ケアマネジャー（介護支援専門員）の受験資格

ケアマネジャーに興味はあるけれど、「どうしたら資格を取れるのだろう」と疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。ケアマネジャーの資格を取得するためには、以下の条件があります。

• 既定の国家資格か相談援助業務で一定期間の実務に従事している
• 5年以上かつ900日以上の実務経験がある

　

それぞれ詳しく解説します。

規定の国家資格か相談援助業務で一定期間の実務に従事している

ケアマネジャーの資格を取得するためには、規定の国家資格か相談援助業務で一定期間の実務に従事していることが条件となっています。

規定の国家資格とは、医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・社会福祉士・介護福祉士・視能訓練士・義肢装具士・歯科衛生士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士（管理栄養士含む）・精神保健福祉士の21種です。

以上の国家資格を取得後に、直接的な対人援助業務に一定期間従事している必要があります。国家資格を保有していない方は、介護施設で生活相談員や支援相談員などの相談援助業務に一定期間従事していれば、ケアマネジャーの資格取得が可能です。

5年以上かつ900日以上の実務経験がある

前述のとおり、21種のいずれかの国家資格を持っている方、もしくは介護施設で生活指導員や支援相談員などの相談援助業務に従事している方は5年以上かつ900日以上の実務経験があれば受験資格を得られます。

常勤や非常勤、パートなどの勤務形態は問わず、勤務時間が短い場合でも1日として算定します。しかし、同一期間に複数の業務に従事した場合は、通算できません。また、1日に2箇所で業務に従事した場合は、1日と算定します。

該当の国家資格を保有している方の場合は、当該資格の登録日以降に実務に従事した期間が通算可能です。また、該当の国家資格を保有していても直接的な対人援助業務に従事していない場合は実務経験に含まれません。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の試験内容

ケアマネジャーの資格を取得したいけれど、試験内容が難しそうと感じる方は少なくありません。ケアマネジャーの試験内容の特徴は以下のとおりです。

• マークシート式で60問
• 介護支援分野25問
• 保健医療福祉サービス分野35問

　

それぞれ詳しく解説します。

マークシート式で60問

ケアマネジャーの試験は、マークシート式で合計で60問となっています。出題方法は、5つの選択肢の中から選択する五肢複択方式です。1問につき1つもしくは複数の解答を選択します。

問題は、すべて選択式のため時間配分や読解力がとても重要です。試験時間は120分ですが、点字受験者は180分、弱視等受験者は156分となっており配慮されています。

解答が1つではない問題もあるため、問題文をしっかり理解し正しい回答をマークするスピーディーな対応が必要です。過去問を繰り返し解くことで、出題傾向も理解できるでしょう。

介護支援分野から25問

ケアマネジャーの試験内容は、大きく2つに分けられ、そのうちの一つは介護支援分野です。介護支援分野とは、介護保険制度や要介護認定、ケアプランの作成、居宅支援サービスなどのケアマネジメントの基本的な知識です。

介護支援分野からは25問出題されます。合格するためには、正答率が70％を超えなければいけません。ケアマネジャーとして働くための基本的な知識のため、しっかりと覚えておくことが重要です。

保健医療福祉サービス分野から35問

もう一つの分野は、保健医療福祉サービス分野です。保健医療福祉サービス分野からは60問中35問が出題されます。合格するためには、こちらも正答率が70％を超えなければいけません。保健医療福祉サービス分野とは、高齢者の精神的、身体的な特徴や介助方法、高齢者とのコミュニケーション知識など介護に必要な知識です。

医療や福祉の基本的な知識から応用的な知識まで幅広い内容になっています。人体の構造や薬剤などの医療系の問題も出題されるため、医療関係の仕事をしていない方には難しいと感じる方もいるでしょう。

苦手分野も繰り返しの学習で克服できるので毎日コツコツと学習することが重要です。

ケアマネジャー（介護支援専門員）試験の日程

ケアマネジャーの試験の日程はいつなのか気になる方は多いのではないでしょうか。ケアマネジャーの試験は、毎年10月頃に実施されます。

申し込み期間は、だいたい春から初夏の約1ヶ月間です。この1ヶ月の間に受験申込書を指定の配布場所からもらいます。もらいに行けない場合は、角2サイズの封筒に自分の氏名と住所を記名し切手を貼った返信用封筒を指定の場所まで送付すると受験要項を送付してもらうことが可能です。

ただし、郵送を受け付けている期日があるため、事前に調べておきましょう。必要事項を記載し書類をそろえたら簡易書留で申し込み期間内に郵送します。受付は郵送のみとなっているため、余裕を持って準備しましょう。

申し込みが終わったら受験票が届くので記載内容に誤りがないか確認し試験当日まで大切に保管しましょう。

ケアマネジャー（介護支援専門員）試験の合格率

ケアマネジャー試験は、介護保険制度の知識だけでなく医療や福祉の知識も覚える必要があるため、合格するのは難しいと不安を感じている方はいるのではないでしょうか。

ケアマネジャー試験の合格率は、年度によって変動しますが約10〜25％となっています。さまざまな職種の方が受験していますが、なかでも現役介護職の方が多く半数以上を占めています。

合格率は高くはありませんが、働きながらでも資格取得が可能です。そのため、介護職が未経験の方でも受験資格の条件を満たせば、実務経験を積みながら数年後に資格取得を目指せます。

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ケアマネジャー（介護支援専門員）の試験を受ける際の注意点

ケアマネジャー試験を受けようと決意したものの何に注意すべきかわからないという方は多いのではないでしょうか。

試験を受ける前に注意すべきポイントは以下のとおりです。

• 受験資格を満たしているか確認する
• 必要書類を確認する
• 受験地を間違えないように
• 実務経験期間の算定を確認する
• 申し込み期間を確認する
• 不明なことは各都道府県の窓口に尋ねる

　

それぞれ詳しく解説します。

受験資格を満たしているか確認する

ケアマネジャー試験を受ける前にまず注意するべきことは、受験資格を満たしているかどうかです。受験資格を満たしていなければ、当然試験を受けられません。

前述のとおり受験資格は、規定の国家資格を保有している、もしくは相談援助業務に従事していて5年以上かつ900日以上の実務経験があることです。

ケアマネジャーの資格を取得したい場合は、まず自分が受験資格を満たしているか、これから受験資格を満たすには何が必要かを確認しましょう。

必要書類を確認する

ケアマネジャー試験を受ける前に、必要書類を確認することも注意するべきポイントです。必要書類に不備があると試験を受けられません。

必要書類は、受験申込書や実務経験（見込）証明書、実務経験申込書の内容確認に必要な書類、国家資格等別の添付書類などです。

それぞれの書類に必要事項を記入するだけでなく、顔写真や支払った受験手数料の払込受領書を貼付する必要があります。受験要項をもらったら何が必要かすぐに確認することが重要です。

また、受験に必要な書類は複数あり各都道府県で異なることもあるため、事前に確認しておきましょう。

受験地を間違えないように

試験を受ける際は、受験地を間違えないように注意しましょう。ケアマネジャー試験は、各都道府県ごとに指定された会場で実施されます。試験は日本全国一斉に行われるものの各都道府県で試験会場は異なります。

自分が住んでいる都道府県で受験するのか、勤務地のある都道府県で受験するのか、行きやすい会場を選択することがおすすめです。受験申込後に受験地を変更することはできないため、事前にしっかり確認してから申し込みましょう。

実務経験期間の算定を確認する

ケアマネジャー試験を受ける前に注意するべきことは、実務経験期間の算定を確認することも挙げられます。受験資格は、原則として5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。5年以上働いていても勤務日数が900日を満たしていない場合は、試験を受けられません。

非常勤やパートでも受験資格を満たしていれば受験が可能です。短時間勤務の場合でも、1日として算定できます。

また、受験資格の条件に合う資格を保有していても登録日から算定する必要があります。登録日を確認してから実務経験期間が条件に満たしているか確認しましょう。

申し込み期間を確認する

申し込み期間を確認することも注意すべきポイントの一つです。ケアマネジャー試験には、毎年決められた申し込み期間があります。申し込み期間を間違えて把握していた場合やうっかり見逃してしまった場合は、受験することができません。

申し込み期間は、約1ヶ月間です。都道府県ごとに異なるため、自分が受験する都道府県の申し込み期間をしっかり確認しましょう。

申し込みに必要な書類もあるため、書類の準備や郵送にかかる日数を考慮して、申し込み期間に間に合うよう早めの準備が重要です。

不明なことは各都道府県の窓口に尋ねる

不明なことがある場合は、各都道府県の窓口に尋ねましょう。インターネットで調べることも可能ですが、さまざまな情報が出回っているため、なかには間違った情報もあるかもしれません。インターネットの情報だけで自己判断せず、各都道府県の窓口に問い合わせることで正確な情報を得られます。

特に初めてケアマネジャー試験を受験する方は、誤解してしまう可能性もあるので書類を早めに確認し、わからないことは各都道府県の窓口に問い合わせましょう。

ケアマネジャー（介護支援専門員）の資格を取得するメリット

ケアマネジャー試験は難しく努力して取得しても意味があるのかと疑問を持つ方もいるでしょう。ケアマネジャーの資格を取得することで以下のようなメリットがあります。

• キャリアアップできる
• 給与アッアップになる
• やりがいがある
• 夜勤や残業が少ない
• 転職で有利

　

それぞれ詳しく解説します。

キャリアアップできる

ケアマネジャーの資格を取得するメリットの一つは、キャリアアップできることです。ケアマネジャーの資格は、介護の仕事をしながら資格取得が可能です。ケアマネジャーになることで、業務の幅が広がりさまざまな業務に携われるようになります。

また、介護職の現場での経験を活かし、ケアプラン作成や介護サービス事業所との連携など利用者により快適な介護サービスが受けられるよう専門的な知識を身につけることが可能です。

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給与アップになる

ケアマネジャーの資格を取得するメリットは、給与アップが挙げられます。ケアマネジャーの資格を取得すると、基本給に資格手当が加算されることは少なくありません。そのため、介護職で働いているときよりも収入が増えることがあります。

介護職で働きながら給与がアップするケースもありますが、ケアマネジャーとして転職すると基本給が上がるケースも少なくありません。

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やりがいがある

やりがいがあることもケアマネジャーの資格を取得するメリットです。ケアマネジャーの仕事内容は幅広く、利用者と触れ合うだけでなく、適切な介護サービスを受けられるようサポートします。

自分が立てたケアプランによって、利用者が笑顔になったり快適に暮らせるようになったりする姿を見ると大きなやりがいを感じるでしょう。

ケアマネジャーの仕事は、利用者とその家族の生活を支える重要な役割です。介護職とは違ったやりがいを感じられるでしょう。

夜勤や残業が少ない

ケアマネジャーの魅力は、夜勤や残業が少ないことです。ケアマネジャーは、基本的に日勤中心の勤務のため、夜勤はありません。施設や介護事業所など働く場所によっては、残業は少なく家族との時間や自分の趣味の時間などを確保しやすくなります。

ケアマネジャーの仕事は、基本的にケアプランを立てたり各種手続きを行ったりなど事務処理が多い仕事です。自分のペースで働けることが多いため、身体的、精神的な負担は軽減されます。

ライフワークバランスを大切にしたい方には、魅力的な仕事といえるでしょう。

転職で有利

ケアマネジャーの資格を取得すると、介護業界での転職がとても有利になります。日本では、高齢化が進行しているため、これからさらに介護業界の需要が高まる傾向です。

居宅介護支援事業所や特別養護老人ホームなど、ケアマネジャーとして働く場所は多くあります。また、ケアマネジャーの資格を持っていると応募できる求人の幅も広がり、自分に合った職場を見つけやすくなるでしょう。

ケアマネジャーの資格を取得すると、5年以上の介護スキルがあることや幅広い知識があることがわかるので信頼性が高いと評価されます。

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介護職でケアマネジャーを目指すなら

ここまで、ケアマネジャーの受験資格や試験内容、資格取得のメリットを解説しました。ケアマネジャーの受験資格は、国家資格を保有している、もしくは相談援助業務に従事していて5年以上かつ900日以上の実務経験が必要です。

未経験からでも実務経験を積めば資格取得が可能です。ケアマネジャー試験の合格率は、高くはありませんが、介護職で働きながらでもコツコツと勉強すれば1回で合格することができます。

ケアマネージャー試験を受ける際の注意すべきポイントをしっかり確認し試験に備えることが重要です。

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