訪問介護とは？仕事内容と役割

訪問介護という言葉を聞いたことはあるけど、実際には何をすればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか？また、施設勤務と何が違うのかイメージできない方もいるでしょう。

以下で、訪問介護員（ホームヘルパー）が担う業務内容やサービスについて解説します。訪問介護ならではのやりがいにも触れるので、ぜひ訪問介護への理解を深めてください。

訪問介護員（ホームヘルパー）の仕事内容

訪問介護員（ホームヘルパー）は、高齢者や障害を持つ人々の自宅を訪れ、日常生活をサポートする役割を担っています。具体的には以下のような仕事が挙げられます。

• 食事の準備や食事介助
• 排泄の手伝い
• 入浴の補助
• 掃除や洗濯

また、訪問介護員は利用者の健康状態を見守りながら、必要に応じて医療機関への通院や服薬のサポートも行います。

訪問介護員の仕事では、単なる身体的なサポートだけでなく、利用者の精神的なサポートも重要です。利用者と信頼関係を築き、心のケアをすることが求められます。

そのため、コミュニケーション能力や思いやりがとても大切です。訪問介護員は、利用者ができる限り自立した生活を送れるようサポートすることを目指します。

訪問介護の3つのサービス

訪問介護には、身体介護・生活援助・通院等乗降援助の主に3つのサービスがあります。

身体介助では、食事の介助・入浴や排泄の手伝い・移動の補助など、利用者の身体的な支援を行います。

生活援助は、掃除や洗濯・買い物・調理など、日常生活を送るうえで必要な家事全般のサポートです。

通院等乗降介助では、利用者が病院や施設に通う際の送迎や、その際の介助を行います。

利用者の状態に応じてこれらの3つのサービスを組み合わせて提供し、利用者の自立支援や生活の質の向上を目指します。

訪問介護に必須の資格一覧

訪問介護に興味はあるものの、どのような資格が必要なのかわからない方も多いのではないでしょうか？以下で訪問介護に必須な資格を紹介します。

各資格がどのようなものなのか一緒に確認しましょう。

介護職員初任者研修

訪問介護の現場で働くための基本的な資格として介護職員初任者研修が挙げられます。かつてのホームヘルパー2級に相当するこの資格は、訪問介護員として働く第一歩となるものです。

研修では、介護の基礎知識・実践的な技術・利用者との接し方・感染症対策などを学びます。講義と演習を含む130時間のカリキュラムで構成されており、修了後に筆記試験に合格することで取得できます。

未経験者でも受講可能なため、介護業界に初めて挑戦する人にとってはハードルが低く、取得に向けて取り組みやすい資格です。訪問介護では、この資格を持っていることが業務の前提条件となるため、まずは取得を目指しましょう。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、訪問介護でより専門的なケアを提供するために必要な資格です。介護職員初任者研修の上位にあたる研修であり、将来的に介護福祉士を目指す場合は必須となります。

この研修では、医療的ケア（例えば喀痰吸引や経管栄養）に関する知識・より高度な介護技術・チームケアの視点などを体系的に学びます。

研修時間は450時間と長めですが、通学と通信を組み合わせた柔軟な学習スタイルで受講できるため、働きながらでも取得が可能です。

訪問介護の現場では、利用者の状態に応じた適切な判断と対応力が求められるため、実務者研修はその土台を築く重要なステップとなります。

資格の取得により、業務範囲の拡大やキャリアアップの道が開けます。

介護福祉士

介護福祉士は介護業界で唯一の国家資格で、訪問介護を含む介護分野における専門職として高く評価されています。

取得するには、一定の実務経験（通常3年以上）と介護福祉士実務者研修の修了が必要で、さらに国家試験に合格しなければなりません。

資格を取得すると訪問介護の現場でもリーダー的な役割を担うことができ、より専門的で高度なケアを提供できるようになります。また、施設系サービスやマネジメント職へのキャリアアップも視野に入れられるため、将来性の高い資格です。

給与面でも優遇されることが多く、安定した収入を得たい人にとって大きなメリットがあります。

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訪問介護員になるための資格取得方法

訪問介護員になるためには資格の取得が必要なのは理解したものの、どのように資格を取ればいいのかわからない方も多いのではないでしょうか？また、未経験者におすすめの資格は何か知りたい方もいるでしょう。

以下で訪問介護員になるための資格取得方法を解説します。

介護職員初任者研修の取得方法と費用・期間

介護職員初任者研修は、全国の介護スクールや専門学校、通信講座などで受講できます。多くの講座は通学と自宅学習を組み合わせており、仕事や家庭と両立しながら学べる点が魅力です。

研修は合計130時間で、約1.5〜4ヶ月で修了するのが一般的です。費用は地域やスクールによって異なりますが、50,000〜100,000円程度が相場といわれています。

自治体によっては補助金制度や給付金制度を活用できる場合もあるため、事前に確認するとよいでしょう。修了後に簡単な筆記試験を受け、合格すれば資格を取得できます。

未経験からでも取り組みやすい、訪問介護の第一歩となる資格です。

介護福祉士実務者研修の取得方法と費用・期間

介護福祉士実務者研修は、介護福祉士の国家試験を受験するために必要な資格です。受講は全国の専門学校や民間の研修機関で可能で、通信学習と通学を組み合わせた形式が一般的です。

研修期間はおおよそ6ヶ月前後で、450時間のカリキュラムが用意されています。費用は受講者の保有資格や実施機関によって異なり、100,000〜250,000円が目安です。

ただし、自治体の補助金制度や教育訓練給付金を活用すれば、実質的な負担を軽減できるでしょう。

実務に役立つ知識と技術が身につき、訪問介護でもより専門的な対応ができるようになります。

介護福祉士の取得方法と費用・期間

介護福祉士の資格を取得するには、主に3年以上の実務経験と介護福祉士実務者研修の修了が必要です。その後、毎年1月に実施される国家試験に合格することで、正式に資格を取得できます。

試験内容は介護知識や倫理、医療的ケアなど幅広い分野にわたり、合格率は約70％前後です。

受験費用は13,000円程度で、試験対策のために通信講座や予備校を利用する場合は別途数万円かかることもあります。

実務経験を積みながら準備を進められるため、働きながら資格を目指す人にも適しています。国家資格としての信頼性が高く、訪問介護をはじめとする介護現場での活躍の場が広がるでしょう。

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訪問介護で役立つその他の資格

訪問介護で必要となる基本的な資格以外にも、取得すべき資格があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。また、訪問介護についてより知識を深めたいという方もいるでしょう。

以下で、訪問介護に役立つその他の資格を解説します。

喀痰吸引等研修

喀痰吸引等研修は、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを、一定の条件下で介護職員が行えるようになるための研修です。

訪問介護では、場合によっては医療的なニーズを持つ利用者への対応が求められます。その際、この研修を修了していれば、より専門的なケアを提供できるようになります。

研修は基本研修と実地研修に分かれており、座学と実技を含めた合計50時間程度が一般的です。費用は第1号研修で60,000円〜200,000円ですが、介護福祉士実務者研修の資格を取得していれば実地研修のみで良いため、20,000円〜30,000円が目安となります。ただし、実地研修先をどのように選ぶかによっても費用が異なるため、事前に調べておくとよいでしょう。

医療的ケアが必要な利用者を担当できるようになることで、介護職員としての活躍の幅が広がり、信頼性やキャリアアップにもつながります。より深いケアを目指す方におすすめの資格です。

重度訪問介護従業者養成研修

重度訪問介護従業者養成研修は、重度の肢体不自由・知的障害・精神障害を持つ利用者に対して、日常生活全般の介護を提供するために必要な研修です。この研修を修了することで、重度訪問介護という24時間体制の支援サービスに従事できるようになります。

研修は基礎研修と追加研修に分かれており、合計で20程度のカリキュラムが用意されています。費用は15,000円〜20,000円程度が一般的で、通信と通学を組み合わせた形式で受講可能です。

訪問介護のなかでも特に専門性が求められる分野であり、資格を取得することで対応できる利用者の幅が広がります。将来的に重度の利用者支援に携わりたい方にとって、有意義な資格といえるでしょう。

難病患者等ホームヘルパー養成研修

難病患者等ホームヘルパー養成研修は、ALS（筋萎縮性側索硬化症）など特定の難病を抱える利用者に対して、安全性の高い適切な介護サービスを提供するための専門研修です。

難病の症状や進行には個人差があり、一般的な介護知識だけでは対応が難しいケースもあります。この研修では、疾患ごとの理解や適切な介助技術、医療的ケアの知識を習得できます。

研修は入門過程・基礎課程Ⅰ・基礎課程Ⅱの3つに分かれており、受講時間と費用は以下のとおりです。

• 入門課程：4時間、自治体によっては無料
• 基礎課程Ⅰ：4時間、9,500円
• 基礎課程Ⅱ：6~8時間、12,500円

多くの民間研修機関や自治体で実施されており、無料で受講できる場合もあります。

この資格を持っていれば、難病患者への訪問介護に自信を持って対応できるようになり、介護職としての専門性と信頼性が高まるでしょう。

認知症介護基礎研修

認知症介護基礎研修は、訪問介護を行ううえで避けて通れない認知症ケアの基本を学ぶための研修です。

認知症の利用者と接する際には、適切な声かけ・接し方・症状への理解が不可欠です。この研修では、認知症の種類・進行段階・周辺症状への対応方法などを基礎から学べます。

研修時間は6時間程度と短めであり、費用も5,000円程度と受講しやすい点が魅力です。多くの自治体が主催しており、介護職として働くうえで早めに受講しておきたい研修のひとつです。

認知症に対する理解を深めることで、訪問介護中のトラブルを未然に防ぎ、より安心で信頼される支援を提供できるようになります。

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者が安心して暮らせる住まいの提案・調整を行うための資格です。訪問介護においても、利用者の自宅での生活環境を安全・快適に保つことがとても重要です。

この資格を取得すれば、住環境に関する専門的な視点からアドバイスができるようになります。

資格試験は東京商工会議所が主催しています。資格には2級と3級があり、3級は初心者向けで誰でも受験可能です。試験は年2回実施されており、受験料は3級が5,500円、2級が7,700円です。

独学での合格も十分可能な内容となっており、介護職としての信頼性や提案力を高める武器になります。利用者やその家族に対し、より包括的なサポートを提供したい方におすすめの資格です。

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訪問介護の資格を取るメリット

訪問介護の資格取得に関して、お金と時間をかける価値があるのかと懐疑的な気持ちになる方もいるでしょう。以下で訪問介護の資格を取るメリットについて詳しく解説します。

資格取得で給与がアップする可能性

訪問介護において、資格の有無は給与に大きく影響します。特に、介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士を取得すると、基本給や手当が増える傾向にあります。

介護事業所によっては、資格ごとに明確な給与テーブルを設定している場合も多く、スキルに応じた待遇を受けやすくなるでしょう。

また、資格を持っていることで昇給や正社員登用のチャンスが広がり、将来的な収入の安定にもつながります。自治体や介護事業所によって金額に差はあるものの、資格手当として月10,000円〜20,000円加算されるケースが多く、モチベーション向上にも効果的です。

資格取得は、自身の成長と収入アップの両方に直結する大きな一歩といえるでしょう。

働き方の選択肢が広がる

訪問介護の資格を取得することで、働き方の選択肢が大きく広がります。資格があればフルタイムの正社員だけでなく、パートや登録ヘルパーとして短時間勤務も可能になり、自分のライフスタイルにあわせた働き方を選べるようになります。

特に子育てや介護と両立したい人にとっては、柔軟な勤務が可能な訪問介護は大きな魅力です。

また、訪問介護だけでなく、デイサービスや有料老人ホームなどほかの介護施設でも資格を活かせます。そのため、職場の選択肢も豊富といえるでしょう。

さらに、経験を積めばサービス提供責任者などの管理職という道も選べるため、キャリアの選択肢も広がります。資格を持つことで、自分に合った働き方を実現しやすくなります。

キャリアアップにつながる

訪問介護で資格を取得することは、将来的なキャリアアップにも直結します。

例えば、介護職員初任者研修から始めて、実務者研修や介護福祉士と段階的にスキルを積み重ねたとします。その場合には、サービス提供責任者や施設管理者など、より上位の職種へのキャリアアップが目指せます。

また、資格を持つことで介護現場での信頼性が高まり、リーダー的役割を任されやすくなるでしょう。

さらには研修講師や育成担当などのポジションにも挑戦でき、転職や再就職時にも有利に働くため、長期的に安定して働きたい人にとって大きな強みとなります。

資格の取得は、キャリアの可能性を広げる確かな武器となるでしょう。

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訪問介護員に向いている人の特徴

訪問介護に興味はあるものの、自分に向いているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。また、訪問介護は自分一人ですべてを行う必要があり、不安に感じている方もいるでしょう。

以下で、訪問介護に向いている人の特徴を解説します。

1対1のコミュニケーションが得意な人

訪問介護の現場では、利用者と1対1で関わる場面が少なくないため、深い信頼関係を築くことが求められます。そのため、相手の気持ちに寄り添って丁寧にコミュニケーションを取れる人は、この仕事に向いています。

たとえ言葉にしづらい悩みや要望があっても、表情やしぐさから気付ける観察力や共感力も大切です。

また、日々の介護を通じて信頼が深まれば、利用者の安心感にもつながってより質の高いサービスが提供できます。人と人とのつながりが重視される仕事だからこそ、1対1のやりとりを楽しめる人は、大きな強みを持っているといえるでしょう。

話す力、聴く力を活かしたい人にはぴったりの仕事です。

自分でスケジュール管理ができる人

訪問介護は、施設勤務とは異なり複数の利用者宅を訪問してケアを行うスタイルです。そのため、1日のスケジュールを自分で把握・管理する能力がとても重要です。

訪問の時間帯・移動時間・仕事に必要な準備などを計画的に進めることで、スムーズな介護サービスが可能になります。

また、予期せぬ変更や急な依頼が発生することもあるため、全体のスケジュールを崩さずに臨機応変に対応する力が求められます。スケジュール管理の力は、仕事の効率だけでなく、利用者からの信頼にもつながる大切なスキルです。

自律的に行動でき、時間厳守を徹底できる人は、訪問介護に向いているといえるでしょう。

柔軟で臨機応変な対応ができる人

訪問介護では、利用者一人ひとりの体調や生活状況が日によって変化するため、決められた対応だけでは不十分な場面も多々あります。そんなときに求められるのが、柔軟で臨機応変な対応力です。

例えば、予定外の支援が必要になったり利用者の気分にあわせた対応が求められたりと、瞬時の判断が介護の質を左右します。

また、家庭ごとのルールや設備も異なるため、環境に応じて自分のやり方を調整する柔軟性も必要です。マニュアルに頼るだけでなく、目の前の状況にあわせて適切な行動が取れる人は、訪問介護の現場で信頼されやすく長期にわたって活躍できるでしょう。

訪問介護は、思いやりと冷静な判断力を兼ね備えた人にぴったりな仕事です。

訪問介護の資格を取得して理想の職場を見つけよう

訪問介護の資格を取得すれば、職場の選択肢が大きく広がって自分の希望に合った働き方を実現しやすくなります。また、理想の働き方を実現するには職場選びも重要です。

とはいえ、自分一人で転職活動を進めるのは不安、職場の選び方がわからないという方も多いのではないでしょうか。

ハッシュタグ転職介護は、未経験の方でも安心感を持ってご相談・ご登録いただける転職エージェントです。

「介護職に興味はあるけれど、経験がなくて不安」「自分に合った働き方を一から考えたい」そんな方も、介護業界に精通したアドバイザーが、あなたの不安に寄り添いながら、理想の職場を一緒に見つけていきます。

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