認知症介護実践リーダー研修とは?

認知症介護実践リーダー研修は、認知症介護の現場をリーダーとしてまとめ、牽引する指導者の養成が目的です。本人のスキルアップだけでなく、ほかのスタッフへの助言など現場のレベルを引き上げる能力を育てます。
以下で認知症介護実践リーダー研修について、詳しく解説します。
認知症介護実践リーダー研修の概要
認知症介護実践リーダー研修は認知症介護実践者研修の上位研修にあたり、認知症介護の現場でリーダー的役割を担うための知識や能力を身につけるものです。
チームリーダーの養成を目的としているため、認知症介護実践リーダー研修では特に、チームの運営やほかのスタッフを養成するスキルを学びます。
認知症介護実践リーダー研修の内容やカリキュラムは都道府県ごとに異なりますが、厚生労働省の資料では認知症介護実践リーダー研修の標準的な内容として、講義・演習に28時間(1,680分)を費やすほか実習として課題設定180分と職場実習4週間を行いさらに実習のまとめを180分行うとしています。
認知症介護実践リーダー研修には修了試験はありません。研修の全日程を受講することで、修了証が与えられます。ただし都道府県によっては、修了時にレポート提出が課される場合もあります。
認知症介護実践リーダー研修を受講できる対象者

認知症介護実践リーダー研修を受講するためには、一定の要件を満たすことが必要です。要件の詳細は都道府県により異なりますので、研修を受けたい自治体の募集要項を確認しましょう。
受講要件はいずれの都道府県でも、おおむね以下のようなものです。
- 認知症介護実践者研修を修了してから1年以上が経っている方
- 介護保険施設や事業所などで、5年以上の介護実務経験がある方
- 認知症ケアチームのリーダーもしくはリーダー候補
以上の要件をすべて満たす方が、認知症介護実践リーダー研修を受けることができます。
ただし2027年3月31日までは特例措置がとられており、ある要件を満たしている介護福祉士は以上の条件をすべて満たさなくても研修が受けられます。
具体的には、介護福祉士資格を取得した後、介護保険施設などで介護職員の実務につき、10年以上かつ1,800日以上の経験を経た方が対象です。また、上記の内容と同等以上の能力を有すると認められた場合も研修の受講が可能です。
認知症介護実践リーダー研修で学ぶ内容
研修で学ぶカリキュラムも都道府県ごとに異なりますが、厚生労働省の資料によれば、研修で取り扱う標準的な内容は以下のようなものです。
- 認知症介護実践リーダー研修の理解
- 認知症施策の動向と地域展開
- 認知症の専門的理解
- チームマネジメントにおけるストレスマネジメントの理論および方法
- 会議の行い方の技法と実習
- チームマネジメントの理論および方法
- 認知症ケアにおけるマネジメント理論と方法
- 認知症ケアにおけるOJTの理論と方法
- 認知症ケア指導の実践方法
認知症介護実践リーダー研修では講義のほかに実習も行います。実習では参加者が実際に直面している問題の解決方法をチームディスカッションなどで導き出し、職場で実践します。
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認知症介護実践リーダー研修と認知症介護実践者研修の違い

認知症介護実践リーダーと類似した研修に認知症介護実践者研修があり、両者の違いがわかりにくいという声もあります。
以下で両者の違いを詳しく解説します。
受講対象者の違い
認知症介護実践リーダー研修は認知症介護実践者研修の上位にあり、認知症介護実践リーダー研修を受けるためには認知症介護実践者研修を修了済みであることが条件の1つです。
認知症介護実践者研修は、受講者自身の認知症介護の実践力を高めるための研修です。それに対し認知症介護実践リーダー研修は、認知症介護チームのリーダーとして、チームを運営したりスタッフの指導をしたりする技能を身につけることを目的としています。
自分自身の認知症介護のスキルを上げたい方が受けるのが認知症介護実践者研修、介護チーム運営のリーダーを育成するのが認知症介護実践リーダー研修です。
研修内容と求められる役割の違い

認知症介護実践者研修は、認知症介護の現場でより実践力のあるスタッフとなるための研修です。そのため、研修内容は認知症介護の実践方法が中心です。
例えばBPSD対応など認知症患者さんのケアの方法を講義や実習で学んだり、家族支援の方法や患者さんの権利擁護についての知識を得たりするようなカリキュラムが組まれます。
一方で認知症介護実践リーダー研修では、前章で解説したとおり、認知症介護チームの運営のやり方やスタッフの教育方法を重点的に学びます。
修了後に期待される立場の違い
認知症介護実践者研修の修了者は、より高い知識と介護実践力を備えた専門性の高いスタッフとして現場で能力を発揮することが求められます。
認知症介護実践リーダー研修の修了者は、自身はもちろんのこと、認知症介護チームの指導者として、現場をマネジメントするリーダーとなることが期待されます。
認知症介護実践リーダー研修の受講費用

認知症介護チームのリーダーとなることを志し認知症介護実践リーダー研修を受けたいと考えたときに、気になるポイントの1つが受講費用の目安ではないでしょうか。
ここでは受講費用の目安を解説します。認知症介護実践リーダー研修の受講費用はおおむね以下のようなものです。
受講費用は実施自治体や研修機関によって異なる
研修のカリキュラムや費用は、都道府県など自治体や研修機関によって異なります。そのため研修を受ける前には、自身が研修を受けようとする自治体などのサイトで詳細を確認するのがよいでしょう。
一般的に、50,000〜70,000円前後の受講料に加え、5,000円程度のテキスト代が必要です。
費用補助や勤務先負担を受けられる場合がある
認知症介護実践リーダー研修を受けるにあたり、費用補助を行っている自治体も少なくありません。
そうした補助を利用すれば研修費用を安く抑えられますので、受講前にはお住まいの自治体の補助制度を詳しく調べることをおすすめします。東京都のように、無料で研修を受けられる自治体もあります。
介護施設などがスタッフのスキルアップを目的として、認知症介護実践リーダー研修のような各種研修費用の一部あるいは全額を補助する制度を設けている場合もあるため、職場の制度を問い合わせておくことも重要です。
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認知症介護実践リーダー研修のメリット

認知症介護実践リーダー研修を受けることは、自身のキャリアにどのようにプラスになるでしょうか。
認知症介護実践リーダー研修を受けるメリットを、以下で解説します。
専門知識を学べる
日々の経験や実践からも知識やスキルは身につきますが、研修という場ではより精度の高い専門知識を学ぶことができます。
特にチームマネジメントやスタッフの教育方法などは、研究された理論や実践法の学習により高い効果を得られます。
指導スキルが向上する
他者を指導するスキルは習得が難しく、経験や直感に頼ると効率が悪くなったり指導に失敗したりする可能性があります。
介護のスキルとは別の考え方が必要になる面も少なくないため、特に研修を受け方法論を学ぶことで、効果的なスキルアップが図れます。
キャリアアップになる
認知症介護実践リーダー研修修了者は、認知症介護の現場で、リーダーとしての高いスキルを持っているとみなされます。
そのため職場でもリーダー的役割を任されるなどより高い立場や地位につく可能性があり、キャリアアップに結びつきます。
また、より上位の認知症介護指導者研修の研修受講には、認知症介護実践リーダー研修の修了が必要です。さらに上の立場をめざす方には、認知症介護実践リーダー研修の修了は、必須条件ともいえるでしょう。
収入アップが期待できる

職場でリーダーなど上位の位置につくと、給与面での待遇アップが期待できます。また、認知症介護実践リーダー研修修了者は転職面でも有利とされており、より高待遇の施設に高い地位で転職する道も拓けるでしょう。
施設によっては、研修修了者に資格手当を加算するところもあります。自身の現在の職場や、転職先候補の制度を1度詳しく問い合わせておくようおすすめします。
事業所の重要人材として活躍できる
認知症介護実践リーダー研修の研修修了者は、職場においてリーダーもしくは指導者的立場につくことが可能です。それは職場において、より重要な人材として活躍できるようになることでもあります。
個々の介護のケースや個人的な業務だけでなく、事業所全体の取り組みにより高い位置で関われるようになり、事業所そのものの価値をあげるため中心的な役割につける可能性もあります。
重要度の高い人材として働くことで、より一層のやりがいをもって日々の業務に向き合えるようになるでしょう。
認知症介護実践リーダーなどの研修を修了したのちに、資格や能力をより一層発揮できる職場をもとめて転職先を考える方もいるのではないでしょうか。
ハッシュタグ転職介護は、医療・福祉業界に特化した人材紹介サービスを提供しています。一般的な転職紹介サービスでは、医療・福祉の専門知識を持たないため、転職希望者様のスキルを十分に活かせない転職先を紹介するなどミスマッチを起こす可能性があります。
しかし業界に知見をもつハッシュタグ転職介護では、転職希望者様の適性やスキル、資格や志向などを理解しよりよい転職先とのマッチングが可能です。
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認知症介護実践リーダー研修を受講する際の注意点

メリットの多い認知症介護実践リーダー研修受講ですが、受講にあたって注意すべき点もいくつかあります。
以下で、気をつけたいポイントを解説します。
受講要件や申し込み条件を事前に確認する必要がある
先述したように、認知症介護実践リーダーの研修を受けるためには、受講要件を満たしていなければなりません。自身が要件を満たしているかの確認は必ず必要です。
受講要件や申し込み条件は、都道府県により異なりますので、受講する都道府県の情報をサイトや電話で確かめておきましょう。
研修日程と勤務スケジュールの調整が必要になる

研修の申し込み時期や実施時期はあらかじめ定められており、年に1回か2回の開催に限られます。
期間中は平日日中に講義があったり、数週間にわたる実習が行われたりしますので、その間の勤務スケジュールを事前に調整する必要があります。
職場の理解や協力を得ておく必要がある
研修に伴い、職場を離れる時間が出る可能性があります。また、研修に合わせたスケジュール調整では、職場の担当者や同僚に影響が出ることも考えられるでしょう。
また受講者職場施設において、通常業務を通じた数週間の実習が行われることもあり、その際にも職場への影響は避けられません。
このようなことから、研修受講には、職場の管理者やスタッフの理解や協力が不可欠です。受講前には十分な相談や説明をし、周囲に納得してもらえる環境を作っておく必要があります。
必要書類や申し込み期限を不備なく確認する必要がある

研修受講にあたり必要な提出書類も各自治体や実施施設でさまざまです。それらの書類を申し込み期限内に不備なく準備し提出しなければなりません。
忙しい通常業務の間を縫っての準備ですので、余裕をもった準備が求められます。必要書類として一般的なものは受講申込書のほかに、認知症介護実践者研修修了証書の写しや実務経験証明書などです。
不備や不足がある場合は受け付けられませんので、十分注意のうえ、早めの提出を心がけましょう。
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認知症介護実践リーダー研修はどのような場面で活かせるか

認知症介護実践リーダー研修の研修を修了すると、以前より幅広く高度な業務に取り組むことが可能になります。考えられる活用シーンは以下のとおりです。
認知症ケアに関する現場スタッフの指導や育成
認知症介護実践リーダー研修受講者は、スタッフの指導法や育成法を学んでいます。そのため現場でも、自身がケアを行うだけでなく、ほかのスタッフの業務指導や新人スタッフの育成などを効率よく行うことができます。
これは勤務先施設の円滑な運営や施設の実力の向上、施設運営の継続や発展につながるでしょう。
チーム全体の認知症ケアの質を高める場面
研修を受けたリーダーが現場を統括することにより、チーム全体のケアの質向上が見込めます。ケアを受ける利用者の満足度があがると同時に、現場スタッフのやりがいや喜びを押し上げる結果になるでしょう。
施設のケアの質が向上すれば、施設の運営にもプラスになります。
また、認知症介護実践リーダー研修修了者が在籍すればグループホームで短期利用認知症対応型共同生活介護を行えるなど、施設の業務の幅も広がります。
認知症介護実践リーダー研修は認知症ケアの中心人材を目指せる研修

認知症介護実践リーダー研修は、認知症ケアのチームにおいて、指導者的役割を担う人材を育成するものです。
研修を修了することで、チーム運営やスタッフの育成など幅広い分野でのより高度な貢献が可能になり、認知症ケアの中心的人材として活躍できるようになります。
これは施設のサービス力や利用者の満足度向上につながるだけでなく、受講者自身のキャリアアップや収入アップの要因ともなります。
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