介護施設でレクリエーションを行う目的

介護施設でレクリエーションを行う目的は、施設利用者の心身機能を向上させ、生活の質を高めるためです。レクリエーション活動を行うことで、高齢者が社会的つながりを持ち、達成感を得られます。

また、音楽を聴くことや昔からある遊びを行うことで、健康維持やストレスの軽減・気分転換につながります。

レクリエーションには、身体を動かすものや頭を使うもの、手先を動かすものなどがあります。レクリエーションを通して、楽しみながら認知症予防や寝たきり生活の防止などの効果が期待できます。

さらに、リハビリ効果を得られるように高齢者の自立度を高められるレクリエーションを行うとよいでしょう。

介護施設のレクリエーション企画書に必要な項目

レクリエーション企画書に何を入れればよいのか迷っている方や上司などにうまく説明できないと感じている方もいるでしょう。そのような方のために、以下のレクリエーション企画書に必要な項目を解説します。

• レクリエーションタイトル
• 実施日時や場所
• 参加予定人数と参加者の詳細
• レクリエーションの内容
• レクリエーションの目的
• 会場のレイアウトや人員の配置図
• 用意するもの
• 予算
• 注意事項

　

企画を考える際の参考にしてみてください。

レクリエーションタイトル

実施予定のレクリエーションやイベントには、誰が見てもシンプルでわかりやすいタイトルをつけましょう。

難しいタイトルにすると内容をイメージしにくく、参加者が混乱する恐れがあるため、内容が想像しやすいタイトルにしましょう。

さらにタイトルをほかのスタッフが見たときに、面白そうと思ってもらえるような魅力的なものにすることで、企画書の印象をよくなります。

実施日時や場所

企画書を作成する際は、実施日時と場所を事前に決めておく必要があります。これを決めておかないと、必要な場所を確保できない恐れがあります。

具体的な日時と場所を決めることで、スタッフが共通認識を持つことができ、早めに場所を確保することが可能です。これにより、事前準備や当日の進行がスムーズになります。

確保する際に、中止や延期になった場合を加味して、予備日を設定しておくとよいでしょう。

参加予定人数と参加者の詳細

レクリエーション当日の参加予定人数を決め、その際に参加者の介護度や自立度などを企画書に記入しておきましょう。これにより、準備や参加者へのサポートに役立ちます。

さらに、車いすの方や杖を使っている方など参加者の身体の状態にあわせて、レクリエーション内容の調整を行うことが可能になります。

レクリエーションの内容

介護施設のレクリエーションは、脳トレ系や身体を動かす系、コミュニケーションを深める系など目的によってさまざまあります。目的に沿った内容を具体的に決めていきます。

例えば、身体を動かすゲームを行うのであればルールや勝敗の決め方、景品の有無などを簡単に決めておくとよいでしょう。また、演劇や演芸などのイベントの場合、演目の内容を決めておきましょう。

演目の内容はできるだけ具体的に説明するのが効果的です。さらに、時間配分を明記することでスタッフが時間管理を意識し、予定時間内に終了することができます。

レクリエーションの目的

レクリエーションの目的には、リハビリの一環やコミュニケーションの場づくりなど、さまざまなものがあります。その目的を明確にすることで、スタッフ間の考え方をそろえやすくなり、円滑に準備を進められます。

また、期待される効果を説明することが大切です。例えば、季節の行事の雰囲気を味わいながら参加者同士のコミュニケーションを深めるといった説明により、レクリエーションのもたらす価値を明確にできます。

会場のレイアウトや人員の配置図

レクリエーションを行う際の大まかなレイアウトをイラストや図などにして説明します。参加する利用者の位置や職員の配置、使用する備品の場所などをイラストで書くことで、当日のイメージをしやすくなります。

さらに必要なスタッフ数と役割を詳しく書くことで、当日の役割が明確になり、よりスムーズな進行と安全性の確保が可能です。

レイアウトを考えるときには、部屋の広さや参加人数などを考えて、十分なスペースが確保できるレイアウトになっているかどうか確認しましょう。

用意するもの

レクリエーションを行うにあたって、必要なものを記入しましょう。例えば、夏祭りやクリスマスなど大きいイベントのときは、準備に時間がかかる備品などが必要になることがあります。

用意するもののリストを作成する際には、レクリエーションに必要なすべてのものを記載しましょう。これにより、準備漏れを防ぐことができます。特に、事前に用意が必要なものや数に限りがあるものは優先的に書くようにすることが重要です。
準備期間や当日になって困らないように、用意するものは入念にチェックすることが大切です。用意するものの確認は、時間に余裕を持って行うようにしましょう。

予算

予算は、レクリエーションにかかる費用を計算した金額を記入します。記入する際には、何にいくらかかるのかの内訳も、一目見てわかるようにしましょう。

内訳を明記することで、無駄な出費を抑えつつ、必要なものをコストを抑えて確実に準備できます。予算内に収まるように、備品などの金額を細かく計算しておく必要があります。

注意事項

レクリエーションを実施するときに、注意点を職員全体で共有しておく必要があります。
注意点を共有しておかなければ、安全性を確保してレクリエーションを実施できません。

参加者の身体の状態や事故につながりやすい項目などをあらかじめ挙げておきましょう。例えば、和菓子などを食べるときに喉に詰まらせないように注意を払うなどが挙げられます。

ほかにも、参加者の体調や身体機能に配慮するとともに、緊急時の対応を記載するようにしましょう。

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介護施設のレクリエーション企画書の書き方のポイント

レクリエーション企画書を書く際に読み手に伝わるように書けるか不安がある方もいるでしょう。企画書は、スタッフ間の情報共有や連携を円滑にするツールです。

そのため、全スタッフが同じ認識を持って準備や実施に挑める内容を書く必要があります。以下のポイントを考えて書くようにしましょう。

• わかりやすさと簡潔さを重視する
• 視覚的な要素を活用した当日のイメージを共有する
• 目的やねらい、期待できるリハビリ効果を明確にする
• 5W1Hでわかりやすく書く

　

誰が見ても内容を理解できるように図などを用いて作成することで、実現性や安全性を伝えやすくなります。また上司や同僚、ボランティアなどに当日の動きや流れを理解してもらえます。

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介護施設の季節ごとのおすすめレクリエーション企画

レクリエーションを実施するときに毎年同じような内容になってしまうことや季節感のある内容が思いつかないこともあるでしょう。ここからは、以下の行事ごとのアイデアを具体的に紹介します。

• お正月
• 節分
• ひな祭り
• 七夕祭り
• 夏祭り
• クリスマス

　

企画の幅を広げ、利用者の反応がよさそうなものを取り入れる参考にしてみてください。

お正月

お正月の行事アイデアは福笑いや羽子板、すごろくなどのお正月遊びが挙げられます。例えば福笑いイベントは、新年の挨拶からスタートし、参加者が順番に福笑いを楽しむものです。

福笑いをする際は、ほかの参加者が見やすいようにホワイトボードに顔の輪郭を描いた紙を貼り、パーツを貼り付ける方法にしましょう。

福笑いを通して、手指や腕のリハビリを促しながら、笑いとコミュニケーションを通して心身のリラックスを図ります。その後にお茶会を開くことで、今年の抱負を話しながらリラックスできる環境を提供します。

ほかにも、書き初めや絵馬で今年の抱負を書いて発表などのイベントもよいでしょう。

節分

節分の行事アイデアには、豆まきや豆運び競争などがあります。豆まきは鬼役の職員に豆を投げつけることによって、肩や腕の運動になりリハビリが可能です。

豆まき後にお茶会を開いて、節分の雰囲気や季節の話題を楽しめます。さらに、大きな声で鬼は外と叫ぶことで呼吸機能の活性化やストレスの改善を図ることが可能です。

お茶会で参加者間のコミュニケーションを活発にし、季節の行事を楽しんでもらうことで気分転換を図れます。

ほかにも、恵方巻きづくりがイベントとして挙げられますが、高齢者に事故が起きないよう細心の注意を払って行う必要があるでしょう。

ひな祭り

ひな祭りのレクリエーション企画は、ひな人形づくりやちらし寿司づくり、平安時代の遊びである貝あわせなどがあります。ひな人形づくりは、参加者それぞれが紙コップや折り紙を使って、個性的なひな人形や桃の花を作成します。

紙コップに折り紙で顔や着物を作って貼り付けるため、手指のリハビリ効果を高めながら、行事を楽しむことが可能です。さらにグループでの作業になるため、コミュニケーションを積極的にとるようになり、参加者同士の交流が増えます。

ほかには、ひな祭りをテーマにしたクイズ大会などもレクリエーションとして有効です。

七夕祭り

七夕祭りのレクリエーション企画は、天の川の作成や七夕飾りの作成などがあります。天の川の作成は、参加者が細長く切った折り紙やアルミホイルで輪っかをつくり、それを1つにつなげて長い天の川を完成させるものです。

輪っかづくりは、指先の器用さや集中力を高めるため、手や指のリハビリに効果があります。さらに、参加者の共同作業になるためコミュニケーションが活発になり、協力しながら1つの目標を達成する楽しさを知ることが可能です。

完成したものを飾ることで、達成感や季節感を得られます。ただ、ハサミを使うので安全性を考えてスタッフのサポートが必要です。

夏祭り

夏祭りのレクリエーションは、金魚すくいやヨーヨーすくい、花火などがあります。金魚すくいは、ゴム製の金魚を準備して手製のポイを使い、参加者が金魚すくいを行います。

ポイが破れないように慎重に金魚すくいを行うことで、手先の器用さや集中力が培われ、指先のリハビリ効果を得ることが可能です。さらに、ゆっくりとした動作により、腕や肩の運動にもなります。

ゲーム感覚で楽しみながらリハビリに取り組み、参加者のコミュニケーションや協力にもつながります。

また、屋台側とお客さん側で役割分担をしてレクリエーションを行うのも1つの方法です。

クリスマス

クリスマスのレクリエーションは、クリスマスの飾り付けやクリスマスソング合唱会、ハンドベル演奏会などが挙げられます。ハンドベル演奏会は、クリスマスの定番曲をハンドベルで演奏しながら合唱します。

歌詞がわからない方のために、歌詞カードを配布して安心感を持って参加できるようにしましょう。合唱を行うことで、呼吸や発声を使うため、心肺機能のリハビリにつながります。

また、ハンドベル演奏は手指の運動機能を向上させ、参加者の一体感を高めるためコミュニケーションの活性化を促します。ただ、合唱や演奏時に参加者に無理をさせないことが重要です。

介護施設のレクリエーションを盛りあげるコツは？

レクリエーションを企画しても盛りあがらないことや反応が薄いことで悩んでいる方もいるでしょう。企画を盛り上げるためには、声かけや雰囲気づくりなどの場を温める工夫を行うことが重要です。

レクリエーションを盛りあげるコツは以下のとおりです。

• レクリエーション前に簡単なアイスブレイクを導入する
• ルール説明も笑顔で楽しい雰囲気で行う
• ルール説明のときにスタッフが失敗例を実演する
• 参加者に積極的に声をかけて褒める
• 言葉遣いに気をつける
• スタッフも全力で楽しむ

　

レクリエーションを盛り上げるためには参加者の緊張をほぐしながら、リラックスして楽しめる環境を作ることが大切です。そのため、失敗を見せて「失敗しても問題ない」と思わせることや楽しい雰囲気で行うことで笑顔で楽しんでもらえるようにしましょう。
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介護施設でのレクリエーション実施の注意点

レクリエーションを実施するときにクレームが怖いことや安全面に自信がないと感じる方もいるでしょう。そのような不安を解消するためにも安全性のために事前に押さえるべき注意点は以下のとおりです。

• 使用する場所や道具の安全性をチェックする
• 利用者一人ひとりに声かけをする
• 利用者の身体の状態に合わせた配慮をする
• 参加を強制しない

　

使用する場所や道具によって、怪我や病気にかからないように注意しましょう。また、レクリエーション中の体調不良に気付くためにも声かけをすることが大切です。

また、参加しなかった利用者が施設の中で孤立しないように配慮しましょう。

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レクリエーションを開催している企業への転職するなら

レクリエーションを開催する目的は、利用者の心身機能を向上させ、生活の質を高めることです。

レクリエーションの企画を考えるときは、参加者の身体の状態や安全性を確保できるか、参加者が楽しめるかなどを判断して作成しましょう。

また、企画書を作るときはすべてのスタッフが見たときに当日の動きなどが理解できるように、見やすくわかりやすい内容にしましょう。特に、5W1Hやイラスト、図などを駆使することでわかりやすくなります。

レクリエーションを企画するだけでは盛りあがりを見せるとは限りません。レクリエーションを盛りあげるためには、笑顔でデモプレイを見せることやレクリエーションを楽しく行いたいと思わせるような工夫が重要です。

レクリエーションでよい企画を行いたいと意識して空回りしてしまうのではと心配になる方もいるでしょう。

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