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仕事・働き方

2026.8.28

介護記録の目的とは|書き方のポイントやシーン別の例文、注意点を解説

介護現場では、日々のケアと同じくらい重要な業務が介護記録です。しかし、正しく書けているか不安に感じたり、忙しい業務のなかで記録作成に時間がかかったりと負担に感じている方も少なくありません。

介護記録は、ケアの質を高めるだけでなく、法的な証拠として自分自身を守る役割も担います。

この記事では、介護記録の目的から正しい書き方のポイント・シーン別の具体例・注意点までをわかりやすく解説します。

記録業務への理解を深め、現場で役立つ知識としてぜひ活用してください。

介護記録の目的とは

考えるケアスタッフ

介護記録は、介護保険制度のもとで作成が義務付けられている重要な書類です。

単なる事務作業と思われがちですが、利用者への質の高いケアを実現し、介護サービスの根拠を示すために欠かせません。ここでは、介護記録がなぜ必要なのか、その目的を5つの観点から整理します。

介護保険制度により作成や保管が義務付けられているため

介護記録は、介護保険法に基づき作成と保管が義務付けられています。厚生労働省令により、介護保険サービスが終了してから原則2年間の記録保管が必要とされています。

しかし、多くの自治体では条例により5年間の保管を義務付けているケースがとても多く見られるため、所在する自治体の規定を確認することが重要です。

記録が不十分だった場合、介護報酬の返還や指定取消といった重大な処分につながる可能性があります。制度を適切に運用するためにも、正確な記録作成は欠かせません。

スタッフ間で情報共有しやすくするため

OKサインの介護福祉士

介護現場では、一人の利用者に対して複数のスタッフが関わります。早番・遅番・夜勤といったシフト制の勤務体制のなかで、利用者の状態やケア内容を正確に引き継ぐには記録が重要な役割を担っています。

記録を通じて情報を共有することで、誰が対応しても一貫したケアを提供できます。介護士だけでなく看護師や理学療法士など、多職種との連携を円滑に進めるうえでも記録は欠かせません。

介護内容の証明となるため

介護記録は、提供したサービス内容を証明する法的な根拠となります。万が一、利用者やご家族からクレームや訴訟があった場合に記録が適切に残されていれば、どのようなケアを行ったのかを客観的に示すことができます。

逆に記録がない場合、適切なサービスを提供していても証明できません。日々の記録は介護職員自身を守る大切な手段です。

介護サービスの質を高めるため

記録を振り返ることで、利用者の変化や傾向を把握しやすくなります。例えば、食事量の推移や排泄のパターンや体調の変化などを時系列で確認することで、より適切なケアプランの見直しにつながります。

記録を分析することで、現在のサービスが利用者に適しているのか、改善できる点はないかを検討できるでしょう。継続的な質の向上を目指すうえで、記録は重要な材料です。

利用者家族との情報共有のため

ケアスタッフ

介護記録は、利用者のご家族との信頼関係を築くうえでも重要です。施設での様子や健康状態、日々の活動内容などを記録に残すことで、ご家族に納得感を提供できます。

ご家族から質問があった際にも、記録があればすぐに確認して回答できます。透明性のある情報共有は、良好な関係を維持するために欠かせません。

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介護記録の書き方のポイント

寝ているシニア女性を介護をする介護士

介護記録を書く際には、いくつかの基本ルールを押さえることが大切です。

自己流で記録を書いていると、ほかのスタッフに伝わりにくかったり、情報が不足していたりする可能性があります。

上司や職員からの指摘を受けて、どのように改善すればよいのか悩んでいる方も少なくないでしょう。読み手が正確に理解できる記録を作成するためのポイントを、6つの視点から解説します。

文末は常体で揃え体裁を整える

介護記録は、基本的に常体(だ・である調)で統一します。記録は過去の事実を記載するため、「~した」「~だった」といった表現が一般的です。

ただし、利用者の訴えを記載する際には現在形で書くこともあります。例えば、腰が痛いと訴えありといった場合、発言をそのまま記録します。全体として文体を統一し、読みやすい記録にしましょう。

5W1Hを意識する

エプロン姿の女性(家政婦・介護士)

記録を書く際には、5W1H(いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように)を意識することが重要です。これらの要素を盛り込むことで、状況が明確に伝わります。

例えば、10時30分・食堂で・利用者Aさんが・昼食を食欲不振のため・半分残したといったように、必要な情報を漏れなく記載します。後から見返したときに、誰が読んでも正確に理解できることが大切です。

具体的に記載する

抽象的な表現は避け、できるだけ具体的に記載しましょう。数値や固有名詞を使うことで、より正確な情報を伝えられます。

例えば「食事をたくさん食べた」ではなく、主食を全量、副食を8割摂取したと書きます。

また「機嫌が悪かった」ではなく、「表情が硬く職員への返答が少なかった」といった客観的な描写を心がけましょう。

客観的な表現にする

介護記録では、個人の主観や憶測を避け、事実のみを記載することが原則です。

「〜のように見えた」「〜だと思った」といった表現は、記録者の推測が入っているため適切ではありません。

観察した事実を淡々と記載し、推測が必要な場合は可能性があるなど慎重な表現にとどめます。客観的な記録は、ほかのスタッフとの情報共有やトラブル時の証拠として役立ちます。

簡潔に書く

施設とスタッフ

介護記録は、簡潔でわかりやすいことが重要です。長々とした文章は読みづらく、重要な情報が埋もれてしまう可能性があります。

一文は短くまとめ、要点を絞って記載しましょう。余分な修飾語や冗長な表現は省き、必要な情報だけを的確に伝える工夫が求められます。

専門用語を記載する際には必要に応じて補足する

介護現場では専門用語や略語が多く使われますが、記録に記載する際には注意が必要です。多職種や外部の関係者が読む可能性も考慮し、わかりにくい用語には補足説明を加えましょう。

例えばADLが低下と書くだけでなく、ADL(日常生活動作)が低下と記載することで、誰が読んでも理解できます。ただし、事業所内で統一された用語については、そのまま使用しても問題ありません。

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シーン別の介護記録例文

パソコンを使う女性(考える・困る)

実際の介護現場では、さまざまな場面で記録を残す必要があります。理論的な説明だけでは、実際の記録に落とし込むのが難しいと感じる方も少なくないでしょう。

ここでは、日常的な場面ごとに具体的な例文を紹介します。

食事の介護記録の例文

食事介助の記録では、食事量や摂取状況、利用者の様子を具体的に記載します。通常の食事の場合は次のように記載します。

12時、昼食を開始。主食を全量、副食を9割摂取。水分は150ml摂取。食事中の様子は穏やかで、自力で箸を使用して摂取した。

食欲不振の場合は、利用者の訴えや様子もあわせて次のように記録します。

12時、昼食を開始。主食を半分、副食を3割摂取。あまりお腹が空いていないとの訴えあり。食事中の表情は普段より硬く、箸を持つ手の動きが遅かった。水分は100ml摂取。

このように、摂取量を具体的な割合や数値で示し、利用者の様子も客観的に記録します。

排泄介助の介護記録の例文

排泄介助の記録では、時間や排泄物の状態、介助の内容を記載します。

トイレ誘導を行った場合は、移動方法や排泄の有無を次のように記録します。

14時30分、トイレ誘導。自力で歩行し、トイレへ移動。排尿あり。リハビリパンツは汚染なし。手洗い後、居室へ戻る。

おむつ交換の場合は、排泄物の状態や皮膚の状態も確認して次のように記録します。

15時、おむつ交換実施。排便あり(普通便)。臀部に発赤なし。清拭後、新しいおむつに交換完了。

排泄記録では、プライバシーに配慮しつつも、必要な情報を漏れなく記載することが大切です。

入浴介助の介護記録の例文

PCで事務作業をする笑顔のアジア人女性

入浴介助の記録では、入浴方法や利用者の様子、皮膚の状態などを記録します。一般浴を実施した場合は次のように記載します。

10時、一般浴を実施。脱衣時、背部に軽度の発赤を確認。入浴中は穏やかな表情で、気持ちよいとの発言あり。洗体・洗髪を介助。入浴後、保湿剤を塗布。バイタルサインは安定。

機械浴の場合は、移乗時の対応人数や安全面への配慮も記録しましょう。

14時、機械浴を実施。移乗時は職員2名で対応。入浴中、顔色良好で会話もスムーズ。右肘内側に軽度の擦過傷を確認し、入浴後に軟膏塗布。

入浴記録では、皮膚の状態や健康面の変化に特に注意を払います。

トラブルが起こった際の介護記録の例文

トラブルや事故が発生した場合は、経緯や対応を詳細に記録します。

転倒が発生した場合は、発見時の状況や対応を時系列で記録しましょう。

16時20分、居室で利用者Bさんが床に座り込んでいるのを発見。立ち上がろうとしたら足がもつれたとの訴えあり。外傷なし、意識清明。看護師に報告し、バイタルサイン測定。血圧120/80mmHg、脈拍72回/分、体温36.5度。様子観察を継続。ご家族へ電話連絡済み。

体調不良の場合は、訴えの内容や観察した症状を詳しく記録します。

10時30分、利用者Cさんが頭が痛いと訴え。顔色がやや青白く、額に手を当てている様子。バイタルサイン測定:血圧135/85mmHg、脈拍80回/分、体温37.2度。看護師に報告し、居室で安静にして様子観察。11時に再度確認予定。

トラブル時の記録では、発生時刻や状況・対応内容・報告先を明確に記載することが重要です。

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介護記録の書き方のNG例

頭を抱える若い医療系女性

介護記録では、避けるべき書き方がいくつかあります。自分の記録が問題になっていないか不安を感じていても、何がNGなのか明確に理解できていない方も少なくないでしょう。

ここでは、実際に見られる不適切な記録例と、その改善方法を紹介します。

まず、主観的な表現は避ける必要があります。利用者は幸せそうだったという記録は主観的な判断であり不適切です。

これを笑顔で楽しかったと発言ありと書き換えることで、観察した事実を客観的に記載できます。

次に、曖昧な表現も改善が必要です。食事をあまり食べなかったという記録では具体的な状況が伝わりません。

主食を3割、副食を半分摂取と具体的な数値や割合で示すことで、正確な情報を伝えられます。

専門用語の乱用にも注意が必要です。ADL低下のためFIM低下という記録は、専門知識がない方には理解しにくい内容です。

日常生活動作(ADL)が低下し、機能的自立度(FIM)も低下と補足説明を加えることで、誰が読んでも理解できます。

また、断定的な表現も避けるべきです。転倒したに違いないという記録は推測に基づいており不適切です。

床に座り込んでいる状態を発見。立ち上がろうとして転んだとの訴えありと、確認できた事実と利用者の発言を正確に記載しましょう。

さらに、個人情報の不適切な記載にも注意が必要です。具体的な病名や家族の個人情報を必要以上に記載することは避け、記録の目的に沿った情報にとどめることが大切です。

効率よく介護記録を書くためのコツ

笑顔の男女スタッフ(カメラ目線)

介護記録は重要な業務ですが、効率化できる部分もあります。

介護記録に時間を取られ、それ以外の業務に影響が出ていると感じている方も少なくないでしょう。ここでは、記録作成をスムーズに進めるための工夫を紹介します。

まず、テンプレートの活用が効果的です。頻繁に記載する内容については、事業所で統一されたテンプレートや定型文を活用しましょう。

次に、メモを活用する習慣をつけることが大切です。ケア中に気付いたことはその場でメモを取りましょう。後からまとめて記録する際に詳細を思い出しやすくなります。

また、記録は早めに作成することが理想です。時間が経つと記憶が曖昧になるため、できるだけケア直後に記録を作成しましょう。

ICTツールの活用も効率化に役立ちます。介護記録システムやタブレット端末を導入している事業所では、これらのツールを積極的に活用しましょう。

さらに、完璧を求めすぎないことも大切です。記録は正確さが重要ですが、完璧を求めすぎると時間がかかりすぎます。重要なポイントを押さえ、簡潔にまとめることを意識しましょう。

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介護記録を書く際の注意点

勉強する介護福祉士

介護記録を作成する際には、法的な観点や情報管理の面からも注意すべき点があります。

記録がトラブルや指摘につながる可能性があることを漠然と意識していても、具体的な注意点を整理できていない方も少なくないでしょう。ここでは特に注意すべき点を整理します。

まず、個人情報の取り扱いには細心の注意が必要です。介護記録には利用者の個人情報が含まれるため、厳重な管理が求められます。鍵付き書庫に保管し、関係者以外が閲覧できないようにしましょう。

次に、訂正方法の遵守も重要です。記録の訂正が必要な場合は、二重線で消して訂正印を押すなど適切な方法で行います。修正液や塗りつぶしは厳禁です。

また、保管期間の確認も忘れてはいけません。介護記録は、介護保険サービス終了後、原則2年間の保管が義務付けられています。

ただし、多くの自治体では条例により5年間の保管を義務付けているケースがとても多く見られるため、必ず所在する自治体の規定を確認しましょう。請求関連書類についてはほぼ全国で5年間の保管が求められています。

さらに、記録の一貫性を保つことにも意識しましょう。複数のスタッフが記録を作成する場合でも、記載方法や用語の使い方を統一することが重要です。

最後に、法的根拠としての意識を持つことが必要です。介護記録は、万が一のトラブル時に法的な証拠となります。

後から見返したときに、適切なケアを提供していたことを証明できる内容になっているか、常に意識して記録しましょう。

介護記録の書き方のポイントを知って業務に役立てよう

ケアスタッフ

介護記録は、利用者への質の高いケアを実現し、介護職員自身を守るために欠かせない業務です。

目的を理解し、基本的な書き方のポイントを押さえることで、より効果的な記録を作成できます。

記録業務に不安を感じている方は、まずは5W1Hを意識し、客観的で具体的な記録を心がけましょう。効率化のコツを取り入れることで、記録作成の負担を軽減できます。

記録業務を含めた職場環境に悩みを感じている方や、より働きやすい環境を求めている方は、ハッシュタグ転職介護へご相談ください。

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