生活相談員の概要

生活相談員は介護施設の利用者と施設、関係各所をつなぐ重要な役割を担っています。かつては生活指導員と呼ばれていましたが、2000年以降は生活相談員が一般的な呼称です。

生活相談員の主な業務は、利用者の入退所手続きやケアマネジャーとの連携、利用者やご家族からの相談対応などが挙げられます。利用者の生活を支えるさまざまな場面で、調整役として活躍できるやりがいのある仕事です。

生活相談員になるには、社会福祉士あるいは精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかの資格の保有を求められることがほとんどでしょう。しかし自治体によっては実務経験を積んだ介護福祉士やケアマネジャーが生活相談員として働ける可能性もあります。

生活相談員の給料の特徴

生活相談員の給料は施設の種類や勤務地、経験年数などによって変動します。全体像を把握することは、あなた自身のキャリアプランを考えるうえで役立つでしょう。

給料のほかに福利厚生も大切な要素です。勤務先によって福利厚生の制度は異なるのでしっかり確認することが大切です。

ここでは全国平均の給与や年齢別、平均年収や賞与の実態を数字を交えて詳しく解説していきます。この情報を参考に、適切な職場選びが可能です。

全国平均給与

給与は勤務形態によって変化します。

月給制で働く常勤の場合は月収約350,000円、非常勤の場合は月収約290,000円が全国平均です。一方、時給制で働く常勤の場合は月収約260,000円、非常勤の場合は月収約150,000円が全国平均です。

働き方によって約200,000円の収入差が生まれる可能性があります。あなたのライフスタイルにあう働き方を選びましょう。

年齢別平均給与

生活相談員の給与は年齢が上がるにつれて平均の給与が上がる傾向にあります。男女ともに50代の方の給与が高く、一方で60代の方は20代・30代の方と同程度の給与まで下がる傾向です。

ただし、年齢による増減の幅は限定的であり、大幅な収入増加は期待できません。

平均年収

平均月収から計算すると、月給制で働く常勤の場合は年収約4,240,000円、非常勤の場合は年収約3,510,000円が全国の年収平均です。介護職や夜勤などを一緒に行っている場合は、平均よりも高い年収になるでしょう。

また資格保有者や豊富な経験を持つ場合は、給与に反映され年収向上につながります。

賞与

正社員で働いている場合の賞与は、関連職種の統計を参考にすると700,000〜800,000円が平均です。多くの場合が2、3ヶ月の給与を賞与とし、年2回程度で支給されています。

賞与の支給は法律で定められていないため、支給の有無や条件は事前に確認することが重要です。また、経営状況に賞与の支給は大きく関わるので、経営状況の情報もあわせて集めるようにしましょう。

生活相談員と他職種との給料平均比較

生活相談員の仕事や給与に魅力を感じているが、現在の給与水準を維持したい方もいるでしょう。ここでは生活相談員の給与を介護福祉士やケアマネジャー、社会福祉士などの関連職種と比較し、生活相談員の給与水準をより明確にします。

各職種の役割や責任の重さ、求められるスキルなどを考慮すると、生活相談員の給与は他職種と比較して競争力があると言えるでしょう。

介護現場での経験を活かしながらより専門性を高めたいと考えている方にとって、生活相談員は適切な選択肢でしょう。

介護福祉士

介護福祉士は国家資格を取得した介護の専門職です。利用者の生活全般を支援する以外に、一人ひとりの介護計画の作成や他職種との連携なども重要な役割です。

常勤の月給制の場合の平均給与は、介護福祉士と生活相談員ともに350,000円程度で大きな違いはありません。

それに対して介護職員初任者研修修了者の平均給料は約320,000円、実務者研修修了者の平均給料も約320,000円で、生活相談員の平均給料は介護職員よりも20,000円ほど高い傾向です。この要因は、生活相談員が専門的な業務を担当していることが影響しています。

ケアマネジャー

ケアマネジャー（介護支援専門員）は利用者のケアプランを作成し、各サービス提供事業者と連携して仕事をする専門職です。一人ひとりの心身の状況や生活環境に応じて、適切な介護サービスを提案・管理する重要な役割を担っています。

ケアマネジャーは資格取得が必要で責任も大きいため、給与は生活相談員より少し高い傾向があります。平均給与は約380,000円です。

資格取得の難易度や業務の複雑さを考慮すると、生活相談員の方が転職先として参入しやすく、キャリアアップもしやすいでしょう。

社会福祉士

社会福祉士は国家資格であり、福祉の相談援助に対して高い専門性を持っています。仕事の内容は多岐にわたりますが、相談業務が中心になることが少なくないです。そのため社会福祉士は生活相談員と業務内容が類似する部分もあります。

社会福祉士の平均月収は約330,000円で、生活相談員の方が20,000円ほど高い傾向にあります。

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生活相談員の現場別平均給与比較

生活相談員の給与は、勤務する施設の種類によっても大きく異なります。デイサービスや特別養護老人ホーム、有料老人ホームなどそれぞれの施設の特性や業務内容によって給与水準に違いが生じるからです。

ここでは施設別の平均給与を紹介し、働き方やライフスタイルに加え、施設による給与向上の可能性も検討します。

デイサービス

デイサービスで働く場合の平均月収は約380,000円とされています。月給制の常勤の生活相談員の平均月収が約350,000円ですので、デイサービスの方が30,000円ほど平均月収が高いのが魅力です。

またデイサービスは、日中勤務が中心で夜勤や不規則なシフトがないため、ワークライフバランスを重視したい方にとっては魅力的な選択肢となります。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームで働く場合の平均月収は約400,000円とされています。月給制の常勤の生活相談員の平均月収が約350,000円ですので、特別養護老人ホームの方が平均月収が50,000円ほど高いです。

特別養護老人ホームには要介護度の高い方が長期的に入所しているため、入居者の生活全体を支えると同時に、ご家族の方の対応や介護スタッフとの連携など仕事内容は多岐にわたります。

専門性の高さと、利用者の生活全般をサポートする責任の大きさから、給与が高めに設定されています。

有料老人ホーム

有料老人ホームで働く場合の平均月収は約380,000円とデイサービスとほぼ同額で、生活相談員の平均月収より30,000円程度高いです。

有料老人ホームにはいくつかの種類があります。

• 介護付き有料老人ホーム
• 住宅型有料老人ホーム
• 健康型有料老人ホーム

　

施設の種類によって入所者の方々の健康状態が異なるのが特徴です。

例えば、介護付き有料老人ホームにも、自立している方が入れる施設や要介護認定を受けている方のみが入れる施設などがあります。仕事内容は、食事や入浴などの身体介護、食事の準備や洗濯などの生活介護を行います。

給与だけではなく、施設ごとの仕事内容や利用者の特徴なども事前に把握しておくことが大切です。
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生活相談員に向いている方

生活相談員として活躍するためには、どのような資質が求められるのでしょうか？自分には無理かもしれない、と不安に感じている方もいるかもしれません。

責任感がある方や人の役に立ちたいと強く思っている方、コミュニケーション力が高い方や周りの小さな変化にも気付ける方は向いている可能性が高いです。

これらの特徴は現在までの介護現場での経験が活かせる点が大きく、すでに多くの方が強みを持っている可能性が高いです。

ここでは生活相談員に向いている、責任感のある方と人の役に立ちたい方の特徴について解説していきます。どのような理由から向いているのかがわかるはずです。

介護経験を活かして新たなキャリアアップに踏み切る自信が湧いてくるでしょう。

責任感のある方

生活相談員は利用者の生活を支えるうえで重要な役割を担うため、責任感の強さが不可欠です。利用者の方々やご家族からの相談に対して的確に対応することが求められるからです。

また、介護保険制度に基づいて適切な判断をし、支援内容を説明する場面もあります。

介護現場での経験で培ってきた責任感と問題解決能力がそのまま活かせるのがポイントです。日々の業務のなかで責任感の強さを実感し、やりがいを感じながら働くことができます。

責任の重さもありますが、利用者やご家族の方々から感謝される機会も少なくないでしょう。

人の役に立ちたい方

生活相談員は利用者の方々やそのご家族と深く関わり、寄り添う仕事です。相手の気持ちに寄り添い、真摯に相談にのることは利用者の方々の生活をよりよくします。

利用者の方々の立場をきちんと理解し、問題解決をするのも大切な仕事の一つです。

介護現場で培ってきた人の役に立ちたい気持ちと共感する力が、生活相談員として成功する鍵となるでしょう。日々の業務を通して自身の優しさや思いやりを活かし、利用者の方々の生活に貢献できる喜びを実感できるはずです。
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生活相談員が年収アップを果たすには

給与向上を目指したいものの、具体的な方法がわからない方もいるでしょう。生活相談員の年収アップにはいくつかの具体的な方法があります。

ここでは年収アップのための具体的な方法を4つ紹介します。勤続年数やキャリアアップなどが具体的な方法ですが、介護現場での経験は大きな強みとなるため、これまでの経験を活かして年収アップが可能です。

勤続年数を増やす

生活相談員の給与は勤続年数の長さに比例して高くなる傾向です。勤続1年目では平均月収の約350,000円から乖離しますが、勤続10年頃には平均月収の350,000円ほどがもらえるでしょう。

同一の施設で長く働くことは施設から信頼を得られ、高い評価も受けるため重要なポジションにつける可能性があります。また長年生活相談員の仕事に携わることでスキルも身に付きます。ポジションとスキルの向上が給与アップに関係しているでしょう。

昇進や昇給の制度は施設によって異なるため、あらかじめ調べることが大切です。

管理職などキャリアアップをする

生活相談員の年収アップの手段として管理職や施設長になることも挙げられます。勤続年数や経験、特別な資格が必要ですが、これらに向けた努力が給与アップにつながるでしょう。

また管理職や施設長の職に就くと利用者やご家族の方々へのサービスだけではなく、従業員の管理や施設の運営などの仕事も担う必要があります。責任はとても大きいですが、その分やりがいと給与も同時に上がります。

夜勤のある施設で働く

生活相談員の仕事だけではなく介護業務も兼務できる方を求めている施設では、生活相談員も夜勤のシフトが発生するでしょう。

夜勤には1回ごとに夜勤手当が支給されるのが一般的です。夜勤手当の金額は施設ごとに決められているのが特徴です。1ヶ月に複数回夜勤をすると給与アップにつながります。

ただし、夜勤を行うと生活が不規則になり、体調を崩す可能性もあります。ご自身の体力とライフスタイルを考慮して選択することが重要です。

転職を検討する

早く収入を上げたい場合は、待遇のよい施設への転職もひとつの方法です。転職を考える場合、以下の4点は注意深く確認しましょう。

• 基本給
• 賞与の有無
• 各種手当の種類や内容
• 交通費の有無や上限額の有無

　

基本給が高くても手当や賞与が少ないあるいはない場合は、月給や年収が下がります。また交通費に条件がある場合は、自宅からの距離や金額を忘れずに確認しましょう。

待遇のよい職場へ転職を検討する際は、確認不足で収入が減少するリスクがあります。細かい点まで確認をきちんと行いましょう。
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生活相談員の給与を適切にもらって働く

生活相談員の平均的な給与や賞与を紹介してきましたが、今のお仕事の待遇に満足していますか？もっと給与を上げたい、待遇をよくしたいと思った方もいるかもしれません。

生活相談員の給与は勤務する施設の種類や地域、働き方やあなたのスキルや経験によって大きく変動します。ただし、適切な職場選びと継続的なスキル向上により、より良い待遇を得ることは十分可能です。

これから超高齢化社会が進展するため、生活相談員としての仕事の需要は今後高まっていくでしょう。適切な給与を得ながらスキルアップの継続で、将来的な大幅なキャリア向上が実現できます。

現在のあなたの給与と、全国平均（350,000円）や各職種での平均給与を比較し、今後のライフプランを設計していきましょう。
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