介護食士の資格の種類

介護食士の資格には、3級と2級、1級の3つの等級があります。3級から順に等級が上がっていき、1級では介護食の管理や指導レベルまでの知識の習得が可能です。

3級には受験資格がないため、まずは3級から挑戦するとよいでしょう。ここでは、それぞれの等級で習得できる知識や講習内容などについて具体的に解説します。

介護食士3級

介護食士3級は、高齢者の身体機能の特徴や栄養素の知識など、介護食の基本的な知識を習得できます。受験資格がないため、どのような方でも挑戦できることが特徴です。

講習会修了後の修了試験に合格することで、資格を取得できます。講習内容は以下のとおりです。

• 学科（25時間）：介護食士概論や医学的基礎知識、高齢者の心理など
• 実習（47時間）：調理理論と調理実習I、調理理論と調理実習II

　

介護食士の合格率は非公開ですが、3級は取得しやすいといわれています。しっかりと講習を受けて理解できれば、介護職が未経験の方でも取得を目指せるでしょう。

介護食士2級

介護食士2級は、介護食士3級を取得した方が対象で、介護食士3級で学んだ介護食の普通食からの展開方法や生活習慣病予防食について習得が可能です。介護食士3級と同様に、講習会修了後の修了試験に合格することで、資格を取得できます。

介護食士2級の講習内容は以下のとおりです。

• 学科（16時間）：栄養学や食品学、食品衛生学など
• 実習（56時間）：調理理論と調理実習

　

介護食士2級では、介護食士3級よりも幅広い知識を習得できるため、介護食についてより深い知識を学びたい方におすすめです。

介護食士1級

介護食士1級は、介護食士2級を取得後、2年以上の介護食調理の実務経験がある25歳以上の方が対象です。栄養状態の判定や栄養バランスを考慮した献立作成、食品と薬の関係などの知識を習得できます。

介護食士1級の講習内容は以下のとおりです。

• 学科（32時間）：高齢者に関わる制度や栄養学、食品衛生学など
• 実習（40時間）：調理理論と料理実習

　

介護食士1級では、身体状態を考慮した献立を作成して実際に調理をする実習があり、一人ひとりにあった食事を提案できるようになります。介護施設の調理現場で活かせる内容となっているため、利用者の食事管理や献立作成の業務を行う方におすすめです。

介護食士の仕事内容

介護食士の主な仕事内容は、利用者それぞれの身体状態にあわせた献立の作成や調理などです。例えば、普段の食事摂取状況やアレルギーなどを考慮した献立作成、適切な食事の提供方法や食事介助の指導などが挙げられます。

介護食士は、食事だけでなく衛生管理や高齢者の心理など幅広い知識を習得するため、衛生管理や食に関する教育などを行うこともあるでしょう。介護食に関する業務以外にも、さまざまな仕事に役立つことが介護食士の特徴の一つです。

このように、介護食士の資格を取得していればさまざまな業務が可能となるため、転職を有利に進められる可能性があります。そこで、あなたの強みをとことん活かして転職活動を進められる、ハッシュタグ転職介護を活用してみませんか。

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介護食士の資格の取得方法と試験概要

介護食士の資格を取得するためにはどのような手段があるのか、不安や疑問を抱えている方もいるでしょう。ここでは、介護食士の資格取得方法から取得するまでの流れ、難易度や費用までわかりやすく解説します。

資格取得までの流れが整理できれば、前向きに検討できるようになるでしょう。

取得方法

介護食士の資格取得には、以下の2つのパターンがあります。

• 専門学校に入学
• 一般の方を対象とした講習会を受講

　

専門学校では、介護食士の資格を取得できるコースが用意されていることがあります。専門学校での資格取得を目指す方は、入学前に介護食士のコースがあるのかを確認しておくのがおすすめです。

ほとんどの方は、一般向けの講習会を受講することになるでしょう。一般向けの講習会は全国各地で開催されていますが、等級によって開講している施設が異なります。受講を希望する場合は、住んでいる県や地域の施設に問い合わせることがおすすめです。

試験内容

介護食士の試験は、等級に関わらず筆記試験と実技試験が行われ、合格ラインはいずれも60点以上です。ただし、講習会で80%以上の出席がないと試験を受けることができないため、注意しましょう。

試験内容は、それぞれの等級で行った学科と実習の内容をもとに出題されます。講習をしっかりと受け、内容を理解できれば資格取得を目指せるでしょう。

資格取得の難易度

介護食士の合格率は、正式には発表されていませんが、試験自体は難しい試験ではないといわれています。講習をしっかりと受けて内容を理解できていれば、取得を目指せる資格です。

特に、3級は受験資格がないため、未経験で介護職への転職を考えている方も挑戦しやすい資格といえるでしょう。

資格取得に必要な費用

介護食士の資格取得に必要な費用は、70,000〜90,000円です。講習会の開設施設によって異なるため、あらかじめしっかりと確認しておきましょう。

また、介護食士の試験合格後は登録料が必要で、等級によって費用が異なります。

• 3級と2級：5,500円
• 1級：11,000円

　

講習費用とは別で必要になるため、講習費用とあわせて事前に用意しておきましょう。

講座内容

介護食士の講座は、どの等級であっても学科と実習をあわせて72時間あります。等級によって講座内容が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

3級の学科（25時間）の講座内容を紹介します。

• 介護食士概論
• 医学的基礎知識
• 高齢者の心理
• 栄養学
• 食品学
• 食品衛生学

　

3級の実習（47時間）の講座内容は以下のとおりです。

• 調理理論と調理実習I
• 調理理論と調理実習II

　

次に、2級の学科（16時間）の講座内容を紹介します。

• 医学的基礎知識
• 高齢者の心理
• 栄養学
• 食品学
• 食品衛生学

　

2級の実習（56時間）の講座内容は以下のとおりです。

• 調理理論
• 調理実習

　

最後に、1級の学科（32時間）の講座内容を紹介します。

• 医学的基礎知識
• 高齢者に関わる制度
• 栄養学
• 食品学
• 食品衛生学

　

1級の実習（40時間）の講座内容は以下のとおりです。

• 調理理論
• 調理実習

　

介護食士の講習は、充実したテキストで幅広い知識を得られるだけでなく、実習によって調理の技術を習得できることが特徴です。

介護食士の資格を取得するメリット

介護食士の資格を取得することで、自分の強みになったり家族介護に役立ったりするなど、さまざまなメリットが得られるのが特徴です。ここでは、介護食士の資格取得で得られる4つのメリットを具体的に解説します。

介護食に関する知識を習得できる

介護食士の資格を取得するためには、高齢者の食事に関するさまざまな知識を学ぶ必要があります。そのため、資格を取得することで、栄養学や食品衛生学などの知識に加えて調理技術や食事介助などの幅広い知識や技術の習得が可能です。

これらの知識や技術は、食事に関してだけでなく介護現場のさまざまな場面で役立つため、介護職への転職を考えている方におすすめの資格といえるでしょう。

ほかの介護資格と併せると強みになる

介護食士は、ほかの介護資格と併せることで自分の強みとなり、転職を有利に進められる可能性が高まります。おすすめの介護資格は、以下のとおりです。

• 介護職員初任者研修
• 介護福祉士実務者研修
• 介護福祉士（国家資格）
• ケアマネジャー（介護支援専門員）

　

これらの資格と介護食士の資格を併せると自分の強みが増え、働く職場の選択肢を広げることができるでしょう。

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介護以外の職場でも役立つ

高齢化の影響によって、介護業界に限らず、さまざまな企業で介護食の需要が高まっています。そのため、介護食士の資格を取得していれば医療機関や高齢者向けの外食産業など、介護以外の職場でも活躍できる可能性があります。

需要が高まることが予想される介護食のニーズに対応するために、3級だけでも取得しておくと、転職を有利に進められるかもしれません。

家族に要介護者がいる場合にも役立つ

介護食士は、高齢者の身体状態にあわせた食事や献立作成などの知識を習得できる資格です。そのため、家族に要介護者がいる場合、それらの知識を活かしてよりよい介護を行えます。

資格取得で習得した知識や技術を仕事以外でも活かせる場面があることが、介護食士の資格を取得するメリットの一つといえるでしょう。

介護食士の資格を活かせる職場

介護食士を指定している求人を見ることは少ないですが、実は介護食士の資格はさまざまな職場で重宝されています。介護現場以外でも活かせる可能性があり、意外と選択の幅が広い資格です。ここでは、介護食士の資格を活かせる3つの職場を紹介します。

介護施設の厨房

介護施設の厨房では、利用者にあわせて食事を提供する必要があるため、介護食士の知識が重宝されます。介護食士の知識があれば、適切な栄養バランスの献立や食事介助、提供を行えます。

このことから、介護施設の厨房は介護食士の資格を十分に活かせる職場といえるでしょう。

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訪問介護

訪問介護では、食事の用意や内容の記録などの食事介助を行うこともあります。また、利用者の自宅での介護となるため、コミュニケーションも欠かせません。

そこで、食事や介護、高齢者の心理などの幅広い知識を有する介護食士の資格が役立ちます。介護食士の資格取得では、一人ひとりにあわせた対応方法を習得できるため、利用者にあわせた対応が重視される訪問介護で重宝される資格といえるでしょう。

外食産業

日本の高齢化が進んでいることもあり、高齢者向けの食品を扱う企業と、外食産業の食品を採用する介護施設が増加しています。そのため、介護食士の資格があれば介護食の商品開発やメニュー開発など、介護現場以外で活躍できる可能性があるのです。

資格の活かし方に悩んでいる方は、介護現場以外も検討してみると、よりよい資格の活かし方が見つかるかもしれません。

介護食士と管理栄養士の違い

介護食士と管理栄養士には、主に3つの違いがあります。

• 種類：介護食士は民間資格、管理栄養士は国家資格
• 難易度：介護食士の難易度は低いといわれている、管理栄養士の合格率は50%〜60%
• 業務内容：介護食士は食事提供や調理が中心、管理栄養士は栄養管理や指導が中心

　

それぞれの特徴を理解し、自分の目的にあった資格を選択できるようにしましょう。

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介護食士の資格を介護の職場で活かしたいなら

介護食士の資格は、介護施設の調理現場だけでなく、訪問介護や外食産業など幅広い職場で活躍できる可能性があります。また、高齢者の心理や一人ひとりにあわせた支援方法などを習得できるため、介護チームとの連携でもその知識や技術を発揮することができるでしょう。

介護食士3級は難易度が低いといわれているため、自分の強みを増やしたい方や、介護職への転職を考えている方は取得しておくのもおすすめです。強みが増えれば、働ける職場の幅が広がったりキャリアアップにつながったりなど、さまざまなメリットが得られます。

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