介護士は利用者の爪切りをしてもいい?

介護士は医療行為をしてはいけないと認識しており、爪切りは大丈夫なのかと疑問に思うこともあるでしょう。
爪切りは原則として医療行為にはあたりません。厚生労働省が定める法律では、介護現場で頻繁に行われる爪切りは規制の対象外とされています。
ここでは、資格の有無や禁止されるケースを解説します。いざ爪切りが必要となったときに不安なく行えるよう、あらかじめ確認しておきましょう。
爪切りは医療行為なのか
爪切りは原則として、医療行為にあたりません。厚生労働省が定める法律によると、爪切りは介護現場で頻繁に行われるため規制の対象外です。
医療行為とは医師や歯科医師、看護師の判断や技術によって行わなければ、人の生命や健康に危険を及ぼす可能性のある行為のことを指します。具体的には、以下のような行為が医療行為です。
- 摘便
 - 床ずれ(褥瘡)の処置
 - インスリン注射
 - 血糖値の測定
 - 点滴の管理
 
爪切りは法律上医療行為ではありませんが、爪やその周辺に異常がなく、糖尿病などの疾患がない健康な方に限るとされています。
爪切りに資格はいるのか
介護士が爪切りをするのに特定の資格は必要ありませんが、あると役立つ資格があります。爪切りを含むフットケアに関する資格については、後述しているのでご確認ください。
爪切りをしてはいけない場合

巻き爪や感染症など、爪の状態によっては医療職の対応が必要になります。具体的には、以下のようなケースです。
- 爪に異常がある
 - 爪周囲の皮膚に化膿や炎症がある
 - 疾患(糖尿病など)による専門的な管理が必要
 
介護士は事前に、爪やその周囲の異常、糖尿病などの疾患の有無を確認しておきましょう。
利用者の小さな異変に気付くには、日々の観察と丁寧な見守りが欠かせません。
そのためには、職員同士がしっかりと報告・相談し合える風通しのよい職場や、心に余裕を持って働ける環境を選ぶことも、介護職としての大切な判断です。
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正しい爪の切り方

介護現場で自分が爪を切ることになったとき、どうすればよいかわからず不安を感じる方も少なくありません。
正しい方法で爪切りを行うには、必要な道具の準備や声かけの工夫、切る際の注意点、やすりの活用方法などを知っておくことが大切です。
ここでは、正しい爪の切り方を、基本的な流れに沿って解説します。一人ひとりに合った爪切り選びや、爪やすりの使い分けにも役立つ内容です。
必要な道具
爪切りに必要な道具は、以下の3つです。爪切りを始める前に準備しておきましょう。
- 爪切り(ニッパー)
 - 爪やすり
 - 蒸しタオル
 
爪切りや爪やすりは、使用後に消毒して清潔な状態を保ちましょう。高齢者の爪は加齢により硬くなりやすいです。ニッパーは硬い爪(厚い爪)を切るのに適しています。
爪を切る前に手や足を温めることもおすすめです。ぬるま湯に浸したり蒸しタオルを使用したりすると、爪がやわらかくなり切りやすくなります。
爪やすりは、爪の角など切りにくいところを削ったり、切った爪を整えたりするために使います。
声かけ
高齢者の爪切り介助をする前には、声がけをして同意を得たうえで始めましょう。
なかには爪切りを嫌がる方もいるかもしれませんが、爪を切っている最中に動くと大怪我につながる可能性もあるため、落ち着いた状態であることが理想です。
「これから爪をお切りしてもよろしいですか?」「痛くないように少しずつ切りますね」など、安全に配慮して切り進めましょう。
切る時のポイント

切るときは、深爪や皮膚を誤って切ってしまわないように安定した姿勢を保つことが大切です。
足が床にしっかりつく高さに椅子やベッドを調整し、自分の爪を切るときと同じ目線で作業できるよう、利用者の隣に同じ向きで座ります。
介護士の腕で挟み込むように支え、利用者の腕をしっかり固定します。脚の爪を切る場合は、利用者の足を介護士の太ももの上に乗せ、膝下を安定させましょう。
姿勢を整えて爪を切る準備ができたら、慎重に切っていきます。しっかり爪を見ながら、爪切りが適切な位置に当たっているかを確認してから切りましょう。爪の先端をまっすぐに切ることがポイントです。
必ずやすりをかける
爪の切り口をなめらかにするため、爪を切り終えたらやすりをかけましょう。高齢者の皮膚は特に薄くやわらかいので、爪に切り残しや凸凹があると皮膚が傷つきやすいです。
爪やすりには大きく分けて細かい目と粗い目のものがあり、使用する目的によって使い分けることがおすすめです。
細かい目の爪やすりは、爪の凸凹を減らせるので切り残しを整えられます。粗い目の場合は、形や長さなど見た目をきれいにするのに役立ちます。
爪を切る際の注意点

利用者にケガをさせてしまうのではないかと、不安に感じることもあるでしょう。ここでは、巻き爪予防や皮膚を傷つけない工夫、切り残しチェックの重要性を解説します。
爪を切る際の注意点を知ることで、気をつけながら爪切りを行うことができるようになります。
巻き爪にならないようにする
巻き爪にならないようにするには、爪を指の先端と同じくらいの長さで横にまっすぐ切るスクエアオフカットという切り方がおすすめです。スクエアオフカットは、理想的な爪の形ともいわれています。
さらに、その角を爪ヤスリで少しだけ丸めて仕上げることで、爪が肉に食い込まずに成長できるため巻き爪を予防できます。
爪の角を斜めに切るバイアスカットは避けましょう。爪は層状になっているため、斜めに切ると丸まりやすく巻き爪になりやすいからです。
皮膚などを切らないようにする
皮膚などを切らないようにするためには、先述した姿勢を意識するほか、環境やタイミングも大切です。
爪を切るときは、爪や状態がよく見えるように明るい場所で切りましょう。爪が硬く厚いほど、切るときに力が入り皮膚を傷つけるリスクが高くなります。
爪をやわらかくするには、爪を切る前に蒸しタオルで温めるほか、入浴後に切ることがおすすめです。普段から、ワセリンなどの保湿剤で爪のケアを行うのもよいでしょう。
切り残しがないかの確認

爪を切った後は、切り残しや凸凹しているところがないかを、本人と一緒に目視で確認が必要です。
切り残しがあると、他者と触れたときに傷つけてしまったり、衣類を着脱する際に爪が引っかかりほつれてしまったりする可能性があります。
切り残しを発見した場合は、再度ヤスリをかけて整えましょう。
爪切りをするには声がけも大切です。爪切りケアの注意点や利用者とのよりよいコミュニケーションは、実践しながら学ぶこともできます。
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フットケアの重要性

フットケアは、爪の異常を放置すると歩行困難や感染症のリスクにつながる可能性があることから、予防と対策の両面からアプローチする手段として注目されている分野です。
フットケアには歩行の安定や感染予防、QOL向上などの効果があり、単なる身だしなみではなく爪や足のケアが利用者の健康や安心といった生活全体に直結します。
ここでは、爪を整えるなどフットケアの重要性を解説します。介護士としてのフットケアに関する理解を深めましょう。
爪を整えることで歩行が安定する
爪には踏ん張ったり、指の力を強くしたりなどの重要な役割があります。爪をお手入れすることで、バランスを取りやすくなり歩行が安定します。以下の状態である場合は、うまく力が入らずふらつきやすいです。
- 爪が伸びている
 - 爪が分厚い
 - 巻き爪がある
 
上記のような爪が正常ではない状態の場合は、1年間の転倒率が約2倍になるというデータもあります。自分の力で歩けるようになると、介護者の負担軽減にもなるでしょう。
感染症やけがの予防につながる
フットケアにより足の清潔を保ち肌の乾燥を防ぐことで、細菌や真菌の侵入を防ぐため、感染症やけがの予防につながります。
水虫や爪水虫、カンジダ症などの皮膚感染症は、高齢者や免疫が低下している方によく見られます。
特に、糖尿病の方はフットケアが重要です。神経障害で感覚が鈍くなり足の痛みを感じにくく血管障害で血流が悪くなっている場合は、皮膚のバリア機能が低下し、さまざまな感染症にかかりやすくなります。
ただし、糖尿病の方である場合、介護士はフットケアができないため注意しましょう。このような足のトラブルを早期発見し、転倒予防につながることもメリットです。
QOL(生活の質)の向上につながる

高齢者は爪切りに加え、日常的に以下のフットケアを行うことで下肢機能が向上し、筋力維持に貢献します。
- 足の清潔を保つ
 - 保湿をする
 - マッサージをする
 - 角質ケアをする
 
これにより、転倒予防や血流改善、疾患の早期発見・治療が可能です。歩行が快適になり活動量が増えることで、認知機能や生活習慣病の予防につながり、生活の質が向上します。歩くスピードや1日の歩数は健康寿命に関わる傾向があります。
介護士が生活リハビリテーションを行うことで、歩行能力の低下を防ぎ、高齢者の生活の質(QOL)を大きく向上させることができます。日常生活の中で支援を通じて、利用者の「できる」を引き出すこの仕事には、大きなやりがいがあります。
ハッシュタグ転職介護では、そんなやりがいを実感しながら働ける職場探しを全力でサポートしています。転職活動のスタートから、入職後の不安や課題にも寄り添い、丁寧なアドバイスを行っています。
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爪ケア・フットケアに関する資格

フットケアに関する資格は、福祉爪ケア専門士®やフットケアスペシャリスト、高齢者フットケア講座などがあります。学ぶことで専門性が高まり、利用者からも信頼されやすくなることがメリットです。
それぞれの資格の特徴や強みを知り、目指したい方向性や現在のレベルに合った資格を選びましょう。資格を取得することで、スキルアップやキャリア形成にもつながります。
福祉爪ケア専門士®
福祉爪ケア専門士は、高齢者などの足爪のケアに特化した専門資格で、爪のレスキュー隊を目指します。
- 3級:高齢者によく見られる肥厚爪のケアとアドバイスができる
 - 2級:巻き爪理論と3種の巻き爪ケア技法をマスターする
 - 1級:足の人工爪形成ができる
 
3級〜1級まで段階的に取得でき、3級と2級は1日で修了する短期集中講座です。足の専門知識と技術を、実践的に習得できます。
動画やオンラインで学ぶなど、自分の生活スタイルに合わせたコースを選ぶことができ、全国各地で学べます。
フットケアスペシャリスト
ウオノメやタコ、かかとの角質肥厚などの角質ケアや、巻き爪・深爪などを適切に処置するための知識と技術を習得する資格です。
足のトラブルの根本的な改善方法と予防法を学び、実践的なフットケアを行えるようになります。
フットケアの基礎から応用、実践まで知識と技術を総合的に学ぶことができ、現場経験豊富な現役フットスペシャリストによる指導を受けられます。
高齢者フットケア講座

足部や足爪の構造、フットケアの目的や基礎となる方法を学びトラブル予防や悪化防止、健康寿命を延ばすためのフットケアの基礎知識と技術を習得できる講座です。
高齢者によく見られる糖尿病や認知症と、足のケアのつながりを理解できます。
爪切り前のお手入れ方法や爪切り方法、爪をきれいに整える方法など実践的な内容となっています。
基礎コース修了後はより専門性を高めるためのコースがあり、応用的な爪ケアを学べるほか、高齢者施設での2日間の演習が組み込まれていることが特徴です。
資格取得後、介護の現場で即戦力として活躍できるスキルを身につけたいと考えている方に、ハッシュタグ転職介護は適切なサポートをご提供します。
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介護士がフットケアを学ぶメリット

介護士にとってフットケアの知識は、利用者の生活の質を高めるために重要なスキルです。
高齢者の足は皮膚が薄く乾燥しやすく、巻き爪・肥厚爪や角質の硬化といった変化が起こりやすいです。その結果、放置すると転倒や床ずれ、感染症のリスクが高まります。
フットケアに関する資格を持つ介護士は、正しい方法で一人ひとりの健康状態に合った足のケアができるため、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
直接的な治療は行えませんが、日常的な健康観察や予防ケアの一環として足の状態を確認できることは、利用者や家族の不安を軽減できます。
資格を持つことで専門知識と技術が証明され、現場での対応力や説明力も高まります。以上のことから、フットケアを学ぶことは、日常生活の自立支援や利用者の健康を守ることにつながるでしょう。
介護士の仕事内容についてプロに聞いてみよう

介護士は原則、健康な利用者の爪切りをすることができます。ただし、糖尿病などの疾患がある場合や爪に異常が見られる場合は、医療行為とみなされるため注意が必要です。
正しい爪の切り方は、深爪を避けてまっすぐ切り、爪やすりで整えるスクエアオフカットが推奨されます。姿勢や環境、タイミングを意識することで安全に行えます。
フットケアは転倒予防や感染症予防、QOL向上につながる重要なケアです。普段から足の清潔を保ち保湿やマッサージ、角質ケアも効果的です。
専門的なフットケアを学ぶことは、介護士としてのスキルアップにつながり、利用者の信頼を得るうえで大きなメリットとなります。
「フットケア以外にも仕事内容を知りたい」「自分に合う職場があるのか不安」という方は、プロに相談することがおすすめです。
介護職の業務は多岐にわたり、職場によって内容や働き方が大きく異なります。だからこそ、自分に合った環境を見極めることが大切です。
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