介護職未経験の50代は仕事を覚えられない？

「覚えが悪そうと思われるのでは」「若い人に比べて不利なのでは」と、50代で新しく介護職に挑戦しようとする方が不安を抱くのは自然なことです。

しかし、介護職では50代からの挑戦も珍しくありません。新しいことを始めるのに、年齢は関係ないのです。

まずは介護職に挑戦するにあたって、持っておきたい心構えについて取り上げます。

年齢や職業に関係なく新しいことに挑戦するのは勇気が必要ですが、努力次第で今後自分らしく活躍できる場がきっと見つかります。

初めは覚えられなくてあたりまえと考える

未経験で新しい分野の仕事を始めるのですから、最初から完璧である必要はありません。初めは覚えられなくて当然ですし、うまくできなくても構いません。

覚えられるかどうかよりも、同僚や利用者と良好な関係を築ける人柄や覚えようとする姿勢が大切です。

年齢に関係なく、前向きな姿勢は周りの目に留まりますので、一歩ずつ成長していきましょう。

工夫次第で覚えられる

仕事を覚えられないのではと不安になるのは自然なことです。特に未経験の方は、その不安が大きいでしょう。

この不安を解消することは簡単ではありませんが、実際に仕事を覚えていくことで少しずつ自信をつけることができます。

メモをとったり先輩に聞いたりするなどの工夫で着実に成長します。小さな積み重ねが大きな自信につながるはずです。

次の章から、介護職未経験の50代が仕事を覚えられないと感じる理由を解説し、仕事を覚えるための具体的な対処法やコツを紹介します。

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介護職未経験の50代が仕事を覚えられない理由

介護職未経験の50代の方が仕事を覚えられないと感じる理由はさまざまですが、代表的な理由は以下のとおりです。

• 覚えることが多いため
• 臨機応変に対応しなければならないシーンが多いため
• じっくり教えてもらう時間がないため

　

介護の現場は覚えることがとても多く、臨機応変に対応する場面も少なくありません。また、日々の忙しさや慢性的な人手不足で指導の時間を十分に確保できない現状があります。

そのため、仕事を覚えられないのは単に年齢だけが原因ではなく、介護業界全体の特性といえるでしょう。

この章では、介護職未経験の50代が仕事を覚えられないそれぞれの理由について詳しく解説します。

覚えることが多いため

介護職未経験の50代の方が仕事を覚えられないと感じる理由は、そもそも覚えることが多いからです。
介護職の主な業務内容は以下のとおりです。

身体介護・生活援助・レクリエーションのサポート・記録などの基本的な業務以外にも、利用者ごとの介護内容や施設ごとにルールやマニュアルが異なります。

未経験の方にとっては、初めて聞く専門用語やケアも多く、覚えることの多さに圧倒されてしまうことがあるでしょう。

覚えることが多いのですから、覚えるのに時間がかかることは仕方のないことです。自分の覚えが悪いのではと気にしすぎる必要はありません。

臨機応変に対応しなければならないシーンが多いため

介護の現場では、常にマニュアルどおりに仕事が進むとは限りません。

通常、スタッフは複数の利用者を担当し、利用者それぞれのケアを並行して行います。

さらに利用者の体調や気分に応じて対応やケアを変更したり、ほかに優先しなければならない業務が出てきたりする場面も多く、臨機応変に動くことを求められます。

未経験の方が、初めから臨機応変に動けることはほとんどありません。まずは教えてもらった業務を一つずつ着実に身に付けていきましょう。

じっくり教えてもらう時間がないため

介護業界が抱える問題のひとつに慢性的な人手不足があります。

年々介護職員が増えているものの、施設を利用する要介護者も増えているため人手を十分に確保できているとはいえない状況です。

そのため日々の業務に追われてしまい、ゆっくり丁寧に教えてもらう時間が取れないことがあります。教えてもらってすぐに覚えられなくても気に病む必要はありません。

ただし教えてもらった業務はメモをとり、次に同じ業務があるときには「もう一度教えて欲しい」や「自分にやらせて欲しい」という姿勢を見せましょう。前向きな姿勢を見せることで、よい印象につながります。

介護職未経験の50代が仕事を覚えるための対処法

仕事を覚えられない理由を知ったことで、あらためて不安になった方は少なくないでしょう。

この章では、介護職未経験の50代の方が仕事をスムーズに覚えるための対処法を紹介します。

仕事をスムーズに覚えるための主な対処法は以下のとおりです。

• メモをとる
• わからないことはそのままにせず先輩に聞く
• 介護関連の資格を取る
• 仕事の目的を考える

　

メモをとることや先輩に質問すること、資格取得に向けて勉強することは、日々の積み重ねが大切です。さらに、仕事の目的を意識することで業務の必要性を理解でき、知識や技術が定着しやすくなります。

焦らず一つずつ取り組むことで必ず身に付くと信じて、できることから始めてみましょう。

メモをとる

手を動かしてメモをとることで、教わった内容が記憶に定着しやすくなります。後から見返すこともでき、業務内容を整理する際にも役立つでしょう。

さらに、整理する過程で自分が理解できていない部分が明確になり、次の業務に活かすことができます。

ただし、メモをとることに集中しすぎて肝心の業務内容が理解できないといった状況にならないよう注意が必要です。

また、メモをとるだけで満足してしまうと自分がどの程度業務を理解しているか把握できません。メモをとるだけで満足せず、メモを活用できるようにしましょう。

わからないことはそのままにせず先輩に聞く

仕事でわからないことを放置すると、なかなか仕事を覚えられないだけでなく、ミスにつながったりトラブルが発生したりする原因になります。

そのため、わからないことがあればその都度先輩職員に聞くことが大切です。

質問はその場でその都度するのが理想ですが、実際にはタイミングに迷うことがあるでしょう。

おすすめのタイミングは、先輩職員の仕事が一段落したときやほかの方との会話が終わった直後です。

先輩職員に質問を受ける余裕がなかったり急いでいたりする可能性があるので、次の業務の準備中や終業後は避けましょう。

タイミングを見て質問し疑問を解決することは、効率的に仕事を覚える近道になります。

介護関連の資格を取る

介護職は資格や経験がなくても働くことができますが、介護関連の資格を取得することで以下のようなメリットがあります。

• 仕事の幅が広がりキャリアアップにつながる
• 介護への理解が深まり適切なケアを提供できる
• 介護の知識と技術を認められ信頼される
• 給料が上がる可能性がある

　

まずは介護職の入門資格である介護職員初任者研修に取り組むのがおすすめです。

介護職員初任者研修は、所定の講義と実技演習を修了することで取得できる資格で、介護の基礎的な知識や技術、介護職に携わるうえで必要な心構えなどを身につけることができます。

資格を取得してさらにステップアップすることで、介護への理解が深まり、仕事を覚えやすいでしょう。

仕事の目的を考える

仕事の目的を意識することで、業務の必要性を理解でき知識や技術が定着しやすくなります。

ただ業務をこなすだけではその意味を十分に理解できず、仕事を覚えるのに時間がかかってしまうでしょう。

「なぜこのケアをするのか」や「なぜ今必要なのか」といった視点を持つことで、日々の業務が単なる作業ではなくなり、利用者にとって必要なケアだと理解できるはずです。

覚えることの多さに圧倒されてしまうかもしれませんが、一つずつ着実に覚えていくことが何よりの近道です。

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介護職未経験の50代が仕事を覚えるコツ

前の章で仕事を覚えるための基本的な対処法について解説しました。さらに効率よく仕事を覚えるためには、復習や実践を繰り返すことに加えて仕事全体の流れを意識することが大切です。

コツをつかめば仕事を覚えるスピードは大きく向上します。大切なのは焦らず自分のペースで慣れていくことです。

この章では、仕事を早くしっかり覚えるための具体的なコツを解説します。

メモしたことを何度も確認する

メモしたことを繰り返し確認することで復習になり、覚えていない部分を明確にできます。
やがてメモを見なくても仕事をこなせるようになり、成長を実感できるはずです。

メモをとるときのコツは、大事なキーワードや流れを簡潔に書くことです。

また絵や図を意識して活用することで記憶に残りやすく、日付やタイトルをつけることで復習の際に思い出しやすくなります。

言われたことをすべて書いていると、肝心の業務を理解できていない可能性があるので簡潔に書くことを意識しましょう。

見ているだけでなく実践する

介護職の場合、ただ見ているだけでなく実際にやってみることが仕事を覚える一番の近道です。見学だけでは気付けなかった情報を実践を通して得ることができます。

例えばケアを行うときの力の入れ方や支える部分は、技術を実践してみなければわかりません。また、自分が理解できていないことやうまくできないことは、実践して初めてわかることがあるでしょう。

経験を重ねることで少しずつ感覚が身に付くので、積極的に関わることが重要です。

さらに先輩職員からフィードバックをもらうことで、自分では気付けなかった改善点を知ることができるため成長のスピードはぐんと早くなります。

はじめのうちは、介護職未経験で資格もない自分が利用者に触れてもよいのだろうかと不安に思うこともあるでしょうが、勇気を出して実践してみましょう。

仕事の流れをつかむ

仕事の流れをつかむことは仕事を効率的に覚えるための大切なコツです。全体の流れを理解しておくと、次に行う業務を予測できるようになり、仕事全体の見通しが立てやすくなります。

結果として仕事を覚えるスピードが上がり、現場での対応力も高まります。

仕事の流れをつかむには、1日の業務を振り返ったり先輩職員の動きを見て真似したりするのが効果的です。

仕事の全体像を意識して取り組むことで日々の業務がよりスムーズになり、仕事に自信を持って取り組めるようになります。

介護職未経験の50代が抱えやすい仕事を覚えられない以外の悩み

介護職未経験の50代の方のなかには、仕事を覚えられないこと以外にも人間関係や体力面に不安を感じている方は少なくないのではないでしょうか。

この章では、仕事を覚えられないこと以外の悩みに焦点を当てて解説します。

大切なのは自分のペースで少しずつ慣れていくことです。心と体を労わりながら働くことで仕事を楽しむことができ、長く続けられます。

人間関係が難しい

介護職は職員同士や利用者などの人と関わる仕事であり、コミュニケーションをとる機会が多くあります。

職員同士は協力して業務を行う場面が多く、利用者には気持ちよくケアを受けてもらうためにコミュニケーションは不可欠です。

人と関わることが多い分悩むことも多くなり、ストレスを感じることもあるでしょう。実際に介護職では、仕事を辞める一番の原因は人間関係です。

出典：公益財団法人 介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」

また約23%が20〜30代であり、新人として50代未経験の方が働き始める場合、先輩職員が年下の可能性もあります。
出典：公益財団法人 介護労働安定センター「令和4年度介護労働実態調査結果の概要について」

良好な人間関係を築くためには、自分がされてうれしい対応をすることが大切です。自分から積極的にあいさつをし、丁寧な口調を心がけましょう。

相手の立場に立って考えて接し方を工夫することで、良好な人間関係を築くことができます。

質問しにくい雰囲気

日々の業務の忙しさや先輩職員によっては質問しにくい雰囲気があるかもしれません。

「こんな初歩的なことを聞いたら怒られるかも」と不安に思ったり、「先輩や上司の迷惑になりたくない」と遠慮してしまったりすることもあるでしょう。そもそも、どのように質問すればよいかわからずためらう方も少なくありません。

しかし、わからないことを先延ばしにすることは結果として業務全体の効率が下がります。また質問をすることで、一人で悩むよりも短い時間でよりよい解決策が見つかるかもしれません。

はじめは緊張するかもしれませんが、質問することで仕事に対して前向きな姿勢を見せることができますし、ほかの職員と仲良くなるチャンスです。

質問することは学びの一部でありコミュニケーションの機会ととらえて、積極的に質問をしましょう。

夜勤による体調不良

夜勤による体調不良は年齢を問わないですが、年齢を重ねるほど不安になるものです。

日中に活動し夜間は休むリズムが、夜勤によって逆転したり乱れたりすることで体調に影響が出ます。

夜勤中に眠気が襲ってきたり、逆に夜勤明けで寝つきが悪くなったりします。また、胃もたれ・動悸・イライラなどさまざまな症状が現れます。

夜勤前に仮眠を取り、夜勤中の食事や水分の取り方を工夫することで夜勤による体調不良を防ぐことができますが、それでもつらいようなら夜勤がない（または少ない）職場を選ぶことも可能です。

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未経験の50代が人間関係で悩んだら転職もおすすめ

介護職は、未経験でも年齢に関係なく挑戦できる魅力的でやりがいのある仕事です。

しかし、同僚や利用者、その家族など多くの方と関わるため、人間関係で悩むことも少なくありません。

ときには、同僚や上司からの心ない言葉や、利用者やその家族との関わりでストレスを感じる場面もあるでしょう。

もちろん同じ職場で長期間働くことは素晴らしいことです。

しかし人間関係が原因で強いストレスを感じたり、心身に不調をきたしたりするようであれば、転職を考えるのも選択肢の一つです。職場によって人間関係は大きく変わります。

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50代の転職は無料相談で相談しよう

介護職は覚えることが多く大変そうなイメージがあるかもしれませんが、やりがいのある仕事で未経験でも年齢に関係なく挑戦することができます。

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