介護ヘルパーとは

介護ヘルパーとは、介護を必要としている高齢者の方や、障害のある方の自宅を訪問して利用者が基本的な生活を継続できるようにサポートを行う職種です。

主な仕事内容は、食事や排泄・入浴介助などの身体介護や、調理・掃除・洗濯・買い物などの家事支援が挙げられます。

また、利用者本人やご家族への精神的なサポート、ご家族に介護の技術面での指導を行うことも重要な仕事です。

ヘルパーによる介護は、大きく分けて訪問介護と施設介護の2つに分類されます。

訪問介護は利用者の自宅を訪問して介護サポートを行い、一人または少人数体制で対応していきます。

それに対し、施設介護は施設内で行われ、スタッフ同士で連携を取りながら介護サポートにあたります。

このように、両者の大きな違いは介護を行う環境にあり、それに伴って介護の体制や働き方が異なるのも違いの一つです。

少人数体制であっても、介護ヘルパーは多職種との連携能力も求められており、在宅介護サービスの中心的な担い手とされています。

介護ヘルパーは常にサービス利用者の安全を踏まえ、利用者に適した介護サポートを行っており、社会にとって大きく貢献している職種といえるでしょう。

介護ヘルパー資格の種類

質の高い介護サービスを提供するためには、介護職員のレベルアップやスキルアップを目指すことが必要です。

そのためにも、資格を取得することは長く介護業界での活躍を目指していくうえで必要不可欠になります。

また、介護に関する知識や技術に自信がつき、不安のない状態で介護現場で働くことができるでしょう。

これから介護職を始めてみたいと考えている方にとってもおすすめとなる資格を紹介していきます。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、介護職として働いていくうえで介護に関する基本的な知識や技術を習得するための研修です。

これから介護職として働きたい方におすすめの介護の入門的な資格であり、介護の理念や高齢者の特徴的な身体変化などの医学知識を学ぶことができます。

介護職員初任者研修の試験は100点満点中、70点以上で合格です。

合格ラインは9割以上とされており、難易度としては学習内容を理解していれば高くないといわれています。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修とは、介護福祉士国家試験を受けるために必須の研修です。

介護に関する基本から実用的な知識や技術の習得を目的としています。

資格を取得することでサービス提供責任者になれたり、介護福祉士の受験資格を得ることができたりなど、介護職員初任者研修と比べて仕事の幅が広がるでしょう。

介護福祉士実務者研修には試験が義務付けられておらず、修了することで介護福祉士の受験資格を得ることができます。

介護職員初任者研修と同様に、無資格から取得可能な資格のため、初めから介護福祉士実務者研修の取得を目指す人もいます。

介護福祉士

介護福祉士は3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了の方を対象に受験することができる介護の資格のなかで唯一の国家資格です。

介護職のなかでも信頼のおける資格であり、さらなるスキルアップを目指す介護従事者の多くが目指す資格でもあります。

資格取得することで専門的な知識と技術により、介護現場の責任者として管理職を任せられるようになることもあります。

介護福祉士国家試験は筆記試験と実技試験がありますが、実技試験は筆記試験の合格者が対象者です。

試験の合格点はその年の試験の難易度によって調整されますが、総得点の60％程度であり、合格ラインは58.6%となっています。

介護職員初任者研修について

介護職員初任者研修と聞くと、資格のイメージがつかず不安になる方も少なくないのではないでしょうか。

介護職員初任者研修は、介護の業界において優秀な人材の育成やキャリアアップの明確化などを目的として行われた介護保険法の規則改正によって確立されました。

初任者研修の資格があれば全国どこでも介護職として転職や就職活動を行うことができ、サービス業や家族の介護のために取得する人もいます。

資格の概要や条件などを理解することで、次に取る行動が明確になり、研修が難しそうという不安は多少なりとも取り除かれるでしょう。

資格なしでも取得できる

介護職員初任者研修の受験資格はなく、国籍や経歴を問わずに無資格から取得できる資格です。

無資格の方でも老人ホームなどの施設で介護サービスを行うことは可能ですが、利用者の自宅での訪問介護サービスは無資格だと対応することができません。

介護職員初任者研修は介護の基礎を学べる入門的な資格なので、介護のスキルアップを考えている方はぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

旧ホームヘルパー2級との違い

介護職員初任者研修はホームヘルパー2級の後継資格であり、2013年4月の介護保険法の規則改正に伴ない、介護職員初任者研修に変更となりました。

細かな違いとしては、今まで行っていた施設での実習がなくなったり、新たに研修修了後の試験が課せられるようになったりなどの違いが挙げられます。

これらは身体介護が可能になるという点で同等の資格であり、ヘルパー2級をすでに取得している場合は介護職員初任者研修を取り直す必要はありません。

介護福祉士を目指すなら取得しておきたい資格

介護職員初任者研修は、介護福祉士を目指すなら取得しておきたい資格の一つです。

介護福祉士の試験を受けるのに、介護職員初任者研修の資格は必須ではありません。

しかし、介護職員初任者研修を修了しておくことで質の高い介護サービスを行うための知識と技術を得ることができます。

介護職員初任者研修は、その先にある介護福祉士を目指す入口としての信頼された資格です。

介護ヘルパーの資格を取得するには

介護ヘルパーの資格を取得するには、どのような手順を行えばいいのでしょうか。

通信やスクールなどで資格を取得するなど、働きながらでもスムーズに転職活動に臨める環境は整っています。

取得までの時間や取得方法などを把握し、自分の状況にあった学習方法で選ぶのがベストでしょう。

資格ごとに資格費用や期間、受験条件などについて解説していきます。

介護職員初任者研修の場合

介護職員初任者研修を取得するには、通学講座と通信講座に分けられます。どちらも130時間の研修を修了し、修了試験に合格することが必要です。

通学講座では130時間全て通学し、直接指導を受けます。

それに対し、通信講座では130時間のうち90時間はスクールに通い、直接指導を受けます。残りの40時間はレポート提出などの自宅学習が基本です。

試験内容は、選択式または記述式の1時間程度の筆記試験になります。筆記試験の内容は、10科目の研修課程のなかから出題されます。

受験条件は特になく、未経験や無資格の方でも受けられる介護職のスタート資格です。

研修期間は1ヶ月〜4ヶ月程度ですが、土日や祝日に開講するコースや夏休みコースなどもあるため働きながらでも取得できる仕組みが整っています。

なかには、託児所サービスが利用できる場所もありますので詳細を確認しながら受講場所を検討しましょう。

ハッシュタグ転職介護では、未経験から介護業界への転職を目指す方をサポートする専門アドバイザーが在籍しています。あなたの希望条件やライフスタイルをしっかりとヒアリングし、未経験でも安心感を持って働ける職場を提案します。

また、未経験からどのように資格を取得し、どのような経験を積むべきかを一人の担当者が全面的にサポートします。あなたとともに、転職活動をスムーズに進めながら、理想のキャリアを一緒に築いていくことが、ハッシュタグ転職介護の強みです。

介護福祉士実務者研修の場合

介護福祉士実務者研修の内容の多くは、通信講座で学習できます。ただし、介護過程Ⅲと医療的ケアの演習のみ通学が必須なので注意しておきましょう。

研修時間は450時間で、介護福祉士初任者研修を修了している場合は320時間、期間はおおよそ6ヶ月程度です。

介護福祉士実務者研修には、修了試験がなく研修を修了することで介護福祉士の受験資格を得ることができます。

介護福祉実務者研修は通信だけでなく、昼間や夜間などにも対応しており、働きながらでも研修を受講しやすい環境を整備しています。

介護職員実務者研修と同様に研修を受ける条件は特になく、未経験からでも受講することが可能です。

介護福祉士の場合

介護福祉士国家試験は年に1回のみ行われ、全125問のマークシート形式の筆記試験になります。

受験条件は厚生労働大臣が指定した養成施設を卒業、介護業務に3年以上従事していること、介護福祉士実務者研修の修了で介護福祉士試験の受験資格を得ることができます。

その他の受験資格に関して国籍、性別、年齢、学歴などの制限はありません。

介護ヘルパーの資格を取得するメリット

介護サービスは無資格でも行うことができますが、介護ヘルパーの資格を取得することにはさまざまなメリットがあります。

資格を取得することで介護の基礎から応用までの知識と技術が身につき、介護現場で自信をもった介護サービスを行うことができるでしょう。

利用者に適した介護サービスを行えることで、利用者やご家族からの信頼を得ることができるのではないでしょうか。

キャリアアップにつながる

介護ヘルパーの資格を取得することは、今後のキャリアアップの選択肢が広がり、長期的に働くことを考えて重要なことの一つです。

介護初任者研修に合格していることで、施設介護だけでなく訪問介護ができるようになり、直接的に利用者の方に対して介護の提供が行えます。

また、介護福祉士実務者研修を修了している時点でサービス提供責任者になることができ、その上位資格でもある介護福祉士の受験資格を得ることができます。

未経験や無資格から介護業界でキャリアアップを目指している方には、ハッシュタグ転職介護の無料相談をぜひご活用いただきたいと思います。

介護業界に精通した専門アドバイザーが、あなたの不安や希望に寄り添いながら、人生のキャリアパートナーとしてしっかりサポートします。あなたの成長とキャリアアップをともに歩むため、適切なアドバイスと求人情報をご提供いたします。

年収アップになる

介護職員は資格の有無にかかわらず給与が上がっていますが、介護ヘルパーの資格を持っていることで給与の差があることがわかっています。

2022年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要によると、資格を持っていない方の平均給与額は270,530円です。

それに対し、介護職員初任者研修の資格を持っている方は302,500円、介護福祉士実務者研修の資格をもっている方は302,910円となっています。

国家資格でもある介護福祉士は331,690円とその他の資格に比べて差があり、年収アップに大きくつながっています。

出典：厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」

やりがいを感じる

無資格でも老人ホームなどでの施設介護で介護サービスを提供することは可能ですが、利用者の自宅で訪問介護サービスを提供することはできません。

こういった身体介護や生活援助などを訪問介護として行うには、介護職員初任者研修の資格が必要になります。

資格を取得することで仕事内容の幅も広がり、さまざまなやりがいを感じることができます。

出典：公益財団法人 介護労働安定センター「令和元年度介護労働実態調査」

転職に有利

実際の介護の職場で求められる基本的なスキルが身に付くため、未経験で介護業界に飛び込むよりも不安が少なく、無資格の方よりも就職先の選択肢が広がります。

介護の業界で活躍したいと考えている方は、都道府県や都道府県知事が指定した者が実施する介護職員初任者研修を修了することがスムーズな転職活動になるでしょう。

転職を考えるきっかけは、介護業界に興味があるだけではなく、今の職場では自分らしく働けず、環境や人間関係に悩んでいるといった不安があるからではないでしょうか。

そのためにも、次の職場では一つひとつの不安をしっかり解消できる環境を選ぶことが大切です。

ハッシュタグ転職介護では、介護業界に精通した専門アドバイザーが在籍しており、あなたのこれまでの経験や希望条件に寄り添いヒアリングします。

転職活動が初めてで不安の方や自分に合った職場を見つけたいと感じている方は、ぜひ一度ハッシュタグ転職介護にご相談ください。

介護ヘルパーの資格を取得する注意点

介護ヘルパーについて理解はできたけど、費用などお金の不安や未経験からの学習面などの不安もあるでしょう。

介護福祉士を目指すのに受験方法の選択によっては、100,000円〜2,000,000円と金額の幅が大きくあります。

ただし、現実的な問題を受け入れつつも、うまく制度を利用して工夫していけば自分のキャリアプランをたてることが可能です。

注意点をよく理解したうえでスケジュールをたてることで、前向きに介護ヘルパーの資格取得に挑戦することができるしょう。

費用がかかる

介護福祉士は受験料として18,380円がかかります。合格後の費用として登録の手引きにかかる9,000円の収入印紙と登録手数料3,320円が必要です。

介護福祉士実務者研修では、介護職員初任者研修取得している場合は8万円〜13万円程度、
取得していない場合は10〜15万円程度の費用がかかります。

ただし、介護職員初任者研修では資格取得のサポートをするために、無料で研修を受講する方法として次のような方法が挙げられます。

• 自治体の資格取得の支援事業を利用する
• ハローワークの職業訓練制度を利用する
• 職場先の資格取得の支援制度を利用する
• 無料のキャンペーンを実施しているスクールに通う

　

自治体や都道府県によって、資格取得支援制度の内容や利用条件は異なるので、事前に確認しておきましょう。

支援制度を利用しながら転職活動をしたいけど、自分のやり方が合っているか不安を抱えている方は少なくないのではないでしょうか。

また、支援制度がある職場に転職したいなどの希望もある方は、転職エージェントを活用することで、転職活動をよりスムーズに進めることができます。

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勉強が必要

介護職員初任者研修の修了試験は研修科目の10科目から出題されます。

試験内容は実施先によって多少違いがありますが、問題数が最低32問で各科目から1問以上の出題と決められていることから、実施先による難易度の違いはほぼありません。

勉強は必要ですが、130時間の講習内容をよく復習しておけば心配する必要はないといわれています。

旧ホームヘルパー2級で必要とされていた施設実習もなくなり、働きながらでも研修が受けやすくなっています。

また、通信講座を活用することで、隙間時間に効率よく勉強を進めることも可能です。

自分のスケジュールに合わせて勉強ができれば、働きながらでも資格取得を目指しやすいでしょう。

介護ヘルパーとして活躍したいなら

ここまで記事を読んで、介護ヘルパーのイメージはできたものの始め方の迷いはまだあるのではないでしょうか。

介護ヘルパーとして活躍するために資格スキルも必須ですが、自分に合った職場環境を選ぶことや面接対策なども重要になってきます。

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