介護職がきついといわれる理由は？

介護職はきつい仕事といわれることが多く、その理由にはさまざまな要因が絡んでいます。主な理由として身体的な負担の大きさ・精神的なストレス・人手不足による業務過多・夜勤による生活リズムの乱れ・人間関係の難しさ・給与面の不満などが挙げられます。

ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

身体的負担を感じやすい

介護職は日々の業務のなかで身体的に負担がかかる仕事です。特に腰や膝への負担が大きいことが大変さの一因となっています。

利用者の移乗や入浴介助・排泄介助といった業務では、介護者が利用者を支えたり抱えたりする場面が多く、適切な姿勢や動作を意識しないと慢性的な腰痛や膝の痛みに悩まされることがあります。

精神的負担を感じやすい

介護職は身体的な負担だけでなく、精神的なストレスも大きい仕事です。例えば排泄介助では利用者一人ひとりの特徴や身体の状態を把握し、適切なケア・対応を行わなければなりません。排泄に失敗すると自尊心が傷つき、生活意欲を失う利用者もいます。

ほかにも認知症の利用者への対応やご家族とのやり取りなどで精神的負担を感じやすい傾向があります。利用者の急な体調悪化や訃報に直面することもあり、こういった所も精神的に大きなダメージを受ける一因です。

人手不足で業務をこなすのが大変

介護業界は慢性的な人手不足で、一人あたりの業務量が多くなりがちです。高齢化社会が進んでいる現状で利用者は増え続け、必然的に介護者一人あたりが担当する業務量も増えていく傾向にあります。

業務としては食事介助・入浴介助・排泄介助だけでなく、レクリエーションの準備や記録業務・家族対応・清掃など幅広い業務が求められます。

十分な人員が確保できていない職場では、一人で複数の業務をこなさなければならず、身体的・精神的な負担を感じてしまうこともあるでしょう。

夜勤があり勤務が不規則

介護職の多くはシフト制で勤務しており、特に夜勤を伴う職場では生活リズムが不規則になりやすいです。夜勤は利用者の見守りや介助対応が中心ですが、夜間でもナースコール対応や緊急時の判断が求められるため、精神的にも負担が大きくなります。

また、夜勤は少人数で対応することが多く、一人あたりの業務負担も大きくなりがちです。
日勤と夜勤を繰り返す変則的なシフトは体調管理が難しく、生活リズムが乱れて体調を崩してしまうということもあります。

人間関係の構築が大変

介護職において、人間関係はやりがいになる一方で、大きな負担になることもあります。利用者・利用者の家族・同僚・上司・部下・他職種との連携など、仕事を行っていくうえでさまざまな人と接する機会が多い仕事なので、この人間関係構築にストレスを感じる方もいるでしょう。

介護の現場では利用者本人だけでなく、その家族ともコミュニケーションを取る機会が多くなります。特に認知症の方や介護が必要な高齢者は気持ちの浮き沈みが激しく、言葉がけ一つで機嫌が変わることも珍しくありません。

本人の対応だけでも大変ですが、家族のなかには「もっと丁寧にケアしてほしい」「このやり方はおかしい」と、介護職員に対して厳しい要求をしてくる方もいます。こうした対応に追われることで、精神的に疲弊してしまうことがあります。

また、他職種の方（看護師・ケアマネジャー・リハビリスタッフ・理学療法士・作業療法士など）と連携しながら働くことが必須です。しかし、それぞれの職種で役割が異なるため、仕事の分担がうまくいかない・情報共有が不十分といった問題が生じやすくなります。そうならないため、しっかりと人間関係を構築していく必要がありますが、上手くいかずにストレスを感じてしまうケースもあります。

給与が仕事の大変さに見合っていないケースがある

介護職は身体的にも精神的にも負担の大きい仕事ですが、給与がそれに見合っていないと感じるケースがあるのも事実です。割に合わないと感じるのにはいくつかの要因があります。

身体的・精神的に負担が大きい仕事にも関わらず、業界として人手不足な所もあり、一人あたりの業務量も多くなりがちです。心身ともに負担がある環境のなかで働くうちに給与が見合っていないと考える人も出てくるでしょう。

また、同じ人の世話をする職業である看護師や保育士と比べても、介護職の平均給与は低い傾向があります。特に、夜勤がないデイサービスや訪問介護の場合は顕著です。

これに対し看護師は国家資格が必要とはいえ、夜勤手当や経験による昇給の幅が大きく高い給与が見込めます。

このように、ほかの福祉・医療系の職種と比較しても収入面での魅力が少ないと感じる人が少なくないのです。

介護職がきつい場合の対処方法

介護職は身体的・精神的な負担が大きく「もう限界かもしれない……」と感じることもあるかもしれません。しかし適切な対処をすることで、負担を軽くしながら無理なく働き続けていくこともできます。

介護の仕事がきついと感じる原因は人間関係・業務の負担・夜勤の多さ・給与の低さなど、人によってさまざまなので、まずは自分がどのような点にストレスを感じているのかを明確にしましょう。そうすることでさまざまな対処法が見えてきます。

配置換えの相談をする

介護職がきついと感じる理由の一つに自分に合わない業務や人間関係のストレスが挙げられます。この場合は配置換えを相談することで負担を軽減できるかもしれません。

介護施設には、入浴介助や排泄介助が中心の部署・レクリエーションを担当する部署・事務業務が多い部署など、さまざまな役割があります。

例えば体力的にきついと感じる場合は、デスクワークや記録業務が多いポジションへの異動を希望するのも一つの方法です。

ほかにも、特別養護老人ホームや介護老人保健施設など、入所型施設とデイサービスでは業務内容が大きく異なるため負担が少ない職場に移ることで働きやすくなることもあります。

人間関係にストレスを感じている場合は、部署やフロアを変えるのも一つの手段です。長く同じ職場にいると固定された人間関係のなかでストレスを感じやすくなるため、異動などをすることで状況が改善されることもあります。

勤務時間やシフトの相談をする

不規則な勤務時間や過酷なシフトは介護職がきついと感じる大きな理由の一つです。特に夜勤が多いシフトや連勤が続くと、体力的にも精神的にも疲れがたまりやすくなります。

そういった際は夜勤の回数を減らしてもらうことや短時間勤務を職場に相談してみましょう。無理にフルタイムで働き続けるよりも、自分のペースで働くことが長く続けるためのポイントになります。

スキルアップを目指す

介護職は仕事の負担が大きい割に思うようにキャリアアップできないという意見もありますが、スキルアップを目指すことで給与アップや負担の少ない働き方ができるようになるケースもあります。具体的には資格を取得することで業務の幅が広がり、給与アップにもつながるケースです。

介護福祉士の資格を取ることで、無資格や初任者研修修了者と比べて基本給が上がりやすく、施設によってはリーダー職への昇格も期待できます。

ケアマネジャーは利用者のケアプランを作成する仕事を担当できる資格ですが、デスクワークが中心になるため、身体的負担が減るのが大きなメリットです。資格取得後は給与アップも期待できます。

こういった資格を取得することで、収入アップや働きやすい職場への転職がしやすくなります。

このように介護職がきついと感じる場面があっても、その悩みにはいくつもの対処方法があります。

大切なのは、悩みを一人で抱え込まずに、信頼できるサポートを受けながら解決策を見つけることです。

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介護職の身体的負担が少ない働き方は？

介護職は利用者の入浴介助や排泄介助など身体的に負担の大きい業務が多い仕事です。特に腰痛や関節痛などの身体的な不調が原因で離職を考える人も少なくありません。

しかし、働き方を工夫することで身体への負担を軽減しながら介護の仕事を続けることも可能です。どういった工夫をすれば、身体への負担を少なくしながら介護職を続けていけるか、いくつか紹介します。

一つ目は、夜勤のない職場を選ぶということです。夜勤は生活リズムが崩れやすく、睡眠不足や体調不良の原因になりがちです。また、深夜帯は職員の人数が少ないため一人ひとりの負担が大きくなりやすいというデメリットもあります。

そこで、夜勤がない職場を選ぶことで身体への負担を軽減することができます。

二つ目は、福祉機器を活用して負担を軽減する方法です。最近では介護現場での負担を減らすための福祉機器が増えてきています。介護ロボットや電動ベッド・移乗リフトなどを活用すれば力を使わずに介助ができたり、利用者の移動をサポートしてくれるので腰痛のリスクを減らしたりすることが可能です。

職場によっては、まだ導入されていない場合もあるため、福祉機器が充実している職場への転職を検討してみましょう。

三つ目は、そもそも身体介助が少ない業務を担当するということです。例えばレクリエーションを担当する業務につくと、利用者と一緒に体操やゲームをする仕事が中心のため身体的負担は少なくなります。介護相談員は利用者や家族の相談にのる仕事なので、デスクワークが多めです。このように担当する仕事によっては身体的負担が少ない業務もあるので職場でそういったポジションを希望することも工夫の一つといえます。

無理を続けると体調を崩してしまうこともあるので、できるだけ負担を少なくしながら長く続けられる働き方を選んでいきましょう。

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介護職の仕事内容

介護職は高齢者や障がいを持つ方が不便なく生活できるようにサポートする仕事です。一口に介護といっても、仕事内容は勤務先や施設の種類によって異なります。ここでは介護職の主な仕事内容を紹介します。

• 生活援助（食事・掃除・洗濯など）
• 身体介護（入浴・排泄・移動のサポートなど）
• レクリエーションや機能訓練
• 介護記録の作成

生活援助とは利用者が快適に日常生活を送れるように手助けをすることです。食事介助では利用者の日常の食事について調理や配膳、片付けなどのサポートをします。

掃除・洗濯については、利用者が暮らしているスペースの掃除・ゴミ出しなども代わりに行い、利用者の衣服やベッドシーツ・タオルなどの洗濯も行います。

洗濯では失禁や食べこぼしが増えていないか、着替えがきちんとできているのかなどを確認することも大切です。

身体介護とは利用者が日常生活を不便なく送れるように身体に直接触れて介助をすることを指します。入浴介助では入浴の準備から衣類の脱ぎ着、浴室に一緒に入って身体の洗浄や洗髪などの介助も行います。浴槽のお湯やシャワーの温度、利用者の転倒防止など、細部にわたる注意が必要です。

排泄介助とはトイレへの移動や衣類の脱ぎ着を介助したり、おむつ交換を行うなど利用者の排泄を助けたりする介助全般のことを指します。手を動かしながら排泄物の状態を見て、利用者の健康状態を把握することも業務の一つです。衛生面に配慮するだけでなく、利用者の人としての尊厳に配慮した細やかな気配りが欠かせません。

移動をする際のサポートも業務の一つです。歩行や車いすでの移動の介助、車いすへの移乗など利用者の動きを補助するサポートをし、状況に応じた対応をすることが求められます。

レクリエーションや機能訓練とは、施設にもよりますが、利用者の脳機能や身体機能を維持するためにレクリエーションを行います。利用者の安全性を確保することはもちろん、物足りなさを感じていないか内容が幼稚と受け取られて自尊心を損なわないかなど、心情面にも十分に配慮しながら行うことが大切です。

介護記録の作成とは、利用者の様子やケアの内容を記録する業務です。おだやかにお過ごしだったのか、変わった様子はなかったのかなどを記録することで、変化に気付いたり体調が急変した際に介護記録を参照したりします。ほかにも職員間で利用者の様子を共有したり、遠距離のご家族に普段の様子を伝えたりするのに役立ちます。

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介護職でやりがいを感じる瞬間

介護職は身体的・精神的負担も多く簡単な仕事ではないですが、その分やりがいを感じる瞬間もたくさんある仕事です。利用者やその家族との関わりのなかで、この仕事をしていてよかったと思える場面もたくさんあるからこそ、お仕事として続けられる人もたくさんいます。

ここでは介護職としてやりがいを感じる瞬間を紹介します。

利用者さんが元気を取り戻したとき

介護の仕事のなかで、利用者の体調が回復していき元気を取り戻す瞬間を間近で見られるのはやりがいの一つです。トイレに歩いていけるようになった、一人で食事が取れるようになった、など入所したときにはできなかったことができるようになったとき、利用者の笑顔が見られたときは介護士の仕事をしていて良かったと感じるでしょう。

利用者さんの家族から感謝されたとき

介護の現場では、利用者の家族と接する機会も多くあります。利用者のためにしっかりとサポートをしていると「親が元気に過ごせるのは、あなたたちのおかげです」「あたながいてくれて良かった」というように感謝の言葉をもらえる機会がたくさんあります。

利用者を支え、ご家族の方から直接感謝されることは介護職ならではのやりがいといえるでしょう。
　

社会貢献ができていると感じたとき

介護職は、高齢者や障がいを持つ方が不便なく生活できるよう支援する、社会にとって欠かせない仕事です。直接的に人の役に立つ仕事だからこそ、自分の仕事が社会貢献につながっていると実感できる瞬間が多くあります。

その気持ちが大変な仕事を続けるうえでのモチベーションにもなります。

介護職に転職するステップ

介護職は、未経験からでも挑戦しやすい仕事で社会的にも需要の高い職種です。しかし「どうやって転職すればよいのかわからない」と悩む人も少なくないでしょう。

ここでは、介護職に転職するための具体的なステップを紹介します。

介護職の求人に応募する

介護職への転職を決めたら、まずは自分に合った求人を見つけ応募することです。介護の求人は数が多く施設の種類や働き方もさまざまなので、事前にしっかり比較・検討するようにしましょう。

面接を受ける

介護職の面接では、経験の有無に関わらず働く意欲や人柄が重視されることが多いです。面接を受ける前にしっかりとした準備をすることで、自信を持って受け答えができるようになります。

応募した施設の特徴や理念は必ず確認するようにしましょう。施設の方針や対象となる利用者層も事前にチェックしておくべき内容です。

服装は清潔感を与えられるものにしましょう。介護職は清潔感や丁寧な受け答えが重要視されるため、第一印象をよくすることを心がけてください。

採用通知をもらう

採用通知は電話・メール・書面のいずれかで通知されることが一般的です。内定をもらったら、入職前に確認すべきことや対応すべきことがいくつかあります。以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。

• 雇用条件の最終確認
• 研修制度や入職後の流れ
• 職場の雰囲気や人間関係

もし面接時の話と採用通知の条件が違っている場合は、早めに確認するようにしましょう。採用通知をもらった後は正式な入職手続きや今後のスケジュールを確認し、迅速に対応することが大切です。

スムーズな対応を心がけることでよい印象を保ち、入職後の職場環境も円滑にスタートできます。しっかり準備を整え、介護職としての新しい一歩を踏み出しましょう。

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きついけれどやりがいも大きい介護職への転職を考えているなら

介護職は身体的・精神的な負担が大きい一方で、人の役に立っている実感を得やすく、やりがいも大きい仕事です。決して楽ではありませんが、適切な職場選びや働き方の工夫をすることで長く続けやすくなります。

大変そうだけど、挑戦してみたいと思ったら、まずは情報収集から始めてみましょう。

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