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仕事・働き方

2026.8.31

認知症ケア専門士になるには何が必要?受験資格と取得方法を解説

介護施設で働く方なら、一度は認知症の利用者への関わり方に悪戦苦闘した経験があるのではないでしょうか。

「どうしてあのような行動をするのか」「どのように対処すればよいのか」などといった疑問を持つ方も少なくないでしょう。

認知症の特徴や適切な関わり方を学べる資格の一つに、認知症ケア専門士があります。

認知症ケア専門士は、認知症に対する知識とスキルを持った専門家として介護・医療業界で注目されている資格です。

資格名を聞いたことはあってもどのような資格なのか、具体的にイメージがつかず、一歩を踏み出せない方もいるかもしれません。

本記事では、認知症ケア専門士の受験資格や取得方法、試験の概要をわかりやすく解説します。さらに資格取得後の職場での活かし方やキャリアの展望についても紹介します。

認知症ケア専門士の資格取得を通じて認知症についての理解を深め、キャリアの幅を広げたいとお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

認知症ケア専門士になるには何が必要か

白バックの若い男女の介護士

認知症ケア専門士に興味があるものの、今の自身の状況で資格が取れるのかわからず不安を感じる方もいるでしょう。

認知症ケア専門士になるには、一定の実務経験手続きが必要です。ほかにも取得方法や試験形式にいくつかの特徴があります。

資格取得のためには、まず何が必要かを把握することが大切です。必要事項の正しい情報が得られれば、不安を払拭し、資格取得に向けて前向きな姿勢が持てる一助となるでしょう。

次章からは、認知症ケア専門士に必要な資格や手続き、試験形式の詳細について順序立てて解説していきます。

認知症ケア専門士の受験資格

指を1本立てる介護士

認知症ケア専門士は2005年にスタートした日本認知症ケア学会が認定する民間資格で、資格保有者数は全国で約32,000人にのぼります。

本資格を取得できる職種には、制限が設けられていないのが特徴です。介護福祉士や看護師、理学療法士などさまざまな職種が認知症ケアの専門家として活躍しています。

認知症ケア専門士の取得に際して重要なのは、実務経験と年数および業務内容です。詳しく見ていきましょう。

実務経験と認められる業務内容

実務経験と認められる業務内容とは、介護施設や医療機関などで提供される認知症に対する援助全般を指します。

認知症ケアを専門とする施設以外でも、実務経験の証明ができる点が特徴です。

必要な実務年数と算定方法

認知症ケアの実務経験が3年以上であれば受験が可能です。実務経験の算定方法は、受験予定年度の3月31日からさかのぼって10年前の4月1日の期間と定められています。

2026年度に受験申請する場合を例にとると、2016年4月1日〜2026年3月31日の間に3年以上認知症ケアに従事すれば試験が受けられる仕組みです。

受験対象となる職種

すでに述べたように、認知症ケア専門士の受験資格では職種は問われません。また、介護福祉士やケアマネジャーといった資格を保有していなくても、認知症ケアに3年以上従事した経験があれば受験できます。

ただし、ボランティア活動や実習などでの認知症ケアは実務経験には含まれないため注意しましょう。

認知症ケア専門士の取得方法

OKサインをする介護福祉士

認知症ケア専門士の資格試験は1つではありません。第1次認定試験と第2次認定試験の2段階が用意されているのが特徴です。

申し込みは申請時のみではなく、各試験ごとに行う必要があり、提出書類も規定様式での送付が求められます。申請料や受験料、登録料もそれぞれの段階で納付するシステムです。

申請期間を過ぎたり提出書類が不足したりといった不備があると、いくら試験対策が万全でも認定要件を満たせず、残念な結果につながりかねません。後悔しないためにも申請のフローや注意点をきちんと理解しておくことが重要でしょう。

本章では認知症ケア専門士の取得方法について説明します。

資格取得までの全体の流れ

認知症ケア専門士の資格取得までのフローは以下のとおりです。

  • 第1次認定試験受験申し込み
  • 第1次認定試験
  • 第2次認定試験受験申し込み
  • 第2次認定試験
  • 登録申請
  • 資格取得

第1次、第2次と認定試験が2段階用意されており、それぞれの段階で申し込みが必要となります。第1次試験合格者が第2次試験を受けられる仕組みです。

受験を申し込む前に、願書にあたる受験の手引きの購入が求められます。また、各試験の申し込み時には審査料、登録申請時には登録料の納付が必要です。

さらに登録申請では研修動画の視聴が必須となっています。視聴後、所定の書類を提出し、登録料の納付確認を経て認定証が送付された時点で資格取得完了です。

注意点として、資格取得後は5年ごとの更新が義務付けられています。

資格取得に必要な手続き

明るい必要書類のタイトル画像

認知症ケア専門士の第1次認定試験を受ける際は次に挙げる書類を提出しなければなりません。

  • 認知症ケア専門士認定試験受験申請書(第1次試験)
  • 認知症ケア実務経験証明書
  • 第1次試験受験資格確定済証貼付用紙(再受験者のみ)
  • 作成した申請書類のコピー(2部)

第2次認定試験の受験時は受験申請書・論述問題(事例)に対する論述用紙・作成した申請書類のコピー(各3部)の提出が必要となります。

いずれも日本認知症ケア学会が規定する様式での提出が必要です。入手方法は受験の手引きに同封の書類を使用するか、認知症ケア専門士公式サイトからもダウンロードできます。

資格取得までにかかる期間の目安

資格取得の申請開始から約4ヶ月後に第1次認定試験が開催され、1ヶ月半後に第2次試験が行われるのが例年のスケジュールです。

日程の詳細は次章で説明しますが、原則として第1次認定試験は試験後2ヶ月以内、第2次試験は3ヶ月以内に合否が発表されます。

申請時に必要な書類の準備や認定証が届くまでの期間を考慮すると、申請から資格取得までには1年程度を要すると見積もっておくと妥当でしょう。

認知症ケア専門士の取得方法や特徴を頭では理解できても、実際に資格を取って職場を変える決心がつかないという方もいるかもしれません。

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認知症ケア専門士認定試験の概要

マークシート 記入

認知症ケア専門士の資格が創設された目的は、認知症ケアの質の向上と倫理観に基づいた専門性の高い人材の育成とされています。

この目的を踏まえ、認知症ケア専門士の試験では認知症に関する知識やスキルはもちろん、それらを現場で活用できる実践力と倫理性が問われるのが特徴です。

出題項目は4区分に分かれており、医療や介護の分野をはじめ社会的資源やリハビリテーションの領域に至るまで、広範囲かつ包括的な内容となっています。

実施形式や評価方法の理解も欠かせません。以下で詳しく見ていきましょう。

認定試験の区分と構成

認知症ケア専門士の第1次認定試験はマークシート方式の五者択一問題が採用されています。以下の4区分から出題され、問題数は各分野50問ずつで試験時間はそれぞれ60分です。

  • 認知症ケアの基礎
  • 認知症ケアの実際Ⅰ:総論
  • 認知症ケアの実際Ⅱ:各論
  • 認知症ケアにおける社会資源

第2次認定試験は論述問題で構成され、認知症ケアの事例3題に対する問題が論述形式で出題されます。

出題範囲

参考書 勉強イメージ

認知症ケア専門士の出題範囲は、既述した4区分を軸として多岐にわたるのが特徴です。公式テキストとして、日本認知症ケア学会が発行する認知症ケア標準テキストが知られています。

全5巻のうち1〜4巻は第1次試験対策用としての位置づけです。認知症の定義や変遷、特徴など概論的な領域から薬物療法やリハビリテーション、終末期のケアなど各論領域までさまざまな内容が網羅されています。

第2次試験の参考書籍である第5巻は、施設と在宅における認知症ケアの事例を集めた内容です。

評価方法

第1次試験の合格ラインは、各分野70%以上の正答率とされています。つまり、4分野すべてで7割以上をクリアしなければ第1次試験合格とはなりません。

この評価方法はハードルが高い印象を受けますが、各分野の合格有効期間は5年間と規定されています。

例えば4分野のうち1分野が不合格だった場合、不合格となった1分野のみ再試験を受けて5年以内に合格すれば第2次認定試験の受験資格が得られる仕組みです。苦手分野に集中して試験対策ができる点は有利といえるでしょう。

次に、第2次試験の合格要件は以下のとおりです。

  • 適切なアセスメントの視点を有している方
  • 認知症を理解している方
  • 適切な介護計画を立てられる方
  • 制度および社会資源を理解している方
  • 認知症の方の倫理的課題を理解している方

論述内容が上記の5つすべてを満たした場合に合格となります。認知症に関する断片的な知識ではなく、体系的な理解と実践能力が試される内容です。

実施形式と日程

指差す医療女性

はじめに実施形式について解説しましょう。第1次試験はWeb形式で行われます。自身のパソコンやタブレットなどを使用したインターネット上での試験のため、試験会場へ足を運ぶ必要はありません。

当日に支障なく試験が受けられるよう、事前に端末の動作確認期間が設けられているのが特徴です。

第2次試験は、かつては実地形式で面接も行われていましたが、コロナ禍の影響で2020年以降は自宅で作成した論述用紙を郵送で提出する形式に変更されています。

日程については、第1次認定試験は7月上旬に実施されるケースが一般的ですが、年度によって時期がずれる場合もあるため注意しましょう。

第2次認定試験の答案用紙の提出受付期間は8月下旬から9月下旬まで約1ヶ月間設けられており、ほかの申請書類と併せて送付するよう規定されています。

実施形式は変更される場合があるため、認知症ケア専門士認定試験の公式ホームページなどをこまめに確認しておくことが大切です。

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認知症ケア専門士試験の合格率と難易度

パソコン操作をする女性スタッフ

認知症ケア専門士の受験資格や取得方法、試験の概要については理解できたものの、実際どのくらいの確率で合格するのか気になる方は少なくないでしょう。

あるいは2段階の試験構成や出題範囲の広さから、難しそうだとしり込みする方もいるかもしれません。

介護職員が目指せる資格はさまざまですが、そのなかで認知症ケア専門士がどの程度のレベルなのか客観的データを把握しておくことも重要です。

この章では合格率難易度について紹介します。

合格率

認知症ケア専門士の合格率は50%前後で推移しています。高いとはいえない確率ですが、早い段階から準備をしておけば合格する可能性は十分にあるといえるでしょう。

難易度

難易度 EASYからHARDまで

介護関連の資格のなかでも、認知症ケア専門士はやや難易度の高い資格として認識されているのが特徴です。要因として3年以上の実務経験や手続きの煩雑さ、2段階の試験形式などが挙げられます。

出題範囲が広いのも難易度が高いといわれる一因でしょう。公式テキストや過去問を使用して学習に取り組みながら、余裕を持って準備を進める計画性が不可欠です。

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認知症ケア専門士取得後のキャリア

訪問介護する女性と高齢者(笑顔)

ほかの国に類を見ない速さで進む高齢化に伴い、認知症を患う高齢の方は増加の一途をたどっています。

認知症には徘徊や異食などさまざまな症状がありますが、対応が難しいケースが少なくないのが実情です。

認知症の利用者が増え続ける介護現場において、適切な対処法の知識を持つ認知症ケア専門士は欠かせない存在になりつつあるといえます。

資格を取得すれば、今の働き方以外に多方面で活躍できる可能性が広がるでしょう。

この章では認知症ケア専門士取得後のキャリアをいくつか紹介します。

認知症ケア専門業務への関与

職場内の認知症ケア委員会などで活躍したり、認知症についての勉強会を開催したりと、認知症ケアの専門業務に従事するのが資格取得後の代表的な働き方の一つです。

認知症ケアに特化した指導的立場や相談業務を任されるケースもあります。

さらに上位資格である認知症ケア上級専門士の資格を取れば、認知症ケアについての高度な知識とスキルを持つ人材として評価され、リーダーや管理職などの地位に就く可能性も十分にあるでしょう。

医療機関や地域連携との関わり

メディカルチーム

認知症の利用者が施設から病院へ入院する際や自宅に戻る際、環境の変化により認知症状が進行し不穏行動が強まるケースが少なくありません。

認知症ケア専門士が間に入り医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーと注意点や対応法を共有することで、環境が変わっても不穏行動の増長を抑えられる場合があります。

他職種との連携においても専門性が重宝される大切な役割といえるでしょう。

認知症ケアに関わり続けるキャリア

介護施設やグループホーム、デイサービスなど、認知症ケア専門士の需要は場所を問わず高まっているのが現状です。

近年は、認知症ケアへの取り組みを強化し、認定機関として評価を受ける施設も増えています。認知症ケア認定機関は、認知症ケア専門士を2名配置することが条件とされており、資格を取得すれば転職の際有利となる可能性が高いでしょう。

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認知症ケア専門士を取得してキャリアアップにつなげよう

笑顔の医療看護系スタッフ

認知症を持つ高齢者の増加に伴い、認知症ケア専門士の需要が上昇しています。認知症ケア専門士は、認知症ケアに関する知識と実践力の証しとなる資格です。

受験資格や取得方法、試験概要をきちんと理解することは、資格取得を叶えるうえで重要なステップです。

難易度が高いといわれる資格ですが、計画的に準備を進めれば取得できる可能性は十分にあります。難しい試験をクリアすれば、自信にもつながるのではないでしょうか。

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