介護サービスの種類

介護保険制度に提供される介護サービスは、大きく、居宅介護サービスと、施設サービスと、地域密着型サービスの3つに分類されます。

それぞれ異なる特徴を持ち、利用者のニーズや状況に合わせたケアを提供しています。

居宅介護サービス

居宅介護サービスは、高齢者が住み慣れた自宅で生活を続けながら必要な介護を受けられるようにするためのサービスです。

利用者の自宅を訪問してサービスを提供する、訪問系サービスや、施設に通ってサービスを受ける、通所系サービスなどがあります。

高齢者の自立支援を目的としており、生活の質を維持しながら家族の介護負担を軽減する役割も担っています。

施設サービス

施設サービスは、自宅での生活が困難になった高齢者が入所して、24時間体制で介護や医療のケアを受けられるサービスです。

常に専門スタッフが常駐しているため、重度の要介護状態や認知症の方でも生活できます。

また、リハビリテーションや医療的ケアを提供する施設もあり、利用者の状態に応じた専門的なサポートが受けられます。

地域密着型サービス

地域密着型サービスは、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けられるように、市区町村が指定・監督する小規模なサービスです。

原則として、その市区町村に住んでいる方のみが利用できます。

少人数・小規模が特徴で、きめ細かなケアや地域の特性に合ったサービスを提供しています。

認知症高齢者のためのグループホームや、訪問・通い・宿泊を組み合わせた小規模多機能型居宅介護などがあります。

居宅介護サービスの主な種類と仕事内容

居宅介護サービスは、利用者が自宅で自立した生活を送れるようサポートする仕事です。

訪問系のサービスもあれば、施設に通ってもらうデイサービスなど、形態はさまざまです。それぞれの特徴と仕事内容を見ていきましょう。

訪問介護（ホームヘルプサービス）

訪問介護は、ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し身体介護や生活援助を行うサービスです。

訪問介護の仕事内容として、利用者の身体状況に合わせた入浴や食事の介助があります。おむつ交換や着替えなど排泄関連の支援も日常的に行います。

掃除機をかけたり洗濯物をたたんだりといった家事援助も大切な業務です。

訪問介護の仕事は、一人ひとりの利用者と深く関わり信頼関係を築ける点が魅力です。初めは先輩スタッフと同行訪問することも多く、未経験でも段階的にスキルを身につけていくことができます。

通所介護（デイサービス）

通所介護（デイサービス）は、高齢者が日中、施設に通って食事・入浴・機能訓練などのサービスを受ける形態です。

デイサービスの仕事内容は多岐にわたります。朝は自宅から施設までの送迎から始まり、到着した利用者のバイタルチェックを行います。

午前中は入浴介助が中心です。昼食時には配膳や食事介助を担当し、午後はレクリエーションの時間です。

帰宅前には排泄介助や身だしなみを整え、再び送迎車で自宅まで見送ります。

デイサービスはチームで働くため、初心者でも働ける環境が整っています。また、利用者同士の交流を促進する楽しいイベントの企画など、創意工夫ができる点も魅力です。

短期入所生活介護（ショートステイ）

短期入所生活介護（ショートステイ）は、介護が必要な高齢者が短期間施設に宿泊しながら介護サービスを受けられる制度です。

ショートステイの仕事内容は施設での生活全般をサポートします。朝の起床介助から始まり、洗面や着替えを手伝います。食事介助も重要な業務です。

日中は体操やゲームなど楽しい活動を提供し、夜間は巡回して安眠をサポートします。

ショートステイは、利用者の滞在期間が短いため、短期間で信頼関係を築く能力が求められます。

特定施設入所者生活介護

特定施設入所者生活介護は有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの特定施設に入居する高齢者に対して、食事・入浴・排泄などの介助や機能訓練などを提供するサービスです。

この職種では24時間体制で入居者の生活をサポートします。朝の起床から夜の就寝まで、食事や入浴、排泄など基本的な生活動作全般を支援します。

筋力低下を防ぐ体操やリハビリ活動も日課に組み込まれています。定期的な体重測定で健康状態を把握し、薬の管理も行います。

この仕事の特徴は、利用者の生活の場で継続的にサポートすることです。長期的な関わりのなかで利用者の変化を見守ることができ、やりがいを感じやすい職場環境です。

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施設サービスの主な種類と仕事内容

施設サービスは、自宅での生活が困難になった高齢者のために24時間体制で介護サービスを提供する施設です。

施設の種類によって、提供するケアの内容や対象者が異なります。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホーム（特養）は、常に介護が必要な要介護3以上の高齢者が入所する施設です。24時間体制で介護サービスを提供し、終身での利用が可能です。

特養での仕事内容は生活全般におよびます。朝は洗顔や着替えを手伝います。食事は自力で食べられるよう見守ったり、必要に応じてスプーンで介助したりします。

排泄はトイレでの自立を促しつつ、おむつ交換が必要な方には定時と随時のケアを提供します。

特養では、チームで連携しながら利用者の生活全般をサポートします。夜勤がありますが、人員配置が手厚く、未経験者でも先輩職員のサポートを受けながら成長できる環境が整っています。

介護老人保健施設

介護老人保健施設（老健）は、病院から退院した後自宅に戻るための中間施設として位置づけられています。

医療ケアとリハビリテーションを重視し、在宅復帰を目指したサービスを提供しています。
老健での仕事は医療色が強いようです。

日常生活の介助に加え、理学療法士や作業療法士と協力した機能訓練プログラムを実施します。

老健では、医療職との連携が密で、より専門的な知識を身につけることができます。利用者の状態改善や在宅復帰という明確な目標があり、成果を実感しやすい職場です。

介護医療院

介護医療院は、2018年に創設された新しい施設類型で、長期的な医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者のための施設です。

介護医療院での業務は医療と介護の融合で、胃ろうや吸引などの医療的ケアが必要な方の日常生活を支えます。

食事形態も経口から経管栄養までさまざまで、それぞれに応じた介助を行います。

医療依存度が高いなかでも生活の質を保つため、ベッドサイドでのレクリエーションや季節の装飾など環境づくりにも工夫を凝らします。

介護医療院では、医療依存度の高い利用者もいるため、より専門的な知識と技術が求められます。一方で、医療チームと協力して働くため経験を積むことができます。

介護療養型医療施設

介護療養型医療施設は、長期的な医療ケアと介護を必要とする高齢者のための施設です。

医療的ケアが中心となりますが、2024年3月末をもって完全廃止されました。
この施設での業務は医療処置が中心です。経管栄養の管理や人工呼吸器の確認など、高度な医療ケアを要する利用者のサポートを行います。

有料老人ホーム

有料老人ホームは、民間事業者が運営する高齢者向けの住宅施設です。介護付と住宅型と健康型の3種類あります。

有料老人ホームでの仕事はホスピタリティが重視されます。介護付では基本的な生活介助に加え、上質なサービスが求められます。

居室清掃はホテル並みの丁寧さで行い、食事も見た目や盛り付けにこだわります。

有料老人ホームは、元気な高齢者から介護が必要な方まで、幅広い層が入居しています。サービスの質に対する期待が高く、ホスピタリティを重視した対応が求められます。

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）は、バリアフリー構造の賃貸住宅で、安否確認や生活相談などのサービスが付いた高齢者向けの住まいです。

サ高住での業務は見守りと相談支援が柱です。朝と夕方の定時巡回で入居者の安否を確認します。小さな変化も見逃さないよう観察力が問われます。

サ高住は住まいとしての側面が強く、介護施設のような密度の高いケアは基本的に行いません。しかし、入居者の自立を尊重しながら見守り、必要な時にサポートする重要な役割を担っています。

働く環境としては、夜勤が少なく、規則正しい勤務形態が特徴です。

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また、施設による働き方や仕事内容の違いについてもご相談いただけます。自分に合った働き方を見つけるために、どんな職場が適しているか一緒に考えていきましょう。

地域密着型サービスの主な種類と仕事内容

地域密着型サービスは、住み慣れた地域での生活を続けられるよう支援するサービスで、市区町村ごとに運営されています。

小規模で家庭的な雰囲気のなかでケアを提供するのが特徴です。

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、通いと訪問と泊まりのサービスを組み合わせて24時間365日の在宅生活を支援するサービスです。

この仕事は一人の利用者に多角的に関わります。月曜は通いで施設に来てもらい、入浴や食事、レクリエーションを楽しみます。

火曜は体調が優れないため訪問に切り替え、自宅で服薬確認や体調チェックを行います。

水曜は再び通いで過ごし、木曜は家族の外出予定があるため泊まりを利用してもらいます。このように一人の利用者に対してさまざまなサービスを提供するのが特徴です。

この仕事の魅力は、利用者の生活全体を継続的に支援できる点です。同じスタッフが異なる場面でケアを提供するため、利用者との信頼関係が深まりやすく、やりがいを感じられる職場環境です。

認知症対応型共同生活介護（グループホーム）

認知症対応型共同生活介護（グループホーム）は、認知症の高齢者が5〜9人の小規模な単位で共同生活を送る住まいです。

できることは自分で行いながら生活することを支援します。

グループホームでの仕事は、ともに暮らす感覚で行います。朝は入居者と一緒に朝食の準備を行い、「今日は何にしましょうか」と相談しながらメニューを決めます。

認知症の症状で混乱が見られるときは、否定せず寄り添いながら安心感を提供します。

グループホームは、少人数のスタッフで運営されるため、幅広い業務を経験できる点が特徴です。認知症ケアの専門知識を身につけられるため、キャリアアップを目指す方にもおすすめの職場です。

地域密着型特定施設入居者生活介護

地域密着型特定施設入居者生活介護は、定員29人以下の小規模な特定施設（有料老人ホームなど）で提供される介護サービスです。

地域密着型のため、その市区町村の住民のみが利用できます。

基本的な生活介助はもちろん、地元の食材を使った郷土料理の日を設けたり、地域の行事に積極的に参加したりします。

近隣の小学校との交流会では、子どもたちに昔の遊びを教えるなど世代間交流も盛んです。

小規模な施設のため、アットホームな雰囲気のなかで働くことができます。一人ひとりとじっくり向き合い、その方らしい生活を支えるやりがいのある仕事です。

自分に合った介護の仕事を見つけるポイント

介護の仕事は種類が多く、それぞれに特色があります。自分の性格や生活スタイル、将来のキャリアプランに合わせて選ぶことが大切です。

介護の仕事は、身体介助などの体力を使う業務が含まれる場合があります。

自分の体力や健康状態を把握し、無理のない職場を選びましょう。体力に自信がある方は特養や老健などの施設系サービスが向いています。

毎日の入浴介助や体位変換など身体的な介助が必要ですが、やりがいを感じられるでしょう。

次に自分の性格や得意なことを活かせる職場を選ぶことも重要です。

人との関わりが好きな方、細かい配慮が得意な方、チームで働くのが好きな方など自分の性格や得意なことを活かせる職場を選ぶと長く働き続けることができます。

コミュニケーションが得意な方はデイサービスやグループホームが向いているでしょう。

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介護職で活躍するために役立つ資格

介護業界で働くうえで、資格は必須ではありませんが持っていると就職や転職に有利になったり、キャリアアップの道が開けたりします。

ここでは、介護職で活躍するために役立つ主な資格について紹介していきます。

まず介護職員初任者研修があります。旧ホームヘルパー2級に相当する資格で、介護の基礎知識と技術を学ぶ入門的な研修です。

介護の仕事をこれから始める方におすすめの資格となっています。取得期間は約3〜4ヶ月で、通学・通信制があるのが特徴です。

主な就職先は訪問介護、デイサービス、特養など幅広い分野となっているでしょう。

次に実務者研修があります。介護福祉士を目指す方の中間段階として位置づけられる資格です。

初任者研修よりも専門的な知識と技術を学ぶことができます。取得期間は約6ヶ月で、通学・通信制があるのが特徴です。

医療的知識や介護過程の展開など、より深い内容を学ぶため介護現場でのスキルアップにつながるでしょう。

介護福祉士は介護のプロフェッショナルとして認められる国家資格です。専門的な知識と技術を持ち、介護現場のリーダーとして活躍できる資格となっています。

取得方法は実務経験3年以上と実務者研修修了後に国家試験を受験するステップを踏みます。

多くの介護施設では、働きながら資格取得を目指す職員をサポートする制度を設けています。

受講費用半額補助といった講費用の全額補助や経済的支援や、試験前の勉強会開催、試験日の勤務調整などさまざまな支援があるため、就職・転職の際には確認してみるとよいでしょう。

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自分に合った介護サービスの仕事を見つけよう

ここまで、介護サービスの種類や仕事内容、自分に合った仕事を見つけるポイントや役立つ資格などについて解説してきました。

介護業界は、高齢化が進む日本社会において、今後もますます需要が高まる分野です。

未経験からでも挑戦できる職種が多く、あなたの性格や生活スタイルに合った働き方が見つかる可能性が高いです。

介護の仕事の魅力は、何といっても人の役に立つ直接的なやりがいを感じられることです。

利用者やその家族から「ありがとう」と言われる瞬間は、この仕事ならではの喜びでしょう。

また、介護技術や知識は一生の財産となり、自分自身や家族の将来にも活かすことができます。

介護業界での転職を成功させる第一歩は、あなたに合った職場を見つけることから始まります。まずはハッシュタグ転職介護の無料相談をご利用ください。

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