介護施設における感染症対策の重要性
介護施設では、入居者が感染症にかからないよう予防することがとても大切です。感染症の拡大を防ぐためにも、スタッフによる感染対策や衛生管理が欠かせません。
ここでは、介護施設における感染症対策の重要性を詳しく紹介します。
高齢者は免疫力が弱く重症化のリスクが高いため
高齢者は免疫力が弱く、感染症にかかると重症化しやすいため、日頃からの予防対策が重要です。60歳を過ぎると、20代の頃に比べて免疫機能は半分以下に低下するといわれています。
これは加齢によって免疫細胞を作り出す力が衰え、それを支える臓器の働きも弱まることで、全身の免疫機能が徐々に低下してしまうためです。
そのため、入居者が感染症にかからないよう、しっかりとした感染対策が求められます。
施設内で感染症が広がってしまう可能性があるため
介護施設では多くの入居者が集団で生活しているので、一人が感染すると一気に広がるリスクがあります。
特に高齢者や基礎疾患がある方は抵抗力が低いため、スタッフや面会に訪れる方が感染症を持ち込まないよう十分な注意が必要です。
また、認知機能が低下している方は自分で予防対策を行うことが難しいため、スタッフによる対応がより重要です。
高齢者がかかりやすい感染症の種類
免疫力が低下すると、さまざまな感染症にかかる可能性があります。特に高齢者がかかりやすい感染症は、以下の7つです。
- インフルエンザ
- ノロウイルス
- 肺炎
- 結核
- 尿路感染症
- MRSA感染症(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症)
- 疥癬
1つ目は、接触と飛沫によって感染するインフルエンザです。高熱や関節痛、咽頭痛などの症状が現れますが、高齢者は気管支炎や肺炎を発症して重症化する恐れがあります。
細菌やウイルスは温度が低い環境だと感染力が強くなるため、インフルエンザが流行する冬は注意が必要です。
2つ目は、嘔吐や下痢、発熱症状が現れるノロウイルスです。ウイルスが付着した食品を食べた場合や、嘔吐物から飛散したウイルスを吸い込んだときに感染します。
特に、高齢者は体内水分量が少ないので、下痢や嘔吐が続くと脱水症状になるケースも少なくありません。
さらに、嘔吐物を誤嚥すると肺炎を合併する可能性もあります。そのため、入居者がノロウイルスに感染した場合は、誤嚥や脱水にならないよう意識しておくことが大切です。
3つ目は、気道に細菌やウイルスが感染して発症する肺炎です。肺炎の症状は発熱や呼吸苦、胸の痛みがあり、悪化すると全身の酸素が不足して自分で呼吸することが困難になります。
肺炎は風邪から重症化するケースも多いので、早めに病院を受診して長引かせないことが重要です。
4つ目は、咳や血痰、呼吸困難を引き起こす結核です。高齢者は若い頃に結核菌に感染している方も多く、年齢とともに免疫力が低下することで結核を発症しやすくなります。
結核は60歳以上の高齢者に多くみられるため、介護施設では特に注意が必要です。初期症状は目立たないことが多いですが、早期発見できれば重症化を防げます。
5つ目は、細菌が尿道から侵入する尿路感染症です。年齢を重ねるごとに膀胱や尿道の働きが弱くなるのが原因で、高齢者は尿路感染症を繰り返しやすい傾向があります。
排尿痛や残尿感、頻尿の症状があり、炎症が腎臓まで広がると腎盂腎炎を引き起こす場合があります。
特に、寝たきりの方は尿が膀胱内に溜まりやすく細菌が繁殖しやすいため、こまめにオムツ交換が必要です。
6つ目は、MRSA感染症(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症)です。黄色ブドウ球菌は普段私たちの皮膚や鼻のなかなどに常在している菌で、健康なときは問題ありません。
しかし、抗生剤を使いすぎると耐性がついてしまい、薬剤耐性菌になることがあります。この菌の代表がMRSA(マーサ)で、通常は抗菌薬で治療しますが、腹膜炎や髄膜炎などを引き起こす場合もあります。
免疫力が低い高齢者が腹膜炎や髄膜炎などに感染すると、治療が難しいうえに重症化するリスクも高まるので注意が必要です。
7つ目は、疥癬です。疥癬は、皮膚の角質層に入り込んだヒゼンダニが卵を産み、繁殖することで発症します。感染すると、手のひら・指の間・わきの下・太ももの内側・陰部などに赤い発疹が現れるのが特徴です。
ヒゼンダニは皮膚から離れると約3時間で死滅しますが、タオルを共有すると感染する場合があります。そのため、施設内ではほかの入居者が使用したタオルは使わないよう、十分な注意が必要です。
また、ノルウェー疥癬といわれる重度の疥癬では、一人に約100万匹以上のヒゼンダニが寄生することもあります。感染力が強いので、感染した場合は隔離しなければなりません。
疥癬は、見た目が通常の湿疹と似ているので、気付きにくいこともあります。しかし、放置すると周囲へ感染が広がってしまうため、湿疹のある方には特に注意が求められます。
「きちんと感染対策ができるか不安」「未経験でも大丈夫かな……」と感じる方も多いのではないでしょうか。
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高齢者がかかりやすい感染症の感染経路
高齢者は免疫力が低下しているので、さまざまな感染症にかかりやすくなります。なかでも接触感染・飛沫感染・空気感染は、介護施設で特に注意が必要です。
それぞれの感染経路の特徴を理解しておくことで、施設内での感染拡大を防げます。ここでは、高齢者がかかりやすい感染症の主な感染経路を詳しく解説します。
接触感染
接触感染は、ウイルスが付着した食品やテーブル、手すりなどに触れることによる感染です。ウイルスに触れたことに気付かないまま、ほかのものに触れることで次々とウイルスが広がっていきます。
代表的な感染症として、ノロウイルスや尿路感染症が挙げられます。介護施設での感染を防ぐためには、テーブルや手すり、入居者が使う物品などをこまめに消毒することが大切です。
飛沫感染
飛沫感染は、咳やくしゃみ、会話の際に飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。なかでもインフルエンザは感染力が強く、高齢者は気管支炎や肺炎を併発しやすいため注意が必要です。
飛沫は通常、1m以内に床に落下し、空中に長時間とどまることはありません。しかし、介護施設では食事やレクリエーションなど入居者が集まる機会が多いので、飛沫感染のリスクが高まります。
そのため、入居者やスタッフはワクチン接種を行い、インフルエンザ流行時はマスク着用と定期的に換気を行うことが大切です。
空気感染
高齢者は免疫力が低下しているので、さまざまな感染症にかかりやすくなります。なかでも接触感染・飛沫感染・空気感染は、介護施設で特に注意が必要です。
それぞれの感染経路の特徴を理解しておくことで、施設内での感染拡大を防げます。ここでは、高齢者がかかりやすい感染症の主な感染経路を詳しく解説します。
接触感染
接触感染は、ウイルスが付着した食品やテーブル、手すりなどに触れることによる感染です。ウイルスに触れたことに気付かないまま、ほかのものに触れることで次々とウイルスが広がっていきます。
代表的な感染症として、ノロウイルスや尿路感染症が挙げられます。介護施設での感染を防ぐためには、テーブルや手すり、入居者が使う物品などをこまめに消毒することが大切です。
飛沫感染
飛沫感染は、咳やくしゃみ、会話の際に飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。なかでもインフルエンザは感染力が強く、高齢者は気管支炎や肺炎を併発しやすいため注意が必要です。
飛沫は通常、1m以内に床に落下し、空中に長時間とどまることはありません。しかし、介護施設では食事やレクリエーションなど入居者が集まる機会が多いので、飛沫感染のリスクが高まります。
そのため、入居者やスタッフはワクチン接種を行い、インフルエンザ流行時はマスク着用と定期的に換気を行うことが大切です。
空気感染
多くの入居者が生活している介護施設では、感染症を発症すると重症化や集団感染につながる恐れがあります。そのため、日常的に感染対策を徹底することがとても大切です。
ここでは、介護施設で実践すべき感染症対策をわかりやすく解説します。
感染源を排除する
施設内で感染症を発症した場合、細菌やウイルスを含む感染源を排除する必要があります。感染源となる可能性があるものは、以下のとおりです。
- 嘔吐物
- 排泄物(便・尿)
- 創傷皮膚
- 粘膜
- 血液
- 体液
- 分泌物(喀痰・膿)
- 使用した器具・器材(注射針・ガーゼ)
- 感染源に触れた手指
感染源は直接素手で触らず、手袋を着用して扱うことが重要です。また、手袋を外した後は石けんで手を洗い、アルコール消毒をして感染を防ぎましょう。
感染経路を遮断する
感染経路を遮断するためには、以下の3つの配慮が求められます。
- 病原体を持ち込まない
- 病原体を持ち出さない
- 病原体を広げない
まず大切なのは、スタッフが家族から感染して病原体を施設内に持ち込まないことです。これを防ぐことが、感染経路を遮断する第一歩です。
次に、施設内で感染者が出た場合は、病原体が広がらないようにします。病原体を扱う際は手袋とマスク、エプロンを着用し、肌に直接触れないよう注意が必要です。
さらに、スタッフは手指の消毒を行い、病原体を施設外に持ち出さないように意識することが求められます。
利用者の抵抗力を向上させる
施設内での感染を防ぐには、入居者の免疫力を高めることも重要です。そのためには、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠を確保することが欠かせません。
さらに、予防接種の必要性や副反応について丁寧に説明し、接種を受けてもらえるよう呼びかけることも大切です。入居者だけでなく、スタッフも施設で働く前に予防接種歴や感染症の罹患歴を確認し、必要に応じてワクチンを接種しましょう。
特にインフルエンザと肺炎球菌感染症は、高齢者が予防接種を受ける必要性が高い感染症です。接種し忘れないよう、本人や家族に早めに伝えることが重要です。
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介護施設で行っている具体的な感染対策の事例
「介護施設では実際にどのような感染対策をしているの?」「予防するためには何が大切なの?」と、疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
事前に介護施設で行っている感染対策を知っておくことで、仕事内容のイメージが明確になり、未経験の方でもスムーズに働きやすくなります。
ここでは、介護施設で実践されている感染対策の具体例を詳しく紹介します。
手洗いや手指の消毒の徹底
施設内に細菌やウイルスを持ち込まないためには、手洗いと手指の消毒を徹底することが大切です。固形石けんだと細菌が付着する可能性があるため、液体石けんで手のひら・指の間・爪・手首までしっかり洗います。
手を乾かした後はアルコールや次亜塩素酸水で消毒をし、常に清潔な状態を保つことが重要です。
手袋やビニールエプロンの使用
入居者の血液・分泌物・嘔吐物・排泄物などに触れる場合は、肌や服に付着しないよう手袋やビニールエプロンを使用します。
直接触れると感染する可能性があるため、手袋やビニールエプロンの着用が必須です。手袋を脱ぐときは手首部分の外側をつまみ、裏返すように脱ぎます。
脱いだ手袋を反対の手で持ち、手首の内側から指を入れて裏返して脱ぎ、所定の場所に破棄します。手袋には目に見えないウイルスが付着しているため、ケアが終わったらすぐ外すことが重要です。
また、ビニールエプロンも手袋と同じく、外側に触れないように折りたたんで破棄します。
排泄物や嘔吐物の適切な処理
排泄物や嘔吐物を処理するときは、換気が大切です。ノロウイルスの可能性もあるため、マスク・エプロン・手袋を着用し、窓を開けてから素早く処理します。
まず、ウイルスが拡散しないように、嘔吐物に濡れたペーパータオルや布をかぶせましょう。そして、外側から内側にかけて入念に拭き取り、次亜塩素酸ナトリウム液で清掃した後に水拭きをします。
オムツを交換したときは、排泄物が外に漏れないようしっかり包み、ビニール袋に密閉することが重要です。また、トイレを利用した場合は便座だけでなく、その周辺と洗面所も消毒し、衛生管理を徹底します。
排泄物や嘔吐物が服やシーツに付着した場合は、急いで新しいものと交換してウイルスの拡散を防ぎましょう。
嘔吐物や下痢に触れるとアルコール消毒液では効かないことがあるため、処理後はしっかり手を洗います。
換気
施設内でのウイルスの拡大を防ぐためには、定期的な換気が大切です。大体の目安として、1〜2時間おきに10〜15分ほど換気し、新しい空気を取り込みましょう。
換気を行う際は、窓や扉などを2箇所開けて空気の流れを作ると、ウイルスの浮遊を抑えられます。ただし、高齢者は温度差で体調を崩すことがあるので、入居者の様子を確認しながら行う必要があります。
消毒
入居者が頻繁に触れるものやテーブル、手すりなどは、こまめに消毒が必要です。消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム液で拭き、ウイルスを広げないよう意識しましょう。
ノロウイルスに感染した場合は、0.02%〜0.1%(200ppm〜1000ppm)の次亜塩素酸ナトリウム液を使って消毒をします。その後、金属や床などの腐食を防ぐためにしっかりと水拭きをします。
次亜塩素酸ナトリウム液は、素手で扱うと手荒れの原因になるので、使用する際は手袋の着用が必須です。
湿度管理
感染症を予防するためには、湿度管理も欠かせません。室内が乾燥するとウイルスが空中にとどまりやすくなるので、感染症のリスクが高まります。
湿度は、40%を下回らないようにすることが感染対策に効果的です。
また、使用する加湿器は定期的に洗う必要があります。洗わずに使い続けると、タンク内に付着したヌメリからレジオネラ菌が発生し、室内に噴出してしまう場合があるためです。
予防接種
介護施設では多くの方と接する機会があるため、予防接種による感染対策が重要です。予防接種の目的や効果、副反応について説明し、入居者が納得してから接種します。
予防接種を受けることで、感染しても重症化しにくくなったり、周囲への感染を防いだりする効果が期待できます。
また、入居者だけでなくスタッフも予防接種を受けることが大切です。必要に応じて接種することで入居者やほかのスタッフへの感染も防げます。
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家族との面会時の注意点
介護施設では入居者の安全と健康を守るために、家族と面会する際は慎重な対応が求められます。面会時の注意点は、以下のとおりです。
- 手洗いと手指の消毒を徹底する
- 面会時にはマスクを着用する
- 体温測定をする
- 体調がよくない場合は面会を控えてもらう
- 感染症の流行時は予防接種を受ける
- 食品を持ち込む際はスタッフが中身を確認する
- 小さい子どもを連れて来るときは事前に連絡をしてもらう
入居者の家族が介護施設に入る際は、手洗いと手指のアルコール消毒を行います。これは、外部から細菌やウイルスを持ち込まないための重要な予防策です。
また、咳が出ていなくても面会中はマスクを着用して飛沫感染のリスクを減らします。面会前には体温を測り、発熱や体調不良がある場合は面会を控えてもらいます。
感染症が流行する時期には、家族が予防接種を受けることも大切です。入居者だけでなく家族もワクチンを接種することで、施設全体の感染予防につながります。
さらに、家族が食品を持ち込む場合は、スタッフが中身を確認します。これは、食中毒や誤嚥など入居者の健康リスクを防ぐための必要な対応です。
そして、小さい子どもを連れて来るときは、事前に連絡をしてもらいます。保育園や幼稚園などを通じてウイルスを持ち込む可能性があるため、感染予防の観点からも事前の確認は欠かせません。
介護施設でかかりやすい感染症や対策を知っておこう
介護施設ではたくさんの入居者と接するため、感染症の種類や感染対策を知っておくことが重要です。
「自分にはできるか不安」「未経験だけど大丈夫かな……」と感じている方でも、基本的な知識や感染対策のポイントを理解していれば対応できます。
また、安心感を持って働くためには自分に合った職場環境を見つけることも大切です。介護業界は施設によって方針や雰囲気が異なるため、職場選びが働きやすさに大きく影響します。
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