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仕事・働き方

2025.7.18

介護職ができる医療行為の範囲|できないことや必要な条件、注意点も解説

介護職として働いていると、「この行為は医療行為にあたるのだろうか」「これは私たちが行っても大丈夫か」と迷うことも少なくないでしょう。

実は、介護職にも認められている医療行為がある一方で、法律的にNGな行為も存在します。知らずに医療行為を行うと、法的な責任を問われる可能性もあるでしょう。

この記事では、介護職が行える医療行為の範囲とその線引き、条件付きで認められている行為や注意点についてわかりやすく解説していきます。

日々のケアのなかで迷う場面に出会ったときの判断材料として、ぜひお役立てください。

介護職の医療行為とは

病気の治療をする女性
医療行為とは、医師や看護師などの医療従事者が行う診察の一環としての処置やケアを指します。例えば、注射や点滴、褥瘡(床ずれ)処置などが代表的な例です。これらは原則として医師法や保健師助産師看護師法(保助看法)などに基づき、一定の資格を持つ方だけが実施を許されています。

しかし介護現場には、医療行為を必要とする方も一定数いるなかで、常に医師や看護師がそばにいるとは限りません。そのため、特定の条件下で介護職にも一部の医療行為が認められています。これを医療的ケアと呼び、厚生労働省は一定のガイドラインのもとで、その範囲を決めています。

介護職が行える医療行為には、条件なしで行えるものと条件付きで行えるものが存在するため、介護現場で働くにあたってしっかりとその線引きができることが重要です。

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介護職ができる主な医療行為

OKサインの介護福祉士
これから解説する医療行為は医師法や保助看法などにより、医療行為に該当しないもの、あるいは介護職が行ってもよい医療行為と定められています。ただし、なかには条件を満たす必要がある行為もあるため、一つ一つしっかりと確認していきましょう。

体温と血圧測定

血圧計と測定結果と血圧手帳
水銀体温計・電子体温計・耳式電子体温計を使用した体温測定や自動血圧測定器を使用した血圧測定は、介護職でも問題なく行うことができます。これらは身体状態を把握するための基本的な観察項目で、専門的な医学知識がなくても正しい方法で測定できるからです。

測定値に異常がある場合は、速やかに看護師や医師に報告することが重要です。また測定方法については、正確な値を得るためにも、施設の手順にしたがって実施しましょう。

軟膏塗布

医師が処方した外用薬(軟膏)を塗ることも、介護職が行える行為です。ただし、褥瘡処置の軟膏塗布は除きます。軟膏は医薬品に該当するため、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 利用者の容態が安定している
  • 医師による容態の経過観察が必要ない場合
  • 医薬品の使用方法に専門的な知識が必要ない場合

万が一、症状の悪化や感染の疑いがある場合には、すぐに看護師や医師に報告しましょう。

湿布の貼付

腰痛や関節痛などで使用される湿布は、原則として医師から処方されたものや看護師や薬剤師からの指導を受けて使用する場合に限って、介護職が湿布を貼付できます。ただし、貼る場所や時間には注意が必要で、皮膚トラブルを防ぐためにも観察を怠らないようにしましょう。

服薬介助や点眼

薬と飲み水
薬の自己管理が難しい利用者さんに対して、薬の飲み忘れを防ぐための声かけや手渡しなどの服薬介助は介護職でも行えます。ただし、容態が安定していない方や誤嚥リスクのある方などへの医療的知識を伴う介助が必要な場合は、介護職でなく看護師に服薬介助をお願いする必要があります。

また、介護職がPTPシートから薬を取り出すことは認められていないため、気をつけましょう。

点眼も介護職が行える補助の一つですが、目に直接触れるため、慎重に対応することが大切です。

介護職ができない主な医療行為

手でNGのサインをするマスクをした医療従事者
次に、介護職が行ってはいけない主な医療行為を解説していきます。これらは医学的知識や技術が必要とされ、誤った実施が重大な健康被害を招く可能性があるため、医師や看護師に任せるべき行為となります。

利用者さんやそのご家族にお願いされる場面に遭遇するかもしれませんが、介護職では行えない理由を伝え、医師や看護師にお願いしましょう。

血糖値測定

糖尿病の管理に欠かせない血糖値測定は、皮膚に針を穿刺する必要があるため、医療行為に該当します。誤った測定や感染リスクもあるため、必ず看護師や医師が対応する必要があります。

ただし、利用者本人が自己測定できる場合は、見守りや声かけなどの支援を介護職が行うことは可能です。

褥瘡処置

褥瘡(床ずれ)の処置も医療行為にあたり、介護職が行うことはできません。なぜなら、どの医薬品を使用するかといった医学的判断や処置が必要なためです。介護職は、褥瘡を予防する体位変換やスキンケアに注力しましょう。

インスリン注射

インスリン注射は、注射という侵襲性の高い行為であるため、介護職が行うことはできません。時折、利用者さんやそのご家族がインスリン注射を行っているため介護職でもできるのではと思っている方もいますが、介護職は行ってはいけない行為です。

万が一お願いされた場合、介護職は行えない旨をしっかり伝えましょう。

インスリン注射を穿刺する行為を介護職が行うことは禁止されていますが、インスリン注射を促す声かけや薬の量を利用者さんと一緒に確認するなど、介護職でもサポートできる場面はたくさんあります。

点滴管理

点滴
点滴の挿入や滴下速度の調整、点滴袋の交換などの行為も医療行為にあたるため、介護職は実施できません。

しかし介護職でも行えるサポートはいくつか存在します。例えば、点滴中の利用者さんの体調変化の観察のほか、点滴のルートが引っ張られないような環境整備やルートが抜去しやすい介助を事前に把握・理解しておくなどです。

介護職が行えない医療行為だからと諦めるのではなく、介護職としてできるサポートを探してみることで、利用者さんの生活の質をより高めることができます。

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介護職が条件付きで認められている医療行為

医療従事者
ここからは、一定の条件を満たせば介護職でも実施が認められている医療行為について解説します。これらは、適切な研修や医師の指示など、特定の条件下で行うことができる行為です。

まだ研修を受けていない方も、研修を受けることで介護職でも行える医療行為の幅が広がり、実際の現場でも重宝されることでしょう。

爪切り

基本的な爪切りは、介護職でも行うことができます。介護職が爪切りを行う場合の条件は、以下のとおりです。

  • 医療的な配慮が必要ない健康な爪であること
  • 巻き爪や変形爪などの異常がないこと
  • 疾患などによる専門的な管理が必要でないこと

糖尿病や血流障害の疾患などを持つ方の爪切りは、専門的な知識や技術が必要なため、看護師に対応してもらう必要があります。利用者さんの状態を見て、迷った際は事前に看護師に相談するとよいでしょう。

口腔ケア

歯ブラシと歯磨き粉
口腔ケアは、歯磨きや口腔内の清拭などを含むケアであり、利用者さんの口腔内を清潔に保つために行います。ただし介護職が実施する口腔ケアは、利用者さんに異常がなく、専門的な管理が必要でない場合のみです。

高齢者の口腔ケアを行う介護職向けに、介護口腔ケア推進士という資格が存在します。この資格を持つことで、正しい口腔ケアの知識を身につけられるだけでなく、利用者さんに心身の健康と食べる喜びを提供できるようになります。

給与アップに直接つながる資格ではないですが、転職の際にスキルをアピールできるため、興味のある方は資格を取得してみるとよいでしょう。

喀痰吸引

喀痰吸引とは、喉や気管に溜まった痰をチューブを使用して吸い取ることです。健康な方は、痰が出たら咳をして身体の外に出せますが、身体の不自由な方や寝たきりの高齢者は自分で痰をうまく排出できません。

痰が喉や気管に溜まると、息がしづらくなったり肺炎になったりすることがあるので、代わりに吸い取ってあげる必要があります。

この喀痰吸引は、2012年の社会福祉士および介護福祉士法の一部改正により、一定の研修を受けた介護職員が実施できるようになりました。吸入の対象は、受講した研修により異なりますが、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰です。

介護職が行う喀痰吸引に関する詳しい条件は後述しますが、条件が満たされない場合はたとえ研修を終えた介護職員であっても喀痰吸引を行えないため、しっかりと条件を確認することが大切です。

経管栄養

経管栄養とは、何らかの理由により自分の口から飲食できない方に、チューブを使用して身体に必要な栄養や水分を直接入れてあげる方法です。この手技も、喀痰吸引と同様に研修を受けた介護職であれば実施できます。

介護施設で行われる経管栄養には、経鼻経管栄養・胃ろう・腸ろうがありますが、こちらも受講した研修の種類により行える対象が異なります。それぞれの特徴を正しく理解して、実際に手技を行うことが大切です。

介護職が喀痰吸引や経管栄養を行う場合に必要な条件

チェックリスト
介護職として喀痰吸引や経管栄養の医療行為を行うためには、次の条件を満たす必要があります。

  • 喀痰吸引等研修の受講:第1号・第2号研修(不特定多数の利用者対象)または第3号研修(特定の利用者対象)を修了すること
  • 都道府県への登録:研修修了後、都道府県知事に認定喀痰吸引等従事者として登録すること
  • 実施体制の整備:実施事業者は登録事業者として都道府県に登録すること
  • 利用者・家族の同意:実施前に利用者や家族から同意を得ること

上記の条件を満たし、医師の指示のもとで実施することが重要です。

喀痰吸引等研修は3種類に分かれていますが、これらは可能な医療行為やその対象者が異なります。行える医療行為を増やし、仕事の幅を広げたい方は、第1号研修の受講がおすすめです。

医療職との連携を大切にし、自分の技術に不安がある場合には無理をせず、指導を受けながら実施していきましょう。

喀痰吸引や経管栄養といった医療的ケアが行えるようになると、携われる介護現場の選択肢が広がり、キャリアの幅も大きく広がります。

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介護職が医療行為を行う場合の注意点

注意点
医療行為は、利用者さんの命や健康に直接関わる重要な業務です。そのため、介護職には常に高い注意力と責任感が求められます。質の高いケアを実現するには、細やかな配慮と多角的な視点で取り組むことが大切です。

以下に医療行為を行ううえで、特に気を付けるべきポイントをご紹介します。

リスク管理を取る

介護現場では、介護職に医療行為を求められる場面も少なくありません。しかし、これまで解説してきたように、介護職が行える医療行為と行えない医療行為は法律で明確に定められています。

まず、自分の能力と権限の範囲を明確に理解し、それを超える判断を行わないことが重要です。少しでも利用者さんの状態に変化や異常を感じたら、速やかに看護師や医師に連絡・相談をしましょう。

医療機関との連携においては、定期的なカンファレンスや報告を通じて情報共有を徹底し、医師の指示書に基づいた範囲内でのみケアを行います。緊急時の対応手順や連絡体制をあらかじめ確認しておくことも欠かせません。

また、ヒヤリハット事例の記録と共有を通じて、チーム全体でリスク低減に取り組むことが安全性の高いケア提供の近道となります。常に医療職との連携を意識し、単独判断を避ける姿勢がリスク管理の基本です。

研修教育の徹底

医療行為を安全に行うためには、継続的な学習が欠かせません。定期的な研修参加や自己学習により知識をアップデートしたり、施設内研修で手技の確認を行ったりするのもよいでしょう。

介護職が行えない医療行為(点滴管理や人工呼吸器の操作など)についても、なぜ医療職の専門領域なのか理解しておくことも重要です。

また、基本的な解剖生理や疾患などの医療知識を増やすことで、利用者さんの状態変化に早期に気付くことができます。介護職が行えない医療行為が必要な場合でも、適切なタイミングで看護師や医師に報告することで、利用者さんの容態悪化を防ぐことも可能です。

このように医療知識の習得は、単に手技の安全性を高めるだけでなくケアの質全体を向上させ、利用者さんの生活の質を支える大きな力となります。

感染予防に努める

予防とマスク
介護現場で医療行為を必要としている方は、抵抗力や免疫力が低下していることがほとんどです。医療行為を行う際は、いつも以上に感染対策が重要になります。

  • 手洗い・手指消毒の徹底
  • 必要に応じて手袋・マスク・エプロンなどの個人防護具を適切に使用する
  • 使用した器具の適切な洗浄・消毒・滅菌
  • 感染症の兆候がある利用者のケアは特に注意する

感染症は一度発生すると集団感染につながるリスクがあります。「自分は大丈夫」と過信せず、常に適切な感染対策を心がけましょう。

利用者の様子を丁寧に観察する

医療行為の前後で利用者さんの様子を丁寧に観察することは、異変の早期発見につながります。

  • バイタルサインの変化に注意する
  • 表情や皮膚色なども観察する
  • 痛みや不快感を訴えていないか確認する

普段と違う様子があれば記録し、看護師や医師に速やかに報告しましょう。また、体調が著しく悪い場合は、医療行為によって状態が悪化するおそれもあります。実施前に必ず看護師に相談し、指示を受けるようにしましょう。

なんとなくいつもと違うという介護職の直感は、重要な変化のサインかもしれません。日頃から利用者さんをよく観察し、些細な変化も見逃さない観察力を磨きましょう。

職場の施設形態によっては、自分が医療的ケアを行わないにしても何らかのかたちで医療行為に携わらなければならないこともあるでしょう。なかには、医療行為に対して漠然とした不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

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介護士の女性
今回は、介護職として行える医療行為の範囲やその線引き、条件付きで行える行為や注意点について詳しく解説しました。介護と医療は密接に関わりあい、その境界線はときに曖昧になることもあります。

しかし法律や制度で定められた範囲を理解し、適切な研修と準備を行うことで、介護職も安全性に配慮した医療的ケアを提供できるようになります。

これからの介護現場では、介護職による医療的ケアの必要性がますます高まっていくでしょう。

喀痰吸引や経管栄養など、できることの幅を広げるためには、研修制度の活用が第一歩です。また、こうしたスキルアップを支援する職場環境もとても重要です。

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