放課後等デイサービスの仕事内容

放課後等デイサービスの仕事は、子どもと遊ぶだけにとどまりません。

個別支援計画に沿った学習や生活トレーニングの支援を行い、その様子を記録する事務作業もあります。また、プログラムの準備や送迎、保護者への報告や相談対応も欠かせません。

詳しく仕事内容を見ていきましょう。

個別支援計画に基づいた支援

放課後等デイサービスでは、障害のある子ども一人ひとりにあわせて個別支援計画を作成し支援を行います。

この計画には学習や生活の目標、支援の方針が記載されており、スタッフは内容を十分に理解したうえで日々の支援に取り組みます。

具体的な支援の方法には自主学習や宿題のサポート、自由遊び、個別トレーニングなどです。

個別支援計画は、児童発達支援管理責任者が作成します。この計画を作成するために、子どもや家族への丁寧なヒアリングを行い、子どもの特性やニーズの把握が大切です。

学校・自宅への送迎

放課後等デイサービスでは、学校や自宅への送迎も行います。

平日は学校、休日は自宅へ迎えに行き、施設での活動を終えた後は自宅まで送り届けます。

その際には、子どもが不安なく移動できるよう安全面に十分な注意が欠かせません。また、保護者や学校との連携を図り、時間の調整や情報共有を行うことも大切です。

保護者の支援

放課後等デイサービスでは、子どもへの支援だけでなく保護者へのサポートも大切な役割です。

毎日の活動内容や子どもの様子を丁寧に報告し、怪我や体調の変化があった場合は迅速に伝える必要があります。

また、家庭での生活状況や教育方針を聞き取ることで、より適切な支援につなげることができます。

さらに、子育てや発達に関する悩みを抱える保護者の相談にのることも少なくありません。家庭と施設の連携強化は、子どもの一層の成長に結びつくでしょう。

事務作業

放課後等デイサービスでは、子どもへの直接的な支援だけでなく、事務作業も欠かせない業務のひとつです。

具体的には支援記録や個別支援計画の作成、請求事務が挙げられます。また保護者との相談内容を記録してスタッフ全員で共有できる資料の作成も大切です。

備品の管理や発注、清掃などの日常的な運営業務もあります。どの作業も正確さと丁寧さが求められ、スムーズな運営を支えるために重要です。

放課後等デイサービスで働くために必要な資格

放課後等デイサービスでは資格がないと働けないのではないかと不安に感じる方もいるでしょう。

実際に児童発達支援管理責任者や児童指導員任用資格、保育士など職種に応じて必要な資格があります。それぞれ取得するための条件や実務経験、講習の内容を解説します。

また、資格取得のルートや未経験者でも始めやすい学び方にも触れているので、自分が目指せるかどうかを検討してみましょう。

児童発達支援管理責任者に必要な資格・経験

児童発達支援管理責任者（児発管）は、障害のある子どもたちに対する療養や生活支援を主導する専門職であり、施設の運営管理にも関わります。

2017年4月以降、支援の質向上を目的に必要要件が改定され、一定の実務経験と研修の受講が求められます。

相談支援業務では児童相談所や特別支援学校などで5年以上または900日以上の経験が必要です。

直接支援業務では、日常生活の介助や補助を行う業務で8年以上または1,440日以上の経験が条件です。

また社会福祉主事任用資格や児童指導員任用資格、精神障害者社会復帰指導員任用資格を持つ場合は、通算5年以上の直接支援経験を必要とします。

医療系や福祉系の国家資格を保有している場合は、通算3年以上の相談支援もしくは直接支援の経験が必要です。

さらに基礎研修後に実務経験を積み、実践研修の受講が必須で、5年ごとの更新研修も義務付けられています。

児童指導員任用資格の条件

児童指導員は、児童発達支援管理責任者の指示のもとで、個別支援計画や事業所のカリキュラムに沿って障害のある子どもたちの支援を担当します。

子どもと接する時間が長いため、一人ひとりの気持ちに寄り添いながら公平で安心感のある対応が必要です。保護者への発達支援の助言やサポートも担当する場合があります。

児童指導員という資格はなく、任用資格であるため要件を満たせば児童指導員として働くことが可能です。

取得要件の一例は以下のとおりです。

• 指定学部の大学・大学院・養成施設の修了している者
• 児童福祉事業で2年以上かつ360日以上の実務経験を積んでいる者
• 幼稚園・小中高の教員免許の取得している者
• 社会福祉士や精神保健福祉士の資格を取得している者

　

いずれかの要件を満たすことで、児童指導員として働くことができます。

保育士として働く場合に必要な資格

放課後等デイサービスで保育士として働く場合、個別支援計画書に沿って子ども一人ひとりの心身や発達に応じた支援を行うことが求められます。

障害の特性や生活状況を理解し、きめ細かな配慮をしながら活動をサポートするのが役割です。

また、児童発達支援管理責任者の助言を受けながら、保護者への発達支援のサポートも担当する場合があります。

放課後等デイサービスでは児童指導員と並び、保育士資格を持つスタッフは重宝されます。

保育士の資格は、厚生労働大臣指定の四年制大学・短期大学・専門学校の必要科目を修了して卒業するか、年2回実施される保育士試験の合格で取得可能です。

放課後等デイサービスで優遇されやすい資格

資格があると何が違うのかと気になる方もいるでしょう。

放課後等デイサービスでは、保育士や教員免許、社会福祉士・精神保健福祉士などの資格が特に高く評価されます。

これらの資格は子どもへの支援だけでなく、保護者や学校、医療機関との連携にも大きな力を発揮します。

そのため採用時に優遇されるほか、担当できる業務の幅が広がる点も魅力です。それぞれの資格を詳しく解説します。

保育士

放課後等デイサービスでは、保育士は欠かせない存在です。

法令上も配置基準が定められており、利用者10人に対して児童指導員か保育士を2人以上配置しなければなりません。そのため保育士資格は現場で重宝されます。

厚生労働省の2023年障害福祉サービス等経営実態調査結果調査によると、保育士の平均給与は正規職員で221,369円程度です。

保育士として働きながら経験を積み、児童発達支援管理責任者の資格を取得すれば、キャリアアップとともに給与面の向上も期待できます。

教員免許（幼稚園・小学校・中学校・高校）

教員免許（幼稚園・小学校・中学校・高等学校）は、放課後等デイサービスで高く評価される資格の一つです。

小中高の免許を持つ方は児童指導員任用資格の要件を満たしており、保育士と同様に配置基準を満たす存在として重宝されます。

たとえ休眠資格であっても、実務要件なしで児童指導員として働くことが可能です。

対象となる子どもは小学生から高校生までと幅広いため、学習支援や宿題のフォロー、学校生活に関する相談対応などで専門知識を活かせます。

また、学校との連携にも強みを発揮し、スムーズな情報共有を支えることができます。

社会福祉士・精神保健福祉士

社会福祉士や精神保健福祉士も、放課後等デイサービスで特に評価される国家資格です。

社会福祉士は障害者や高齢者への相談援助を行い、適切な福祉サービスを提案できるため、障害児支援にも役立つ資格として重宝されます。

精神保健福祉士は発達障害や精神的な課題を抱える子どもへの専門的支援が可能で、不安やパニックに対する心理的サポートに強みがあります。

児童福祉と障害福祉の両方の知識を備えている人材は現場でも少なく、子どもへの支援だけでなく、保護者の相談相手としても信頼を得やすい立場となるでしょう。

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放課後等デイサービスは資格がなくても働ける？

放課後等デイサービスで働くには特別な資格がないと無理かもしれないと感じてしまう方もいるでしょう。

たしかに専門的な資格を持っていると有利になりますが、実際には無資格でも採用される職場もあります。

ここからは、未経験からでも「チャンスは十分にある」と理解できる理由を解説します。

無資格でも働けるケース

放課後等デイサービスでは、資格がなくても働ける職場が少なくありません。

実際の求人を見ても、未経験・無資格OKと書かれている施設は多く、まずは非正規職員として経験を積むことも可能です。

ただし、その場合は児童指導員と名乗ることはできず、サポート役としての業務からスタートします。

未経験や無資格でも、施設全体の運営を担う管理者や児童指導員の補助として子どもと関わる指導員補助などは勤務可能な職種です。

とはいえ、管理者は実務経験を求められるケースが多く、送迎業務を行う施設では普通免許が必要な場合もあります。

経験や研修で評価される場合

放課後等デイサービスで実際に働き始めると、先輩スタッフからの指導やOJTを通じて子どもの発達や特性に応じた支援方法や日常的なケア、緊急時の対応など多くを学べます。

そのため、未経験からでも不安なくスタートしやすい環境です。

ただし、子どもと向き合う仕事である以上、基本的なコミュニケーション力や柔軟な姿勢などの適性は求められます。

働きながら研修を受け資格を取得することで、より専門的なスキルを身につけ、児童指導員へのキャリアアップも目指せるでしょう。

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放課後等デイサービスで資格を持つメリット

資格を取得すると、就職や転職の際に有利になりやすいです。

保育士や社会福祉士などの国家資格は高評価につながり、担当できる業務の幅や役職のチャンスも広がります。

待遇面では給与アップや手当がもらえる場合が多く、子どもや保護者からの信頼も得やすくなるでしょう。

資格を持っていることで得られるメリットを詳しく解説します。

就職や転職で有利になる

放課後等デイサービスでの就職や転職を考える際、資格を持っていることは大きな強みです。

そのなかで児童指導員任用資格や保育士資格を持っていると、採用で優先されるだけでなく、リーダー職や管理者など責任ある立場を任される可能性も広がります。

また人員配置基準により児童指導員や保育士の設置が必須とされているため、資格保有者は施設にとってメリットも大きく、需要があるのも魅力です。

給与や待遇面で優遇されやすい

放課後等デイサービスでは、資格を保有していると給与面で優遇されることがあり、児童指導員任用資格や保育士資格には手当がつく場合もあります。

さらに、社会福祉士や介護福祉士、心理指導担当職員など専門性の高い資格を持つ方はスキルが評価されて給与が上がるケースもあります。

実際の金額は地域や施設の規模、経験年数によって異なるため、待遇を確認しておきましょう。

子どもや保護者からの信頼につながる

放課後等デイサービスで資格を持つことは、子どもや保護者からの信頼を得る大きな要素です。

保護者にとって資格は専門知識や技術を持つ証明であり、安心感を持って子どもを預けられる基準です。

資格を持つスタッフは、発達障害に関する悩みを相談しやすい存在となり、信頼関係の構築に役立ちます。

ハッシュタグ転職介護では、キャリア相談から企業紹介、選考対策、入社後のフォローまで、一人の担当者が対応する一気通貫型の仕組みを採用しています。

入社後も担当者による定期的なヒアリングを行い職場での悩みや不安を解消していきます。入社後のサポート体制の強化で長く働ける環境を築けるのが強みです。

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放課後等デイサービスで求められるスキル

資格がなくても、放課後等デイサービスで重視されるのは人と関わることに必要なスキルです。

子どもと信頼関係を築くためのコミュニケーション力、予期せぬ事態に対応する臨機応変さ、仲間と連携する協調性が特に重要です。

具体的に、それらのスキルがどのような場で役立つのかを見ていきましょう。

子どもとのコミュニケーション力

放課後等デイサービスの職員に欠かせないのが子どもとのコミュニケーション力です。

支援を必要とする子どもたちは、一人ひとり異なる特性や悩みを抱えています。そのため、まずは気持ちに寄り添い、安心感を持って表現できる環境を整えることが重要です。

笑顔や声かけを工夫しながら信頼関係を築くことで、子どもたちが前向きに活動へ参加できるようになります。

また、保護者とのやり取りを通じて家庭での困りごとや不安を共有できる点も大切です。

臨機応変な対応力

放課後等デイサービスでは、臨機応変な対応力がとても重要です。

子どもたちは一人ひとり異なる個性や特性を持っており、日によって体調や気分も変わるため、柔軟に支援のやり方を調整しなければいけません。

急な体調不良やトラブルが起きた際には、安全性を何よりも優先しながら迅速に行動する危機管理能力も必要です。

チームワークと協調性

保護者や学校、医療機関、地域の関係者と連携し支援を進めるチームワークも欠かせません。

日々の様子は連絡帳や会議で共有し、地域と協力した活動を通して家庭と施設の支援に一貫性を持たせることが大切です。

情報共有や役割分担を積み重ねることで信頼が深まり、子どもが安心感を持って過ごせる場を作れます。

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放課後等デイサービスの仕事に興味がある方へ

放課後等デイサービスでは保育士や教員免許、社会福祉士などの資格があると就職や待遇面で優遇されやすく、信頼を得やすいことがわかりました。

しかし、資格がなくても子どもへの関わり方や経験、研修の受講によって働くことは可能です。

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