サービス介助士の仕事内容

サービス介助という言葉から、介護福祉に関連した資格と思われる方もいるでしょう。ここでは、サービス介助士の仕事内容や准サービス介助士との違いについて説明します。

仕事内容

高齢者や障がいのある方が安心して日常生活を送るために、公共施設や交通機関などを利用できるようにサポートすることが主な仕事です。

公益財団法人日本ケアフィット共育機構が発行する民間資格で、介助における適切な対応方法を学べます。介護施設だけではなく、商業施設やスーパーなど、さまざまな場面で役立ちます。

単なるお手伝いではなく、利用者の気持ちに寄り添って、状況に応じた行動が重要です。車椅子利用者への介助において、利用者が自分でできることを尊重しながら、必要なサポートを提供するなどが挙げられます。

サービス介助士は、臨機応変に対応しながら、利用者が自分らしく生活を送れるように支援
します。

准サービス介助士との違い

准サービス介助士は、サービス介助士とは異なり、在宅でも取得できる資格です。介助に関する知識を深めたいという方向けに用意された資格であり、サービス介助士よりも費用を抑えて取得できます。

サービス介助士の資格をとるには、オンライン講座や対面での講義受講が必要です。准サービス介助士は自宅で基礎知識が身に付けられるため、忙しい方でも手軽にチャレンジできます。

介助の心構えと基本的な介助知識を学んだうえで、技術はインターネットやDVDで学ぶことになります。まずは基礎を身につけたいのであれば、准サービス介助士がおすすめです。

サービス介助士と介護福祉士との違い

サービス介助士と介護福祉士の違いを理解するうえで、介助と介護の違いを把握しておく必要があります。介助は、加齢や心身機能の低下などにより、一定の不自由を抱える方に対するサポートです。

サポート内容は多岐にわたり、日常生活をできるだけ充実させるための支援となります。介護は、要介護や要支援状態など、日常生活が困難な方に対するサポートです。

生きていくために必要不可欠であり、日常生活動作を保証するための支援だといえます。介助と介護は、主な目的や対象範囲が異なり、サービス介助士と介護福祉士も同様です。

サービス介助士は民間資格ですが、介護福祉士は介護に関する唯一の国家資格です。利用者の気持ちに寄り添うことを大切にしており、充足感を与えることを重視しています。

介護福祉士は、サービス介助士よりも利用者の充足感を重視していませんが、高度な介護技術や専門的な知識の証明となります。サービス介助士は、利用者のニーズや要望を取り入れたサービスを提供することが特徴です。

介護福祉士は、介護業界で働くために専門的な介護技術の習得が中心です。サービス介助士の知識だけでは、介護現場で求められる専門的な知識や技術を十分に習得できませんが、利用者の生活の質を向上させるために役立つことは数多くあります。

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サービス介助士の資格取得の流れ

サービス介助士の資格は、年齢や性別に関係なく、誰でも受験可能です。学歴や実務経験も不問であり、幅広い層が挑戦できるため、介護業界でのキャリアアップにおすすめです。

ここでは、サービス介助士の資格取得の大まかな流れについて説明します。

サービス介助士の資格取得の流れについては下記の通りとなります。

• 受講の申し込み
• 自宅でテキスト学習
• 課題提出
• 実技教習を受講
• 検定試験の受験

　

資格取得はオンラインで公式サイトから申し込みを行います。氏名や住所などの必要な情報を入力し、受講料を支払って完了です。

申し込み完了の数日後、自宅にテキストが届きます。テキスト学習で基礎的な知識を学習し、課題を提出することになります。提出課題100問のうち60点以上で合格で、60点未満で再提出が必要です。

課題合格後は、実技教習に進み、下記の教習を受けることになります。

• 6～7時間ほどのオンライン講習
• 1～2日間の対面形式での実技教習

　

実技教習では、車椅子の扱い方や視覚障がい者の手引き、高齢者疑似体験などの実践的な技術を習得します。

サービス介助士の資格を取得するには、最終的に検定試験に合格することが必要です。検定試験は筆記試験のみで、1問2点の問題が全50問用意されており、100点満点中70点以上が合格条件です。

ちなみに、資格取得は“申し込みから最大12ヶ月間”受講が可能となっています。全ての過程を終え、最終的に検定試験に合格すれば、サービス介助士の資格が取得できます。

サービス介助士の資格を取得するメリット

サービス介助士の資格を取得することで、さまざまなメリットがあります。ここでは、サービス介助士の資格を取得する4つのメリットについて説明します。

ホスピタリティ精神が身につく

サービス介助士は利用者の気持ちを重視しているため、ホスピタリティ精神が身につきます。ホスピタリティ精神は職業的充実感にも影響し、利用者との信頼関係構築にもつながり、仕事に対するモチベーションが高まります。

モチベーションが高まることで、自己成長にもつながり、よりよいサービスを提供できるようになるでしょう。サービス介助士の支援によって、利用者が自己の価値を再確認でき、自己肯定感を高めることも可能です。

障害に関する知識が深まる

サービス介助士は、仕事を通じて障害をもっている人から生の情報を得られるため、障害に関する知識が深まります。講習時には、車椅子利用者や視覚障害のある方との対話があるため、障害を身近に感じるようになるでしょう。

対話を通じて、障害をもっている方が抱えている気持ちを理解できるようになります。サービス介助士として、どのような対応が必要かを考えるようになり、介護業界での実践力が効率的に身に付きます。

介助技術の向上につながる

サービス介助士の資格を取得することで、介助技術の向上につながるのもメリットです。高齢者や障がいを持っている方に対する知識だけでなく、実際の現場で活かせる実践的な技術を習得できます。

講習では、車椅子の操作方法や視覚障がい方の手引きの仕方などを習得する必要があります。利用者との対話も不可欠なので、コミュニケーション力も身につきやすいです。

介助技術は、専門的な介護士にとっても仕事の幅が広がる資格だといえるでしょう。

介護業界など幅広い業界で活かせる

サービス介助士の資格取得時に学んだ知識を幅広い業界で活かせるようになります。高齢者や障がいをもっている方への適切な対応方法を習得しているため、さまざまな現場で活用可能です。

介護施設に限らず、公共施設や商業施設など、さまざまな場面で役立ちます。コミュニケーション力が重視される接客やサービス業がおすすめです。

相手の気持ちや状況に応じて対応できるため、さまざまな業種で役立つスキルだといえます。

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サービス介助士が活躍できる業界

サービス介助士の資格を通じて身に付けた知識や技術は、介護業界以外にもさまざまな業界で活躍できます。ここでは、サービス介助士が活躍できる6つの業界を紹介します。

交通やインフラ業界

交通やインフラは利用者が多岐にわたっているため、サービス介助士が活躍できる業界です。高齢者や障害をもっている方など、身体の不自由な方が公共交通機関を利用する際、介助を必要とすることもあるでしょう。

資格取得時に身に付けた技術やコミュニケーション力で、利用者の気持ちに寄り添った介助ができます。適切な介助を提供することで、公共交通機関への信頼につながるため、サービス介助士の資格が役立ちます。

通信会社などのインフラ業界において、視覚や聴覚に障害をもっている方やデジタル知識が乏しい高齢者も携帯電話を利用することがあるでしょう。サービス介助士の技術や知識を駆使することで、一人ひとりに適切に対応することができるはずです。

旅行や観光業界

旅行や観光業界も利用者が多岐にわたっているため、サービス介助士の資格を役立てられる業界です。宿泊施設や観光施設は、高齢者や障害をもっている方も利用することがあるため、介助を必要とすることがあります。

利用者の気持ちに寄り添って、適切な介助を提供することで、安心感を持って旅行や観光を楽しめるでしょう。適切な介助によって、施設利用者が増加し、ターゲット層拡大にもつながります。

また、顧客満足度にもつながるため、リピート率増加も見込めます。

小売や流通業

さまざまな物品を販売する小売業や流通業は、接客業務は不可欠であり、さまざまな利用者に応対することがあります。利用者の中には、高齢者や障害を持っている方もいるので、何らかの介助が必要かもしれません。

サービス介助士の資格取得で身に付けた、利用者の気持ちに寄り添った対応により、体の不自由な方でも買い物を楽しめるでしょう。

利用者が介助を受けることで、信頼関係の構築にもつながり、再度利用したいと思ってもらいやすくなります。店舗利用は外出のきっかけにもなるので、利用者の生活の質向上にも一定の効果があります。

金融や保険業界

金融や保険業界も接客業務が必要なので、サービス介助士の導入が増えている業界です。身体が不自由な方は、金融機関での手続きがスムーズにできずに困難な場合もあります。

各種手続きや窓口対応にサービス介助士の資格取得者を配置することで、スムーズに手続きなどが行えるようになります。顧客の大切なお金を扱う立場として、信頼関係を構築することが重要です。

利用者の気持ちに寄り添った対応ができるサービス介助士であれば、身体が不自由な方との信頼を築きやすいといえるでしょう。

不動産や警備業界

他のサービス業とは異なる業態ですが、不動産や警備業界もサービス介助士の導入を増やしている傾向があります。介助を必要としている方に積極的に声をかけるなど、行動の変化を促すことで、業務の質の向上にもつながります。

利用者目線での業務を行うために、サービス介助士の資格で身につく知識は役立つでしょう。高齢者や障害を持っている方が安心して利用できるような人材を育てるのは、社会貢献の一環ともいえます。

自動車製造販売

車の販売やレンタカーを扱うショップでも、サービス介助士の活躍が増えています。家族が揃って訪問することが多い店舗において、お客様のニーズに沿った対応ができる人材配置が重要です。

福祉車両を取り扱うカーディーラーも増えており、車椅子利用者や身体が不自由な方向けの車両も増えています。サービス介助士の知識や技術によって、ターゲット層の幅が広がり、顧客満足度にもつながります。

介助が必要な方の気持ちに寄り添えるサービス介助士だからこそ、信頼関係が構築しやすく、顧客が定着しやすくなります。

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サービス介助士から介護業界への転職で役立つ資格

サービス介助士の資格取得者の中には、介護業界に興味がある方もいるでしょう。ここでは、サービス介助士から介護業界への転職で役立つ4つの資格について説明します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の基本的な知識と技術が身に付けられます。130時間の研修と実習を受講する必要があり、修了試験に合格しなければなりません。

受講資格や条件はないため、未経験かつ無資格の方でも取得可能です。資格取得には、介助が必要な方のケアの方法を学ぶ必要があるため、サービス介助士の知識や技術が活かせるでしょう。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、基本的な介護提供能力の取得を目標とした資格です。450時間の研修受講が取得条件であり、研修を修了すると、訪問介護でのサービス提供責任者になります。

介護福祉士を目指すためには、実務者研修を修了しておく必要があるため、キャリアアップに興味がある方に必要な資格です。

訪問介護において、身体が不自由な方への介助が必要となるため、サービス介助士で身に付けた知識や技術が役立ちます。

介護福祉士

介護福祉士は、介護全般にかかわる国家資格です。介護福祉士には3つの受験条件が設定されており、どれか1つを満たす必要があります。

• 介護福祉士の養成施設を卒業する
• 福祉系の高校を卒業する
• 介護実務を3年以上かつ実務者研修を修了する

　

試験合格率は70%程度となっているため、対策をすれば問題ないでしょう。国家資格なので社会的信頼性も高く、介護施設への就職に有利です。

サービス介助士は、車椅子の操作方法や視覚障がい方の手引きの仕方なども学ぶため、介護福祉士の資格取得に役立ちます。

社会福祉士

社会福祉士は、日常生活を送るのに困難な方を福祉や介護サービスにつなげる橋渡しのような役割です。必要があれば相談に応じながら、アドバイスや相談をすることになります。高齢者福祉施設や障害者支援施設、福祉事務所などで活躍できます。

試験は誰でも受験できるわけではなく、受験条件が設けられています。生活困窮者へのヒアリングが重要となるため、サービス介助士が身に付けたコミュニケーション力が求められるでしょう。

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サービス介助士の仕事で介護業界への転職を考えているなら

サービス介助士は、利用者の生活の質が向上するように、適切な介助を提供します。利用者の日常生活をできるだけ充実させるための支援となるため、介護業界など幅広い業界で活躍したい方におすすめの仕事です。

提供する介助によって、利用者との信頼関係が構築されるため、やりがいにつながりやすい
仕事だといえるでしょう。

サービス介助士として自分らしく働くためには、情報収集やキャリア相談、資格取得が重要です。

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