介護職の適性チェックリスト

介護職の適性には、人との関わり方やコミュニケーション、心身が健康でタフであることなどが挙げられます。

介護職は利用者へ介護ケアを提供する職業のため、人と関わることをポジティブに捉えられる方は使命感を持って働くことができるでしょう。

介護職の適性を一つずつ解説します。

人と接することが好き

介護職には、利用者のケアを行う介護士や介護職員、職場を包括する管理職・事務作業を担う職種などさまざまな役割があります。

介護職は、直接・間接を問わず、人を支えるサービス業です。利用者とご家族、同僚のスタッフ・医師・看護師など他職種と円滑にコミュニケーションを取ることも重要な役割です。

人と関わることが好きな方にとって、やりがいのある職業でしょう。

気配りや丁寧な対応ができる

介護職は、介護サービスを提供する仕事のため、人への思いやりや配慮・丁寧な対応ができる方が介護職に向いています。

利用者は、心身に何らかの不自由を抱えている方がほとんどです。身の回りのお世話をする介護職者は、不自由を補ってくれる気配りのできる方がよいでしょう。

コミュニケーション能力が高い

周囲と円滑にコミュニケーションが取れる方は、介護職でその強みを生かせます。

コミュニケーション能力に長けていると、利用者の何気ない会話や表情から小さな心身の不調を察知し、適切なケアが提供できます。

また、介護はチームで行うため、コミュニケーションスキルが円滑な連携に役立つでしょう。

心身が健康でタフ

介護サービスの利用者は、心身の不調を抱えつつ、さまざまな背景や価値観を持つ方々です。

利用者の心身状態の変化によって、感情的な対応をされることや、ご家族との関係が難しくなる場面もあるでしょう。

介護職でも、人間である以上、感情に影響を受けることもあります。人と関わる仕事では感情が揺さぶられることもありますが、気持ちの切り替えが何より大切です。

心身が健康で気持ちの切り替えが得意な方は、介護の現場で力を発揮できます。

向上心がある

介護の場面では、日々新たな経験を積む機会があり、介護に関する知識も常に進歩しています。

介護の知識に加え、医療の知識やコミュニケーションスキルなど、学ぶべき分野は多岐にわたります。

介護職は、介護の知識や技術に対する興味と学ぶ意欲、向上心のある方に適した仕事です。

少し努力を重ねることで、スキルアップし専門性を高めたり介護関連の資格を習得したりと、キャリアアップの道が開けます。

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責任感がある

どの職業にも責任はありますが、介護職は、利用者の命と健康を支える責任の大きな仕事です。介護職の行動一つひとつが、利用者の健康維持に影響を与えます。

利用者が安心して過ごせるよう、責任感を持って取り組める方に向いている仕事でしょう。

【介護施設別】介護職の適性

介護職の活躍する場はさまざまです。介護施設別に特徴も違うため、ご自身の介護職の適性と照らし合わせて職場を検討しましょう。

ここからは、施設ごとの特徴を解説していきます。

介護老人福祉施設

介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）は、要介護度の高い65歳以上の方が、自宅での生活が難しくなった場合に入所する施設です。

利用者の居室は、個室と多床室があり、医師と看護師の配置が義務付けられています。

要介護度の高い方が多いため、入浴・排泄・食事などの日常生活全般の介助を行います。

利用者の状態に応じて機能訓練や医療処置が行われるため、適切な観察が必要な職場です。幅広い介護知識と技術が求められるため、介護職でスキルを磨きたい方に適しています。

また、医師や看護師と連携する機会が多いため、医療的ケアに関心がある方は多くの経験を積める環境です。

介護老人保健施設

介護老人保健施設は、要介護の高齢者に対し、医学管理のもとで介護とリハビリテーションを提供する施設です。退所後の在宅生活が安定するよう、介護や生活支援を提供します。

介護職員のほかに医師・看護師・理学療法士・作業療法士など、多職種が連携して利用者のケアを行います。

利用者の自立を支援し、回復を実感できる介護ケアを提供するため、変化にやりがいを感じる方に適した職場です。

また、多職種と連携して働きたい方や、リハビリテーション期の介護に関心のある方に適した環境です。

グループホーム

グループホームは、一定の介護や支援を必要とする障害のある方を対象に、地域に根差して家庭的な雰囲気のなかで共同生活する施設です。

入居定員は原則10名以下で、少人数で生活します。

一定の介護が必要ですが、施設ではなく地域のなかで暮らしたい方や、いずれ単身生活に移行する前のステップとして入所する方などさまざまな利用者が利用します。

入浴や食事・排泄・家事など生活介助が主な仕事です。少人数制のため、家庭的な環境で利用者一人ひとりにしっかり向き合って介護できるメリットがあります。

利用者ができることが増えるのを見守り援助するのは、介護職でやりがいを感じるところです。介護職員が主体となって利用者に介護ケアを提供したい方には向いています。

訪問介護

訪問介護は訪問介護員（ホームヘルパー）が利用者の自宅を訪問し、食事や入浴、排せつなどの日常生活の支援をする介護サービスです。

洗濯や掃除、調理なども行い、生活全般の家事をお手伝いします。訪問介護員になるには、以下のいずれかの資格や研修を終了している必要があります。

• 介護福祉士
• 実務者研修修了者（450時間）
• 介護職員初任者研修修了者（130時間）
• 生活援助従事者研修修了者（59時間）
• 居住介護または重度訪問介護を提供している者
• 旧介護職員基礎研修修了者（500時間）
• 旧訪問看護員1級課程修了者（230時間）
• 旧訪問介護員2級課程修了者（130時間）

訪問介護員は、基本的に一人で利用者の自宅を訪問し、介護を行います。施設と違い、同僚や多職種とすぐに相談することが難しいため、判断力が求められます。

訪問介護では、利用者の状況に応じた適切な対応が求められます。そのため、必要な資格や研修を受け、知識や技術を身につけることが重要です。

訪問介護は責任の大きい仕事のため、向上心を持って資格習得を目指す方や、責任感のある方に向いている職業です。

デイサービス

デイサービス（通所介護）は、要介護認定を受けた方が、自宅から介護サービス事業所へ日帰りで通い、支援を受けるサービスです。

介護職員のほか、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などの機能訓練指導員が連携しながら働いています。

デイサービスの特徴は、食事・入浴・排泄などの介護支援に加え、心身の健康維持を目的としたレクリエーションが充実している点です。

レクリエーションには、集団で楽しむ活動と、個人で取り組む活動の両方があります。

集団活動では、ボーリングやカードゲームなどのレクリエーションがあり、個人活動ではちぎり絵や塗り絵など座ったままで楽しめるアクティビティが用意されています。

レクリエーションやイベントの企画・引率が多いため、人と関わることが得意な方に向いている職場です。

介護職に向いていない方の特徴

介護職に向いていないとされる特徴について考えてみましょう。

• 相手に合わせたり、人と接するのが苦手
• 気早で感情のコントロールが苦手
• 責任感が希薄
• 臨機応変な対応が苦手
• 体力に不安がある
• 潔癖症

介護職は利用者の心身の健康維持、向上を目的に介護サービスを提供するため、人との関わりが欠かせない仕事です。

介護では、利用者主体の支援が求められるため、ときには自分の感情を抑え利用者の立場に立って気遣うことが重要です。

また利用者には高齢者が多く、医療を必要としている方もいます。急変が起きたときには、臨機応変な対応や責任も求められます。

しかし、一見介護職に向いていない特徴でも、介護の現場で活かせる場面があります。

例えば、マイペースな性格で人と関わるのが苦手な方や感情のコントロールが難しい方は、別の介護職種を検討するとよいでしょう。

利用者を直接支援するのではなく、事務的な仕事などを検討すれば選択肢を広げることができます。

臨機応変な対応や責任感に自信のない方は、一人で判断する業務ではなく、チームで連携する施設勤務を検討するとよいでしょう。

また、排泄や入浴の介助に抵抗がある方や体力に不安がある方は、自立支援型の施設での業務を検討するのも一つの選択肢です。

苦手を逆手に取ることで、不安要素がご自身の強みになるでしょう。介護職を目指す方は、自分に合った働き方や職種を見返し、適した環境を選ぶことが大切です。

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介護職で求められる基本的スキル

介護職で必要なスキルを理解すると、介護職の適性や職場選びにも役立ちます。

基本的な介護スキルや報告・記録、利用者の状態の把握や緊急時の対応などを解説しましょう。

介護サポートの基本的なスキル

介護の現場で求められる基本的なスキルを紹介します。

• 食事介助
• 排泄介助
• 移動支援
• 服薬介助
• 整容の介助
• 入浴介助
• レクリエーション活動や機能訓練支援
• 介護記録の記入
• 施設の清掃や洗濯
• 喀痰吸引と経管栄養（介護福祉士）

施設の種類によって、利用者の要介護度は異なります。要介護度の高い利用者の入所する施設では、上記の介護スキルがほぼすべて必要になるでしょう。

例えば、認知症が進行している方や寝たきりの利用者は食事・排泄・入浴・整容・服薬を自分で行うことが難しくなります。

介護職は、利用者の状態に応じて見守りを行ったり、食べ物をお口に運んで介助したりします。

お口から食事を摂取できない利用者には、経管栄養が必要になるため、介護福祉士などの資格がないと対応できません。介護福祉士の行える医療行為には、吸引器を使用しての喀痰吸引もあります。

排泄介助は、トイレへ誘導・移動介助、おむつ交換などです。介護用の浴槽や椅子などさまざまな介護物品を活用して入浴の介助も行います。

利用者が自分で身だしなみを整えられない場合は、洗顔やお顔を拭いてあげる、食後の歯磨きや髪を整えるなどの支援を行い、快適に過ごせるようサポートします。

また、身体機能や認知機能の維持を目的に、レクリエーションやリハビリで機能訓練を行う施設もあるでしょう。

レクリエーションには、歌や体操・調理や工作などの活動があり、季節を感じるために散歩や行事を取り入れることもあります。

機能訓練は介護保険法の定める機能訓練指導員が行うため、介護職者が補助する場面もあるでしょう。介護職は、直接的な支援に加え、利用者の状態を介護記録に記載します。

施設の清掃や使用した介護用品や利用者の衣類の洗濯など、細かい業務も含まれます。

安全に介護するための知識と技術

心身に障害のある利用者を介護する場合は、安全性への配慮が不可欠です。介護職は、利用者の生活環境を確認し、事故のリスクを事前に察知する力が求められます。

高齢者は、視力が低下し足元が見えにくくなるほか、筋力の衰えや関節の可動域の減少により歩行が不安定になります。

転倒により骨折する場合も少なくなく、入院をきっかけに寝たきりになってしまうリスクも高くなるでしょう。

入浴介助の例として、利用者が椅子に座り、介護者が体を洗う場面を考えてみましょう。

介護者は利用者が背もたれのない椅子でも安定して座れるか、床が滑りやすくなっていないか、浴室やお湯の温度が適切かなどを確認する必要があります。

利用者の状態に合わせて、介護用品を変更したり転倒予防策を講じたり、室温やお湯の温度を調節することが重要です。

利用者の状態を把握する能力

利用者の状態を正確に把握するのは、介護職が適切なケアを提供するためには重要です。

利用者が普段どの程度自立しているのかを把握しておくと、体調や動作の些細な変化にも気づきやすくなります。具体的には以下のような視点が重要です。

• 歩行状態
• 排泄状況
• 食事内容と方法
• 入浴状況
• 整容や着替え
• 生活歴（仕事など）
• 趣味
• 日々の過ごし方
• 既往歴と服薬内容

利用者の生活歴や普段の過ごし方、今後の希望を理解することで、利用者の趣味や希望に寄り添った支援が可能になります。

利用者の一人ひとりのニーズに応じた介護ができるようになります。また、健康情報を把握しておくことも重要です。

特に高齢になると持病のある利用者も多くいます。既往歴と症状、飲んでいる薬を知っておくと、利用者の小さな身体の変化に気付くことができます。

多職種と連携する機会も多く、介護職の心身の観察力は利用者の健康維持にもつながるといっても過言ではありません。

適切に記録・報告をする能力

施設や事業所では、ミーティングなどで利用者の状態や介護の状況などの情報を共有し、個人に合わせた適切な介護を心がけています。

また、申し送りノートや日誌を活用する場合もあるでしょう。アセスメント記録や介護計画の内容、支援での留意点などが共有されます。

また、介護スタッフ間の情報共有だけでなく、利用者のご家族にも状況を伝えることが重要です。

緊急時の対応力

高齢者の現場では、突然の体調悪化が起こることがあります。緊急時には、介護職と医療スタッフが速やかに連携することが求められます。

普段の利用者の様子は介護職がよく理解しています。

いつもと違う様子に気付いたときは、速やかに医師や看護師に報告し、適切な対応を求める判断が重要です。

介護職に適性がないのではと悩んだときの対処法

すでに介護職に就業されている方や介護職の就職を考えている方のなかには、介護職に適性がないのではと悩まれることがあるかもしれません。

不安を抱えたり、仕事への自信をなくしたりしたときは、一度休暇を取り心と身体をリフレッシュすることも大切です。

介護職が向いていないと感じる理由を書き出し、可視化させることで解決策を見つけやすくなります。

仕事内容や職場環境を見直し、仕事の負担を少しでも軽減できる方法など改善できる点を見つけることが大切です。

また、将来のキャリアを考え、サポート体制の整備された職場への転職を検討するのも一つの方法です。

教育体制が整った職場では、スキルを磨きながらキャリアアップを目指すこともできます。介護職の適性は、経験を積み、自分に合った職場環境を見つけることで培われるものです。

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介護職に適性があるか確かめる方法

介護職に就職するにあたって、次のような項目でご自身の適性を客観的に評価する方法もあります。

• 職場見学
• 介護のボランティア活動に参加
• 転職サイトの適性診断テスト
• 人材紹介会社や転職エージェントのアドバイザーへ相談

介護職と施設の種類はさまざまあり、実際に職場を見学してご自身に合う就業環境や将来像をイメージできるか確かめることができるでしょう。

また、身近な区市町村でのボランティアセンターでは、高齢者をはじめ障害のある方やお子さんとの交流やお手伝いなどボランティア活動を実施している場合があります。

介護施設や介護事業所のホームページにボランティアの募集を案内している場合もあるので、体験はご自身の判断に大いに役立つでしょう。

なかなか見学や体験に時間の取れない方は、転職サイトの適性診断テストを活用してもよいかもしれません。

人材紹介会社や転職エージェントのプロの意見を仰ぎ、客観的な意見から新たな発見につながるでしょう。

ハッシュタグ転職介護では、あなたの経験や希望、そして適性を丁寧にヒアリングしたうえで、相性の良い職場を的確にご紹介しています。

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