介護業界における資格取得の重要性
介護業界では、資格の有無によって仕事の内容が大きく変わってきます。無資格の場合は対応可能な業務が限られるほか、有資格者でないと就けないポジションもあります。
そのため、資格の有無によって給与にも差があるのが実態です。介護業界で長く働くことを考えると、資格取得は必須といえるでしょう。
資格取得が介護職に必要な理由
無資格の場合、対応可能な業務範囲が限られてしまうことが、大きな理由として挙げられます。特に、利用者の身体に触れる行為は有資格者に限られています。
また、2024年4月より介護に携わる職員に対し、認知症介護基礎研修の受講が義務付けられました。新任の介護職員であれば取得まで1年の猶予があるものの、実質的に無資格で介護職を続けることは厳しい状況です。
もちろん、給与にも大きな差があります。厚生労働省の調査によれば資格保有者の平均月収は320,540円だったのに対し、無資格者の平均月収は268,680円と、50,000円以上の差がありました。
無資格でも介護職は可能?
無資格でも介護職として勤務することは可能です。しかし、無資格者が利用者の身体に触れる身体介護をすることは禁止されています。身体介護の具体例としては、食事や入浴、排泄の介助が挙げられます。
有資格者の監督のもとであれば対応可能ですが、訪問介護は有資格者の監督が難しいため、無資格者が従事することはできません。無資格者が単独で可能な業務は、施設内の清掃や事務作業、利用者の送迎などが挙げられます。
資格を取得することで、業務の幅が大きく広がるでしょう。
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介護資格のおすすめ取得順番
介護職に関わる資格は多岐に渡ります。そのため、資格取得を目指すとしても、どの資格から取得すべきか悩む方もいるでしょう。
基本的には以下の①〜⑤の順番で取得することをおすすめします。
①介護職員初任者研修
②介護福祉士実務者研修
③介護福祉士
④認定介護福祉士
⑤介護支援専門員(ケアマネジャー)
上記の順番でなくても取得可能な資格もありますが、受験資格を設けている資格もあるため取得の順番には注意が必要です。各資格の詳細を解説してきます。
①介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の基礎的な知識とスキルを学ぶことができます。指定の機関で130時間の研修を受け、修了試験に合格することで取得可能です。
試験の難易度も高くないため、未経験から介護職を目指すのであれば、介護職員初任者研修の取得をおすすめします。すでに介護職として従事している方であれば、介護福祉士実務者研修の取得を目指すとよいでしょう。
介護職員初任者研修を取得することで、身体介護も対応可能になるため、介護保険上のすべてのサービスを提供できるようになります。
②介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修と同様に介護に関する知識やスキルを学ぶことができる資格です。450時間の研修を受けることで取得できます。
介護福祉士実務者研修を取得すると、サービス提供責任者に就くことが可能です。また、介護福祉士の受験資格にも含まれているため、介護福祉士実務者研修を取得することで業務の幅は大きく広がるでしょう。
研修内容の一部が、介護職員初任者研修と重複しているため、介護職員初任者研修を取得している方は130時間分の研修が免除されます。すでに介護職として業務に従事されている方におすすめです。
また、介護福祉士実務者研修には受験資格はなく、必ずしも介護職員初任者研修から順を追って取得する必要はありません。
厚生労働省では、実務に取り組みながらの資格取得は負担が大きいとして、未経験から介護職に転職する方向けに介護福祉士実務者研修から取得することを推奨しています。
ご自身の状況や目指すべきポジションによって、介護職員初任者研修から取得するか、介護福祉士実務研修のみ取得するか選択するとよいでしょう。
③介護福祉士
介護福祉士は、介護職にまつわる資格のなかで唯一の国家資格です。そのため、介護福祉士を目指す方も多く、資格を保有している正社員介護職員のうち55%が介護福祉士を保有しています。
介護福祉士の取得方法には、複数のルートがあります。養成施設や福祉系高校を卒業し資格を取得するルートや、実務経験を積んで取得するルートなど全4ルートで取得可能です。
人気が高いのは実務経験ルートで、介護福祉士を受験する方のうち87.9%が実務経験ルートで受験しています。
介護福祉士の合格率は82.8%と高い割合となっているものの、受験資格が設けられており取得難易度は高いといえるでしょう。実務経験ルートで受験する場合、介護福祉士実務者研修の取得に加え、3年の実務経験が必要です。
取得難易度は高いものの、資格取得奨励金や給与アップの対象になったり、転職時に高く評価されたりとメリットも大きいです。また、認定介護福祉士の受験資格にも含まれています。
④認定介護福祉士
介護福祉士を取得後、5年の実務経験を積むことで取得できます。より専門性の高い人材を育成する目的で2015年に新設されました。
資格取得の難易度は高く、複数の受験資格が必要です。具体的には以下のとおりです。
- 介護福祉士の資格保有者であること
- 介護福祉士を取得してから5年以上の実務経験があること
- 介護職員を対象とした現人研修を100時間以上受講していること
- 研修実施団体の定める課題や試験で一定の成績を修めていること
- 介護職でのリーダー経験があること
- 施設、在宅どちらのサービスにも従事したことがあること
認定介護福祉士の資格取得には、37単位600時間の研修を受ける必要があり、取得までに約2年半かかります。ほかの資格と比較して、資格取得にかかる金銭的、時間的な負担は大きいです。しかし、そのぶん専門的な知識を習得でき、キャリアアップにもつながるでしょう。
⑤介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員は、要介護者や要支援者の生活をサポートするための資格です。介護保険法によって定められた資格で、施設や在宅介護において介護士と利用者をつなぐ役割を果たします。
介護支援専門員を取得するためには、介護福祉士や社会福祉士、看護師など医療福祉分野にて5年以上の実務経験が必要です。実務研修受講試験に合格した方が87時間以上の研修を受講することで資格を取得できます。
2024年度実務研修受講試験の合格率は32.1%と難易度の高い試験です。そのぶん、就職や転職時のメリットも大きいでしょう。
給与面でのメリットも大きく、介護支援専門員の平均月収は376,770円と、無資格者の平均月収268,680円と比較して90,000円以上の差があります。
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スキルアップにつながるその他の資格
介護に関する資格のほかにも、医療や福祉関連の資格もおすすめです。介護をする際に必要となる、周辺資格を解説します。
認知症介護基礎研修
認知症介護基礎研修は、2024年4月より介護に関わるすべての職員に取得義務が課されています。
研修の内容は、認知症に関する知識やケアの方法などです。認知症患者と家族の視点にたって介護を行うために必要な知識を得ることができます。
150分ほどの研修を受けた後、試験に合格することで資格取得が可能です。試験範囲は、認知症に関する基礎的な知識であり、取得義務が課されているため難易度は高くありません。
福祉用具専門相談員
福祉用具の貸与や販売に必要な知識の証明ができる資格です。介護保険上の指定を受けた事業者に2名以上配置する必要があります。
福祉用具専門相談員指定講習を50時間以上受けた後、修了試験に合格することで取得可能です。資格を取得した後は、利用者からの福祉用具に関する相談に応じることができます。その他にも、福祉用具の調整や点検も実施します。
喀痰吸引等研修
医療行為である、たん吸引や経管栄養を行うために必要な資格です。50時間の研修に加えて実地研修を受けることで取得できます。
介護福祉士実務者研修では、喀痰吸引等研修の基礎にあたる研修が含まれています。介護福祉士実務者研修を所持している方であれば、座学の研修は免除され実地研修のみで取得可能です。
資格取得のメリット
資格取得には金銭的、時間的な負担があります。しかし、それを上回るメリットもあります。
介護職の場合は主にキャリアアップや給与アップに大きな影響があります。介護職で長く働き続けたい方や転職を希望する方にとって、資格取得は大きなメリットになるでしょう。
メリットの詳細を解説します。
キャリアの幅が広がる
介護職では、資格取得者しか対応できない業務やポジションがあります。
具体的な例を挙げると、身体介護は介護職員初任者研修以上の資格を所持している方のみ対応可能です。また、介護福祉士実務者研修を取得すると、サービス提供責任者に就くことができます。
給与アップにつながる
介護職は資格の有無で給与に大きな差があります。厚生労働省の調査によれば資格保有者の平均月収は320,540円だったのに対し、無資格者の平均月収は268,680円でした。
また、資格保有者のなかでも、資格の種類によって給与には差が生じています。取得難易度が低い介護職員初任者研修の平均月給が300,240円であったのに対し、取得難易度の高い介護支援専門員(ケアマネジャー)は376,770円です。
転職・就職活動で有利になる
資格を取得しておくことで、転職や就職活動で有利になります。保有している資格によってスキルをアピールできるでしょう。
また、サービス提供責任者など事業所ごとに配置が義務づけられているポジションもあります。事業所側が資格保有者を求めている場合もあり、資格を保有していることで応募できる求人の幅も広がるでしょう。
介護職への転職や就職を検討されている方は、一度ハッシュタグ転職介護でお悩みを相談してみませんか?あなたがお持ちの資格や、これからのキャリアプランについてお話を聞かせてください。
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介護資格を働きながら取得する方法
資格取得が大事だと理解していても、実務をこなしながらの資格取得に不安を感じる方もいるかもしれません。
実際に、資格取得には多くの勉強時間が必要です。ここからは、介護職として従事しながら資格取得を目指す方法を解説します。
通信講座を活用する
介護職の資格取得には、通信講座がおすすめです。スクールに通わなくても自宅で資格勉強を進めることができます。
そのため、働きながらでも自由に資格勉強を進めることができるでしょう。
しかし、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの資格は、実技演習が必須となっているため、通信講座だけで資格取得はできません。
一方で、認知症介護基礎研修など一部の資格は座学だけで取得が可能です。
取得したい資格のカリキュラムを確認してから、学習計画を立てるとよいでしょう。
資格取得支援制度のある職場を選ぶ
一部の介護事業所では、独自に資格取得支援制度を設けていることもあります。
事業所で実施している資格取得支援制度の例としては、資格取得にかかる費用を負担する、研修や講習の実施などが挙げられるでしょう。資格取得後に報奨金や資格手当を支給している事業者もあります。
介護職で転職する際は、資格取得に関する支援が手厚いかの観点で職場を選ぶのもよいでしょう。
また、介護職の資格取得には、国や自治体からの公的な支援も受けられます。
公的な支援としては、介護職員初任者研修の取得費用補助が挙げられるでしょう。補助の割合や条件は各自治体によって異なります。
ほかにも、教育給付制度を活用するとよいでしょう。制度の対象となっている資格を取得することで、受講費の一部が支給されます。
介護職で対象となっているのは以下の資格です。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- 社会福祉士
- 主任介護支援専門員研修
- 介護支援専門員実務者研修
- 喀痰吸引等研修
資格取得の支援が手厚い事業所を選ぶのはもちろん、国や自治体の制度もうまく活用するとよいでしょう。
実務経験を積みながら資格を目指す
介護職では、実務経験を積みながら資格取得を目指す方法もあります。無資格者は一人での身体介護はできないものの、有資格者の監督下であれば実務対応が可能です。
そのため、「介護職が自分に合っているかわからない」「資格取得が転職に間に合うか不安」という方は、実務経験を積みながら資格取得を目指すとよいでしょう。
働きながら資格取得に不安がある場合は、資格取得の補助がある事業所を選ぶとよいかもしれません。
資格取得をしながらキャリアアップするなら、職場選びも重要です。資格取得の補助がある事業所など、あなたの希望に沿った職場を提案いたします。
また、「どのような資格を取ればいいかわからない」「どのようなキャリアプランを描けばいいかわからない」という方は、ハッシュタグ転職介護の無料相談にてお悩みを聞かせてください。介護業界に特化したアドバイザーが相談に乗ります。
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介護資格取得に関するよくある質問
介護職に関する資格は複数あるため、取得の順番に悩む方もいるかもしれません。また、資格取得に必要な時間やお金などに不安を感じている方もいるでしょう。
こちらでは、初心者が取るべき資格や資格取得にかかる期間と費用などについて解説してきます。
初心者がまず取るべき資格は?
まずは認知症介護基礎研修を取得しましょう。法改正によって2024年4月以降は取得が義務付けられているためです。
新任者は取得までに1年の猶予がありますが、まず優先して取るべき資格といえるでしょう。
また、未経験の方であれば、次に介護職員初任者研修の取得をおすすめします。
介護に関する基礎的な知識を学ぶことができるうえ、研修期間も短いためです。
しかし、介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修は研修内容が一部重複しています。
現在就労していない方や休職中の方など、時間をかけて着実にスキルアップを目指したい方は、介護福祉士実務者研修から取得してもよいでしょう。
資格取得にかかる期間や費用は?
資格取得にかかる期間や費用は資格によって異なります。通うスクールや所属する自治体によっても変わってくるでしょう。
各資格の取得に必要な期間と費用は以下のとおりです。
- 介護職員初任者研修:130時間の研修と修了試験、研修費用50,000〜100,000円
- 介護福祉士実務者研修:450時間の研修、研修費用30,000〜200,000円
- 介護福祉士:実務経験3年(実務経験ルートの場合)、受験費用18,380円
- 認定介護福祉士:実務経験5年かつ600時間の研修、300,000〜600,000円
- 介護支援専門員(ケアマネジャー):実務経験5年かつ87時間の研修、東京都では49,060円
- 認知症介護基礎研修:150分の研修、無料〜5,000円
- 福祉用具専門相談員:50時間の研修、40,000〜60,000円
- 喀痰吸引等研修:50時間、60,000〜100,000円
実務経験がないと取れない資格は?
介護福祉士や認定介護福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)は、資格取得の条件に実務経験が含まれています。
介護福祉士は介護福祉士実務者研修を所持したうえで実務経験3年以上、認定介護福祉士と介護支援専門員(ケアマネジャー)は介護福祉士を所持したうえで実務経験5年以上が受験資格です。
実務経験が必要な資格は、資格取得に時間がかかる傾向にあります。どのようなキャリアを歩みたいのかを早めに決めて、計画的に準備をする必要があるでしょう。
資格取得の順番を理解して理想の介護職を目指そう
介護職で長く働きたい、キャリアアップを図りたい方にとって、資格取得は必須となるでしょう。
介護職に関わる資格は複数あるため、ご自身の状況や目指したいキャリアにあわせて取得していく必要があります。
また、受験資格が設けられている資格や実務の経験が求められる資格もあるため、資格取得に向けて長期的な計画を立てるとよいでしょう。
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