介護職は長く続かないという風評は正しいか
介護職は大変な印象が強く、離職率が高いイメージがあります。
実際に、職場の人間関係がよくない・現場が忙しくイレギュラーな対応が多い・給与が低いなどを理由に介護職をやめてしまう方も少なくありません。
では、実際に介護職の離職率はどのくらいなのでしょうか。
厚生労働省の雇用動向調査によると、2019年から2023年の5年間の離職率は以下のとおりです。
- 2019年:15.4%
- 2020年:14.9%
- 2021年:14.3%
- 2022年:14.4%
- 2023年:13.1%
- 5年間の平均離職率:14.4%
続いて、同じく厚生労働省の雇用動向調査から全産業の離職率を見ていきましょう。
- 2019年:15.6%
- 2020年:14.2%
- 2021年:13.9%
- 2022年:15.0%
- 2023年:15.4%
- 5年間の平均離職率:14.8%
2023年の介護職の離職率は13.1%に対し、全産業の離職率は15.4%と、全産業の離職率の方が高い数値となっています。
過去5年間の平均は、介護職が14.4%、全産業が14.8%と平均値も全産業の離職率の方が高くなっています。
介護職は離職率が高いイメージがありますが、実際には全産業よりも離職率は低いため、必ずしも離職率が高い仕事とはいえません。
介護職は施設で働く介護職員と利用者さんの自宅を訪問して介護する訪問介護の2つに分けられます。
では、介護職員と訪問介護員別の離職率はどのくらいなのか、2職種の合計の離職率も同時に確認していきましょう。
2019年から2023年の介護職員の離職率です。
- 2019年:16.0%
- 2020年:14.7%
- 2021年:14.6%
- 2022年:14.9%
- 2023年:13.6%
- 5年間の平均離職率:14.7%
次に訪問介護員の離職率になります。
- 2019年:13.6%
- 2020年:15.6%
- 2021年:13.6%
- 2022年:13.3%
- 2023年:11.8%
- 5年間の平均離職率:13.5%
介護職員と訪問介護員を合わせた離職率です。
- 2019年:15.4%
- 2020年:14.9%
- 2021年:14.3%
- 2022年:14.4%
- 2023年:13.1%
- 5年間の平均離職率:14.4%
公益財団法人介護労働安定センターの2023年度 介護労働実態調査によると、訪問介護職員・介護職員ともに離職率は年々、低下傾向にあります。
2019年の2職種合計の離職率が15.4%に比べ、2023年は13.1%と2.3%も低下していることがわかります。
これらのデータから介護職の離職率が低下した要因には、職場環境の改善や働き方の見直しなどが行われた結果でしょう。
よりよい環境で介護職に就くことができれば、高いパフォーマンスを発揮しながらストレスなく楽しく続けられます。
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介護職の勤務状況
離職率が年々低下傾向にある介護職ですが、その要因には職場環境の改善や人間関係の改善・給与の見直しなどが行われた結果です。
では、現在の介護職の勤務状況はどうなっているのでしょうか。データをもとに介護職の平均勤続年数と平均転職回数を詳しく見ていきましょう。
介護職の平均勤続年数
公益社団法人 介護労働安定センターの2023年度 介護労働実態調査によると、現在の施設での平均勤続年数は7.9年と少し短めです。
5年未満が38.9%・5〜10年未満が27.6%・10〜15年が17.8%・15年以上が14.3%となり10年未満で介護職をやめてしまう方が全体の60%以上を占めています。
また、介護職員の平均経験年数は12.2年と平均継続年数よりも長いです。10〜15年未満が25.1%ともっとも多く、続いて15〜20年が18%となっています。
1つの施設での勤務年数は少なくても、経験年数は長い方が多くを占めているので、自分に合った職場が見つかれば介護職を長く続けられる人が多いことがわかります。
介護職の平均転職回数
きらケア介護白書2022年によると、1回の転職が51.2%ともっとも多く、2回が18.8%・3回の転職が15%と1・2回転職している方が全体の70%を占めています。
つまり、1つの施設で長い期間、介護職を続けている方が多いことになります。一方で、5回以上転職をしている方は8.7%おり、施設が合わずに転職を繰り返すケースも見られます。
2回以上転職している方の多くは、職場の人間関係や給与の低さ、仕事内容の不満が転職理由トップ3を占めています。
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介護職が長く続く人の特徴
介護職は現場が忙しく、イレギュラーな出来事が起きやすいので、なかなか大変な仕事として知られています。
介護職に興味ある方でも、実際に働いてみると大変な仕事が多くて長く続けられない方もいるでしょう。一方、介護職に就いて長い方もいます。
では、介護職が長く続けられる人にはどのような特徴があるのでしょうか。
コミュニケーション能力が高い
介護職は、利用者さんや利用者家族、職員とのコミュニケーションがとても大事な職業です。
普段からコミュニケーションを取るのが得意な方は周囲から信頼を得やすく円滑な人間関係を築くことができます。職員間のトラブルが起きやすい介護職では、長く続けるのに重要な特徴でしょう。
また、利用者さんや利用者家族と密にコミュニケーションを取ることで、ほかの方にはいえない不安や悩み解決につなげられます。
介護職においては、コミュニケーション能力は基本であり、とても重要な要素です。
感情のコントロールができている
介護職は人と密に接する職業のため、理不尽な出来事や嫌な思いをすることも少なくありません。
介護職が長く続く方は、そんなときでもマイナスな感情は引きずらず、気持ちを切り替える力を持っています。
ミスをしたり理不尽なことを言われたり、落ち込む場面があっても後悔はせず反省をして次はうまくできるように考えて、常に前向きな姿勢で仕事に取り組めるように努力している特徴があります。
オン・オフの切り替えが上手
オン・オフの切り替えが上手な方も介護職が長く続きます。
仕事は仕事、休みは休みと割り切って、休みの日は仕事のことを考えない・持ち込まないように割り切って過ごしましょう。
休日には、趣味を楽しんだり思いっきり運動をしたりして、休日を謳歌してみてください。
充実した休日を過ごせると、気持ちの切り替えができて仕事へのモチベーションが上がり、自分も周りも気持ちよく仕事ができます。
仕事のなかに楽しみを見つけている
介護職が長い方は、自分の得意分野を活かして仕事のなかに楽しみを見つけることが上手な方です。
お話好きなら利用者さんと話す時間を楽しみにしたり、日々のレクリエーションが得意なら企画や運営を頑張ったり、得意分野を活かしつつ仕事のなかに小さな楽しみを見つけながら仕事をしています。
自分の得意分野を活かした仕事ができると自分の自信にもつながり、やりがいを感じられて仕事への意欲が高まります。
介護職をやめたくなる理由
介護職はイレギュラーなトラブルが多く慌ただしい現場です。そのなかで仕事をしていると、心に余裕が持てずにやめたいと強く感じることがあるでしょう。
介護職をやめたくなる理由は主に以下の3つのことが原因です。
- 職場の人間関係が悪い
- 人手不足からくる負担増加
- 利用者さんとの関係に起因する悩み
介護職をやめたくなったとき、理由や原因を知っておけば対策もしやすくなります。では、介護職をやめたくなる理由を詳しく見ていきましょう。
職場の人間関係が悪い
介護職をやめたくなる理由の多くは、職場の人間関係です。介護職はチームで取り組む仕事が多く、職員間での連携が重要な職業です。
チーム間での考え方の違いや仕事の方針に違いがあると、職員同士でうまく連携がとれずにストレスを感じやすくなり、職場の人間関係に悩んでしまいます。
ちょっとした違和感や小さなストレスも抱え込んでしまうと、気持ちに余裕がなくなり、仕事への意欲が低下してしまいます。
また、職場に当たりが強い職員や言葉遣いが荒い職員がいると人間関係がギクシャクして、介護職が辛いと感じやすくなるでしょう。
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人手不足からくる負担増加
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされています。多くの介護施設で介護職員が足りていない状況です。
人手不足が続くと、一人ひとりの仕事量や負担が増えて体力的に負担を感じやすく、十分な介護ができないと精神的にもキツくなり仕事をやめたくなると考えてしまうでしょう。
また、慢性的な人手不足が続くと思うように休みが取れないことや休日出勤をせざるを得ない状況もあり、ワークライフバランスが崩れてしまいます。
十分な休憩や休暇が取れず、無理をして働いてしまうことで体力的にも精神的にも大きな負担がかかり、介護職をやめたくなる理由になってしまいます。
利用者さんとの関係に起因する悩み
介護施設では、さまざまな性格の利用者さんやいろんな症状を抱えた利用者さんが過ごしている場所です。
そのため、特定の利用者さんとうまくコミュニケーションが取れず、悩んでいる職員も少なくありません。時には無理難題を押し付けられることもあるでしょう。
精一杯仕事をしていても、心ない言葉をいわれたり介護拒否をされたり心を開いてくれないなど、辛い状況に悩まされることも多いです。
本人に悪気がなくても職員にひどい態度をとったり言葉を投げられたり、利用者家族からのクレームや無理難題を突きつけられ、悩みを抱えてしまうことがあります。
介護職は苦手な相手でも接する必要があるので、うまく対応できないことがストレスとなり、やめたくなる理由につながってしまいます。
また、人材不足で利用者さんや利用者家族に向き合える時間が足りず、良好な関係を築くことができないと悩むことがあるようです。
介護職で長く働くメリット
介護職は、職場の人間関係や仕事量の多さ、利用者さんとの関わり方を理由にやめたくなることが多いようです。一方で、介護職を続けるメリットもあります。
大変なことや辛いことが多い介護職ですが、長く続けるメリットも把握しておけば、もう少し頑張ってみようとモチベーションアップにもつながることでしょう。
では、介護職を続けるメリットを紹介します。
給与が上がる
介護職は勤続年数が長くなるほど、給与アップが見込めます。厚生労働省の2022年度 介護従事者処遇状況等調査結果による給与は以下のとおりです。
- 1年:280,550円
- 3年:297,460円
- 5年:305,970円
- 10年:322,990円
- 15年:342,590円
- 20年以上:371,640円
1年目は約280,000円ですが5年勤めると約25,000円も給与が上がり、10年勤めると約42,000円、20年以上勤めれば約91,000円もアップします。
また、長く勤めるとリーダーや管理職などの役職に就く機会も増え、役職手当がプラスされるとさらに給与アップが見込めます。
介護職スキルが上がる
介護職で長く働くメリットには、介護職のスキルアップも考えられます。
介護職は無資格・未経験でも働ける職業ですが、資格取得すればスキルアップも可能です。無資格から資格取得するなら以下の順番で資格取得を目指しましょう。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
- 介護支援専門員(ケアマネジャー)
順を追ってスキルアップすることで、実力をつけながら着実にレベルアップができます。
実務経験が必要になる資格もあるので、継続勤務が長くなるほど、さまざまな資格を取得する機会が増えます。
資格取得していれば給与アップするだけでなく、現場での動き方や利用者さんとの接し方も上達して、業務の幅も広くなります。働きながらキャリアアップを目指せる点も介護職の魅力です。
介護職を長く続けるためのコツ
介護職は利用者さんの生活を支える仕事で、多くのやりがいを感じられる職業です。
しかし、介護職員として働くなかで利用者さんとの関係や職員同士の関係、仕事の進め方など多くの問題や悩みに直面することも少なくありません。
小さな不満やストレスが溜まると、このまま介護職を続けられるか不安に感じることでしょう。
介護職を長く続けている方は、自分に合った働き方を見つけて無理なく働いています。ここでは、介護職を長く続けるための4つのコツを紹介します。
相手に求めすぎない
介護職は、職員間でコミュニケーションを取ることで成り立つ職業です。そのため、チーム間でよく話し合い、仕事の進め方や方針を統一し同じ気持ちを持つことで円滑に仕事が進められます。
ただ、チームのなかには少し合わない人やちょっと違う考え方の人もいます。すべてを否定するのではなく、お互い話し合って、最善のやり方を見つけていくことが大事です。
相手に求めるのではなく、歩み寄って話し合い協力できる関係性を構築していきましょう。
協調性を大切にする
介護職はチームで動く仕事なので、協調性はとても大事です。職員間でコミュニケーションを取ることを心がけて、こまめに情報共有を行うことで、ストレスなく仕事を続けられます。
介護の現場は慢性的な人手不足のため、自然と一人ひとりにかかる負担も大きくなってしまいます。一人で仕事を抱え込まないためにも、周囲と協力してお互いが助け合える関係性を作ることが大事です。
また、介護の現場では職員のほかに医師や看護師など、多岐にわたる職種の人と連携していく仕事でもあります。積極的にコミュニケーションを取り、協力し合える関係値を築いておきましょう。
感情をコントロールできるよう努める
介護職では、理不尽な出来事や嫌な思いをすることも少なくありません。その都度、悲しい気持ちやイライラしてしまうと、仕事に支障をきたすことがあります。
うまく気持ちの切り替えができないと、態度に現れて仕事も丁寧にできず、職員間のコミュニケーションもうまくいかなくなります。
嫌なことやイライラしてしまうのは当然と割り切って、同じことがないように次への反省として気持ちを切り替えましょう。
スッキリした気持ちで仕事をすると心に余裕が生まれて、無理なく仕事が続けられます。
信頼できる人材紹介会社を利用して職場を決める
介護の仕事は好きで続けたいものの今の職場では続けられないと悩んでいる場合は、職場を変えることも検討しましょう。
嫌な気持ちを抱いたまま仕事をしていると、介護職自体が嫌になってしまうことがあります。介護職を続けたい気持ちがあるならば、自分に合った職場を見つけましょう。
自分に合う職場が見つけられれば介護職へのモチベーションも上がり、楽しく仕事ができることでしょう。
よりよい職場に出会えるか不安がある方や職場探しに悩んでいる方は、信頼できる人材紹介会社を利用すると、失敗なく自分に合う職場を見つけられます。
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介護職を続けるためには転職サービスも重要
介護職は利用者さんをはじめ、多くの人と関わる職業です。そのため、嫌なことや理不尽な出来事に遭遇することも多々あります。
上手に気持ちの切り替えを行い、こまめにコミュニケーションを取ることで、円滑な人間関係を構築していきましょう。
ちょっとした気遣いや優しい伝え方に気を付けて、自分の気持ちをうまくコントロールすることで、無理なく介護職を続けられます。
ただ、介護職はチームでの仕事なので職場が合わないと感じる場合や人間関係がよくないと思うなら、職場を変えるのもおすすめです。
転職活動に悩んだらプロのサポートを受けることも大事です。ハッシュタグ転職介護では、自分に合う職場が分からない方も経験豊富な専門アドバイザーが丁寧にサポートし、あなたにぴったりの職場をご提案します。
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