呼びかけたりするのは逆効果です。

次に、発作が始まった時間を確認し、けいれんの継続時間や体のどの部分にどのような動きがあったのかを観察します。具体的な観察のポイントとしては以下のとおりです。

  • いつ
  • どのような場所で
  • どのような様子で(動き・表情・声など)
  • どのようなけいれんで
  • どのくらいの時間続いたか

けいれんが落ち着いた後も意識レベルや呼吸状態を確認し、必要に応じて看護師や医師に報告しましょう。

意識が消失したとき

居間で新聞を読んで居眠りする高齢者 
利用者の呼びかけに反応がない場合、眠っているのか意識を失っているのか判断する必要があります。まずは、「〇〇さん、聞こえますか?」と声をかけて反応を確認します。

反応がなければ、肩や腕を軽くたたいて刺激を与えてみましょう。刺激に対して反応がない場合は看護師や周りにいるスタッフを呼んで対応を求め、発見者はその場を離れずにバイタルサインの測定を行いましょう。

バイタルサインが異常値を示していたり、意識消失とは別の症状がある場合は救急要請が必要となります。

呼吸困難になったとき

加齢や脳疾患などで嚥下機能が低下していると、食事中に食べ物をのどに詰まらせやすく窒息を起こしやすい状態になっています。窒息は気道が閉塞している状態ですが、軽度であれば咳き込みで排出しようとします。

強い咳き込みをしている場合はそのまま咳を促し様子を見ましょう。しかし、咳での排出がない場合や、以下のような症状がある場合はすぐに緊急対応が必要です。

  • 声が出ない
  • 呼吸音がヒューヒューしている
  • 顔色が青白くチアノーゼが出現している
  • 意識がもうろうとしている

口腔内の異物を指で除去しようとすると、喉の奥に押し込み気道閉塞を悪化させるリスクもあるため、除去できる異物以外は無理に取り除かないようにしましょう。

異物が取れない場合は、背中を叩く背部叩打法か腹部を突き上げて喀出するハイムリッヒ法を行います。意識がなく改善が見られない場合は、すぐに救急要請し心肺蘇生の準備を行いましょう。

激しい痛みが襲ったとき

頭が痛い女性
突然の胸の痛みや頭の痛みは、緊急性が高い病気のサインの可能性があります。以下のような訴えがある場合は要注意です。

  • 胸が締めつけられるように痛い
  • 背中や腕にまで痛みが広がる
  • 頭が割れるように痛い
  • 吐き気や麻痺、ろれつが回らない

このような訴えは心筋梗塞や狭心症、くも膜下出血などの疾患が考えられます。利用者の痛みの程度や場所、始まった時間や持続時間を聞き取り、救急要請をしましょう。

これまでにない強い痛みには、早急な対応が必要となります。

不整脈が起きたとき

脈のリズムが一定ではない不整脈は高齢者によく見られる症状ですが、いつもと違う脈の速さや乱れがないか注意しましょう。

意識を失っていたり、呼吸停止がみられたりする場合は救急要請とAEDの準備が必要です。「何かおかしい」と異常に気付けるように、日頃からバイタルサインのチェックは行っておきましょう。

出血したとき

吐血や下血があった場合は、利用者の安全確保を行いましょう。吐血の場合、誤嚥や窒息のリスクがあるため、側臥位にして気道を確保します。

出血の色や量、性状などを観察し、バイタルサインの測定と記録を行いましょう。多量の出血や意識消失がある場合は、看護師へすぐに報告し、救急要請の準備が必要です。

緊急時対応を知っておくべき理由

介護福祉士
高齢者は筋力や内臓機能の低下、持病の悪化や薬の副作用など、さまざまな要因から体調を崩しやすくなっています。このため、介護の現場では急変が起こりうる状況を常に想定しておくことが大切です。

このような緊急時に冷静かつ的確に行動できるかどうかは、事前に必要な知識を備えておくことが重要となります。

緊急時対応における注意点

男女の介護士
「自己判断で間違った対応をしてしまわないか不安」「パニックになったらどうしよう」と感じている方も少なくないかもしれません。このような不安を軽減するために、緊急時に押さえておきたい注意点をご紹介していきます。

注意するポイントを少しでも知っておくだけで、緊急時にも冷静に対応ができるようになります。

勝手な自己判断をしない

介護職は医療の専門職ではないため、医師や看護師との連携がとても重要です。緊急時に自分ひとりで判断し、「大丈夫だろう」と動いてしまうことは、かえって利用者の状態を悪化させてしまう恐れがあります。

「いつもと様子が違うけど、どのように対応すればよいかわからない」と迷ったときには、まずは看護師に報告しましょう。一人で抱え込まずチームで状況を判断し、必要に応じて医療職へ引き継ぐことが大切です。

パニックにならない

介護職に求められるのは、冷静な観察と的確な判断力です。焦ってしまうと、適切な行動がとれなくなり、結果的に状況を悪化させてしまう可能性があります。

緊急時の対応では、まず落ち着くことが大切です。状況を把握し、研修やマニュアルで学んだ対応手順を思い出してみましょう。何を優先して、誰に連絡するべきかが明確になっていれば、冷静に行動をとることができます。

パニックにならないためには、緊急時にどう動くかを日頃からシミュレーションしておくことも効果的です。

痛みや苦しみを軽視しない

介護士とお腹をおさえる車椅子に乗る高齢者
高齢者は加齢によって痛みに鈍感になったり、症状をうまく伝えられなかったりします。痛みの強さや部位、痛みが出た時間など言葉にしやすいように丁寧に聞き出すようにしましょう。

そして、不安を訴える場合は「大丈夫ですよ」と共感の気持ちを持って寄り添うことが大切です。軽い症状に見えても重大な疾患のサインであることもあるため、異変を感じたときには早めに看護師に報告しましょう。

報連相を怠らない

緊急時において大切なことは、素早く正確な報告・連絡・相談です。いつ、どこで、どのような症状が出たのかを正確に伝えることが重要になります。

情報が正確であれば医療職も判断しやすく、迅速な対応ができます。また、医療機関への連絡や、ご家族への報告も速やかに行うことが必要です。日頃から報連相の習慣が身についていれば、緊急時にも落ち着いて行動することができ、利用者の命を守ることにもつながります。

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緊急時対応における大切な心得

提案する介護士の女性
これまで介護現場での緊急対応について、具体的な対処法をご紹介してきました。しかし、実際に急変が起きたとき、「本当に自分にできるだろうか」と不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。

ここでは、いざというときに対応するために、介護職として日頃から意識しておきたい心構えについてご紹介します。

冷静な状況把握と行動

緊急時に大切なことは、焦らずに落ち着いて行動することです。いきなりパニックになってしまうと、的確な判断や行動ができなくなります。まずは深呼吸をして、一度冷静になることを意識しましょう。

状況を正しく把握することができれば、看護師や救急隊への報告も的確に行え、現場全体の連携がスムーズに行えます。日頃から「この場面ではどうするか」と頭のなかでシミュレーションしておくことで、緊急時も自信を持って行動できるようになります。

安全確保

転倒して足を痛めた高齢者男性
緊急対応でまず優先すべきは、利用者と自分自身の安全を守ることです。例えば、倒れている場所が狭かったり、床が濡れて滑りやすかったりすると二次的なケガや事故につながる可能性があります。

状況に応じて周囲の危険物をどかしたり、安全な場所へ移動したりといった判断も介護職に求められる役割のひとつです。

自己ケア

緊急時の対応では精神的なプレッシャーも大きく、強いストレスがかかります。ストレスが蓄積すると体調を崩しやすくなり、仕事でミスを起こす原因にもなります。

そのためにも日頃から自分自身をケアしておくことが重要です。しっかり休息をとり、趣味やリフレッシュの時間を確保して心と体のバランスを整えるようにしましょう。

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緊急時対応は万全の体制で行うことが理想

スクラブを着た医者
介護の現場では、いつ緊急事態が起こるかわかりません。施設全体でのチーム体制を整えておくことが大切です。

重要なのは、緊急対応マニュアルや手順を日頃から確認しておくことです。内容が更新されたときはすぐに共有し、新人職員への周知も徹底しておきましょう。

この他にも以下のような取り組みや学習が重要となってきます。

  • 日常的なリスク管理
  • 緊急時のシミュレーション練習や研修の参加
  • 自己学習と情報共有

日常的なリスク管理では、利用者の転倒や誤嚥といったリスクを想定して事前に対策を立てておくことで、急な体調の変化を未然に防ぐことが可能です。

また、緊急時のシミュレーションや研修に参加することで、現場を想定した実践的なスキルが身につきます。心肺蘇生法やAEDの使い方などを繰り返し練習することで、緊急時も落ち着いて行動できるようになるでしょう。

緊急時対応は備えとチームワークが重要です。しかし、職場の雰囲気が悪かったり、緊急時マニュアルが曖昧だったりする職場は少なくありません。

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緊急時対応に向けた職場選び

公園でガッツポーズするビジネスウーマン
「いざという時に対応できる自信がない」「一人きりの夜勤は心配」といった不安を感じる方にとって、働く環境選びはとても重要です。知識やスキルを身につけても、職場の体制が整っていなければ安心感を持って働くことはできません。

夜勤が一人体制の施設も少なくありませんが、24時間体制で看護師が常駐している施設や病院に併設された介護施設などは、医療職との連携がスムーズで急変時にも安心感を持てる職場といえるでしょう。

また、病院勤務の介護士であれば、常に看護師や医師がそばにいるため、緊急時にもすぐに対応ができる体制が整っています。「もし何かあったらどうしよう」と不安を感じる方は、夜勤中に2名以上の職員が配置されている施設を選ぶのもひとつの方法です。

ハッシュタグ転職介護では、緊急時にも支え合える体制が整った職場をご紹介しています。私たちは、精度の高いマッチング力を活かし、あなたの希望や状況にぴったり合った職場をしっかりと見つけます。

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介護職として活躍したいなら

男女の介護士
「介護の現場でもっと自信を持って働きたい」「緊急時にも対応できる介護職としてスキルアップしたい」このように考えている方にとって、緊急時対応のスキルを身につけることは、成長への大きな一歩になります。

緊急時の対応は突然訪れるため、事前の準備や心構えが重要となってきます。現場で落ち着いた行動をとるためにもまずは、今の職場のマニュアルを見直してみることから始めてみましょう。

また、緊急時のシミュレーションや研修に参加することで、実践的なスキルと知識が身につきます。介護職として成長するには正しい知識と技術を身につけ、何があっても焦らず対応できるメンタルを育てることが重要です。

自信を持って現場で働けるようになれば、周囲からの信頼も自然と高まり、仕事のやりがいも大きくなっていきます。

「今の職場ではモチベーションが上がらない」「スキルアップしても活躍できる環境ではない」そんなお悩みをお持ちの方でも、ハッシュタグ転職介護では、介護職として活躍できる職場をご紹介しています。

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