介護施設や事業所の適正な人員配置基準とは
介護業界は、人手不足で大変そうなイメージを抱いている方は少なくありません。しかし、介護施設や事業所には、国の法律によって人員配置基準が定められています。
人員配置基準とは、利用者に対して適切な数の職員を配置する国が定めたルールです。施設ごとに、何名の利用者に対して何名の職員が必要かが国の法律で定められています。
介護施設や事業所の人員配置基準は、利用者の安心感や安全性を守るためにとても重要です。適切な人数がそろっていないと事故やトラブルが起こりかねません。
そのため、国によってしっかりとルールが定められています。
人員配置基準を満たすことの重要性
介護施設や事業所には人員配置基準が定められていますが、その必要性や重要性を十分に理解していない方もいるのではないでしょうか。人員配置基準を満たすことの重要性は以下のとおりです。
- 質の高いサービスを提供できる
- 職員の労働環境が適正に保たれる
それぞれ詳しく解説します。
質の高いサービスを提供できる
介護施設や事業所の人員配置基準を満たすことは、利用者に安全性が高く質のよい介護サービスを提供するうえで欠かせません。
利用者一人ひとりに対して丁寧な介護サービスを提供するためには、適正な数の職員がそろっていることが前提です。
人手不足だと職員一人ひとりの負担が大きくなり、介護サービスの質が低下し事故やクレームなどのリスクが高まります。利用者との信頼関係を築くためにも人員配置基準を満たすことはとても重要です。
職員の労働環境が適正に保たれる
介護施設や事業所の人員配置基準を満たすことで、職員の労働環境が適正に保たれます。職員の労働環境が適正に保たれていれば、職員一人ひとりの業務負担が分散され心身ともに安定した働き方が可能です。
人員配置基準を満たしていないと、職員の労働環境が適正に保たれず職員に負担がかかるだけでなく離職につながる可能性があります。
また、質の高い介護サービスを提供することが難しくなるでしょう。職員だけでなく利用者のためにも人員配置基準を満たすことはとても重要です。
施設や事業所ごとの人員配置基準
介護施設や事業所によって仕事内容が異なると理解しているものの具体的な違いを理解していない方は少なくありません。
介護施設や事業所によって仕事内容が異なるとともに人員配置基準も異なります。ここでは、代表的な介護施設や事業所の業務内容や人員配置基準を解説します。
有料老人ホーム
有料老人ホームは、介護付有料老人ホーム・住宅型有料老人ホーム・健康型有料老人ホームの3つに分けられます。さまざまな介護サービスを提供しており、介護度が軽い方から重度の方まで幅広い入居者がいるのが特徴です。
人員配置基準は、要支援者10名に対して看護・介護職員は1名、要介護者3名に対して看護・介護職員は1名となっています。ただし、看護職員は要介護者が30名までは1名、30名を超える場合は50名ごとに1名となっており夜間帯は1名以上必要です。
要支援者や要介護者かによって人員配置基準が異なるため、職場見学を通じて施設の雰囲気や入居者の状況を確認しておきましょう。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームは、要介護3以上の在宅での生活が難しい方が長期的に入所する施設です。重度の要介護者が多数入居しているため、生活支援だけでなく身体介護が多いのが特徴です。
人員配置基準は、入居者3名に対して看護・介護職員1名となっており、それを超える人数にも応じて追加配置が必要です。特別養護老人ホームは、24時間体制となっているため、夜勤を含めたシフト制勤務が一般的です。
介護度が高く長期にわたって入居者と深く関わることができるため、やりがいを感じる方は少なくありません。介護の現場で長く働きたい方や専門性を高めたい方におすすめです。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、要介護者が在宅復帰をするためのサポートをする施設です。生活支援よりもリハビリや機能訓練など日常動作のサポートを中心に行います。
人員配置基準は、入居者3名に対して看護・介護職員1名となっており、看護師は7分の2程度となっています。
医師や看護師などの医療職との連携が多く、多職種の方との協力が求められる職場です。介護の知識だけでなく基本的な医療の知識も必要となるため、幅広い知識を身につけたい方におすすめです。
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サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、高齢者が自立した生活を続けられるよう配慮されたバリアフリーの賃貸住宅です。自立している方から要介護2程度までの方が多く入居されています。
サービス付き高齢者向け住宅には、明確な人員配置基準が定められていません。しかし、入居者の安全性などを確保する観点から状況把握や生活相談のために、日中は有資格者が365日常駐する必要があります。
ただし、365日の常駐が難しい場合は、常駐していない日の日中に少なくとも一度は有資格者が入居者の状況を把握することが求められます。また、リズムセンサーを設置して安否確認や緊急時対応を可能にする体制が望ましいとされています。
また、夜間は緊急通報装置による対応も可能ですが、入居者の心身の状況によって有資格者が常駐するのが理想的です。
ケアハウス
ケアハウスは、自立または介護度が低い高齢者が自立した日常生活を送るのに不安がある方や家族による援助が難しい方が安心感を持って生活できる施設です。
基本的に自立した生活を送れる方が入居しているため、身体介護が少ないのが特徴です。人員配置基準は、入居者30名に対して看護・介護職員1名となっています。要介護者の場合は、3名に対して看護・介護職員1名が必要です。
身体介護中心の仕事ではなく、入居者の見守りや生活支援などが多い職場です。入居者に寄り添い信頼関係を築くことが重要になるため、人と話すのが好きな方や安定した勤務を望む方に向いているでしょう。
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グループホーム
グループホームは、認知症の高齢者が共同生活を送る施設で、生活支援や機能訓練などを行います。小規模の施設で、家庭的な雰囲気のなかで食事の準備や洗濯、掃除などさまざまな業務を行う職場です。
人員配置基準は、日中の場合に常勤換算方法で入居者3名に対して介護職員は1名となっています。夜間の場合は、ユニットごとに1名必要です。
グループホームは、家庭に近い環境で認知症の高齢者を支援する施設のため、料理や掃除などの家事全般が中心の業務となっています。落ち着いた空間で一人ひとりと丁寧に向き合いたい方や家事が得意な方におすすめです。
デイサービス
デイサービスは、日帰りで食事や入浴、レクリエーションなどを提供する通所型の施設です。利用者は自宅で生活を続けながら日中に必要な介護や人との交流ができます。
人員配置基準は、利用者15名までは介護職員は1名以上となっています。利用者が15名を超える場合は、利用者が1名増すごとに0.2を加えた数以上の介護職員が必要です。
デイサービスでは、機能訓練やレクリエーションなどが行われ、元気な高齢者と関わることが多いのが特徴です。夜勤がなく日勤のみで働けるため、プライベートとのバランスを取りたい方に適しています。
訪問介護
訪問介護は、利用者の自宅を訪問し入浴や排泄などの身体介護や掃除や買い物などの生活援助を提供するサービスです。基本的には、一人の訪問介護員が利用者の自宅に訪問し業務を行います。
人員配置基準は、常勤換算で訪問介護員2.5名以上配置することとされています。訪問介護は、1回のサービス時間が短時間のため、短時間勤務や事業所によっては直行直帰が可能です。
基本的に1対1の対応となるため、丁寧な対応とコミュニケーションが重要です。人とのつながりを大切にしたい方や自分の時間を大切にしたい方に適しています。
介護医療院
介護医療院は、要介護者で長期にわたって療養が必要な方に対して医療と介護の両面から支援する施設です。入浴や排泄などの介助だけでなく医療的な業務にも関わるため幅広い知識が必要になります。
人員配置基準は、Ⅰ型の場合は入居者5名に対して介護職員1名、Ⅱ型の場合は入居者6名に対して介護職員1名となっています。看護職員の場合は、入居者6名に対して看護職員1名が必要です。
介護医療院は、医師も常駐している必要があり医療現場と近い環境となっているため、医療知識を深めながら介護に携わりたい方におすすめです。
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人員配置基準の常勤換算とは
常勤換算という言葉を聞いたことがなく、何を基準に決めているのか詳しく理解していない方は多いのではないでしょうか。
常勤換算は、人員配置基準を正しく判断するためにとても重要です。ここでは、常勤換算の意味やその計算方法を解説します。
常勤換算の意味
人員配置基準の常勤換算とは、職員の勤務時間に基づいて常勤職員に換算して人員数を計算する方法です。介護施設や事業所では、常勤の職員だけでなくパートのような非常勤の職員も働いています。
シフト制や短時間勤務が多い介護業界でも、常勤換算することで人員配置基準をしっかり守ることができます。さまざまな勤務形態があるため、人員配置基準を満たしているか判断するうえでとても重要です。
常勤換算の計算方法
常勤換算の計算方法は、以下のとおりです。
- 常勤職員の人数+(非常勤職員の労働時間÷常勤職員が勤務するべき時間)
例えば、常勤職員2名がそれぞれ週40時間勤務、非常勤職員1名が20時間勤務の場合は計算式にあてはめると以下のとおりです。
- 2名+(20時間÷80時間)=2.25名
小数点以下第二位は切り捨てて計算するため、2.2名が常勤換算人数です。短時間勤務者が多い施設でも、勤務時間に応じて職員数を算出できるため、しっかりと人員配置基準の確認ができます。職員の勤務時間をベースにしっかり評価することで、さまざまな勤務形態でも不安なく働けます。
常勤換算の注意点
常勤換算の注意点は、勤務実績がない職員は含まれないことです。例えば、産休中や長期休職中の方は在籍していても常勤換算の人数に含まれません。実際に勤務している時間に基づいて計算します。
産前産後休業や育児・介護休業を取得後に短時間勤務の場合も常勤換算の対象です。また、ほかの職種や事業所と兼務している場合は、どの業務にどのくらい勤務しているか明確にわかるようにする必要があります。
常勤換算を正しく行うためには、日々の勤務時間をしっかり記録して確認することが重要です。
介護施設や事業所が適正な人員配置基準に違反したらどうなる?
国の法律で人員配置基準が定められているものの、なかにはその制度が守られていない施設もあるのではないかと不安を抱いている方はいるのではないでしょうか。
人員配置基準が適正に守られていない場合、以下のような厳しいペナルティがあります。
- 人員基準欠如減算が適用される
- 指定が取り消されるリスクがある
それぞれ詳しく解説します。
人員基準欠如減算が適用される
介護施設や事業所が人員配置基準を満たしていないと、人員欠如減算が適用されます。人員欠如減算とは、必要な職員数を満たしていない場合に介護報酬が減額される制度です。
人員欠如減算は、看護職員と介護職員の数が対象となっており、人員配置基準を満たしているか勤務実績や勤務時間で確認します。人員配置基準が満たされていないと、その月の利用者全員に対する介護報酬が30%減算されます。
人員欠如減算は、介護施設や事業所にとって大きな経済的なダメージです。1日でも基準を満たしていないと人員欠如減算の対象になるので、日々の勤務管理はとても重要です。
指定が取り消されるリスクがある
介護施設や事業所が適正な人員配置基準を満たしていないと、指定が取り消されるリスクがあります。指定を取り消されるのは、長期にわたって人員配置基準に違反したり、虚偽の勤務記録を提出したりした場合です。
指定を取り消されると介護サービスを提供できなくなり運営も難しくなります。利用者にも大きな負担となるため、勤務時間の管理はとても重要です。
介護施設や事業所の人員配置基準は緩和の動きがある?
介護業界は人手不足といわれているため、人員配置基準が曖昧になっているのではないかと不安を感じる方は少なくありません。介護業界の人手不足や高齢化の進行によって、近年人員配置基準の緩和が提案されています。
緩和の動きはありますが、同時に介護ソフトや見守り機器などが導入されています。人員配置基準の緩和は、国の方針として段階的に進んでいるとともに業務効率を高める取り組みも同時に進んでいる状況です。新しい取り組みで介護業界の働きやすさは確保されています。
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ここまで、人員配置基準や重要性、違反した場合のリスクなどを解説しました。人員配置基準について理解したものの実際に自分が働く職場で適正な基準になっているのか不安を抱いている方もいるでしょう。
適正に人員が配置された介護の職場で働きたいなら、介護業界に特化した転職支援サービスを利用するのがおすすめです。
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