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介護におけるユニットケアとは?メリットやデメリット、仕事内容を解説

介護施設の中には、ユニットケアを行っている施設があります。ユニットケアという言葉を聞いたことはあっても、どのようなケアなのか、仕組みやイメージがよくわからないという方は少なくないでしょう。

ユニットケアとは、利用者一人ひとりに寄り添った介護が行いやすく、介護職の方にとってはやりがいを感じられやすい介護施設のスタイルです。

今後はユニットケアの介護施設が増えていくことが見込まれています。この記事ではユニットケアの定義やメリット・デメリット、仕事内容、ほかの施設形態との違いなどをわかりやすく解説します。

ユニットケアにおける介護職について、理解を深めたい方のお役に立てれば幸いです。

ユニットケアとは

白バックの若い男女の介護士

ユニットケアという言葉を聞いたことはあるが、具体的な意味や仕組みはよくわからないという方は多いのではないでしょうか。

ユニットケアは少人数でのケアで、一人ひとりに合わせた対応が行いやすい特徴があります。

ここではユニットケアの定義、要素、人員配置の基準について解説します。

ユニットケアの定義

ユニットケアとは、在宅に近い環境で、利用者一人ひとりの個性や生活リズムに沿い、他人との馴染みの人間関係を築きながら家庭的な雰囲気の中で日常生活を営めるようにする介護のことです。

このような介護を実現するためにはハード面とソフト面の環境整備が必要です。

ユニットケアの要素

介護施設の共用トイレと個室

ユニットケアには3つの要素があります。その3つとはハードとソフト、システムです。

ハード面では個性や生活リズムを保つための個室とほかの利用者や地域との関係を築くためのリビングやパブリックスペースを整えることが重要です。

ソフト面ではユニットごとに配置された職員による、利用者一人ひとりの個性や生活のリズムに沿ったケアの提供が必要です。

システムとは、施設運営のなかでの仕組み作りです。施設の運営方針の伝達や申し送りやミーティングなどの情報共有、シフトの工夫や研修の在り方など、組織としてのマネジメント面と方法や経営論も不可欠です。

ハードとソフトが整った時に、それらを効率的に運用し、必要で質の高い介護に結び付けるためにシステムの構築は大変重要な要素です。

ユニット型介護施設の人員配置基準

介護職員は入所者3名に対して1名の配置基準が設けられています。

介護職員のほかにも医師、生活相談員、栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員が必要です。

ユニット型ではこれに加えて昼間は1ユニットごとに常時1人以上の介護職員、夜間は2ユニットごとに1人以上の介護職員が必要と定められています。また、ユニットごとに常勤のユニットリーダーの配置が必要です。

介護の現場でユニットケアを行うメリット

介護施設

厚生労働省はユニットケアを2025年までに70パーセントにする目標を立てており、ユニットケアの需要は高まっています。

ユニットケアにするとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここからはユニットケアのメリットを利用者側と介護職側の両方の視点で4つ紹介します。

一人ひとりに合わせた個別性のあるケアができる

ユニットケアは少人数の利用者を少人数の介護職員でケアするため、より一人ひとりに合わせたケアの提供が可能です。業務に追われることなくゆっくりと利用者とかかわることができます。

利用者にとっては自分で選んだり決めたりする機会が多く、存在価値や人権が尊重されていることを感じられるでしょう。このように自己決定を尊重するケアは生活の満足感につながります。

また、介護職員は一人ひとりの状態を把握し残存機能の活用を十分意識して介助します。少し時間がかかっても必要な部分だけをサポートし、利用者自身ができることを自分で行うことで、利用者は自分でできる自信や達成感、次への意欲につなげることができます。

入居者にとってプライベート空間が保てる

ソファで編み物をするおばあさん

ユニットケアでは居室が個室になっているため、従来型に多い4人部屋と比べ利用者のプライバシーが守られています。食事や入浴、レクリエーション以外の時間は自分の部屋で休んだり、好きなことをして過ごせるでしょう。

在宅時の生活のように習慣や様式が維持でき、精神的な安定につながると考えられます。また、ご家族の面会時も利用者の個室があるため、お話もしやすくゆっくり過ごしてもらえるメリットもあります。

コミュニケーションが活発になる

ユニットケアは利用者の個室があり、プライベートが守られています。自分の空間や時間がある安心感で、外との関わりを持ちたいという気持ちが持てると考えられます。

ユニット内は、ほとんどの居室が共用スペースであるリビングを囲うよう配置されています。自分の部屋から出るとすぐにほかの利用者や職員とコミュニケーションをとることができます。

また、少人数で生活するため、ほかの利用者や職員と顔なじみになりやすく家族のように交流が増えていくことが期待できるでしょう。

仕事の充実感を感じやすい

高齢者と話すヘルパー

ユニットケアでは利用者一人ひとりと関わりを深く持つことで、個別のきめ細やかな介護が提供できます。

ゆっくりと利用者と向き合い、尊厳を大切にしながら、共に充実した生活を作り上げていく過程を実感しやすいでしょう。そのなかで工夫したり内省したりしながら、ケアの質を高めていくことは仕事への充実感を高め、働く喜びにつながるでしょう。

介護の現場でユニットケアを行うデメリット

しゃがみ込む介護職員

ユニットケアは上記のように複数のメリットがあります。しかし、プライバシーへの配慮や少人数である特徴がデメリットにつながる側面も持っています。

ここからは、ユニットケアで気をつけたいデメリットについて解説します。

ユニット内の人間関係がうまくいかない可能性がある

ユニットケアは利用者も介護職員も少人数で固定されているため、トラブルがあると気まずく感じたり解決が難しくなったりしがちです。

合わないと感じるのは職員同士、利用者同士、利用者と職員などどのパターンでもありえることです。関係の改善が難しい場合は、利用者のユニットの住み替えが検討されることもあります。

入居者が孤独感を感じる可能性がある

机上で手を重ねる高齢女性

利用者のプライバシーが守られている分、一人で過ごすことが苦手な方にとっては孤独を感じやすい可能性があります。

個室で過ごしたいと感じる時間は利用者それぞれで違うので、日中をどこで過ごすかは介護職員の配慮が必要なところです。

介護職員が少人数になるため責任が重くなる

各ユニットの介護職員は少人数で構成されていることがほとんどです。そのメンバーで24時間のシフトを回すため職員の人数が少ない時間帯もあります。

夜勤や早出の起床介助や朝食の時間、夕食後の遅番の就寝介助の時間などは介護職員一人あたりの業務量が増えるとともに、責任が重くなります。

夜勤帯では一人の職員が2ユニットを受け持つことがほとんどで、同時の対応に苦慮する場面もあるでしょう。

精神的ストレスが増える場合がある

利用者とじっくり向き合うことで、役割の重さを感じ、精神的ストレスに感じる事があります。

また、少ない人数での運営では介護職員が孤独を感じる時間が発生することでストレスにつながることも懸念されています。

利用者の介護度により介護量だけでなく介護の内容にも注目して、人員配置を見直したりほかのユニットからの応援を可能とするよう工夫が必要でしょう。

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ユニット型介護施設と従来型介護施設の違い

若い女性の介護士

ユニット型のメリットデメリットについて解説しました。ユニット型を理解する際、比較になるのが従来型です。ユニット型と従来型の違いがはっきりわからないという方は多いでしょう。

2つのタイプにはどのような違いがあるのでしょうか。間取りと生活のリズムに着目して解説していきます。

利用者一人ひとりに個室があるか

ユニット型と従来型の明確な違いは居室が個室であるかどうかという点です。

ユニット型はプライバシーに配慮し、自宅での生活にできるだけ近づけた生活を目指しています。そのため、利用者の居室は全て個室が用意されています。一方で従来型では4人で一室を使用する多床室であることがほとんどです。

居室の並び方にも特徴があり、ユニット型ではユニットのリビングの役割を果たす共有スペースを囲むように居室が配置されています。従来型では廊下に面するように一列に直線で居室が並んでいることがほとんどです。

食事や入浴の時間を選べるか

ユニット型では少人数である特徴を活かし、利用者一人ひとりに合ったケアを提供しています。そのため食事や入浴のタイミングを利用者が選びやすい傾向があります。

従来型では大人数の利用者を大人数の職員で介護するため、食事の時間や入浴の時間は決まっており、一人ひとりの要望を聞くことは難しくなります。

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ユニット型介護施設での介護職員の仕事

食事を提供する女性スタッフ

ユニット型の介護施設での仕事は、利用者に必要な介護です。ほかの介護施設と同様に身体介護や生活援助が主な仕事内容です。

しかし、ユニット型の特徴として、個別ケアを提供しやすいというメリットがあります。この特徴をふまえた仕事内容を以下で解説します。

仕事内容

ユニットケアでの仕事内容は一般的な介護業務と同様です。以下に介護業務の種類と内容をまとめました。

介護士仕事内容

それぞれの業務内容について、ユニットケアの特徴を踏まえた具体的な作業について解説します。

まず、身体介護です。入浴介助では利用者一人ひとりに合った入浴のスタイルで残存機能をいかし、希望に応じたタイミングで入浴してもらえるよう配慮します。洗髪料や洗顔料などもお好みのものを使うこともあるでしょう。自宅で過ごされていたときに近いスタイルで入浴できるよう介助方法を考えます。

排泄介助はプライバシーを尊重し、トイレの誘導やおむつ交換をします。利用者一人ひとりに合ったタイミングでの介助が可能なため、直前の排泄時間や利用者の様子を見て声をかけたり、利用者からの要望に応じたりするように介助します。

食事介助は利用者の食事の形態や嗜好を考慮します。座りやすい椅子や食べやすい姿勢を保つ工夫、使用する食器や食具の選定、食事の配置や介助方法など細やかな対応が考えられます。利用者一人ひとりに合う介助方法で無理なくおいしく食事ができるよう工夫しましょう。

生活援助は掃除や洗濯など日常の生活を支える介護業務です。ユニットケアでは日常生活に近い生活スタイルを目指します。その特徴を活かし、利用者が可能な生活作業はしてもらいましょう。例えばテーブルを拭く、洗濯物をたたむなど利用者と一緒に作業したり、お願いして介助が必要な部分を支えるよう観察しサポートすることが重要です。

レクリエーションのサポートも介護職の重要な業務です。季節の行事やお誕生日のお祝いなどのほか、ユニットケアのように少人数だからこそ、小さな企画を行いやすいメリットがあります。

日常的な会話から話が広がり、音楽鑑賞や簡単なゲーム、体操をすることもあるでしょう。ほかの利用者にも声をかけたりほかのユニットへお散歩に行くことも取り入れやすいでしょう。

ユニットケアでは少人数で一つのユニットを形成しているため、利用者は職員ともほかの利用者とも顔なじみの関係が作りやすくなっています。レクリエーションは利用者同士の交流の場にもなるため介護職員は仲立ちとなるよう配慮しましょう。

ユニットケアでの記録業務はケアの記録や食事及び水分量、排泄チェック、報告や日誌などがあります。血圧や体温などのバイタル測定の結果や服薬の状況は施設により看護師が記録を担当することもあります。

近年は、記録業務のほとんどがパソコン入力やタブレットでの入力です。介助を行ったときや体調不良、ご家族とのやり取り、いつもと違うと感じたことや気づきも記入します。

食事量や水分量、排泄記録は都度記入し記入漏れや量の間違いがないようにします。表記の仕方は職場により違うため、ルールを確認しましょう。

1日のスケジュール

時計が背景のToDoリスト

ユニットケアでは一つのユニットに5名程度の介護職員が配置されます。基本的にはそのメンバーで24時間のシフトを組みます。夜勤に関しては2ユニットを一人でケアするため、2ユニットで夜勤を回すようなイメージです。

シフト体制は施設によりさまざまですが、早出、日勤、遅出、夜勤のシフトで紹介します。

早出の職員は、夜勤の職員から夜間の申し送りを受けます。その後、着替えや飲み物の提供などをして朝食の介助をします。日勤の職員が出勤したら申し送りがあります。

日中はレクリエーションや生活の援助、生活を送る中でのさまざまな介助を行います。

遅出の職員が出勤すると申し送りをします。午後は、おやつやご家族との連携があることもあります。排泄や入浴の介助は1日を通して利用者のタイミングに合わせられるよう配慮します。

夜勤の職員は出勤すると遅出の職員から申し送りを受けます。夜間は定時に巡視をし、起きている方の対応やナースコールの対応をします。排泄介助のタイミングで必要なケアに回ります。夜勤帯で洗濯物の片づけや掃除をすることもあるでしょう。

明け方になると夜間の記録や早起きの方の起床介助が始まります。早出の職員が出勤すると、夜間の引き継ぎをします。

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ユニット型介護施設で働く介護職員の給与相場

給料袋と紙幣

ユニット型介護施設で働くことを検討する際、介護職員の給与相場が気になる方がほとんどでしょう。

ユニット型とは、特別養護老人ホームにおけるケアのスタイルの一つです。特別養護老人ホームのなかのユニット型と従来型の給与を比較した公的なデータはありません。以下に施設の種類ごとの平均給与を紹介します。

  • 介護職全体 317,540円
  • 特別養護老人ホーム 348,040円
  • 介護老人保健施設 339,040円
  • 通所介護事業所 275,620円
  • グループホーム 291,080円
  •  

施設ごとの平均給与の比較では特別養護老人ホームの平均給与は比較的高いといえます。ただし、特別養護老人ホームでは夜勤があるため、夜勤手当が含まれており、業務の内容も含めて比較する必要があります。

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ユニット型介護施設での働き方に興味があるなら

提案する介護士の女性

ユニット型介護施設で働くイメージが持てたでしょうか。ユニット型と言われると特別なケアのスキルが必要なのではないかと不安に思う方もおられるかもしれませんが、利用者一人ひとりを尊重した介護が提供できる魅力的な仕事です。

介護の現場は人手不足であるため未経験の方でも安心感をもって働けるようフォロー体制や研修制度が充実している施設が多くあります。少人数でユニットを構成しているため職場になれやすいでしょう。

ユニットケアに興味がある方は未経験でも、専門の転職サービスを使うと安心感を持って職場探しを進めることができます。転職サービスでは相談や応募のサポートを受けながら、自分に合った施設を見つけられるでしょう。

ハッシュタグ転職介護では、医療・福祉業界に特化した専門知識を持つエージェントが在籍しています。

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