介護におけるナイトケアとは

介護業界でナイトケアという言葉は聞いたことがあっても、夜勤との違いや対象者を明確に理解していない方は少なくありません。

ここではナイトケアの定義と社会的背景を整理します。このサービスが求められる理由が理解できるでしょう。

ナイトケアとは

ナイトケアは、夜間に利用者の生活を支える介護サービスです。主な内容は次のとおりです。

• 体位交換
• 排泄介助
• 服薬介助
• 見守り・緊急対応（必要時）

また、介護する家族が休息を取れるように、一時預かりを行う施設もあります。

ただし、介護保険サービスの種類や事業所によって内容や対応時間が異なるため、しっかりと確認することが重要です。

ナイトケアの重要性

ナイトケアの重要性は年々高まっています。在宅で24時間介護を行うことは、家族の心身にかなりの負担を強いることになります。

ナイトケアを利用することで、利用者は夜間の生活支援を受けられるだけでなく、介護する家族は休息や就労時間を確保しやすくなるでしょう。

また、夜間の急な体調不良やベッドからの転落などのトラブルにも迅速に対応できることで、事故や異変の早期発見にもつながります。

ボタン一つでサービス提供事業所に連絡できるため、利用者だけでなく家族も夜間に安心感を持って過ごせるでしょう。

ナイトケアが必要になった背景

厚生労働省の調査によると、2020年に13.2％だった高齢者単身世帯は、2050年には20.6％に増加することが予測されています。

ちょっとしたことでも頼れる方がいない方も増えており、夜間の支援ニーズも高まる傾向です。

近年は、高齢者を中心に単身世帯の急増が見込まれており、すべての世代が安心感を持って暮らせる社会の構築が早急に求められています。

さらに老々介護の増加により、夜間に支援を受けられない状況が社会問題化しています。

こうした背景から、夜間にも継続的に支援を提供できる体制としてナイトケアが注目されており、今後もその需要は拡大するでしょう。

ナイトケアの主な仕事

夜間の介護業務はわかりにくいため、一人で対応するかもしれないことに不安を感じる方も少なくありません。

ここでは、ナイトケアの主な仕事を具体的に解説します。夜間でもチームで支え合いながら行う業務の流れを知ることで、安心感を持って働くイメージがもてるでしょう。

夕食から夜間にかけての介助

ナイトケアの仕事は、夕食の介助から夜間の見守りまでを担うのが基本です。

食事介助では、利用者によって食べるペースが異なります。さまざまな理由から、食事が進まない場合もあるでしょう。

しかし強制するのでなく、利用者一人ひとりのペースや体調に寄り添った介助を心がけることが大切です。

食後は、薬の服用をサポートします。通常は看護師が対応しますが、夜間は看護師が不在の場合もあるため、細心の注意を払いながら介護士が内服介助を行うことが求められます。

また、排泄介助も重要な仕事の一つです。利用者の自立状況によって、オムツ交換やお手洗いへの誘導を行います。

オムツ交換は、決められた時間に2～3回行われる場合がほとんどです。自立した利用者の場合でも、安全性に配慮して付き添うことがあります。

このように利用者に合わせた介助を丁寧に行うことで、誤嚥や転倒などのトラブルを防ぎ、利用者が安心感を持って過ごせるよう支えます。

就寝準備

就寝準備では、主に次のような介助を行います。

• 着替え
• 歯磨き
• 就寝中の体位交換

身体の不自由な方は、一人で着替えができない場合があります。靴下を履いて寝たい、パジャマの上着をズボンに入れたいなど、細やかな希望に合わせることで利用者の快適な就寝につながります。このようなサポートも、介護士の大切な仕事の一つです。

また、寝たきりの方の場合、定期的に体位交換を行わないと褥瘡（床ずれ）を起こす恐れがあります。

褥瘡とは、同じ部位が自身の体重で長時間圧迫されることで皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなることです。このような状態が続くと血流が悪くなり、皮膚や組織が傷ついてしまいます。

特に骨が突き出ている肩甲部・仙骨部などで褥瘡ができやすくなり、放置すると腫れ・ただれ・傷ができて骨が見えてしまうこともあるため、注意が必要です。

介護士による体位交換は、褥瘡予防だけでなく、利用者の健康と安眠を支えるうえで欠かせません。

緊急時の対応

利用者が就寝中は、1時間に1回を目安に見回りを行います。定期的に見回ることで、利用者の体調悪化や転倒などのトラブルを早期に発見できます。

緊急時には、救急隊員や医師と連携して、状況を正確に伝えることが必要です。そのため、常に利用者の健康状態を丁寧に記録し、チーム内で共有しておくことが欠かせません。

緊急時の連絡先として、管理者・生活相談員・看護師・利用者の家族・かかりつけ医・ケアマネジャーと連携できるようにしておきましょう。

万が一の場合に備えて、日頃から緊急時の対応ができるように訓練や情報共有を重ねておくと、安心感を持って働けるでしょう。

ハッシュタグ転職介護では、スピード感のある一気通貫型の人材紹介が可能です。求職者のキャリア相談から入社後のフォローまで、一人の担当者が対応します。

とことん寄り添う支援を心がけているため、安心感を持って就職活動ができます。入社後も、職場や仕事のちょっとした悩みを相談できるため、離職リスクを軽減できるのが強みです。ナイトケアで働きたいといったご相談もお任せください。

介護保険で利用できるナイトケア

ナイトケアが介護保険の対象になることを知らない方は少なくありません。実は、夜間の介護サービスには介護保険を利用して受けられるものもあります。

介護保険制度は、在住の市区町村（保険者）が運営しており、サービスを利用できる条件は年齢によって異なります。

• 65歳以上：保険者により介護が必要と認定された場合
• 40～64歳：介護保険対象の特定疾病により介護が必要だと認定された場合

特定疾病とは、筋萎縮性側索硬化症（ALS）・パーキンソン病・初老期の認知症など、40〜64歳の方でも介護が必要となる恐れがある病気です。これらの病気で要介護・要支援と認定されれば、ナイトケアを介護保険で利用することもできます。

ただしいずれの場合も要介護・要支援認定を受ける必要があり、申請手続きを行う必要があるため、注意しましょう。

ここでは、介護保険で利用できる定期巡回サービス・随時訪問サービス・オペレーションサービスを解説します。

これらは、全国定期巡回・随時対応型訪問介護看護協議会が推進するもので、利用者が住み慣れた地域で暮らし続けるための仕組みです。

利用者のニーズに応じて柔軟な人材配置ができることから、導入する事業所も年々増加傾向にあります。

定期巡回サービス

定期巡回サービスは、訪問介護員が定期的に利用者の自宅を訪問して、必要な介護を行うサービスです。

ケアマネジャーが作成するケアプランに基づき、日中・夜間を通して短時間の介護を1日複数回受けることができます。

例えば、一人暮らしの高齢者がきちんと食事を摂れているか、処方された薬を適切に服用しているかなどを確認します。

短時間でも利用者の生活を見守り、安心感を持って過ごせる環境を支えるのが、このサービスの特徴です。

介護を行う家族は、主に認知症状や夜間の排泄などに不安を抱きやすい傾向にあります。しかし、訪問回数の増加に伴い、不安を感じる割合が低下するという調査結果があります。

訪問回数やサービス内容は居住環境や要介護度によって異なるため、利用者の体調や生活リズムを把握したうえで、柔軟に対応することが大切です。

随時訪問サービス

随時訪問サービスは、24時間体制で緊急時の連絡や相談に対応できるサービスです。利用者や家族からの連絡を受け、必要に応じて訪問介護員や看護師が自宅を訪問し、迅速に支援を行います。

このサービスも、利用者の心身状況や生活環境を前提に、相談援助や介護・看護によるサポートを提供します。

特に一人暮らしの高齢者や、自宅で介護を行っている家族にとって、夜間でも安心感があり欠かせないサービスです。

「やりがいのある仕事をしたい」という方は、ハッシュタグ転職介護で相談してみませんか？医療・福祉業界に特化した専門知識とネットワークを駆使し、あなたに合った職場を提案します。

求人紹介から入社後のフォローまで一人の担当者が対応する一気通貫型で、スムーズな転職活動が可能です。

丁寧な対応を心がけているため、安心感をもって就職活動を行うことができるでしょう。入職後の丁寧なサポートも魅力です。あなたにぴったりな職場を一緒に見つけましょう。

オペレーションサービス

オペレーションサービスでは、利用者の状況を常に把握し、必要に応じて訪問介護員や看護師の派遣を手配します。

担当するオペレーターには、次のような専門資格が求められます。

• 看護師
• 介護福祉士
• 医師
• 社会福祉士
• 介護支援専門員（ケアマネジャー）
• 保健師
• サービス提供責任者

いずれも3年以上の実務経験のある専門職です。利用者の要望や状況を的確に把握し、適切なサポートを提供します。

オペレーションサービスは、ナイトケアを支える司令塔のような役割を果たしており、夜間でも安心感を持って暮らせる体制を整える重要な仕組みです。

介護保険外のサービス

介護保険を利用して受けられるサービスには限界があります。「いざというとき、宿泊サービスを利用したい」「夜通し見守りをしてくれるサービスはないのか」という声も少なくありません。

そのようなときに役立つのが、介護保険外でも柔軟に利用できるナイトケアです。

ここでは代表的な2つのサービスとして、デイサービスで行われる宿泊対応や、企業が提供する介護支援サービスを紹介します。

利用条件の違いを知ることで、家族の状況に合った選択がしやすくなるでしょう。

デイサービスの宿泊

デイサービス施設を日中に利用している方が、そのまま夜間も引き続き滞在できる仕組みです。施設の設備を使い、夜間の見守りや介護を提供します。

運営には、定員制（通常のデイ利用定員の半分以下かつ9人以下）・スタッフ常駐・記録整備・事故対応・消防設備・プライバシー確保などの体制整備が義務付けられています。

柔軟に対応できるため、例えば家族が急用や出張などで一晩だけ利用したい場合にも利用できる点も魅力です。

介護保険対象外のため、1泊（宿泊料・朝食代・夕食代を含む）あたり2,000〜5,000円程度の費用がかかる例もあります。事業所によって異なるため、事前に確認が必要です。

このサービスの利点は、慣れた施設やスタッフ環境で安心感を持って宿泊できること、短期利用が可能なことです。

一方、通所契約者限定や連泊利用の制限などの条件が課される場合があるため、契約条件を確認する必要があります。

デイサービス施設でナイトケアを提供している場合、夜間だけでなく日中も選べるシフト制の体制を取っている事業所があります。

ハッシュタグ転職介護は、求職者に寄り添い、希望に合った職場を提案する人材紹介会社です。入社後も定期的に相談に乗るため、夜勤の仕事がつらいというお悩みにも対応可能です。

単なる求人紹介だけでなく人生のキャリアパートナーとして求職者に寄り添い、手厚いサポート体制が整っています。ナイトケアに興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

企業の介護支援サービス

仕事と介護を両立するビジネスケアラーが急増しており、2022年の調査では55〜59歳で638,000人に上るとされています。

このような背景から、企業が従業員の介護負担を軽減する制度を導入する例が増加傾向です。

企業の支援制度には、夜間対応・宿泊型ケア・見守り支援を含む次のような例があります。

• 提携介護事業者の契約による夜間宿泊利用
• 夜間見守りサービスの手配代行
• 緊急時の一泊ケア預かり
• 介護相談窓口やコンシェルジュサポート
• 福利厚生としての補助金・助成制度

例えば、従業員とその家族が契約施設の夜間ケアを割引価格で使える制度を導入している企業もあります。

ただし、このような支援制度が整っていない企業も多く、内容・対応時間・適用条件は企業によって異なります。利用前にはしっかりと確認することが重要です。

近年、介護休業取得・テレワークやフレックス勤務など多様な働き方が進んでいますが、制度がない場合は継続的な介護に経済的・心身的にも負担がかかることがあります。

保険外サービスを知っておくことで、夜間の介護も安心感を持って任せられる可能性が広がるでしょう。

ナイトケアのメリット

夜勤の仕事は大変そうというイメージを持たれがちです。しかし、実は利用者の生活を支える大切な役割を担っています。

ナイトケアは、利用者・介護者が心身ともに健康で、快適に過ごすために欠かせない存在です。

ここでは、それぞれの立場から見たナイトケアの魅力を紹介します。

介護者のレスパイトケアになる

ナイトケアは、介護者が休息を確保できるレスパイトケアとして注目されています。

在宅介護は身体的・精神的に大きな負担がかかりやすく、自分がやらねばと頑張りすぎてしまい、周囲に助けを求められない方もいます。

しかし介護者が休息を取らずに疲労やストレスをため込むと、適切なケアが難しくなり、長期的な介護も困難になるでしょう。

ナイトケアを利用することで介護放棄だと思われないか悩む方もいますが、休息は介護者にとって重要です。

十分な休息はよりよい介護を行うのに必要であり、介護を受ける方と良好な関係を維持できるでしょう。

高齢者世帯は安心感を得られる

介護を負担に感じるのは、介護を行う側だけではありません。家族の疲労を感じ取って、大変な苦労をかけて申し訳ないと、精神的な負担を感じることがあるでしょう。

介護は24時間欠かせません。ナイトケアを利用することで、家族が休息を取れるだけでなく、高齢者の安心感にもつながります。

また、夜間に専門スタッフが見守ることで、体調の変化や転倒などのリスクを早期に察知できるのも大きなメリットです。

介護が必要になったとしても、できる限り自立したいと考えるのは自然なことです。そのような高齢者にとってナイトケアは心強い味方といえます。

このナイトケアで働く場合、夜勤が中心です。ハッシュタグ転職介護では、医療・福祉業界に特化したエージェントが在籍しているため、求職者のニーズに応じた適切なアドバイスが可能です。

そのため、日勤と組み合わせた勤務やシフトの調整によって体力的な負担を減らすこともできます。自分のライフスタイルや希望に合わせた無理のない働き方を求める方は、ぜひ無料相談をお申し込みください。

ナイトケアのデメリット

ナイトケアは利用者と家族にとって魅力的なシステムである一方で、料金が高額になりやすく、地域や事業所によって受けられないサービスがあることも事実です。

ナイトケアのデメリットを理解したうえで、無理なく働けるかを確認しましょう。

料金が高額になる

ナイトケアを利用する場合、月額の基本料金に加え、夜間対応や送迎などのサービスごとに追加料金が発生します。

利用頻度が増えるほど、高額な料金を請求されることになります。利用する施設やサービスの種別によって負担が異なるため、注意が必要です。

また、自治体によっては補助制度や減額措置が設けられていることもあります。費用面の不安がある場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。

サービスによっては受けられない

ナイトケアは地域密着型のサービスであり、基本的に事業者と同一の市区町村在住であることが利用条件です。

そのため、地域によっては夜間対応サービスが少なく、時間帯が限られている場合もあります。

事業者によっては夜間でも柔軟に対応できる体制を整えているところもありますが、追加料金が必要な場合が少なくありません。

ケアマネジャーや市区町村の担当者に相談し、利用者に合った事業者を選ぶことが必要です。

ナイトケアに興味があるなら

ナイトケアは夜間の仕事のため、大変だというマイナスイメージを抱く方が少なくありません。しかし、老々介護や一人暮らしの高齢者が増えるなか、ナイトケアは高齢者と家族を支える重要な役割を担っています。

ナイトケアは、定期巡回サービスや随時訪問サービス、オペレーションサービスなどさまざまな形態があります。

ハッシュタグ転職介護では、あなたのライフスタイルや希望する働き方に合った職場を提案することが可能です。

一人のキャリアアドバイザーが、一気通貫型であなたをサポートします。就職活動中は1日5〜6回の連絡を行い、入社後もちょっとしたお悩みにも丁寧に対応しています。

未経験者でも安心感をもってステップアップできる体制があることが強みです。無料相談で、ぜひあなたの希望をお聞かせください。