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2025.9.17

失語症の介護はコミュニケーションが大事!構音障害や認知症との違いについても解説

「失語症って認知症とどう違うの?」「うまく話せない方とどう接すればよいの?」そんな不安を感じていませんか。介護の現場では失語症がある方と接する機会も少なくありません。

正しい知識と工夫があれば、専門的な資格がなくても失語症の方と適切に関われるようになります。この記事では失語症の特徴から構音障害や認知症との違い、実践的なコミュニケーション方法までわかりやすくお伝えします。

介護に興味や関心はあるけれど「自分に対応できるのか」と不安に感じている方も、最後まで読んでみてください。

失語症とは

失語症

失語症は、病気やケガによって脳の言葉を処理する部分が損傷し、話す・聞く・読む・書くといった言語活動が困難になります。

失語症といっても障害を受けている脳の部位や範囲によって症状はさまざまです。実際にどのような症状があるのか、原因や種類について詳しく解説していきます。

症状

失語症の症状や特徴としては以下のとおりです。

  • 頭のなかで伝えたい内容が明確でも、適切な言葉が出てこない
  • 話の内容がうまく理解できない
  • 文字を読もうとしても意味が理解できない
  • 書きたい言葉が思い出せず、文字がうまく書けない
  •  

失語症の方は言葉に関わるさまざまな機能に障害が現れます。例えば、相手の話している内容は理解しているのに言葉が出てこない場合があります。言葉を思い出すのに時間はかかりますが、理解力は保たれている状態です。

また、「テレビ」と言おうとして「テビレ」になってしまったり、「テレビ」のつもりが「時計」と違う単語を口にしたりすることもあります。決まった短い言葉だけを繰り返して、なかなか会話が進まないケースも少なくありません。

言語面以外で失語症と一緒に起こりやすい症状としては、右半身の麻痺や構音障害、集中力や注意力の低下などが挙げられます。

このように失語症といっても症状の現れ方は人によってさまざまです。どのような症状が出ているのか把握したうえで、個別にあわせて対応していきましょう。

原因

原因

失語症が起こる主な原因は脳梗塞や脳出血などの脳血管障害です。その他にも脳腫瘍や頭部外傷によって脳が損傷し失語症が起きる場合があります。

左脳にはブローカ野、ウェルニッケ野という言語中枢があり、この部位に障害が起きると失語症を発症します。左脳にある言語中枢は右利きが約9割、左利きは約5割以上とされており、右利きの方が優位です。

失語症は一見すると発音の問題のように感じられることもありますが、声帯や口の動きに問題はなく、言葉が出ないことが大きな特徴です。

種類

種類

失語症は症状の現れ方によっていくつかのタイプに分けられ、それぞれ特徴が異なります。失語症の主なタイプは以下の4つです。

  • 運動性失語(ブローカ失語)
  • 感覚性失語(ウェルニッケ失語)
  • 健忘失語(失名詞失語)
  • 全失語
  •  

運動性失語の方は、相手の話している内容は理解できますが、自分の思いを言葉にすることが困難になります。話そうとしても言葉が出てこず、「わかっているのに話せない、言葉が出てこない」というもどかしさを感じやすいです。

感覚性失語では、話すことや話すスピードは保たれていますが、意味不明の言葉や言い間違いが起こりやすいです。本人は流暢に話しているつもりでも話の内容に辻褄が合わず、聞き手には内容が伝わりにくくなってしまいます。

例えば「今日は何を食べましたか?」と尋ねると、「猫が黄色いお風呂です」など意味の通じない言葉や単語で答えることがあります。これは感覚性失語の特徴で、相手の話している内容を理解できないことが原因です。

そのため、聞いている側は何を言いたいのか理解できず、コミュニケーションを取ることが困難になります。

健忘失語は物の名前や人の名前など、特定の単語だけが思い出せない状態で失語症のなかでも軽度です。「あれ」「それ」といった指示語が多くなったり、言いたい言葉が回りくどい表現になったりするため、スムーズなやりとりには時間がかかりやすいといえます。

失語症のなかで重度とされている失語は全失語です。話す・聞く・読む・書くといったすべての言語機能が障害されます。「はい」「いや」といった決まった単語だけを発語することはありますが、話している内容は理解できず、その場に合った意味のある言葉はしゃべれません。

全失語はコミュニケーションのとり方が難しく、筆談や絵カードを使った意思疎通も困難とされていますが、目で見たその場の状況を理解することはできます。

失語症のタイプによって適切な関わり方は変わってくるため、介護を行う際は医師や言語聴覚士との連携が欠かせません。しかし、大切なのはその方の言いたい気持ちを受けとめようとする姿勢です。

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失語症と構音障害の違い

違い

失語症と構音障害は、どちらも話すことが困難という共通点がありますが、原因と対応方法は異なります。失語症は脳の言語中枢の損傷により、話す・聞く・読む・書くといった機能に問題が生じた状態です。

声帯や口の動きに問題はなく、言いたいことが言葉として出なかったり、話の内容を理解できなかったり言い間違えたりすることがあります。

構音障害では話の内容は理解できますが、口や舌、声帯など発音に関わる筋肉や運動神経が障害されます。このため、呂律が回らず不明瞭な発音になってしまい、聞き手にとっては何を言ってるかわからないことも少なくありません。

失語症では読み書きや理解にも影響が出ますが、構音障害は主に話す機能に問題があり、内容の理解や文字の読み書きには支障がないことが大きな違いです。

この違いを理解することで、失語症と構音障害の方へ適切なサポートができるようになります。失語症の方には理解や表現を支援する方法、構音障害の方には発音を補助する工夫が必要です。

症状を正しく見極めることで、不要な混乱やストレスを軽減できます。

失語症と認知症の違い

認知症との違い

失語症と認知症は混同されやすいのですが、障害される機能には明確な違いがあります。失語症は脳の言語中枢の損傷により言語機能に障害が出るものの、記憶力や判断力、時間や場所の認識などの基本的な認知機能は保たれています。

一方で認知症は、加齢や疾患によって脳全体の認知機能が低下していく病気です。時刻や自分のいる場所がわからないといった見当識の障害や、新しいことを記憶する力が衰えていきます。

認知症の方で言語面の問題が出る場合、記憶障害や判断力の低下が影響していることも少なくありません。例えば「昼食は何を食べましたか?」と質問すると、食べた行為自体を忘れてしまったり、何を食べたか覚えていなかったりします。

失語症の方では食べたことは覚えていますが、言葉としてうまく伝えられません。このように表面的には似ていますが、言語機能の障害か、認知機能全般の障害かといった根本的な違いがあります。

こうした違いを正しく理解することは、利用者との信頼関係を築くうえでとても大切です。
「でも、自分にできるだろうか」「知識がなくても大丈夫?」と不安に感じている方も安心感を持ってください。

介護の現場では、経験よりも寄り添う気持ちが何よりも重要です。失語症や認知症に関する基本的な知識も、研修制度や現場で自然と身につきます。未経験からでも介護現場で活躍できるチャンスはたくさんあります。

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失語症の介護のポイントはコミュニケーションの取り方

コミュニケーションの取り方

失語症の方にとって「自分の思いが相手に伝わった」という体験は、大きな安心感と自信につながります。理解してもらえたことで笑顔が増え、会話や行動への意欲も高まります。

このような効果を得るためには、失語症の方との関わりのなかで、ちょっとした配慮や工夫が必要です。「言葉でのやりとりが困難な方と意思疎通ができるか不安」といった方でも、介護現場ですぐに活用できる7つの実践的なコミュニケーション方法をご紹介します。

ゆっくり話す

失語症の方は言葉の理解に時間がかかることがあります。早口で話すと情報を処理しきれず混乱しやすくなるため、話しかける場合は言葉の区切りで少し間を取りながら、ゆっくり伝えることが大切です。

「はい」「いいえ」で答えられる質問や、選択肢から選べる質問だとやりとりがスムーズにいきやすいです。また、利用者さんが話すときも急かさずにゆっくりと話してもらうように促すとよいでしょう。

焦らせない雰囲気を作り「ゆっくりで大丈夫ですよ」などと声かけをするだけで、安心感を与えられます。

なるべく短い言葉で話す

失語症の方にとって長い文章は理解が難しくなるため、短い文で簡潔に話すことを意識しましょう。「暑いですね」「お水を飲みましょう」など、短く簡潔な言い回しが効果的です。

また言葉と言葉の間に少し間を置くと理解する時間を確保できます。複数の話題や余分な説明は混乱の原因となるので注意が必要です。内容を整理してから話すことで、相手に伝わりやすくなります。

相手の話をゆったりと聞く

失語症の方は言葉を見つけるのに時間がかかります。無言の時間が続いても焦らず待つことが大切です。急かすとかえって言葉が出にくくなり、本人の自信を損なう可能性があります。

相手の目や表情を見ながら静かに待つ姿勢が大切です。

写真や絵カードを用いる

写真

言葉だけで理解が困難な場合、写真や絵カードといった視覚から情報が得られるものを使うと内容の理解がしやすくなります。お風呂やごはんなどの絵カードを使えば、言葉に頼らず意思を伝えることができます。

また、利用者の思い出の写真を使えば自然な会話のきっかけにもなり、笑顔を引き出す効果も得られるでしょう。

ジェスチャーを利用する

失語症の方は言葉の理解や表現が難しくなるため、言葉に加えてジェスチャーを組み合わせると効果的です。これは聴覚以外に視覚からの情報が加わるため、言葉だけでは伝わりにくい内容も理解しやすくなります。

注意点としてはジェスチャーだけだと意味が伝わりにくい場合もあるため、言葉と組み合わせることが大切です。

実物を指でさす

指差し

言葉で説明するより、実際の物を見せて指さすほうが意図が伝わりやすくなります。「これを使いますか?」と声をかけながらコップや服などを指さすと、視覚的に理解しやすく言葉も思い出しやすくなります。

抽象的な説明よりも具体的で実物があるほうが、迷いや誤解を減らせます。

相手の伝えたい内容を表情などで読み取る

失語症の方は言葉にできなくても表情や目の動き、仕草で気持ちを表現しています。困った顔や戸惑った表情を見逃さず、「何かお困りですか?」と声をかけることで安心感を与えることができます。

非言語のサインを読み取ることは介護において重要なスキルです。専門的な資格や経験がなくても、「相手の気持ちに寄り添いたい」という気持ちがあれば、立派な支援につながります。

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失語症の介護における注意点

注意点

失語症の方との関わりでは、ちょっとした言動が安心感や混乱の原因になることがあります。ここでは介護職として意識すべき注意点を具体的に解説します。

先回りせずに相手が話すのを待つ

失語症の方は、自分の言葉で気持ちを伝えようと努力しています。言葉が出てくるまでに時間がかかっても、介助者が「〜ですか?」と先回りしないようにしましょう。

先回りすることで本人の意欲や自信を損なったり、本来伝えたかった内容と違ったりする場合があります。意思疎通を妨げてしまう原因となるため注意が必要です。

沈黙が続いたとしても、落ち着いてゆっくり待ち、相手のペースにあわせてじっくりと向き合うようにしましょう。

コミュニケーションボードは向いていない

ボード

コミュニケーションボードは便利な補助具の一つですが、すべての失語症の方に適しているわけではありません。言葉の理解に障害がある感覚性失語の方は、文字の区別が困難なため、50音を並べたコミュニケーションボードを見せても理解できない場合があります。

大切なのは、その方に合った方法を見極めて工夫することです。このような学びや気付きは実際の現場で身についていくものです。

未経験でも「人の役に立ちたい」「寄り添った介護をしたい」という気持ちがあれば、失語症の方との豊かなコミュニケーションを築くことができるでしょう。あなたの思いやりを活かしてみませんか?

「経験がないから不安」という方もご安感を持ってください。介護業界では、専門的な資格や経験よりも、利用者への思いやりの心が何より大切にされています。

多くの施設では入職後に充実した研修制度を設けており、先輩スタッフが丁寧にサポートしてくれる環境が整っています。未経験からスタートして、今では頼りにされる介護職員として活躍している方も少なくありません。

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正しく理解しているか確認する

確認

失語症の方は「はい」「いいえ」と返事ができても、内容を十分に理解していない場合があります。理解できていないまま話が進んでしまうことがあるため、正しく理解しているか確認することが大切です。

例えば「暑いですね」と言った後に「寒いですね」と反対の質問をして、返答の一貫性を確認する方法があります。どちらも「はい」と答える場合は理解していない可能性があるため、再度違う質問で確認してみましょう。

また、相手が言い間違えた場合は否定せず、「○○のことですか?」と優しく正しい言葉で確認をしてみましょう。

幼児言葉を使わない

失語症は言語機能に障害があるだけで、知的能力や人格には問題がありません。そのため、子ども扱いをするような幼児言葉は、相手の尊厳を傷つけてしまう可能性があります。

丁寧で自然な話し方を心がけ、相手を尊重した接し方が大切です。

話題を急に変えない

話の内容を理解するのに時間がかかる失語症の方にとって、急に別の話題になると混乱の原因となります。話題を変える場合は「次のお話をしてもよろしいですか?」など、事前に一言伝えるようにしましょう。

ひとつの話題に集中できるよう、ゆっくりと切り替えることも重要なポイントです。

失語症の方々をサポートするような介護士になろう

介護士になろう

失語症は言語機能に障害が起こる状態で、構音障害や認知症とは原因や対応方法が異なります。失語症の方と関わるうえで重要なことは、伝えたい気持ちに寄り添うことです。

言葉が出ないことだけに注目するのではなく、その方の気持ちや全体像を理解しようとする姿勢が何よりの支援となります。「伝えたいのに、言葉が出てこない」そんなもどかしさを抱える失語症の方にとって、理解しようと努める介護士の存在は大きな支えとなります。

介護の経験がなくても正しい知識と思いやりの気持ちがあれば、失語症の方との豊かなコミュニケーションを築くことが可能です。

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