生活相談員とは?デイサービスでの役割

生活相談員は利用者や家族、ケアマネジャーやスタッフの間に立ち、施設全体を支える調整役として働くポジションです。
ここでは介護職との違いや、具体的な働き方をわかりやすく解説します。
生活相談員の役割
生活相談員の主な役割は、相談対応と調整、契約・計画の管理の3つです。利用者や家族からの困りごとに耳を傾け、気持ちをくみ取りながら必要な支援を整理していくのが出発点です。
そのうえでケアマネジャーや看護師、介護職員と情報を共有し、支援内容がスムーズに提供できるように施設内外の連携を図ります。
新規利用者の見学や面談、契約手続きも担当し、サービス開始までの窓口役として動きます。
また、個別援助計画の作成・更新や担当者会議への参加など、継続的な支援体制の管理も任される重要な業務です。
つまり、現場だけでは完結しない手続き・調整・相談を一手に担う存在であり、デイサービスの運営を裏側から支えるマネジメント的なポジションが生活相談員です。
他職種(介護職・ケアマネジャー)との違い

介護職が利用者のそばに付き添い、食事や入浴などの身体介助を通して、利用者の一日の生活を支えます。
一方で、ケアマネジャーは自宅やほかのサービス事業所も含めた支援全体を見渡し、ケアプランを作成する全体設計のポジションです。
生活相談員はその中間に位置し、施設内で利用者と支援内容をつなぎ合わせる存在です。日々の相談を受けながら、介護職が気付いた変化をケアマネジャーへ伝えたり、家族の希望を現場スタッフへ共有したりと双方の橋渡しを担います。
つまり、利用者・家族・支援者の視点をすべて理解したうえで適切に調整するつなぎ役である点が、ほかの職種との大きな違いです。
1日のスケジュール
生活相談員の一日は、利用者の受け入れや送迎の様子を見守るところから始まります。朝のミーティングで体調やサービス内容の共有を済ませた後は、家族やケアマネジャーからの相談対応や電話連絡が主な仕事です。
新規利用希望者の見学対応や契約手続きを行う日もあれば、個別援助計画の見直しや担当者会議の準備に集中する場合もあります。
また、職場によっては、介護業務との兼務も認められています。そのため、現場の介護業務との距離感は、職場ごとに異なるでしょう。夕方にはその日の記録をまとめ、翌日の引き継ぎを整えて業務終了となるのが一般的な流れです。
デイサービス生活相談員の具体的な仕事内容

生活相談員の仕事は、相談・契約・調整・運営管理の4つが基軸です。ここでは、現場での動きをイメージできるように、日々の業務を具体的にご紹介します。
利用者の相談
利用者や家族から寄せられる悩みを受け止め、気持ちに寄り添いながら状況の整理を行うのが生活相談員の基本的な役割です。
送迎時に車内で不安を打ち明けられることもあれば、帰宅後に家族から電話で相談を受ける場合もあります。
食事が進まない方やリハビリを嫌がる方、家での介護に限界を感じている方など、相談の内容はさまざまです。生活相談員は、その声に対して即答するのではなく、介護職員や看護師と状況を確認しながら対応を検討していきます。
「話せる相手がいるだけでほっとした」と言われる瞬間は、この仕事ならではのやりがいです。
利用希望者との面談・契約手続き
新たにデイサービスの利用を希望する方に対して、施設の見学案内やサービス内容の説明を行うのも生活相談員の大切な業務です。
利用開始前には重要事項説明や契約書の取り交わしを行い、介護度や家庭環境、生活歴などを丁寧にヒアリングします。
初めて施設を利用する方は不安が大きいため、説明内容は難しくしすぎず、施設の雰囲気やスタッフの人柄を知ってもらうことも重要です。
「ここなら通ってみたい」と言ってもらえるかどうかは相談員の説明力にかかっているといっても過言ではありません。
ケアマネジャーや家族との連絡・調整

利用者の体調や生活状況に変化があった場合には、速やかにケアマネジャーや家族へ情報を共有します。
例えば、食欲の低下やふらつきなどスタッフが気付いたサインを生活相談員が受け取り、必要に応じて医療機関やほかのサービスとの連携も行います。
連絡のタイミングや伝え方によっては信頼関係を損ねることもあるため、状況を正確に把握しつつも感情面への配慮も欠かせません。
施設の印象を左右する窓口としての責任が大きいポジションです。
サービス内容の見直しや担当者会議への参加
利用開始後も、サービス内容を継続的に評価し、必要に応じて見直しを行います。月に一度のミーティングや半年ごとの担当者会議では、介護職員や看護師、ケアマネジャーとともに利用者の状態を振り返りながら支援の方向性を確認します。
計画書を作成して終わりではなく、その後の経過を見守り、変化に応じて柔軟に調整していくのが生活相談員の役割です。
今の支援が本当に利用者のためになっているのかを問い続ける必要があるでしょう。
生活相談員に必要な資格

生活相談員として働くためには、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格のいずれかを保持していることが求められるのが一般的です。
どれも相談援助の専門性を証明する資格であり、取得していればデイサービスだけでなく特養や病院、行政の相談窓口などでも活かすことができます。それぞれの資格の特徴をみていきましょう。
社会福祉士
社会福祉士は、相談援助の専門職として国に認められた国家資格です。
高齢の方だけでなく障害・児童・生活困窮など幅広い分野で活かせる資格であり、生活相談員として働く際にも専門的な相談スキルを持っている人材とみなされます。
取得には福祉系の大学・専門学校を卒業するか、養成課程を修了して国家試験に合格するルートが一般的です。
勉強の負担はありますが、取得すれば施設内での発言力や役割の幅が一気に広がります。
精神保健福祉士

精神保健福祉士は、こころの健康に課題を抱える方の支援に特化した国家資格です。
うつ病や認知症、不安症状を抱える高齢者の利用者も少なくないデイサービスでは、この資格を持っていることで精神面の理解が深い相談員として重宝されます。
取得ルートは社会福祉士と似ていますが、精神保健の専門科目を履修する必要があります。メンタルケアに強い相談員として差別化できる資格です。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事任用資格は、大学や専門学校で指定科目を一定数履修していれば取得できる資格です。
そのため、自分には資格がないと思い込んでいても、実は過去の学校の履修科目によってはすでに取得済みの場合もあります。
もし自分が該当しているか不明な場合は、卒業した学校に問い合わせるか、履修証明書を確認するのがおすすめです。
ほかの資格よりも取得しやすく、生活相談員の入口として有効な資格です。
スキルを活かせる他職種・他業界への広がり
これらの資格を取得すれば、生活相談員以外の仕事にも役立ちます。特別養護老人ホームの相談員や病院の医療相談員、地域包括支援センターの職員や行政の福祉担当窓口など、選べるキャリアの幅が一気に広がります。
いずれの職場でも相談援助のスキルが求められるため、介護現場での経験に加えて資格があることは社会的にも通用する強い武器です。
とはいえ、働きながら勉強するのは不安な方も少なくありません。そのようなときに頼れるのが、介護職のキャリア支援に特化したハッシュタグ転職介護です。
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生活相談員のやりがいと向いている人

生活相談員は事務業務も多い仕事ですが、単なるデスクワークとは異なります。利用者や家族の悩みを受け止め、その方の生活を支援する役割であり、大きなやりがいを感じられる仕事です。
ここからは、生活相談員の具体的なやりがいと向いている方の特徴を解説します。
利用者や家族の笑顔がやりがいになる
困りごとを抱えた利用者や家族が、真っ先に相談する相手として選ばれるのが生活相談員です。
悩みを丁寧に聞き取り、介護職員やケアマネジャーと連携しながら支援方法を整えていくことで、「気持ちが軽くなりました」と声をかけてもらえる場面に出会えます。
表には見えにくい仕事ですが、誰かの不安を解消する力を持った仕事であり、気持ちに寄り添う姿勢を大切にできる方ほど大きな達成感を得られます。
課題解決や調整を楽しめる人に向いている

生活相談員の業務は、単に相談を聞いて終わりではありません。状況を整理し、関係者と話し合いながら適切な支援方法を整えるプロセスが欠かせません。
意見が食い違うこともありますが、双方の意図を理解しながら落としどころを見つけていく過程に面白さを感じられるタイプにはぴったりです。
どうすればもっとよくできるかを考えるのが好きな方にとって、やりがいの大きい仕事になるでしょう。
介護現場経験を活かしてキャリアを広げたい人
生活相談員の強みは、介護現場での経験をそのまま武器にできる点です。介助の方法や利用者との関わり方を理解しているからこそ、机上の調整だけではなく現実的な提案ができ、スタッフからも信頼されやすくなります。
さらに、この経験があれば将来ケアマネジャーや管理職など、別のキャリアにつなげることも可能です。
現場を離れるのではなく、立場を変えて支えたいと考える方にこそ向いている職種でしょう。
生活相談員の仕事に関心があっても、自分の経験で本当に通用するのか迷うこともあるでしょう。
そのようなときは、福祉業界に詳しい第三者の意見を取り入れることが重要です。ハッシュタグ転職介護では、医療・福祉分野の転職支援に特化したエージェントが担当し、業界ならではの働き方や施設ごとの特徴を踏まえて提案してくれます。
一般の人材紹介では拾いきれない細かな情報まで共有してもらえるため、迷いを整理しながら進めたい方にこそおすすめです。まずは無料相談で、お悩みを話してみてはいかがでしょうか。
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生活相談員は兼務できる?

デイサービスでは人員体制によって業務の担当範囲が変わるところもあり、相談員と介護職を兼務できるのだろうかと考える方も少なくありません。
ここからは、生活相談員は兼務できるのかを詳しくみていきましょう。
生活相談員と介護職の兼務は可能?条件を解説
介護保険制度では、一定の条件を満たしていれば生活相談員が介護業務を兼ねることは認められています。
実際、職場によっては管理者や看護職、機能訓練指導員が生活相談員を兼務しているケースもあります。特に利用者数の少ない小規模なデイサービスでは、相談対応の合間に入浴やレクリエーションの補助に入る働き方が一般的です。
ただし兼務が可能とされるのは、施設の人員配置基準を満たしていることと、双方の業務に支障が出ない体制が整っている場合に限られます。
実際には、相談業務と介助業務の両方を担うことで時間に追われてしまうこともあるため、負担の大きさも考慮しながら判断する必要があるでしょう。
管理者・看護職・機能訓練指導員との兼務例

生活相談員は介護職との兼務だけでなく、管理者や看護職、機能訓練指導員が兼務するケースもあります。
例えば小規模施設では、管理者が相談員と運営管理を兼ねている場合が多く、スタッフの相談窓口も一手に引き受けていることがあります。
看護師が利用者の健康相談と相談業務の両方を担当するパターンも珍しくありません。一人が複数の役割を担うことで柔軟な運営ができる一方、責任も比例して大きくなる点には注意が必要です。
兼務する際の注意点とリスク
兼務は効率的に見える一方で、業務量が増えることで残業や精神的な負担が蓄積しやすい側面もあります。
特に相談対応はいつ相談が入るかわからないため、計画的に事務処理を進めにくくなる場合があります。また、介護業務を優先すべきか相談対応を優先すべきか迷ってしまうと、どちらの業務も中途半端になりかねません。
兼務を検討する際は、施設のサポート体制や相談を共有できる相手がいるかどうかを事前に確認しておくことが重要です。
兼務の判断に迷うときは、自分だけで抱え込まず、第三者の意見を取り入れることも大切です。
同じ生活相談員でも、介護業務との兼務割合やサポート体制は職場によって大きく異なります。そのようなときに頼りになるのが、介護職専門のハッシュタグ転職介護です。
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デイサービスの生活相談員として働くメリットとデメリット

生活相談員は、介護職からのステップアップとして注目を集めている職種ですが、実際の働き方にはよい面と大変な面の両方があります。
ここでは、生活相談員のメリットとデメリットを確認し、転職を検討する際の判断材料として役立てられるように整理しましょう。
メリット
生活相談員の魅力の一つは、勤務時間やスケジュールの安定さです。多くのデイサービスでは日勤帯で働くことができ、夜勤や早朝シフトに追われることがありません。
施設によっては土日休みや固定シフトを導入している職場もあり、これまで不規則勤務で生活リズムが乱れていた方にとっては大きな変化になります。
また、身体介助よりも相談や記録業務が中心になるため、加齢による体力の不安を感じている方でもキャリアを長く続けられるでしょう。
さらに、生活相談員は利用者や家族の想いを近くで受け止められる立場です。契約面談で不安を見せていた家族が表情を和らげてくれる瞬間や、通所を渋っていた利用者がまた来たいと言ってくれる瞬間の積み重ねは、何よりのやりがいにつながります。
他人と関わりながら支える立場であることに魅力を感じる方にとって、生活相談員は天職に感じられるでしょう。
デメリット
利用者や家族に頼られる立場である生活相談員は、いつも冷静な判断が求められる立場でもあります。相談の内容はいつも穏やかなものとは限らず、ときには感情的な訴えやクレームに近い声を受け止めることもあるでしょう。
相手の言葉の裏にある本当の不安を読み取りながら、否定せず、しかし施設のルールも守りつつ答えを導く必要があります。
また、事務作業の多さに戸惑う方も少なくありません。契約書や計画書の作成、担当者会議の記録や行政への提出書類など、パソコンに向かう時間が想像以上に長くなることもあります。
さらに、利用者・家族・スタッフ・ケアマネジャーなど関係者が多いため、情報整理や伝え方を間違えると誤解や衝突の原因にもなりかねません。
気持ちの切り替えが苦手な方にとっては、負担を感じる可能性もあります。
こうした現実を踏まえると、本当に自分に向いているのかと迷う方もおられるでしょう。同じ生活相談員の肩書きでも、施設によって求められる役割や人間関係の距離感はまったく異なります。
だからこそ、経験者の声や内部事情を把握している第三者に相談しながら、冷静に職場を選ぶことが大切です。
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生活相談員の働き方に魅力を感じながらも、自分に合う職場が見つかるだろうかと不安を抱える方もいることでしょう。
デイサービスといっても、現場の介助に入る割合や事務業務の比率、利用者層やスタッフの年齢構成などは事業所ごとに大きく異なります。
求人票だけでは職場の雰囲気まではわからず、入ってみたら想像と違ったと感じる方も少なくありません。そこでおすすめしたいのが、介護職に特化した転職支援サービスハッシュタグ転職介護です。
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