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仕事・働き方

2025.9.16

介護現場におけるQOLとは?評価方法や利用者さんのためにできることを解説

介護現場ではQOLという言葉をよく耳にします。QOLは利用者さんの生活の質を維持するために大切な要素です。QOLは、体調の変化や環境の変化などで低下することもあります。

介護スタッフは、利用者さん一人ひとりが自分らしく生きていくための支援が求められます。しかし、QOLについて十分に理解できていない方もいるのではないでしょうか。

この記事では、介護現場におけるQOLを解説します。また、介護現場でよく聞かれるADLとの関係性やQOLを高めるメリットについても紹介します。

QOLとは

ブランコ

QOLとはQuality of lifeの略称で、生活の質という意味です。世界保健機関により、定義されています。身体的な健康だけでなく、精神面や環境面、社会生活など総合的に充実しているかに着目します。

また、環境や生活に対する価値観は人それぞれ異なります。そのため、本人が充実し、満足した生活を送れているかどうかが大切です。介護現場では、利用者さんが限られた生活のなかでなるべくその方らしい生活を送れるようなサポートが求められます。

利用者さんに寄り添ったサポートを行うには、職場環境も大切です。スタッフ全員がQOLの向上を意識している職場であれば、その関わり方のノウハウを学べるでしょう。

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ADLとの関係性

介護士と老婆の散歩

QOLを維持するためには、なるべく自分のことは自分で行えることが理想的です。そこには、ADLも大きく関与します。

ここでは、ADLとは何か、QOLとどのような関係があるのか解説します。

ADLとは

ADLとは、Activities of Daily Livingの略称で日常生活動作という意味です。日常生活を送るために必要な基本的な動作のことです。ADLは以下の動作が含まれます。

  • 起居動作
  • 移乗
  • 移動
  • 食事
  • 更衣
  • 排泄
  • 入浴
  • 整容
  •  

介護現場におけるADLは、介護がどの程度必要かを判断するための大切な指標です。ADLがどの程度自立しているかによって必要な介助量も異なります。

起居動作とは、起き上がる・立ち上がるなど、活動をするうえで必要な基本の動作です。寝返りをしたり、座ったり歩いたりすることも含まれます。移乗は、ベッドから車椅子へ移ったり排泄時に車椅子から便座へ移ったりする動作を指します。

移動についても単に歩けるかということだけでなく、手すりや杖を使えば安定した歩行ができるのか、歩行時の付き添いや車椅子の介助は必要なのかというような判断が必要です。

食事・更衣・排泄・入浴に関しても、全面的な介助が必要か、一部の介助でよいのかによって、介助量は大きく変わります。

整容も重要なADLのひとつです。例えば、朝起きて顔を洗う、寝る前や食後に歯磨きをする、男性の場合は髭を剃るなどの行為が含まれます。

ADLとの関係性

運動する老人

ADLの低下は、QOLの低下につながります。ADLが低下する原因はさまざまで、加齢による身体機能や認知機能の低下のほか、精神面や社会環境の影響もあります。

これらはQOLを維持するためにも大切な要素です。身体機能が低下すれば歩行困難となったり疲れやすくなったりし、転倒も起こしやすくなります。

転倒し下肢を骨折した場合、ADLは低下しやすくなります。歩行困難となれば、杖や車椅子を利用しなければなりません。また、高齢者の場合は骨折が改善しても元のADLまで回復できないこともあります。

認知機能が低下すると、人の名前や顔を思い出せなくなったり、道を間違えやすくなったりし、活動意欲も低下します。外出する機会も減るため、他者との関わりも減り疎外感を覚えやすくなるでしょう。

そのため、生活の楽しみも減少しやすくなります。自分のやりたいことを自分で行えることがQOLを向上させるために大切です。

利用者さんが自分らしい生き方ができるように支援をするには、職場環境も大切です。QOL向上を意識した関わり方をしている施設であれば、その関わり方を身につけやすいでしょう。

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QOLの評価方法

パソコンを前に悩む女性

QOLを評価するには、指標を用いることで正確かつ客観的に評価しやすくなります。QOLの評価に有効な指標は以下のとおりです。

  • SF-36
  • BI
  • FIM
  •  

それぞれ目的や評価方法も異なります。ここでは、それぞれどのように活用するのか解説します。

SF-36

SF-36は米国で作成された健康関連のQOLを測定するための尺度です。特定の疾患に限定されず、健康に関して万人に共通する概念で構成されています。

疾病の異なる患者さんや、健康な方とのQOLを比較したい場合にも使用可能です。SF-36は、8つの健康概念を測定する以下の質問項目から成り立ちます。

  • 身体機能
  • 日常役割機能(身体)
  • 身体の痛み
  • 全体的健康感
  • 活力
  • 社会生活機能
  • 日常生活役割機能(精神)
  • 心の健康
  •  

上から4つ目までの質問は身体的な健康に関連した内容であり、5つ目以降は精神的な健康に関連した内容です。100点満点でスコア化されており、スコアが高いほどQOLが高いと判断できます。

BI

車椅子の女性の手を握る看護師

BIとはバーセルインデックスの略称で、ADLを評価するための指標です。病院や介護施設で広く用いられています。

BIは国際的な検査方法であり、誰でも簡単に行える検査です。10の評価項目から構成されており、各項目は2〜4段階で評価されます。

  • 食事
  • 車椅子からベッドへの移動
  • 整容
  • トイレ動作
  • 入浴
  • 歩行
  • 階段昇降
  • 着替え
  • 排便コントロール
  • 排尿コントロール
  •  

5点刻みの配点で、計算がしやすい点も魅力です。結果は100点満点で算出されるため、誰にでもわかりやすい指標です。

FIM

FIMはFunctional Independence Measureの略称で機能的自立度評価表という意味です。FIMもADLを評価する指標で、介護負担度の評価が可能です。

FIMはリハビリの場面などで多く用いられ、運動ADL 13項目と認知ADL 5項目の計18項目で構成されています。

運動項目は以下のとおりです。

  • 食事
  • 整容
  • 清拭
  • 更衣・上半身
  • 更衣・下半身
  • トイレ動作
  • 排尿管理
  • 排便管理
  • ベッド・椅子・車椅子間の移乗
  • トイレの移乗
  • 浴室での移乗
  • 歩行
  • 車椅子
  • 階段
  •  

認知項目は以下のとおりです。

  • 理解
  • 表出
  • 社会的交流
  • 問題解決
  • 記憶
  •  

最高点がADLが自立している状態で126点、最低点は全面介助が必要であり18点となります。

QOL低下の原因

座る女性の後ろ姿

QOLが低下すると、生活の満足度や幸福感が減るため生きる意欲も低下しやすくなるでしょう。低下を防ぐためには、原因を知っておく必要があります。

QOLが低下する原因は主に4つです。ここでは、それぞれがどのような影響を及ぼしQOLが低下しているのか解説します。

身体的な原因

QOLが低下する身体的な原因は、加齢による身体機能の低下です。加齢により身体機能が低下したり免疫力が低下したりし、疾患にかかりやすくなった状態をフレイルといいます。

フレイルの状態はADLが低下しやすく、要介護の状態に移行しやすくなります。健康状態の維持も難しくなり、QOLの低下にもつながるでしょう。

さらに、高齢者は慢性的な痛みを抱えていることも少なくありません。腰痛や肩こりなどは代表的な慢性疼痛です。常に痛みを抱えていると、日々の充実感や満足度は感じにくくなるでしょう。

社会的な原因

QOLが低下する社会的な原因は、社会や周りの方々とのつながりが減少することです。

入院や施設入所をした場合、これまで関わりのあった友人や家族と関われる頻度は減少するでしょう。そのため、疎外感や孤独感を覚えやすくなります。

周囲の方々との関係性も、QOLを維持したり向上したりするうえで大切な要素です。

精神的な原因

老人の手

QOLが低下する精神的な原因は、認知機能の低下やストレスです。認知機能の低下は、意欲の低下につながります。自分でできることが減ると、自尊心が傷つき活動する意欲が湧きにくくなるでしょう。

また、過度なストレスがかかれば精神的に負担を感じ、不眠症や抑うつ状態になります。そのため、精神的に健康な状態ではいられなくなります。

環境的な原因

QOLが低下する環境的な原因は、生活環境の影響です。経済的な理由で生活水準が低い場合、幸福感は得られにくいでしょう。

毎月の収入が少なければ、常に不安を抱えながら生活することになります。そのため充実感や幸福感は少なくなります。

利用者さんのQOLを向上させるメリット

OKサイン

利用者さんのQOLを向上させるメリットは、日々の生活に充実感や満足感を覚え、生きがいを持てる点です。それにより、利用者さんだけでなく介護をする家族や介護スタッフにも好影響があります。

ここでは、QOLを向上させるメリットについて詳しく解説します。

利用者さんの自立と精神的安定

QOLを向上させるメリットは、利用者さんの自立と精神的安定につながる点です。QOLが向上すれば活動意欲が湧きやすくなります。活動的になれればADLも低下しづらくなり、自立した生活を続けやすいでしょう。

また、自分らしい生き方ができることで充実感や幸福感を得られます。そのため、健康な精神状態を維持しやすくなります。

介護負担の減少

ガッツポーズ

QOLの向上は、介護負担の軽減にもつながります。介護負担にはADLの自立度が影響しており、自立度が低い方は、自分で行えることが少ないため介助量も多くなります。

さらに、自分の思うように行動できないと、QOLも低下しやすくなります。そのため、ADLを向上させることが、QOLの向上につながります。

ADLを向上させるには、リハビリを行うことや、レクリエーションに参加して活動量を増やすことが大切です。

QOLの向上に着目した介護現場であれば、利用者さんの活動量を増やせるようにレクリエーションなどを積極的に行っています。

しかし「どうやって理想の介護現場を探せばいいのかわからない」という方は、ハッシュタグ転職介護にお任せください。

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給与や環境、人間関係など重視する条件を丁寧にヒアリングし、希望に沿った複数の転職先をご提案します。

安心感のあるキャリアを築けるよう、転職活動を全力でサポートします。

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健康維持

QOLを向上させることは、健康維持にもつながります。QOLを高めるためには、生きがいや充実感を持つことが大切です。

生きがいを持つ高齢者は社会活動に参加したり、趣味に打ち込んだりしている方が多くいます。そのような活動を続けるためには、健康状態がよくなければいけません。

また、活動を続けることで、自然と体を動かす習慣が身につき、健康を維持しやすくなるでしょう。

利用者さんのQOL向上のためにできること

介護者と介護士

ここでは、介護現場で利用者さんのQOLを向上させるためにできることを3つ紹介します。介護施設など限られた生活環境のなかでQOLを高めるには、一人ひとりに合わせた工夫が必要です。

具体的にどのように取り組めばよいのか解説します。

個別性を尊重した自立支援ができるケアを行う

利用者さんのQOLを向上するためには、個別性を尊重した自立支援が必要です。自立支援は介護が必要な方でも、自分の能力に応じて自立した生活を送れるようにサポートすることです。

必要な介護量や理想とする生活は人それぞれ異なります。そのため、現状の介護量で理想とする生活を実現するためにはどのようなサポートが必要か、一人ひとりに合わせたサポートが求められるでしょう。

各地域ごとで、要支援1〜2の方に向けて介護予防のために運動やレクリエーションを行っている事業もあります。

利用者さんが生きがいややりがいを見いだせる介護を行う

利用者さんのQOLを向上させるには、生きがいややりがいを見いだせる介護が必要です。高齢者が生きがいややりがいを感じるときは、家族や友人との関わりを持っているときや何かに熱中したりおいしいものを食べたりするときです。

施設やデイサービスなど限られた場所で生きがいややりがいを感じられるには、家族や友人との定期的な面会時間があれば疎外感が緩和できるでしょう。

また、何か熱中できることを知るためには、若い頃の職業や昔の趣味などを聞いてみるのもおすすめです。ほかにも、季節のイベントを実施したり、季節の食材を利用した食事を提供したりする工夫が必要です。

多職種と連携し介護ケアを検討する

メモを取る女性と男性

QOLを向上させるためには、多職種と連携し介護ケアを検討する必要があります。一人ひとりに合わせた介護ケアを提供するためにも多職種との連携は不可欠です。

具体的にはケアマネジャーや、理学療法士や作業療法士、社会福祉士など利用者さんに関わるすべての方と情報を共有し包括的にケアすることが大切です。

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利用者さんのQOLが向上する介護を行おう

笑顔で介護
QOLは身体的な健康だけでなく、精神面や環境面、社会とのつながりなど総合的に自分が充実していると思えるかが大切です。

QOLが向上すれば、精神面も安定して過ごせるでしょう。また、ADLの自立が促進しやすくなり介護負担も軽減できます。

介護スタッフは、QOLを向上するために利用者さんが自分らしく生きられる支援が求められます。

QOLを向上できるように支援を行うには、QOLの向上に着目している職場環境であればスタッフ一丸となり支援が行えるでしょう。

理想の職場探しは、ハッシュタグ転職介護へお任せください。求職者の希望に近い転職先を複数紹介できます。給料や職場環境、人間関係など重視しているポイントをヒアリングにてお聞かせください。

提案したなかからさらに丁寧なすり合わせを行い、より希望に近い職場を選択できるように支援します。

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