介護職は妊娠後も働き続けられるの？

介護職は、妊娠後も働き続けることが可能です。介護現場では女性職員が多く活躍しており、その中には妊娠や出産を経験しながら仕事を続けている方も少なくありません。

妊娠初期から後期にかけて体調の変化に応じて働き方を調整する必要はありますが、基本的には介護施設で勤務を続けることができます。

本記事では、妊娠中に介護職として働き続けている方の実際の様子や、働き方の目安、妊娠を理由に退職を選ぶ方が多い背景についても解説します。

妊娠した介護職が働き続ける割合や実態

介護職は女性の割合が高い職種であるため、妊娠後でも働いている方も少なくありません。また、妊娠出産に対して職場の理解を得やすく、産休や育休を取りやすい傾向にあります。

同僚も妊娠出産を経験していることも多く、妊娠中の体調の変化にも配慮してくれることも多いでしょう。

妊娠初期～後期の働き方の目安

厚生労働省が定めている労働基準法における母体保護規定で、産前6週間から産後8週間は女性を就業させてはいけないと決められています。そのため、妊娠している方が働きたい場合、その期間以外で働くようにしましょう。

妊娠初期は、見た目の変化はあまりありません。しかし、身体のなかで新しい命が芽生えることによる急激な体調変化が訪れます。

特につわりは、においの強い場所や室温や湿度が高い場所で起きやすいです。そのため、食事介助や入浴介助、トイレ介助やおむつ交換を行う際は注意しましょう。

マスクを着用したり、こまめに休憩を取ったりなどの対応が必要になります。どうしても対応しきれない場合は、別の業務と交代するなどの対応をしなければならない場合もあるでしょう。

妊娠中期に入ると、つわりもおさまり安定期に入ります。お腹も膨らんでくるため、身体への負担に配慮した働き方をしなくてはなりません。妊娠後期になると、さらにお腹が大きくなり、身体の負担も増えていきます。

お腹が大きい状態で前かがみになったりしゃがんだりすると、お腹を圧迫し、母子ともに影響を与えます。また、無理な姿勢をとったり不意に力んだりする動作も子宮へ負荷を与えるため避けなければなりません。

上記のような体制になりやすい、シーツ・おむつ交換やトイレ介助、移乗介助や入浴介助は負担の少ない方法でゆったりとしたペースで行うようにしましょう。

妊娠を理由に退職する人が多い理由

妊娠による体調の変化は個人差があります。妊娠中でも働けるような体調の方もいれば、入院が必要なほど体調が悪化する方もいます。そのため、退職して出産にそなえて安静にする方も多いです。

また、出産が終わると子育てが始まります。子育てに集中したい、子どもと過ごす時間を大切にしたいと考えている方も退職する傾向にあります。

子どもがある程度大きくなるまでは、いったん仕事から離れるという選択肢を取る方もおり、退職の理由は人それぞれです。

介護職が妊娠したときの職場への報告とタイミング

妊娠がわかると、早めに職場に報告しなければなりません。

報告しなければならないことはわかっていても、いざ妊娠が発覚した際に報告するタイミングに困る方も多いでしょう。

妊娠してからも安全に働くためには、適切なタイミングがあります。

ここでは、妊娠した際の職場への報告の仕方やベストなタイミングをご紹介します。

報告のベストなタイミングは？

妊娠がわかったら、できるだけ早めに職場へ報告することをおすすめします。

一般的には、流産のリスクが下がる安定期に入ってから伝えるケースも多いですが、介護職は身体的な負担が大きいため、早い段階での配慮が大切です。

体調の変化によって急な休みが必要になることもあるため、職場としても人員の確保やシフトの調整を早めに行えるよう、できる限り早いタイミングでの報告が望ましいでしょう。母体と赤ちゃんの健康を守るためにも、早めの相談を心がけてください。

上司への報告方法と相談時のポイント

妊娠がわかったら、まず直属の上司に報告しましょう。始めに上司に相談することで、シフトの調整や業務上での配慮を素早く行えます。

上司に報告する際は、以下の項目を伝えると対応しやすいです。

• 現在の妊娠周期
• 出産予定日
• 現在の体調と業務上で配慮してほしいこと
• 検診のための希望休
• 産休・育休の取得予定
• 同僚や利用者さんへの報告のタイミングや方法

報告の際は、産婦人科に診断書を発行してもらっておくとスムーズでしょう。また、母性健康管理指導事項連絡カードという、妊娠中や出産後の女性が仕事を続けるうえで気を付けるべき内容と取るべき対応策をまとめたものを活用するのもおすすめです。

同僚や利用者への伝え方と注意点

同僚や利用者さんへの報告は、まず上司と相談したうえで、タイミングを決めることが大切です。基本的には、同僚への報告を先に行い、その後、必要に応じて利用者さんに伝える流れになります。

同僚に伝える際は、自身の担当業務や周囲の業務への影響を考慮し、できるだけ早めに報告しましょう。早めの共有により、職場全体でスムーズに勤務体制を調整することができます。

利用者さんへの報告については、基本的には直接伝える必要はない場合が多いです。体調の変化などで質問されたときに、簡潔に答える程度にとどめましょう。必要以上に心配をかけない配慮が大切です。

もし利用者さんにも正式に伝える必要があると判断される場合は、必ず上司と相談し、適切なタイミングや方法を決めたうえで報告を行うようにしましょう。

ハッシュタグ転職介護では、介護職に精通した専門アドバイザーが、現場での不安や悩みに寄り添い、安心して働ける職場をご提案しています。

「利用者対応に自信が持てない」「人間関係や職場環境に悩んでいる」といった方も、ぜひお気軽にご相談ください。あなたに合った職場を一緒に見つけていきましょう。

妊娠した介護職が避けるべき業務と注意点

介護職のなかでも、妊娠中の女性が避けるべき業務があります。

もし業務上で無理をしてしまうと、無事に赤ちゃんが生まれてこないかもしれないため、十分に気を付けましょう。

ここでは、妊娠した介護職が避けるべき業務と注意点について詳しく解説します。

妊娠初期に注意したい介護業務

妊娠すると、身体が妊娠に適応しようとつわりが始まります。つわりの出方には個人差がありますが、においや室温や湿度に敏感になる方が多いです。

一般的にはにおいが強いものをかいだり、室温や湿度が高い場所にいたりすると、つわりの症状が出やすいといわれています。

そのため、においがでるトイレ介助やおむつ交換、食事介助は避けるのが無難です。また、室温と湿度が高い場所に一定時間いなくてはならない、入浴介助もできるだけ避けましょう。

妊娠中期・後期に避けるべき業務とは？

妊娠中期から後期はお腹が出てくるため、身体の自由が利きにくくなります。ちょっとした姿勢がつらかったり、動き回ることもつらいと感じたりすることも多くなるでしょう。

後期になると特に、足元がお腹で見えなくなるといったことも起こります。転倒や事故をしないように慎重に動かなくてはなりません。

そのため、身体を大きく動かすシーツ交換やおむつ交換、トイレ介助や入浴介助などは避けましょう。利用者を支えなくてはならない移乗介助は、特に避けるのが無難といえます。

夜勤・重労働のリスクを理解する

夜勤は妊娠がわかった時点で外してもらいましょう。妊娠中は体調不良になりやすいです。夜勤はただでさえ生活リズムが崩れ、体調を崩しやすい傾向にあります。

体調不良になりやすい身体で夜勤を行ってしまうと、体調を大きく崩してしまう可能性があり危険です。

また、夜勤は日中よりも少ない人数で勤務することが多いです。そのなかで体調を崩してしまうと、利用者の対応を見きれない可能性があります。

重労働や夜勤は、身体に負担がかかります。そのため、安静にしていなければならない妊娠中にはリスクが高いです。

妊娠中の体調や生活スタイルに合わせて、無理なく働ける環境は、あなたとお腹の赤ちゃんのためにもとても大切です。

「今の職場でこのまま働き続けていいのかな…」と感じたら、無理をする前に一度ご相談ください。

ハッシュタグ転職介護では、妊娠中でも安心感を持って働ける職場環境をご紹介しています。

「重たい業務がつらい」「体調が読めず不安」「職場に理解してもらえるか心配」そんな妊娠中の悩みや不安に寄り添いながら、あなたの体調やライフスタイルに合った働き方をご提案することが可能です。

経験豊富なキャリアアドバイザーが、夜勤なし・時短勤務・休憩が取りやすい職場など、あなたの希望条件をしっかりヒアリングします。

無理なく、そして長く働ける職場を一緒に探していきましょう。

「人ととことん向き合う」ハッシュタグ転職介護だからこそできる、あなたに寄り添った転職支援があります。まずはお気軽に、無料相談をご利用ください。

妊娠期間中に介護職が快適に働くためのポイント

体調が不安定ななか、介護職で働き続けるのはいつも以上に精神的にも肉体的にも負担がかかります。

しかし、妊娠中にも身体や精神への負担を考えながら、快適に働くためのポイントがあります。

これらのポイントを抑えておくと、ストレスをためることなく働けるでしょう。

つわりがひどい時期の対処法

つわりの症状は個人差が大きいです。症状が軽い方もいれば、入院が必要なほど重い方もいます。また初期だけでなく、妊娠後期にもつわりがあらわれるパターンもあり、さまざまです。

つわりが重いと、仕事を休まざるを得なくなり、精神的にもつらい思いをするかもしれません。

どうしてもつわりが重く、休み続けるような状態が続くようなら、休職も視野に入れましょう。その日に休むと急に決まるよりも、あらかじめ決まっている方がシフトの調整もしやすいです。

職場の同僚との関係を良好に保つコツ

妊娠中も職場で心地よく過ごすためには、同僚との良好な関係づくりが欠かせません。そのためには、日々のコミュニケーションと信頼関係の積み重ねが大切です。

まず、感謝の気持ちは積極的に言葉で伝えるようにしましょう。業務をサポートしてもらったときや声をかけてもらったときなど、小さな場面でも「ありがとう」を伝えることで、自然と良い関係が築かれていきます。

また、自分の体調や働き方についてオープンに共有することも、円滑な関係づくりに役立ちます。無理をせず、できる範囲で協力し合える雰囲気をつくることで、同僚からの理解やサポートも得やすくなります。

一方で、体調が優れず急に休まざるを得ないこともあるかもしれません。そのようなときは、一言添えて事情を伝えるだけでも、誠意が伝わるでしょう。

体調管理とストレスケアの方法

妊娠中は安全に赤ちゃんを迎えられるように、自分の体調を最優先にして行動しましょう。自分一人で無理したとしても、妊娠していないときと比べて、今度はお腹の赤ちゃんにも影響を与えます。

妊娠中は、心身の変化が大きく、仕事と体調のバランスに悩む方も多いかと思います。
「今の職場が少し負担に感じる」「もっと自分に合った環境で働きたい」そんなときは、ひとりで抱え込まずに、専門のアドバイザーに相談してみませんか？

ハッシュタグ転職介護では、妊娠中の方の体調やライフスタイルに寄り添った職場をご紹介しています。

夜勤なし、時短勤務、負担の少ない業務内容など、あなたに合った働き方をご提案いたします。無理せず、安心して働ける環境を一緒に見つけましょう。

妊娠した介護職が活用できる制度を確認

妊娠にはお金がかかったり、休みが必要になったりと負担がかかることが多いです。

ここでは、妊娠中や出産の際に活用できる制度をご紹介します。

これらの制度を利用すると、妊娠中や出産時に役立つことが多いです。

産前・産後休暇制度

産休は、産前6週間から産後8週間取得可能な休暇です。雇用形態問わず取得でき、男性も取得が可能です。

ただし、会社によって細かい規定が違うため、妊娠した際には自分が取得できる対象かどうか必ず確認しておきましょう。

育児休業制度（育児休暇制度）

育休は、原則1歳未満まで取得可能ですが、保育園などに入園できなかった場合は2歳まで延長できます。

こちらも産休と同じで、基本的に雇用形態、男女問わず取得できます。

ただし、勤務年数によっては取得できない場合もあるため、自分が取得できるかどうか確認しておきましょう。

出産手当金・出産育児一時金

出産手当金は、健康保険の被保険者が出産のために会社を休んだ期間に給料が支払われない場合に支給されます。

産休の期間内で標準報酬日相当額の3/2の金額が1日当たり支払われます。出産育児一時金は、健康保険の被保険者か被扶養者が出産した場合、子ども一人につき500,000円支給される制度です。

出産や育児には多くのお金がかかるため、こういった制度はしっかりと活用しましょう。

育児休業給付金について

育児休暇中の雇用保険被保険者に支払われる給付金です。

• 育児休業開始前（2年間）に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上ある
• 子どもが1歳（最長2歳）になるまでに育児休業を取得している
• 育児休業期間は給与の支払いがない

上記の条件を満たすと、休業前の賃金の67％に相当する額が支給されます。

妊娠後も働きやすい介護施設を選ぶポイント

妊娠後でも働きやすい介護施設にはいくつかの特徴があります。

それらの特徴に言及しながら、介護施設を選ぶときのポイントを見ていきましょう。

妊娠を考えている方もぜひ参考にしてください。

産休・育休取得率や復職率を確認

産休や育休の取得率が高い施設や復職率が高い施設は、妊娠に理解のある施設といえます。

これまでに妊娠中の女性を雇っていた経験があるため、妊娠中の体調などに配慮をしてくれるでしょう。

制度をしっかりと活用できるだけでなく、急な休みなどにも対応してくれる可能性が高いです。

職場の妊娠・子育てへの理解度を見る方法

職場の妊娠や子育てへの理解度を見るには、>制度がしっかりと整っているかどうかを確認しましょう。

職員にさまざまな年代の女性が多ければ、子育てを終えた女性が勤めている可能性も高いです。そういった女性が多くいる施設では、妊娠や子育てへの理解があるでしょう。

面接や施設見学時にチェックすべきこと

面接や施設見学に行く際は、女性の割合が高いかどうかや育休・産休制度が整っているかどうかなどをチェックしましょう。

また、実際に働くスタッフの雰囲気や人間関係、職場の清潔感なども重要なポイントです。

自分が長く働ける環境かどうかを見極めるためにも、気になる点は遠慮せず質問してみると良いでしょう。

ハッシュタグ転職介護では、面接・見学時のチェックポイントや質問内容まで、キャリアアドバイザーが丁寧にアドバイスいたします。

また、施設ごとの内情や実際に働いているスタッフの声も事前に共有できるため、安心して職場選びができます。

転職を成功させる第一歩は、「情報を正しく知ること」。あなたの理想の働き方に近づくために、まずは私たちにご相談ください。

妊娠中や出産後も働ける介護職の職場を見つけよう

妊娠中や妊娠後でも、介護職で働くことができます。

妊娠中は体調の変化が起こり、体調も崩しやすいため、自分の身体を第一に働くことが大切です。また、身体に負担がかかる業務は避けましょう。

また、できない業務を負担してくれている周囲の方に感謝を忘れず、謙虚な気持ちで接するようにしましょう。

妊娠や出産を経ても、長く安心して働ける職場を探したいとお考えの方には、ハッシュタグ転職介護の無料相談のご利用をおすすめします。

介護業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、産休・育休制度が整っている職場や、子育てとの両立がしやすい環境など、一人ひとりのライフスタイルや希望に寄り添った職場選びをサポートいたします。

「仕事も家庭も大切にしたい」「子育てしながらスキルアップを目指したい」

そのようなお気持ちをぜひ私たちにお聞かせください。あなたにぴったりの職場をご提案します。