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仕事・働き方

2025.8.10

介護士とヘルパーの違いは?仕事内容や介護福祉士との違い、向いている方の特徴も解説

高齢化が進む近年、介護業界に関心を持つ方は多いでしょう。介護業界では、介護士やヘルパー、介護福祉士などの呼び方を耳にするのではないでしょうか。

これらの呼び方は、なんとなく雰囲気の似た呼び方で、職種の違いがわかりづらく感じられます。

この記事では、それぞれの特徴や仕事内容の違い、必要な資格、向いている人物像などを職種ごとに比較しながら解説します。介護業界で働くことを考えている方の参考になれば幸いです。

ホームヘルパー(訪問介護員)とは

介護士と老夫婦

介護職のなかでもホームヘルパーという名前はよく耳にするでしょう。ホームヘルパーとは、訪問介護員のことです。

通称では、ヘルパーさん、という呼び方も広まっています。この訪問介護員は、サービスを受ける利用者の自宅を訪問し、必要な介助を提供します。利用者の生活や心身の自立支援、介護度の重度化を防止することを目的に介護サービスを提供します。

利用者のご家族にとって負担になる介助を提供したり、ご家族の不安や悩みを聞いてアドバイスしたりすることもあり、利用者ご本人だけでなく利用者のご家族を支える側面も持っています。

ホームヘルパーとして働くには定められた資格が必要で、在宅介護の専門職といえます。

ホームヘルパーの仕事内容

ホームヘルパーとは具体的にどのような仕事をするのでしょうか。家事を手伝うようなイメージを持っている方が多いかもしれません。

実際のホームヘルパーの仕事内容は、身体介護や生活援助、通院介助などさまざまな業務があります。業務内容の幅が広いため、ここからは具体的な仕事内容の例を挙げて解説します。

身体介護

身体介護とは、排泄や入浴、食事などの介助を指します。日常生活を送るなかで利用者に必要な介護のうち、身体に直接触れて行う介護のことです。

利用者により状態はさまざまで排泄介助といっても、トイレへの付き添いやポータブルトイレでの介助、ベッド上でのおむつ交換もあります。

入浴介助の内容には、着替えや洗髪、整容が含まれることが多いです。

食事介助では食事がとりやすくなるよう姿勢やお口の環境を整えることや食事をする介助、食事後のお口のケアを手伝うこともあります。

一つの介助のなかでも、利用者が自分でできることは行ってもらいながら介助することが重要です。身体介護はその内容から利用者の気持ちに配慮しながら介助することを忘れてはいけません。

また、これらの身体介護では移動や移乗介助、体位交換の介助を伴うことがほとんどです。このような介助では体を上手に使うことで利用者と介護者、両方の体の負担を軽減することができます。

生活援助

食事を提供する女性スタッフ(配膳)
生活援助とは、日常生活のサポートのなかで身体に触れずに行う援助のことです。広い意味では家事のお手伝いというイメージになるかもしれません。

利用者は心身の状態により家事の一部が難しかったり負担になったりします。具体的には掃除や洗濯、調理などがあります。

外出を要する援助には買い物や薬の受け取り、ゴミ出しなどがあります。生活援助では利用者が、自宅で安全に無理なく生活できるよう援助します。

家政婦や家事代行サービスとは違うため、利用者家族への生活援助や無資格での医療行為はできません。訪問介護計画にない行為は行えませんので、業務の範囲を十分理解しておきましょう。

通院介助

通院介助とは、一人で通院が難しい方の通院を介助をすることです。通院介助の内容は、通院前の準備や自宅と病院間の往復の移動薬の受け取りの介助などを指します。

通院の手段は、基本的には徒歩や公共交通機関(タクシー含む)です。通院等乗車介助といって、訪問介護事業所が所有する自動車に利用者を乗せ、ヘルパーが運転して移動する介助もあります。

病院内での移動介助や診察室への同席は医療保険の範囲内とみなされるため、基本的には病院スタッフが対応します。

ただし、病院スタッフだけでは難しい場合のトイレや着がえの介助などはヘルパーが行うこともあるでしょう。

介護士とホームヘルパーの違い

指差しをするエプロン姿の若い女性
ここまで、ホームヘルパーについて解説しました。しかし、介護の現場では介護士という呼び方を聞くことがめずらしくありません。

介護士とホームヘルパーは別の意味がありますが、それぞれの違いが曖昧な方は多いのではないでしょうか。

介護士とは、介護施設や在宅、医療機関などで介護に関する仕事に従事している方全般を指します。特定の資格や立場を指す言葉ではありません。

そのため、介護の仕事をしていれば介護士といえるでしょう。そのなかでホームヘルパーとは、先述したとおり、在宅介護の専門職といえる職種です。

ここからは介護職全体と比較しながら、ホームヘルパーの特徴を介護対象者、仕事内容、給与、必要な資格の項目に分けて解説します。

介護対象者の違い

ホームヘルパーの介護対象者は、在宅で生活している要介護者となります。ホームヘルパーの仕事は在宅での介護を提供するからです。

介護の仕事全体でみると、施設の入居者や入院している患者に対して行うことが多いため、ホームヘルパーの仕事は介護対象者に特徴があります。

訪問介護サービスを受ける方は、介護認定で要介護1~5の認定を受けた方です。

また、介護認定で要支援1〜2の認定を受けた方は介護予防訪問というかたちでサービスを受けることができます。介護予防はあくまで要介護状態にならないための予防であるため、受けられるサービスは基本的には生活援助のサービスになります。

仕事内容の違い

白バックの若い男女の介護士
介護職全般を指す介護士とホームヘルパーの仕事内容に大きな違いはありません。ホームヘルパーは利用者宅へ訪問し、介護を行いますが、身体介護、生活援助は施設での仕事と同じです。

ほかに介護の内容や利用者の様子などの記録は施設でも利用者宅でも共通する業務でしょう。しかし、生活の場に違いがあるため、訪問介護サービスを受ける利用者は通院介助や買い物の介助があります。

施設ではレクリエーションや季節のイベントなどがあるため、そのサポートがあるでしょう。

以下に介護の業務内容をまとめています。

業務内容

給与の違い

厚生労働省の処遇状況調査結果によると、介護職全体の初任者研修修了者の給与は平均月収は302,910円、保有資格なしの場合は270,530円で月給で約32,000円、年収にすると400,000円の差があります。

初任者研修取得者は資格手当が付くことが多いため保有資格のない方よりも給与が高くなる傾向があります。

介護職のなかでホームヘルパーは正社員、非常勤(パート)、登録の3種類の雇用形態が一般的であり、正社員は月給、非常勤と登録は時給で給与が支払われます。

多くの事業所で、非常勤は事業所のシフトに合わせて決まった時間に働き、登録は希望する時間や曜日を指定して働くスタイルをとっています。

常勤ヘルパーの平均年収は約3,530,000円、非常勤の平均時給は1,600円でした。訪問介護は利用者宅で1対1で介護を提供するため、専門性が高く介護報酬が高い設定となっています。

そのため資格や業務内容により他の職種より時給が高い傾向があります。

必要な資格の違い

仕事に必要な資格を取得する
介護士というと介護に関わる職業をすべて含むため、必要な資格は職種によって異なります。資格がなくても介護に関わる仕事をしていれば介護士と名乗ることもできます。

ホームヘルパーとして働くには介護職員初任者研修課程を受け、終了証明書を取得する必要があります。介護職員初任者研修は介護職としてステップアップしたいと考えている方にとってスタートラインと位置付けられる資格です。

研修は130時間の受講と筆記試験があります。誰でも研修を受けることができ、取得までに必要な期間の目安は1.5ヶ月から4ヶ月程度です。

厚生労働省は介護職員初任者研修を、在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修と定義しています。

介護の資格について解説したので、初任者研修以外の資格も紹介するため、以下に介護の資格一覧を掲載します。

資格一覧

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介護福祉士とホームヘルパーの違い

提案する介護士の女性
続いて、介護福祉士とホームヘルパーの違いを解説します。介護福祉士と聞くと介護業界で上位資格のような印象を受ける方は多いでしょう。

介護福祉士は介護の仕事のなかで唯一の国家資格です。それでは実際に介護福祉士とホームヘルパーではどのような違いがあるのでしょうか。

対象者・仕事内容・給与・必要な資格について以下で一つずつ詳しく解説します。

介護対象者の違い

介護福祉士もホームヘルパーも高齢者や体の不自由な方の介護を行うため、対象者に違いはありません。

どちらの職種でも介護対象者は介護認定において要介護認定や要支援の認定を受けた方になります。

ただし、介護福祉士はより高度な知識やスキルを求められるため、利用者家族からの相談に対応する場面や高度な介護テクニックが必要な利用者の対応、一定の条件のもとで痰の吸引、経管栄養などの行為が必要な利用者の介護にあたる機会が増えることが考えられます。

仕事内容の違い

介護福祉士もホームヘルパーも利用者の介護をする点では同じです。しかし、国家資格を有する介護福祉士は介護に関する専門的な知識や技術、経験を活かした高度な介護サービスの提供が求められます。

利用者の自立に向けたアドバイスを行ったり、利用者やご家族からの相談の対応などさまざまな業務を担うことがあります。また、介護福祉士の資格保有者は現場の管理や職員のマネジメント業務を任される立場になる可能性もあります。

給与の違い

時間とお金の比較でタイムイズマネー
厚生労働省の処遇状況調査結果によると、介護福祉士の平均月収は331,690円、初任者研修を終了した介護士は302,910円ですから、1ヶ月で約28,000円の差があります。年間での差額は345,000円程度です。

多くの施設や事業所では、資格に対して手当がつくため、国家資格である介護福祉士を持つ職員は初任者研修の資格のみのホームヘルパーよりも給与が高くなります。

介護福祉士は正社員としての募集が多く、賞与も期待できます。また、介護に関する幅広い業務や現場のリーダーのような責任ある役職を任されることもめずらしくありません。

これらのことが給与に反映され、給与に違いが出ると考えられます。

必要な資格の違い

介護福祉士と名乗るには、介護福祉士の免許が必要です。介護福祉士は介護職のなかで唯一の国家資格です。

介護福祉士の資格を取得するためには、まず受験資格が必要で誰でも受験できるわけではありません。養成所に通うか介護の現場で3年以上の実務経験を積むことで受験資格を得ることができます。

受験資格を得て、介護福祉士の試験を受け合格すると、介護福祉士として働くことができます。

これに対してホームヘルパーに必要な初任者研修は国家資格ではありません。

しかし、厚生労働省の認可を受けた資格であり、介護に関する知識やスキルがあることをしっかりと証明できる資格です。また資格手当を受ける対象になる資格でもあります。

介護の仕事は資格がなくても始められますが、現場で実務経験を積みながら、少しずつキャリアアップを目指せる職業です。

ハッシュタグ転職介護では、求職者のキャリア支援に力を入れ、長期的なキャリア形成を見据えたサポートを提供しています。

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施設で働く介護士に向いている方の特徴

タブレットを持つ介護福祉士
初めて介護の仕事をする方は施設で働くことがおすすめです。施設で働く場合は同僚や先輩介護士と同じ空間で仕事をします。

初めて介護の仕事をする際は、わからないことや不安を感じる方は多いでしょう。そのようなときにすぐに質問できたりアドバイスを受けられたりするため、安心感を持って働きたい方には施設での介護職が向いているといえるでしょう。

施設での介護は利用者の人数が多く、職員同士の連携が大変重要です。人と接することが好きであったり、チームワークを感じられる職種が好きな方も施設での介護職が向いているといえます。

また、施設での介護職は介護士以外の職種とも働けるため知識の習得やスキルアップが期待できます。正社員として働けるチャンスも考えられるため、正社員やボーナスなどを考えている方は施設での介護職をおすすめします。

車の運転に不安がある方は、施設で働く場合は訪問介護に比べると、通勤以外に運転の機会はそう多くないため施設で働くほうが合っているかもしれません。

介護施設には特別養護老人ホームや有料老人ホーム、デイサービスなど、さまざまな施設があり、それぞれ勤務形態や業務内容が異なります。

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ホームヘルパーに向いている方の特徴

ハートの模型をもらう高齢者とヘルパー
介護職のなかでもホームヘルパーに向いている方には次のような特徴があります。

責任感が強い、一人で仕事をするのが好き、判断力がある、ライフスタイルに合った働き方をしたいと考えているなどの方です。

ホームヘルパーは利用者宅を決まった時間に一人で訪問し、介助を提供します。ホームヘルパーとして働く際の特徴をふまえ、向いている方の特徴を一つずつ解説します。

責任感が強い

責任感が強い方はホームヘルパーに向いているといえます。ホームヘルパーは基本的に利用者宅に一人で訪問します。

訪問時間や介助の内容、方法までサービスを間違いなく提供しなければなりません。利用者の様子やご家族からの声を事務所にしっかりと伝えられることも重要です。

一人でサービスを提供することに責任感を持てることが重要な職種です。

一人で仕事をするのが好き

ヒアリングしてチェックするワンピースを着た女性
ホームヘルパーは、自分がするべきことに集中して仕事がしたい方に向いています。施設では他の職員とペースを合わせたり、やり方の違いを気にしたり職員同士で気を遣う場面があるでしょう。

職員同士の人間関係の気遣いが苦手な方は一人で利用者と向き合えるホームヘルパーが向いているのではないでしょうか。

ホームヘルパーは利用者宅に一人で訪問するため職場の人間関係に悩まされる心配は少なくなるでしょう。一人で仕事をするのが好きな方には、精神的に安定して働ける職種といえるのではないでしょうか。

判断力がある

ホームヘルパーは基本的に一人で利用者宅を訪問し、1対1で介助をするため判断力を求められる職種です。利用者に合わせた個別介護を判断し、きめ細やかに考えて提供できるため、介護経験をもとに個別ケアがしたい方に向いています。

利用者の心身の状態を把握し、変化に気付き、その場で介助の仕方を工夫したり、家族の不安に答えたりする判断力が必要です。

すべて自己判断で解決しようとすることは禁物ですが、臨機応変な対応が必要な場面は多いでしょう。その場で事業所に電話をかけて確認したり、検討すべき内容を持ち帰って相談したりすることは大変重要です。

その点を踏まえたうえで、現場での判断力が求められる職種といえるでしょう。

ライフスタイルに合った働き方をしたい

ライフスタイル
ライフスタイルに合わせた働き方を考えている方にホームヘルパーの仕事は適しているといえます。ホームヘルパーの仕事は、訪問先での業務内容と時間がはっきり決まっています。

訪問時間や介助の内容、所要時間があらかじめ決まっているため、スケジュールが明確に把握しやすいでしょう。

ホームヘルパーの多くは登録制やパートのヘルパーとして働いていることが少なくありません。登録制やパートでは一日の訪問件数を調整でき、仕事量をライフスタイルに合わせやすい特徴があります。

このような仕事のスタイルは、短時間の勤務が可能であり、働き方の幅が広がります。子育て中や家事の間に働きやすい職種であるため、時短勤務を希望している方に向いているでしょう。

ハッシュタグ転職介護では、給与・労働環境・人間関係など、求職者が重視するポイントを丁寧にヒアリングし、あなたにぴったりの職場や職種を選べるようサポートします。

さまざまな施設や職種の中から、あなたのライフスタイルや価値観に合った選択肢を提案することで、より充実した仕事環境を実現できます。

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介護士とヘルパーの違いを知って自分に合った働き方を選ぼう

青空の中で車椅子を持つ介護士・作業療法士
介護業界では、介護士やヘルパー、介護福祉士などさまざまな職種があります。職種により必要な資格や仕事内容が違い、向いている人物像も異なります。

ホームヘルパーに必要な介護職員初任者研修は、介護職でステップアップを目指す際にスタートラインともいえる資格です。

また、介護福祉士は介護業界のなかで唯一の国家資格で責任ある立場を任せられたり、高い技術を求められたりする資格です。

介護の資格は段階的に複数あるため一つずつキャリアアップが見込める職業です。資格により手当や役職がつき、給与面の違いもあります。

介護士とホームヘルパーの違いを確認し、自分に合った働き方で介護業界で働いてみてはいかがでしょうか。

ハッシュタグ転職介護では、求職者にとことん寄り添う姿勢でサポートを行っております。

求人提案時には、複数の選択肢を提示し、あなたの希望に合わせて丁寧にすり合わせを行い、適切な職場とのマッチングを目指します。

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